[ ニューヨーク・クローズアップ ]
耳をすまして静かにすればーー
少しずつ現れるの
掘り出し物よ
ガラクタに命が宿ったような
[ アビゲイル・デビル と 歴史 ]
[ ピール博物館 ザ・コンテンポラリ
(ボルチモア) ]
私の素材は話すというかーー
心を通じて過去と ”会話” してる
歴史って深いし 暗い
全てに影響を及ぼす
この瞬間もね
ロックみたい
材料に少し ひねりを効かせる
空間も同じ
”歴史は勝利の話でしょ?”って
嘘よ
実はゴミの山
ワシントン大統領の ”木の歯” は
奴隷の歯
本当よ
気持ち悪いーー
知りたくない事実なの
[ 猟人形館 (ボルチモア)]
まずは その残虐さ
トラウマになる程
隠蔽されるべき出来事
隠蔽されるのは
奴隷制が廃止できないから
でも 事実は変えられない
それをアートにすることで
物体の ”声” を生かせる
人間は複雑
歴史も同じ
だから私のアートも複雑
国家の栄光を考えたりーー
失われた声を考えたり
つらいことは記録されない
でも 偉人は違うの
全ての過程に関わりーー
国家と神話の形成を作った人々よ
アフリカン・アメリカンの良さはーー
享楽と我慢強さの象徴であること
見えにくいけど
ある意味 ”変” な作品は面白いわ
[ ”ザ・ニューマイグレーション”
ニューヨーク市内ハーレム ]
[ 歌唱およびパーカッション ]
とても自然よ
大抵ゲリラ演奏だし
突然始まるの
いつ起こるか分からない
[ 歌唱 ]
演奏団のきっかけ?
移民の集団よ
でも 俺は違うね
違う?
なにが違うって?
知らねえ
考えなさい
分かった
40年代から70年代は
移民の大ラッシュ
6百万のアフリカン・アメリカンがーー
良い暮らしを夢見て来たの
今を見てごらん
逆に国民間での問題が増加
富裕国にも差別は存在した
差別ありきの社会だった
[ 音楽 ]
[ ”ザ・ニューマイグレーション”
ワシントンD.C. アナコスティア ]
引きずったりーー
素足で歩いたり
足って 縁の下の力持ち
歴史の重さと似てる
それが大事だと思ったの
誰も知らない黒人の苦役
[ 音楽 ]
[ 音楽 ]
キング牧師の最後のスピーチによると
”星は暗黒の中でしか見えない”
それで開き直ったの
愛が力に思えて
憎しみよりもパワフルだから
嫌うことって疲れるでしょ
愛は星になってーー
導いてくれるーー
どんな人にとっても