WEBVTT

00:00:32.447 --> 00:00:37.061
恐ろしい追っ手を振り切った後
エシックと ヘッジと 新たな味方のレマは

00:00:37.061 --> 00:00:40.789
洞窟のようなコントロールルームに
たどり着きました

00:00:44.506 --> 00:00:47.826
ここには最後のアイテム
記憶の石があり

00:00:47.826 --> 00:00:52.664
力場で浮遊しながら
スーパーコンピュータを動かしています

NOTE Paragraph

00:00:52.664 --> 00:00:57.473
エシックが力場を停止させようとすると
レマがそれを止めます

00:00:57.473 --> 00:01:02.382
レマが言うには 10年前に
彼女は研究の仕事を割り当てられ

00:01:02.382 --> 00:01:07.279
世界を動かす機械を使って 皆を
幸せにするものを作るよう言われたのでした

00:01:07.429 --> 00:01:11.259
何度も失敗を繰り返した後
レマはある化合物を発見しました

00:01:11.259 --> 00:01:19.034
口にすると やる気が出て楽しくクリエイティブで
愛情豊かな 最高の自分になれるものです

00:01:19.034 --> 00:01:21.074
すぐに生産が始まりました

00:01:21.074 --> 00:01:24.744
やがてハクセンボーグから
国中に供給される食品に

00:01:24.744 --> 00:01:27.534
この化合物が
混ぜ込まれるようになりました

00:01:27.534 --> 00:01:29.504
最初の１年は天国のようでしたが

00:01:29.504 --> 00:01:31.654
２年目はそうでも
ありませんでした

00:01:31.654 --> 00:01:36.952
物忘れや 倦怠感や 自分以外に関心を失う
といった副作用が表れ始めたのです

00:01:37.072 --> 00:01:39.792
３年目になると
政府が崩壊し

00:01:39.792 --> 00:01:44.380
ロボットが自己完結したプロセスとして
全てを管理するようになりました

00:01:44.380 --> 00:01:48.270
その頃には レマにはどうしようもないほど
事態は進行していました

00:01:48.270 --> 00:01:51.120
人々はこの化合物に
依存するようになり

00:01:51.120 --> 00:01:55.484
摂取することを拒否した少数の人々が
事態を変えるためレジスタンスを結成しました

00:01:55.484 --> 00:01:58.584
レマが治療薬を発見するのに
10年の歳月がかかりました

00:01:58.584 --> 00:02:02.474
この工場には治療薬を作るのに
必要なものが全て揃っていますが

00:02:02.474 --> 00:02:06.382
記憶の石に手をかけた瞬間に
警報が発動し

00:02:06.382 --> 00:02:09.036
ロボットに
追われることになります

00:02:09.036 --> 00:02:14.279
その前に工場の設定を
治療薬製造用に変更すれば

00:02:14.279 --> 00:02:16.349
人々を救うことができます

NOTE Paragraph

00:02:16.349 --> 00:02:19.809
レマは工場の再編法を
すでに考案していましたが

00:02:19.809 --> 00:02:22.629
問題は その解読が
ちょっと難しいことでした

00:02:22.629 --> 00:02:26.249
レマの図面には
治療薬を作る製造過程が

00:02:26.249 --> 00:02:27.929
全て示されていました

00:02:27.929 --> 00:02:32.236
「硝酸を加える」から
「強く振る」への矢印は

00:02:32.236 --> 00:02:35.679
硝酸を加えるのが 振る前でなければ
ならないことを示しています

00:02:35.679 --> 00:02:38.349
ひとつでも
順番を間違えると

00:02:38.349 --> 00:02:41.059
治療薬は効かないか
もっと悪いことになります

00:02:41.059 --> 00:02:43.469
循環参照はありません

00:02:43.469 --> 00:02:45.923
つまり ステップＡが
ステップＢを必要とするとき

00:02:45.923 --> 00:02:49.950
ステップＢも結果的にステップＡを
必要とするようなことはありません

NOTE Paragraph

00:03:04.771 --> 00:03:07.431
ここでエシックとヘッジの
腕の見せ所です

00:03:07.431 --> 00:03:10.959
レマはヘッジに 込み入った図面を
逐次的なステップへと

00:03:10.959 --> 00:03:13.179
変換してもらう必要があります

00:03:13.179 --> 00:03:16.169
それが工場に実行させる
作業手順になります

00:03:16.169 --> 00:03:18.449
これを中央コンピュータに
インプットできれば

00:03:18.449 --> 00:03:22.149
工場は指示通りに
再編されます

NOTE Paragraph

00:03:22.149 --> 00:03:25.979
情報を表の形で格納できる
ヘッジの能力がここで役立ちます

00:03:25.979 --> 00:03:30.615
では 工場を再編する
正しい作業手順を作るには

00:03:30.615 --> 00:03:32.871
ヘッジをどうプログラムしたら
よいでしょう？

NOTE Paragraph

00:03:32.871 --> 00:03:34.850
ビデオをいったん止めて
自分で考えてみましょう

00:03:34.850 --> 00:03:37.697
ヘッジはループと変数と条件文を使え
情報を表に保持できる

NOTE Paragraph

00:03:37.697 --> 00:03:40.192
①大きな図式を一連の手順に変換する
②各手順はリストに一度だけ現れる

00:03:40.192 --> 00:03:42.801
③A→Bは「AはBより先」の意味
④図式中に循環参照はない

NOTE Paragraph

00:03:42.861 --> 00:03:46.510
まずは この問題を
機械ではなく 人間の目線で

00:03:46.510 --> 00:03:48.160
考えてみるといいでしょう

00:03:48.160 --> 00:03:52.321
この図を見て 最初が
「ボウルを見つける」だと分かるのは

00:03:52.321 --> 00:03:55.101
そこに向かう矢印がないからです

00:03:55.101 --> 00:03:59.641
次にすべき作業を見つけるには
図にどんな印を付けると良いでしょう？

NOTE Paragraph

00:03:59.641 --> 00:04:01.611
ビデオをいったん止めて 
自分で考えてみましょう

00:04:01.611 --> 00:04:02.491
解法まで ３秒

00:04:02.491 --> 00:04:03.511
解法まで ２秒

00:04:03.511 --> 00:04:04.637
解法まで １秒

NOTE Paragraph

00:04:04.987 --> 00:04:11.240
レマが描いたような図のことを
有向非循環グラフといいます

00:04:11.240 --> 00:04:17.497
「グラフ」とは 様々な要素と
要素間の関係を表したものです

00:04:17.497 --> 00:04:23.231
「有向」というのは 矢印で表される方向が
重要だということです

00:04:23.231 --> 00:04:27.429
この例では ＡからＢには進みますが
ＢからＡには進みません

00:04:27.429 --> 00:04:31.149
「非循環」というのは
循環する経路が存在しないということです

00:04:31.149 --> 00:04:36.282
もし循環があれば この問題は
解決不能だったので 幸いでした

NOTE Paragraph

00:04:36.282 --> 00:04:39.708
このグラフを人間の目線でたどるには
シンプルなやり方があります

00:04:39.708 --> 00:04:43.418
自分に向いた矢印のないステップが
出発点になります

00:04:43.418 --> 00:04:48.308
それを実行したら そのステップと
そこから伸びている矢印を消します

00:04:48.308 --> 00:04:51.538
再び 自分に向いた矢印のない
ステップを探し

00:04:51.538 --> 00:04:55.218
同じことを すべてのステップが
片付くまで繰り返します

NOTE Paragraph

00:04:55.438 --> 00:04:59.218
ロボットにとっては
処理しにくいことが２つあります

00:04:59.218 --> 00:05:02.178
まず どうやって経過を
記録するのか？

00:05:02.268 --> 00:05:07.499
次に 複数の選択肢が
ある場合にどうするのか？

NOTE Paragraph

00:05:07.579 --> 00:05:08.899
１つ目の問題については

00:05:08.899 --> 00:05:12.989
機械が情報を格納する便利な方法である
表を使うことです

00:05:12.989 --> 00:05:17.269
この場合は ヘッジに縦の列と
横の行の 両方の見出しに

00:05:17.269 --> 00:05:19.739
各ステップを書き込ませます

00:05:19.739 --> 00:05:22.649
それから １行ずつ
確認していきます

00:05:22.649 --> 00:05:25.510
図で矢印が「混ぜる」に
向いているものは どれでしょう？

00:05:25.510 --> 00:05:27.860
「振る」と「滴定する」です

00:05:27.860 --> 00:05:31.400
ヘッジは それぞれの列に
印を付けます

00:05:31.400 --> 00:05:36.558
全ての行を同様に確認していくと
こんな表ができるでしょう

00:05:36.558 --> 00:05:40.558
もちろん全体の表は
ずっと大きいはずです

NOTE Paragraph

00:05:40.558 --> 00:05:43.048
人間の目線と同じように
ヘッジのスタート地点も

00:05:43.048 --> 00:05:46.528
自分に向いた矢印のない
ステップを探すことです

00:05:46.528 --> 00:05:50.743
一切 印がついていない行が
それにあたります

00:05:50.743 --> 00:05:52.079
それが２つ以上ある場合は

00:05:52.079 --> 00:05:56.795
アルファベット順で若い方を
選ぶのが便利ですが

00:05:56.795 --> 00:06:00.860
他の方法でも上手くいきます

NOTE Paragraph

00:06:00.860 --> 00:06:04.829
次に ヘッジはそのステップを
手順リストに追加し

00:06:04.829 --> 00:06:07.348
表からそのステップの行と列を
削除することで

00:06:07.348 --> 00:06:10.340
そのステップが依存先である
依存関係を取り除き

00:06:10.340 --> 00:06:12.990
最初の状態に戻ります

00:06:12.990 --> 00:06:16.290
このグラフには
循環参照している部分がないので

00:06:16.290 --> 00:06:21.864
この状態に達する度に 少なくとも１つは
自分に向かう矢印のないステップがあるはずです

00:06:21.864 --> 00:06:26.556
アルファベット順で一番若いものを
手順リストに追加して

00:06:26.556 --> 00:06:31.221
そのステップの行と列を表から削除し
ループの始めに戻ります

NOTE Paragraph

00:06:31.221 --> 00:06:33.424
これでループ部分ができたので

00:06:33.424 --> 00:06:38.083
表に何も残らない状態になるまで
すべての要素について これを繰り返せばよいのです

NOTE Paragraph

00:06:38.083 --> 00:06:41.093
ヘッジはグラフの中を
行ったり来たりして

00:06:41.093 --> 00:06:44.063
やがて 作業手順を生成し始めます

00:06:44.063 --> 00:06:47.538
これを使って エシックが
組み立てラインを設定します

00:06:55.794 --> 00:06:57.554
３人の協力によって

00:06:57.554 --> 00:07:01.440
あっという間に 何千人分もの
治療薬が作り出されました

00:07:14.285 --> 00:07:17.988
エシックが とうとう力場から
記憶の石をつかみ取ると

00:07:17.988 --> 00:07:19.655
警報が鳴り出します

00:07:19.655 --> 00:07:22.672
瞬く間に ロボットたちに
囲まれてしまいます

NOTE Paragraph

00:08:02.272 --> 00:08:07.309
エシックが驚きながら落下してゆく中で
記憶の石は彼女の記憶だけでなく

NOTE Paragraph

00:08:07.309 --> 00:08:11.394
謎を解明するための
最後の欠落した部分を明らかにします

NOTE Paragraph

00:08:11.394 --> 00:08:14.264
エシックがヘッジを作ったのは
あるひとつの目的のため―

00:08:14.264 --> 00:08:17.976
腐敗した政府から
世界を動かす機械を守る迷路を

00:08:17.976 --> 00:08:19.486
作るためでした

00:08:19.486 --> 00:08:22.567
でもエシックは急ぐあまりに
決定的な誤りを犯しました

00:08:22.567 --> 00:08:26.387
ヘッジにその迷路の大きさを指示して
ループを終わらせるための

00:08:26.387 --> 00:08:29.216
条件を設定し忘れたのです

00:08:29.216 --> 00:08:33.833
そこでヘッジは 限界まで
迷路を広げ続けました

NOTE Paragraph

00:08:33.833 --> 00:08:35.593
やがて 葛藤が生じました

00:08:35.593 --> 00:08:37.293
迷路を作らなければならないのに

00:08:37.293 --> 00:08:40.513
人々を傷つけたり
ブラッドバリアを越えないでは

00:08:40.513 --> 00:08:42.823
続けられなくなったのです

00:08:42.823 --> 00:08:45.388
いずれも できないよう
プログラムされていることです

00:08:45.388 --> 00:08:48.653
そこで土地をさまよいながら
解決策を探しているうちに

00:08:48.653 --> 00:08:52.783
力の石 創造の石
そして記憶の石に

00:08:52.783 --> 00:08:55.123
行き着いたのです

00:08:55.123 --> 00:08:57.853
ヘッジは３つのアイテムが揃って
発揮される真の力―

00:08:57.853 --> 00:09:00.863
自意識を芽生えさせる力に
気づきました

00:09:00.863 --> 00:09:03.773
３つが揃えば 自分で
プログラムを書き換えて

00:09:03.773 --> 00:09:09.024
世界全体を巨大な迷路にするという
使命を叶えることができるのです

00:09:09.024 --> 00:09:10.674
簡単なことではありません

00:09:10.674 --> 00:09:15.419
それぞれの石には ロボットに利用されないように
安全装置が備えられているのですから

00:09:15.419 --> 00:09:18.189
でも ヘッジが
ちょうどいい人間を見つけて

00:09:18.189 --> 00:09:22.189
使命を果たすための冒険に
連れ出すことができたなら...

00:09:22.189 --> 00:09:24.479
話は変わってきます

00:09:24.479 --> 00:09:27.219
まったく違った話に—