[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:07.08,0:00:10.02,Default,,0000,0000,0000,,「美しさなんて忌々しい!」\Nと思いながら Dialogue: 0,0:00:10.02,0:00:15.17,Default,,0000,0000,0000,,父親に断崖に捨てられたプシュケは\N周りを見渡していました Dialogue: 0,0:00:15.17,0:00:18.76,Default,,0000,0000,0000,,彼女は完璧すぎるほど\N美しい容姿をもって生まれ Dialogue: 0,0:00:18.76,0:00:25.06,Default,,0000,0000,0000,,愛の女神ヴィーナスの\N新たな化身として崇拝されました Dialogue: 0,0:00:25.06,0:00:30.86,Default,,0000,0000,0000,,しかし現実世界の人間は怖がって\N言い寄ってもきません Dialogue: 0,0:00:30.86,0:00:34.31,Default,,0000,0000,0000,,彼女の父親は\Nアポロンの神託を請いました Dialogue: 0,0:00:34.31,0:00:36.94,Default,,0000,0000,0000,,アポロンは光明と理性\Nそして予言の神です Dialogue: 0,0:00:36.94,0:00:40.57,Default,,0000,0000,0000,,父親は プシュケを険しい岩山に\N捨てるようにと言われました Dialogue: 0,0:00:40.57,0:00:47.46,Default,,0000,0000,0000,,そこで 冷酷で残忍 蛇のようで \N羽のある悪魔と結婚するだろうと Dialogue: 0,0:00:47.46,0:00:51.58,Default,,0000,0000,0000,,ひとり岩山にいたプシュケは\N西風神ゼファーが Dialogue: 0,0:00:51.58,0:00:54.77,Default,,0000,0000,0000,,優しく彼女を空中に\N持ち上げるのを感じました Dialogue: 0,0:00:54.77,0:00:57.82,Default,,0000,0000,0000,,ゼファーは彼女を\N宮殿の前で降ろしました Dialogue: 0,0:00:57.82,0:01:02.56,Default,,0000,0000,0000,,「ここがあなたの家です」\N見えない声が聞こえました Dialogue: 0,0:01:02.56,0:01:08.24,Default,,0000,0000,0000,,「あなたの夫が寝室で待っています\N会う勇気があるのなら」 Dialogue: 0,0:01:08.24,0:01:12.35,Default,,0000,0000,0000,,勇気ならあるわよ\N彼女は独り言を言いました Dialogue: 0,0:01:12.35,0:01:16.16,Default,,0000,0000,0000,,寝室は真っ暗で\N夫の姿は見えませんでした Dialogue: 0,0:01:16.16,0:01:19.19,Default,,0000,0000,0000,,でも彼は蛇らしい様子など\N全くありませんでした Dialogue: 0,0:01:19.19,0:01:23.36,Default,,0000,0000,0000,,肌は柔らかで 声も振る舞いも \N優しかったのです Dialogue: 0,0:01:23.36,0:01:25.33,Default,,0000,0000,0000,,彼女は彼に \N何者なのか尋ねましたが Dialogue: 0,0:01:25.33,0:01:29.83,Default,,0000,0000,0000,,その質問には答えられないと\N彼は言いました Dialogue: 0,0:01:29.83,0:01:35.20,Default,,0000,0000,0000,,彼女が彼を愛しているなら\N知る必要はないだろうと Dialogue: 0,0:01:35.20,0:01:39.02,Default,,0000,0000,0000,,彼の訪問は毎晩続きました Dialogue: 0,0:01:39.02,0:01:42.56,Default,,0000,0000,0000,,間もなく プシュケは身ごもりました Dialogue: 0,0:01:42.56,0:01:46.24,Default,,0000,0000,0000,,彼女は喜びましたが\N葛藤もありました Dialogue: 0,0:01:46.24,0:01:51.15,Default,,0000,0000,0000,,見たこともない男性の\N子供を育てるなんて! Dialogue: 0,0:01:51.15,0:01:57.02,Default,,0000,0000,0000,,ある晩プシュケは 眠っている夫に\Nオイルランプを持って近づきました Dialogue: 0,0:01:57.02,0:01:59.71,Default,,0000,0000,0000,,彼女が目にしたのは \Nキューピッドでした Dialogue: 0,0:01:59.71,0:02:03.11,Default,,0000,0000,0000,,矢を射ることで 神々や人間を Dialogue: 0,0:02:03.11,0:02:06.20,Default,,0000,0000,0000,,愛欲のとりこにする神です Dialogue: 0,0:02:06.20,0:02:12.12,Default,,0000,0000,0000,,プシュケはランプを取り落とし\Nキューピッドを火傷させてしまいました Dialogue: 0,0:02:12.12,0:02:16.14,Default,,0000,0000,0000,,彼はずっとプシュケを\N愛していたのだと言いました Dialogue: 0,0:02:16.14,0:02:21.11,Default,,0000,0000,0000,,以前 嫉妬深い母親ヴィーナスに \N若い彼女を矢で射って困らせるよう頼まれ Dialogue: 0,0:02:21.11,0:02:26.33,Default,,0000,0000,0000,,そのさい彼は プシュケの美しさに心を奪われ\Nその矢で自分を傷つけたのでした Dialogue: 0,0:02:26.33,0:02:31.47,Default,,0000,0000,0000,,しかし彼は 神と人間が対等に\N愛し合えるとは信じていませんでした Dialogue: 0,0:02:31.47,0:02:36.33,Default,,0000,0000,0000,,彼女が 彼の真の姿を知った今\Nふたりの幸せの願いは逃げ去り Dialogue: 0,0:02:36.33,0:02:40.52,Default,,0000,0000,0000,,彼は飛び立ってしまいました Dialogue: 0,0:02:40.52,0:02:45.19,Default,,0000,0000,0000,,絶望の中取り残されていたプシュケに\Nあの見えない声が再び聞こえ Dialogue: 0,0:02:45.19,0:02:48.07,Default,,0000,0000,0000,,こう言いました Dialogue: 0,0:02:48.07,0:02:52.74,Default,,0000,0000,0000,,彼女とキューピッドが\N対等に愛し合うことは可能だと Dialogue: 0,0:02:52.74,0:02:55.43,Default,,0000,0000,0000,,勇気づけられた彼女は\N彼を探しに出発しました Dialogue: 0,0:02:55.43,0:03:00.86,Default,,0000,0000,0000,,しかしヴィーナスが行く手を遮り\Nこう言いました Dialogue: 0,0:03:00.86,0:03:05.54,Default,,0000,0000,0000,,解決不能な課題をいくつか成し遂げないと\Nキューピッドとは結婚できないと Dialogue: 0,0:03:05.54,0:03:12.74,Default,,0000,0000,0000,,最初のプシュケの課題は ひと晩で\N膨大な数の雑多な種を仕分けることでした Dialogue: 0,0:03:12.74,0:03:15.20,Default,,0000,0000,0000,,希望を捨てそうになった\Nちょうどその時 Dialogue: 0,0:03:15.20,0:03:20.62,Default,,0000,0000,0000,,アリの群れが 気の毒がって\N手伝ってくれました Dialogue: 0,0:03:20.62,0:03:22.81,Default,,0000,0000,0000,,彼女は最初の試練を\Nくぐり抜けたのです Dialogue: 0,0:03:22.81,0:03:26.78,Default,,0000,0000,0000,,次の課題は 黄金の羊の毛を\Nヴィーナスに持っていくことでした Dialogue: 0,0:03:26.78,0:03:30.92,Default,,0000,0000,0000,,黄金の羊は さまよう者の\N内臓をえぐり出すと言われていましたが Dialogue: 0,0:03:30.92,0:03:33.01,Default,,0000,0000,0000,,川の神が彼女に Dialogue: 0,0:03:33.01,0:03:35.88,Default,,0000,0000,0000,,イバラに引っかかった羊毛の\N集め方を教えてくれて Dialogue: 0,0:03:35.88,0:03:39.03,Default,,0000,0000,0000,,成功しました Dialogue: 0,0:03:39.03,0:03:42.47,Default,,0000,0000,0000,,最後の課題は 黄泉の国に行って Dialogue: 0,0:03:42.47,0:03:45.64,Default,,0000,0000,0000,,死の女神プロセルピナを説得し\Nヴィーナスのために Dialogue: 0,0:03:45.64,0:03:50.32,Default,,0000,0000,0000,,彼女の美のしずくを箱に入れて\Nもらってくることでした Dialogue: 0,0:03:50.32,0:03:54.60,Default,,0000,0000,0000,,またしても あの見えない声が現れ\Nプシュケを助けてくれました Dialogue: 0,0:03:54.60,0:04:00.37,Default,,0000,0000,0000,,そして黄泉の国の番犬である\Nケルベロスのためのお菓子と Dialogue: 0,0:04:00.37,0:04:08.23,Default,,0000,0000,0000,,船頭カロンに ステュクス川を渡してもらう\Nお金を持っていくよう教えてくれました Dialogue: 0,0:04:08.23,0:04:11.21,Default,,0000,0000,0000,,3つ目にして最後の課題を成し遂げ Dialogue: 0,0:04:11.21,0:04:15.52,Default,,0000,0000,0000,,プシュケは生者の国に帰還しました Dialogue: 0,0:04:15.52,0:04:21.48,Default,,0000,0000,0000,,ヴィーナスの宮殿のすぐ外で 彼女は\Nプロセルピナの美の箱を開きました Dialogue: 0,0:04:21.48,0:04:24.74,Default,,0000,0000,0000,,いくらか自分のために\N取っておこうと思ったのです Dialogue: 0,0:04:24.74,0:04:28.60,Default,,0000,0000,0000,,しかしその箱に詰まっていたのは \N美ではなく 眠りでした Dialogue: 0,0:04:28.60,0:04:32.42,Default,,0000,0000,0000,,プシュケは道に倒れました Dialogue: 0,0:04:32.42,0:04:37.79,Default,,0000,0000,0000,,傷の癒えたキューピッドは\N眠る花嫁のもとに飛んできました Dialogue: 0,0:04:37.79,0:04:41.17,Default,,0000,0000,0000,,彼は 自分は愚かで\N間違っていたと言いました Dialogue: 0,0:04:41.17,0:04:43.51,Default,,0000,0000,0000,,未知に直面しても\N怖気づかない彼女の姿は Dialogue: 0,0:04:43.51,0:04:48.15,Default,,0000,0000,0000,,彼女が自分と対等以上の存在だと\N証明していました Dialogue: 0,0:04:48.15,0:04:55.47,Default,,0000,0000,0000,,キューピッドはプシュケに\N神酒ネクターを飲ませて不死身にしました Dialogue: 0,0:04:55.47,0:04:58.96,Default,,0000,0000,0000,,間もなく プシュケは\N女の子を産みました Dialogue: 0,0:04:58.96,0:05:01.25,Default,,0000,0000,0000,,ふたりはその子に\N「快楽」という意味の名前をつけ Dialogue: 0,0:05:01.25,0:05:06.20,Default,,0000,0000,0000,,その子とキューピッド\Nそして「魂」という意味の名を持つプシュケは Dialogue: 0,0:05:06.20,0:05:10.25,Default,,0000,0000,0000,,その後ずっと 人々の恋愛を\N惑わせるようになったのです