WEBVTT 00:00:07.184 --> 00:00:08.708 ムチのようなストロー 00:00:08.708 --> 00:00:11.045 強く砕くハサミ 00:00:11.045 --> 00:00:12.935 先のとがった針 00:00:13.605 --> 00:00:17.079 世界中では約1億種類の昆虫が 存在が知られていますが 00:00:17.079 --> 00:00:20.821 多くの昆虫は たった5種類の口の どれかを持っています 00:00:20.821 --> 00:00:23.058 このことは とても科学者の 役に立っているのです 00:00:23.058 --> 00:00:26.003 科学者が見たことのない 昆虫を発見した時 00:00:26.003 --> 00:00:29.284 昆虫の食べ方を見るだけで 多くのことを知ることができるからです NOTE Paragraph 00:00:30.074 --> 00:00:33.349 科学的な分類法 つまり「分類学」では 00:00:33.349 --> 00:00:37.095 全ての生物は 7つの階級に分類されます 00:00:37.255 --> 00:00:38.513 界(かい) 00:00:38.513 --> 00:00:39.414 門(もん) 00:00:39.414 --> 00:00:40.558 綱(こう) 00:00:40.558 --> 00:00:41.563 目(もく) 00:00:41.563 --> 00:00:42.595 科(か) 00:00:42.595 --> 00:00:43.696 属(ぞく) 00:00:43.696 --> 00:00:45.055 種(しゅ) 00:00:45.115 --> 00:00:50.941 昆虫の口の特徴は どの「目」に 属するかを見分けるカギとなり 00:00:50.941 --> 00:00:56.431 成長過程や 何を餌にするかの ヒントになります NOTE Paragraph 00:00:56.431 --> 00:00:58.973 噛む口の形は 最もよく見られるものです 00:00:58.973 --> 00:01:00.503 そして 最も原始的でもあります 00:01:00.503 --> 00:01:04.225 他の口の形は何れも このような形から始まり 00:01:04.225 --> 00:01:06.565 何か異なるものへと 進化していったと考えられています 00:01:06.565 --> 00:01:09.647 この はさみのような 特徴は大あごと呼ばれ 00:01:09.647 --> 00:01:13.832 内側に歯が付いていて 例えば 葉や他の昆虫などの固形物を 00:01:13.832 --> 00:01:16.215 噛み砕きます 00:01:16.215 --> 00:01:19.894 この口の形は ハチ目のアリや 00:01:19.894 --> 00:01:22.909 バッタ目のバッタやコオロギ 00:01:22.909 --> 00:01:25.589 トンボ目のトンボ 00:01:25.589 --> 00:01:28.657 甲虫目のカブトムシに見られます NOTE Paragraph 00:01:28.657 --> 00:01:34.321 刺すような吸い口は クチバシという長いチューブからなります 00:01:34.321 --> 00:01:37.210 これを植物や動物の 組織に突き刺し 00:01:37.210 --> 00:01:39.997 樹液や血液を吸い上げます 00:01:39.997 --> 00:01:43.075 また 消化酵素を含む 唾液を分泌し 00:01:43.075 --> 00:01:45.850 食べ物を液化し 吸い込みやすくします 00:01:45.850 --> 00:01:50.103 カメムシ目に属する昆虫は この吸い口を持っています 00:01:50.103 --> 00:01:51.403 トコジラミ 00:01:51.403 --> 00:01:52.271 セミ 00:01:52.271 --> 00:01:53.056 アブラムシ 00:01:53.056 --> 00:01:54.546 ヨコバイなどを含む仲間です NOTE Paragraph 00:01:54.546 --> 00:01:55.819 サイフォンのように吸う口は 00:01:55.819 --> 00:01:58.602 刺して吸いとる口から 敵意をなくしたタイプです 00:01:58.602 --> 00:02:03.139 これは吻(ふん)と呼ばれる 長いホースのようなものでできていて 00:02:03.139 --> 00:02:06.355 花の蜜をストローのようにして 吸うのに使います 00:02:06.355 --> 00:02:08.534 チョウ目に属する昆虫で 00:02:08.534 --> 00:02:10.204 蝶々や蛾は 00:02:10.204 --> 00:02:13.681 食事の時以外は 吻を頭の下に 00:02:13.681 --> 00:02:14.682 巻き持っています 00:02:14.682 --> 00:02:18.674 そして 甘い蜜に近づいた 時に伸ばします NOTE Paragraph 00:02:18.674 --> 00:02:21.258 スポンジのような口は 別のホースを持ち 00:02:21.258 --> 00:02:23.935 2つのスポンジ質の 丸いものが先端にあり 00:02:23.935 --> 00:02:27.564 偽器官と呼ばれる 細いチューブが詰まっています 00:02:27.564 --> 00:02:30.683 偽器官は 酵素で満たされた 唾液を分泌し 00:02:30.683 --> 00:02:35.084 液体を吸収し 毛管作用によって 食べ物を分解します 00:02:35.084 --> 00:02:36.469 イエバエ 00:02:36.469 --> 00:02:37.570 ショウジョウバエ 00:02:37.570 --> 00:02:40.573 ハエ目に属する その他の噛まないハエなどは 00:02:40.573 --> 00:02:43.373 この方法を使う 唯一の昆虫です 00:02:43.373 --> 00:02:44.736 しかし 例外もあります 00:02:44.736 --> 00:02:46.763 ハエ目の中にも 噛むものがいます 00:02:46.763 --> 00:02:47.834 例えば 蚊や 00:02:47.834 --> 00:02:48.676 ウシアブ 00:02:48.676 --> 00:02:49.750 メクラアブなどで 00:02:49.750 --> 00:02:54.251 スポンジのような口ではなく 刺して吸う口を持っています NOTE Paragraph 00:02:54.251 --> 00:02:58.564 最後の 噛んで舐める口は 大あごと吻のコンビで 00:02:58.564 --> 00:03:01.789 吻の先端には 舌のようなものが付いていて 00:03:01.789 --> 00:03:03.365 蜜を舐める時に使います 00:03:03.365 --> 00:03:05.115 このタイプにある 00:03:05.115 --> 00:03:08.626 大あご自体は 食べる為には使いません 00:03:08.626 --> 00:03:12.374 ハチ目の仲間のハチやスズメバチが 00:03:12.374 --> 00:03:17.162 花粉採集や蜜ロウで巣を作る 道具として使います NOTE Paragraph 00:03:17.162 --> 00:03:20.574 もちろん 自然の中には この法則に反した昆虫もいます 00:03:20.574 --> 00:03:23.508 例えば 幼虫と成虫では 00:03:23.508 --> 00:03:27.107 全く違う口を持つ者もいます 00:03:27.107 --> 00:03:30.510 例えば 毛虫は噛む口で ムシャムシャと葉を食べますが 00:03:30.510 --> 00:03:33.460 サイフォンのような 吸い口を持った蝶々や蛾に 00:03:33.460 --> 00:03:35.274 羽化する前までです NOTE Paragraph 00:03:35.274 --> 00:03:38.449 それでも 尚 口の形からわかることは多く 00:03:38.449 --> 00:03:41.930 科学者 そして皆さんが昆虫を 見分けるのにも役立ちます 00:03:41.930 --> 00:03:43.852 虫眼鏡を取り出して 00:03:43.852 --> 00:03:47.051 どんな昆虫が 畑の葉を食べているのか 00:03:47.051 --> 00:03:48.255 腕を刺しているのか 00:03:48.255 --> 00:03:50.251 耳のそばを飛んでいるのかを 調べてみませんか?