ある憂鬱な真夜中 俺はクタクタで疲れ切ったこの男にラップをぶつけ 強弱格で首を絞め 流した涙で頬を濡らさせるのだ 貴様は分かっていない 俺が誰もを恐怖に陥れる文豪だということを 貴様が俺に 追いつくことなど出来るものか 貴様の物語に書かれる怖さは ビバリー・クリアリー並みだ ブラム・ストーカーもどきが 舞台は終わった 消えるがいい 貴様の韻は未完成 ポーの詩は最強 俺は洞穴の中で 怒りにむせび泣きながら物語を書いた 俺の告げ口心臓が墓場で脈打つ一方 貴様はくだらない物語をページに書き続けているだけだ 執筆について語りたいのかい このゴス野郎 ホットトピックにでも行って衣装買えば 鬱病でアル中の笑い者め 僕のラップは あんたのラップに圧勝するね ブスっとした詩人は 薬物中毒 僕は創作に浸りまくりの仕事中毒 僕には熱心なファンがたくさんいて 全員をゾクゾクさせる 悔しくって嘆かわしいだろ 逃げた方がいいよ ポーさんそっちは肥溜めだ 僕は狂犬 輝く牙を持った クージョ あんたをノックダウンするよ きっと立ち上がれはしない ヤワな 『カンフー・パンダ』のポーみたいなあんたは どんどん積まれる 僕の執筆が 生み出す恐ろしい 数の本と印税の山を見たことがあるかい 作風だって お決まりのスタイルと変えることが出来る 書いたのが『ショーシャンクの空に』と『グリーンマイル』 『赤死病の仮面』? 全然怖くないね 『落とし穴と振り子』? 全然ドキドキしない あんた義姉妹の 13歳の女の子と結婚したんでしょ 現代じゃそっちの方が怖いんだよねぇ スティーヴン貴様のホラーは見せかけだ 俺の人生は不幸の連続 悲惨、貧困、家族の死 貴様の人生は見え見えで平凡だ 『チャペル・ショー』や『シンプソンズ』に出演する貴様なんぞ たとえ貴様が武装しても 逃げた方が身のためだ 相手がホラーの頂点に立つ大文豪ならな 一分かそこらで貴様なんぞ 殴り 切り刻み 床板の下に隠してやる 床板に向かって喋るのかい あんた最悪なこと言うね 大学は退学になったくせに ラップはドロップアウトできない 時間は有効に使うべきだよ 8小節有れば 僕にはベストセラー一冊書く時間ぐらい充分あるんだ 多作な僕が こんなイカれた小悪魔に悩まされるはずがない 殴り飛ばしてやろうか 叩き潰してやるぞ 分厚く大きな ディックの著作リストが入った本で 僕は作家でも 多くの読者を血しぶき飛び散る話で 骨の髄まで怖がらせてきた小説家だ 名声 財産 才能 成功 あんたの負けだよ これ以上決めるものはないね 勝ったのはどっち? 次は? 決めるのは貴方