海洋循環と湾流 海の流れは 私たちの生活に影響する 天気や気候が これで決まるのだ 海流と風は 熱を赤道から極へと運ぶ 気候のエンジンのようなものだ 海流は多数存在する 海流の循環は気候にとって重要だ 海の中では海流同士が繋がり 互いの水を混ぜ合っている 世界的な循環システムだ この循環は熱塩循環とも呼ばれ 熱は温度 塩は塩分を意味している 水の密度の二つの要素だ 風も水を運んでいるが 主に密度の違いにより 水は運ばれる 温かい水は密度が低く上昇 冷たい水は沈む 塩分の量が多くても密度は高まる 赤道では太陽が特に強く 熱で水を蒸発させ 塩分濃度を上げる これにより 湾流が起こる ヨーロッパの気候の主要因だ メキシコ湾流は全長1万キロで 長くて速くて とても温かい 秒速2メートルで 毎秒1億立方メートルの水を運ぶ 絶えず吹いている貿易風が 水の表面を温め メキシコ湾に流れる 水の温度は30℃だ 折り返すと西風と共に東へ進み その先で分岐する 一つは南に 一つは東の海流に 一つは北に流れ これらが熱を放出 北大西洋海流だ ここで水は冷える 蒸発もあり 塩分濃度が高まるため ここで大規模な水の沈降が見られる 水中にある 地球最大の滝だ そこでは直径15キロの水の柱が 4000メートル下まで落ちている 水量は毎秒1700万立方メートル 世界のすべての川の 15倍の水量だ 強力な渦が作られて水を引っ張り それが湾流を循環させている 無数の種がこの流れに乗り カリブ海から北部に来る 動物だけでなく 温かい空気も一緒に来る 同じ量の熱を生み出すには 原発が100万基必要だ 湾流は熱のポンプでもある これがなければ 気温は5~10℃下がるだろう 森は消え ヨーロッパは雪に覆われる ここ数年 気候変動によって この湾流が停止するのでは という危惧が増えた 極の氷が溶けると 塩分濃度が下がる恐れがあるからだ 北大西洋海流は重さを失い 沈まなくなるだろう 最悪の場合 大事な熱源 湾流が止まる 温暖化しているなら 大丈夫だという説もある 地球の歴史を見ると 気候変動は普通の現象だと言える 寒暖両方があった 先の氷河期は 溶解水が海流を止め 北半球が氷で覆われたものだった 気候変動の海流への影響は 科学者間でも見解が異なる 確かなのは 気候が変われば 海流や風 複雑な 長く安定していたものが 変わってしまうということだ