WEBVTT 00:00:00.372 --> 00:00:02.085 皆さん お気づきの通り 00:00:02.085 --> 00:00:05.058 世界は様々な問題で あふれています 00:00:05.058 --> 00:00:07.153 今日も昨日も そして何十年もの間 00:00:07.153 --> 00:00:11.443 毎日のように こうしたことを耳にしてきました 00:00:11.443 --> 00:00:15.487 深刻な問題 大きな問題 緊迫した問題 00:00:15.487 --> 00:00:18.843 栄養失調 水の供給 00:00:18.843 --> 00:00:21.880 気候変動や森林破壊 00:00:21.880 --> 00:00:25.124 スキル不足 不安感 食料不足 00:00:25.124 --> 00:00:28.100 不十分なヘルスケアや 環境汚染など 00:00:28.100 --> 00:00:29.845 問題には事欠きません 00:00:29.845 --> 00:00:32.376 今が これまでと違うのは 00:00:32.376 --> 00:00:36.500 私がこれまでの人生で知りうる どんな時よりも 00:00:36.500 --> 00:00:38.935 こうした問題が 認知されていることです 00:00:38.935 --> 00:00:41.501 私たちは 皆 よく分かっています NOTE Paragraph 00:00:41.501 --> 00:00:43.529 では なぜ これらの問題を解決するのに 00:00:43.529 --> 00:00:45.360 こんなにも 苦労しているのでしょう? 00:00:45.360 --> 00:00:48.400 私は畑違いながらも 00:00:48.400 --> 00:00:52.569 ずっとこの疑問に 取り組んできました 00:00:52.569 --> 00:00:55.652 私は社会問題の専門家ではなく 00:00:55.652 --> 00:00:58.414 ビジネスと向き合い 00:00:58.414 --> 00:01:01.704 ビジネスでお金儲けをする 手伝いをしてきました 00:01:01.704 --> 00:01:04.938 とんでもないことです 00:01:04.938 --> 00:01:07.992 さて なぜ私たちは これら社会問題について 00:01:07.992 --> 00:01:11.135 多くの課題を 抱えているのでしょう? 00:01:11.135 --> 00:01:13.192 ビジネスは 何もできないんでしょうか? 00:01:13.192 --> 00:01:16.725 できるとすれば その役割は何でしょう? 00:01:16.725 --> 00:01:19.584 この問いに向き合うには 00:01:19.584 --> 00:01:23.450 少し立ち止まって 今 直面している― 00:01:23.450 --> 00:01:27.105 大きな社会問題に対して 私たちがどのように 00:01:27.105 --> 00:01:29.103 課題と解決策を 00:01:29.103 --> 00:01:33.267 捉え 考えてきたか 見直す必要があります NOTE Paragraph 00:01:33.267 --> 00:01:36.101 多くの人は ビジネスを 00:01:36.101 --> 00:01:38.976 それ自体が社会問題 であるかのように― 00:01:38.976 --> 00:01:41.728 少なくとも社会問題の一つとして 捉えています 00:01:41.728 --> 00:01:43.134 ファーストフード業界 00:01:43.134 --> 00:01:45.109 製薬業界や銀行業界を 考えてみてください 00:01:45.109 --> 00:01:47.288 ビジネスに敬意が払われない 最たる例でしょう 00:01:47.288 --> 00:01:50.279 ビジネスに敬意が払われない 最たる例でしょう 00:01:50.279 --> 00:01:51.989 ビジネスは 解決策ではなく 00:01:51.989 --> 00:01:55.730 問題そのものという見方が 今は多勢です 00:01:55.730 --> 00:01:57.704 事実 そのようなケースも 多々あります 00:01:57.704 --> 00:01:59.983 困ったところも たくさんあり 00:01:59.983 --> 00:02:02.160 間違ったことをして 00:02:02.160 --> 00:02:03.961 問題を深刻化させたこともあります 00:02:03.961 --> 00:02:07.424 ですから この見方は まあ 理にかなっているでしょう NOTE Paragraph 00:02:07.424 --> 00:02:10.014 これまで私たちは 直面している― 00:02:10.014 --> 00:02:12.350 多くの社会問題の解決策について 00:02:12.350 --> 00:02:15.512 どのような見方を してきたのでしょう? 00:02:15.512 --> 00:02:17.144 私たちはその解決策を 00:02:17.144 --> 00:02:19.296 NGOや政府 慈善団体といった 組織に求める傾向にあります 00:02:19.296 --> 00:02:21.302 NGOや政府 慈善団体といった 組織に求める傾向にあります 00:02:21.302 --> 00:02:23.439 NGOや政府 慈善団体といった 組織に求める傾向にあります 00:02:23.439 --> 00:02:25.873 確かに 驚異的な台頭を見せている NGOや社会団体は 00:02:25.873 --> 00:02:30.630 確かに 驚異的な台頭を見せている NGOや社会団体は 00:02:30.630 --> 00:02:33.136 現代の特徴的な組織形態です 00:02:33.136 --> 00:02:35.960 このユニークで 新しい組織形態が成長して 00:02:35.960 --> 00:02:37.153 このユニークで 新しい組織形態が成長して 00:02:37.153 --> 00:02:40.560 計り知れないイノベーションや 大量のエネルギー 00:02:40.560 --> 00:02:43.295 多くの才能が 流動化され 00:02:43.295 --> 00:02:45.415 この組織を通じて 00:02:45.415 --> 00:02:50.268 あらゆる社会問題の解決に 向けられようとしています 00:02:50.268 --> 00:02:54.525 皆さんの多くも 深く関わられていることでしょう NOTE Paragraph 00:02:54.525 --> 00:02:56.034 ビジネススクールの教授ながら 00:02:56.034 --> 00:03:00.049 私も 実際に 4つの非営利団体を立上げています 00:03:00.049 --> 00:03:02.938 社会問題に 関心を持つたびに 00:03:02.938 --> 00:03:05.998 私は非営利団体を 設立してきたのです 00:03:05.998 --> 00:03:07.876 私は非営利団体を 設立してきたのです 00:03:07.876 --> 00:03:10.939 誰もが 社会問題には このように対処すべきと 00:03:10.939 --> 00:03:11.948 考えてきました 00:03:11.948 --> 00:03:16.400 ビジネススクールの教授でさえ そう考えていたのです NOTE Paragraph 00:03:16.400 --> 00:03:18.235 でも 振り返ってみると 00:03:18.235 --> 00:03:21.004 私たちは 長い間 このやり方を踏襲してきました 00:03:21.004 --> 00:03:23.856 何十年も これらの問題を認識し 00:03:23.856 --> 00:03:25.766 長年にわたり NGOや 政府団体で活動をしてきました 00:03:25.766 --> 00:03:30.091 長年にわたり NGOや 政府団体で活動をしてきました 00:03:30.091 --> 00:03:31.920 でも 困った現実もあります 00:03:31.920 --> 00:03:33.862 というのも 残念ながら 00:03:33.862 --> 00:03:36.446 十分な速さで 進展が見られないのです 00:03:36.446 --> 00:03:39.170 私たちは 勝利に 向かっていないのです 00:03:39.170 --> 00:03:41.254 これらの問題は いまだに暗い影を落とし 00:03:41.254 --> 00:03:42.460 手に負えない状況です 00:03:42.460 --> 00:03:45.160 私たちが 解決しているのは 00:03:45.160 --> 00:03:47.100 小さなことなのです 00:03:47.100 --> 00:03:50.982 漸進的な進展しかありません NOTE Paragraph 00:03:50.982 --> 00:03:53.704 これら社会問題に対処する上で 何が根本的な課題なのでしょう? 00:03:53.704 --> 00:03:56.782 これら社会問題に対処する上で 何が根本的な課題なのでしょう? 00:03:56.782 --> 00:04:00.814 単純化して言えば 00:04:00.814 --> 00:04:04.193 「スケール」の問題です 00:04:04.193 --> 00:04:07.304 スケールが小さいのです 00:04:07.304 --> 00:04:10.231 私たちは前に進み 効果も出せます 00:04:10.231 --> 00:04:13.559 結果も出せますし 事態を改善できます 00:04:13.559 --> 00:04:17.837 役立っているし よくやっています 00:04:17.837 --> 00:04:20.191 でも スケールを 大きくできません 00:04:20.191 --> 00:04:25.157 大きなスケールで 社会問題に影響は与えられません 00:04:25.157 --> 00:04:26.991 なぜでしょうか? 00:04:26.991 --> 00:04:30.581 リソースが足りないからです 00:04:30.581 --> 00:04:32.292 今や これは明白な事実で 00:04:32.292 --> 00:04:35.174 ここ数十年と比べて 一層 明らかになっています 00:04:35.174 --> 00:04:38.726 つまり 今のやり方では 00:04:38.726 --> 00:04:42.117 社会問題を大規模に解決する 資金が足りないのです 00:04:42.117 --> 00:04:44.442 社会問題を大規模に解決する 資金が足りないのです 00:04:44.442 --> 00:04:47.512 十分な税収もなければ 00:04:47.512 --> 00:04:51.558 十分な慈善資金もなく 00:04:51.558 --> 00:04:54.006 今のやり方では この問題に対処できないのです 00:04:54.006 --> 00:04:59.171 私たちは この現実に 立ち向かう必要があります 00:04:59.171 --> 00:05:02.230 リソース不足は 00:05:02.230 --> 00:05:06.257 拡大する一方で 00:05:06.257 --> 00:05:09.807 様々な財政問題を抱えた 先進社会では 00:05:09.807 --> 00:05:14.186 リソース不足は当然のことです NOTE Paragraph 00:05:14.186 --> 00:05:18.431 これが根本的に リソースの問題だとして 00:05:18.431 --> 00:05:22.476 社会のどこに リソースがあるのでしょうか? 00:05:22.476 --> 00:05:24.861 リソースはどうやって 作られるのでしょう? 00:05:24.861 --> 00:05:26.568 社会的課題を解決するために 必要なリソースです 00:05:26.568 --> 00:05:30.208 社会的課題を解決するために 必要なリソースです 00:05:30.208 --> 00:05:33.324 その答えは明白でしょう 00:05:33.324 --> 00:05:37.010 ビジネスです 00:05:37.010 --> 00:05:42.621 全ての富は ビジネスによって作られます 00:05:42.621 --> 00:05:45.347 ビジネスが 富を生み出すのは 00:05:45.347 --> 00:05:50.393 それがニーズと合致し 利益を生むときです 00:05:50.393 --> 00:05:52.857 そうやって 全ての富が作られています 00:05:52.857 --> 00:05:55.230 ニーズに応えて 利益を生み 00:05:55.230 --> 00:05:57.642 それが税収にもつながり 00:05:57.642 --> 00:05:59.311 所得にもなり 00:05:59.311 --> 00:06:01.578 慈善資金にもつながります 00:06:01.578 --> 00:06:04.829 ビジネスこそ 全てのリソースの源なのです 00:06:04.829 --> 00:06:07.287 事実 ビジネスしか リソースは生み出せません 00:06:07.287 --> 00:06:09.241 他の機関が リソースを使って 00:06:09.241 --> 00:06:10.466 重要なことをしたとしても 00:06:10.466 --> 00:06:13.650 ビジネスのように リソースを作り出すことはありません 00:06:13.650 --> 00:06:15.171 ビジネスは 00:06:15.171 --> 00:06:23.049 ニーズに応えて利益を出すとき リソースを生みます 00:06:23.049 --> 00:06:26.433 世にあるリソースは 圧倒的割合で 00:06:26.433 --> 00:06:28.322 ビジネスが 作っているのです 00:06:28.322 --> 00:06:33.625 問題は どうやって これを利用するかです 00:06:33.625 --> 00:06:36.000 どうやって活用しますか? 00:06:36.000 --> 00:06:38.947 ビジネスが リソースを生み出すのは 00:06:38.947 --> 00:06:43.616 利益が出るときです 00:06:43.616 --> 00:06:46.990 利益は 売上とコストの 小さな差額です 00:06:46.990 --> 00:06:51.836 利益は 売上とコストの 小さな差額です 00:06:51.836 --> 00:06:54.153 そのビジネスが どんな問題に 00:06:54.153 --> 00:06:57.376 どんな解決策を 提示しようとも同じです 00:06:57.376 --> 00:07:04.136 でも この利益こそが 魔法の薬なのです 00:07:04.136 --> 00:07:08.890 なぜか? その利益が 00:07:08.890 --> 00:07:11.109 私たちが生み出した 解決策を 00:07:11.109 --> 00:07:15.299 無限大にしてくれるからです 00:07:15.299 --> 00:07:17.900 利益を生み出せれば 00:07:17.900 --> 00:07:21.424 それをもとに 10倍 100倍 100万倍 00:07:21.424 --> 00:07:24.716 1億倍 10億倍のことが できます 00:07:24.716 --> 00:07:29.436 解決策自体を 自立させられるのです 00:07:29.436 --> 00:07:32.035 これこそ ビジネスが利益を生み 規模を拡大するプロセスです 00:07:32.035 --> 00:07:35.645 これこそ ビジネスが利益を生み 規模を拡大するプロセスです NOTE Paragraph 00:07:35.645 --> 00:07:38.029 では これが社会問題と どう関係するんでしょう? 00:07:38.029 --> 00:07:41.097 では これが社会問題と どう関係するんでしょう? 00:07:41.097 --> 00:07:44.379 一つの考え方は この利益をまわして 00:07:44.379 --> 00:07:49.928 社会問題解決に 使おうというものです 00:07:49.928 --> 00:07:51.194 実業界は もっとお金を出し 00:07:51.194 --> 00:07:52.618 もっと責任を取るべき― 00:07:52.618 --> 00:07:55.068 これがビジネスの世界で 行われてきたことです 00:07:55.068 --> 00:07:57.754 これがビジネスの世界で 行われてきたことです 00:07:57.754 --> 00:07:59.618 でも 私たちが 選んできた この道は 00:07:59.618 --> 00:08:03.958 行き着くべきところに 導いてくれていません NOTE Paragraph 00:08:03.958 --> 00:08:07.106 さて 私は戦略論の教授として キャリアを始め 00:08:07.106 --> 00:08:08.612 現在も 戦略論の教授です 00:08:08.612 --> 00:08:09.971 誇りに思っています 00:08:09.971 --> 00:08:11.497 でも 同時に ここ何年も 00:08:11.497 --> 00:08:14.153 社会問題に より力を注ぐようになりました 00:08:14.153 --> 00:08:17.420 ヘルスケアや 環境問題 00:08:17.420 --> 00:08:20.992 経済発展 貧困緩和といった 問題に取り組み 00:08:20.992 --> 00:08:25.337 社会分野での 活動が増えています 00:08:25.337 --> 00:08:26.899 次第に 私は 00:08:26.899 --> 00:08:30.169 私や私の人生に 大きな影響を与えたことに 00:08:30.169 --> 00:08:33.755 気付き始めました NOTE Paragraph 00:08:33.755 --> 00:08:37.544 経済学や経営学における 従来の通説では 00:08:37.544 --> 00:08:41.412 経済学や経営学における 従来の通説では 00:08:41.412 --> 00:08:45.369 社会的成果と経済的成果は 00:08:45.369 --> 00:08:50.377 トレードオフの関係に あるとされます 00:08:50.377 --> 00:08:51.861 つまり これまでの通説では 00:08:51.861 --> 00:08:54.931 ビジネスは 社会問題を引き起こすことで 00:08:54.931 --> 00:08:56.724 利益を生む とされるわけです 00:08:56.724 --> 00:08:58.906 その典型例が 環境汚染です 00:08:58.906 --> 00:09:01.682 ビジネスをする上では 環境汚染していた方が 00:09:01.682 --> 00:09:06.323 環境汚染を減らす努力をするより お金は儲かります 00:09:06.323 --> 00:09:08.214 汚染を減らすには お金もかかります 00:09:08.214 --> 00:09:13.697 ですから ビジネスでは そんなことしたくない訳です 00:09:13.697 --> 00:09:16.642 危険な労働環境の方が 利益が上がります 00:09:16.642 --> 00:09:19.380 安全な労働環境を作るのは お金がかかりすぎます 00:09:19.380 --> 00:09:20.686 安全な労働環境でない方が 00:09:20.686 --> 00:09:22.526 ビジネスでは よりお金を生めるのです 00:09:22.526 --> 00:09:26.023 これが 今までの 通説だったのです 00:09:26.023 --> 00:09:28.836 多くの企業が この通説通りに なり下がっていました 00:09:28.836 --> 00:09:31.379 企業は 環境改善も 00:09:31.379 --> 00:09:36.813 労働環境改善も 渋りました 00:09:36.813 --> 00:09:40.359 その考え方が 結局のところ 00:09:40.359 --> 00:09:41.879 私たちが批判するようになり 00:09:41.879 --> 00:09:43.815 私自身も批判するようになった― 00:09:43.815 --> 00:09:46.335 ビジネス活動の所以なのです NOTE Paragraph 00:09:46.335 --> 00:09:49.868 でも こうした社会問題に 次から次に 00:09:49.868 --> 00:09:52.880 深く関わるようになり 00:09:52.880 --> 00:09:55.326 いくつか 個人的にも 00:09:55.326 --> 00:09:57.442 私の非営利団体を通じて 00:09:57.442 --> 00:10:00.171 問題に取り組むように なるにつれ 00:10:00.171 --> 00:10:03.109 事実は逆ではないかと 思うようになりました 00:10:03.109 --> 00:10:05.643 事実は逆ではないかと 思うようになりました 00:10:05.643 --> 00:10:06.889 ビジネスは 社会問題を引き起こす ことで 利益を生みません 00:10:06.889 --> 00:10:08.591 ビジネスは 社会問題を引き起こす ことで 利益を生みません 00:10:08.591 --> 00:10:12.965 根本的な意味で 違うのです 00:10:12.965 --> 00:10:15.158 とても単純なことです 00:10:15.158 --> 00:10:17.866 こうした問題に より深く関わるにつれ 00:10:17.866 --> 00:10:19.711 より理解することに なるでしょうが 00:10:19.711 --> 00:10:21.612 実際のところ ビジネスは 00:10:21.612 --> 00:10:23.608 社会問題の解決によって 利益を得るのです 00:10:23.608 --> 00:10:26.152 そこに 真の利益があるのです 00:10:26.152 --> 00:10:28.993 環境汚染で 考えてみましょう 00:10:28.993 --> 00:10:31.209 今 分かっているのは 00:10:31.209 --> 00:10:33.616 汚染や排ガスを 減らすことで 00:10:33.616 --> 00:10:37.122 利益が上がるということです 00:10:37.122 --> 00:10:39.190 お金も節約できます 00:10:39.190 --> 00:10:40.888 より生産的・効率的な 経営が行え 00:10:40.888 --> 00:10:42.285 リソースも 無駄にしません 00:10:42.285 --> 00:10:44.928 より安全な労働環境なら 00:10:44.928 --> 00:10:46.416 事故を減らすことができ 00:10:46.416 --> 00:10:47.788 利益も増やせます 00:10:47.788 --> 00:10:50.996 事故が少ないことは よい生産工程の証だからです 00:10:50.996 --> 00:10:55.027 事故が起こると かえってお金もかかります 00:10:55.027 --> 00:10:57.631 どの問題からも 見えてくるのは 00:10:57.631 --> 00:11:00.597 根本的な意味において 00:11:00.597 --> 00:11:04.193 社会的発展と 00:11:04.193 --> 00:11:07.194 経済性との間で 00:11:07.194 --> 00:11:09.287 トレードオフなんて ないということです 00:11:09.287 --> 00:11:10.646 健康の問題もあります 00:11:10.646 --> 00:11:13.215 実際のところ 00:11:13.215 --> 00:11:15.097 従業員の健康は ビジネスにおいて 00:11:15.097 --> 00:11:16.490 重要なことなのです 00:11:16.490 --> 00:11:18.818 健康であってこそ 従業員は 00:11:18.818 --> 00:11:20.227 より生産的に働けて 00:11:20.227 --> 00:11:22.543 欠勤もなくなるからです 00:11:22.543 --> 00:11:25.967 より進んだ 新しい研究 新しい考え方によれば 00:11:25.967 --> 00:11:30.151 ビジネスと社会問題との間には 実は― 00:11:30.151 --> 00:11:33.069 根本的で深い相互作用が あるとされています 00:11:33.069 --> 00:11:34.988 根本的で深い相互作用が あるとされています 00:11:34.988 --> 00:11:38.916 超短期的視点で見なければ 特にそうなります 00:11:38.916 --> 00:11:40.754 目先のことにとらわれると 00:11:40.754 --> 00:11:42.855 時に 誤った考え方をして ビジネスと 00:11:42.855 --> 00:11:45.150 社会問題解決は 根本的に相容れないと考えがちです 00:11:45.150 --> 00:11:47.963 でも 長い目で見れば 最終的にはビジネスと 00:11:47.963 --> 00:11:52.159 社会問題解決の両立は 可能だと分かってきました NOTE Paragraph 00:11:52.159 --> 00:11:55.449 どうやったら 私たちは 00:11:55.449 --> 00:11:58.171 ビジネスの力を使って 00:11:58.171 --> 00:12:00.374 私たちが直面している 根本的課題に 00:12:00.374 --> 00:12:02.807 対処できるでしょうか? 00:12:02.807 --> 00:12:05.407 ビジネスを活用できれば 大規模な展開が可能になります 00:12:05.407 --> 00:12:07.447 ビジネスを活用できれば 大規模な展開が可能になります 00:12:07.447 --> 00:12:09.856 この甚大なリソースや 組織能力を 00:12:09.856 --> 00:12:12.754 活用できるのです NOTE Paragraph 00:12:12.754 --> 00:12:18.244 実は これは もう始まっています 00:12:18.244 --> 00:12:22.257 皆さんのように 00:12:22.257 --> 00:12:24.205 これらの問題について 00:12:24.205 --> 00:12:27.320 何年も 何十年も 取り組んできた人の お蔭でもあります 00:12:27.320 --> 00:12:29.728 ダウ・ケミカル社などは 00:12:29.728 --> 00:12:31.646 トランス脂肪や飽和脂肪を 00:12:31.646 --> 00:12:34.778 革命的な新製品に置き換える 革新を進めています 00:12:34.778 --> 00:12:36.731 これは ジェイン灌漑システム社の例です 00:12:36.731 --> 00:12:39.282 点滴灌漑技術を 00:12:39.282 --> 00:12:41.951 何千 何百万もの農家に提供し 00:12:41.951 --> 00:12:45.002 水の使用量を 大幅に減らしました 00:12:45.002 --> 00:12:48.323 さらに ブラジルの製紙メーカー フィブリア社などは 00:12:48.323 --> 00:12:49.806 原生林の破壊を 00:12:49.806 --> 00:12:51.685 食い止める方法を考え 00:12:51.685 --> 00:12:54.461 ユーカリ植林により 1ヘクタールあたりの 00:12:54.461 --> 00:12:56.451 パルプ生産量を上げて 00:12:56.451 --> 00:12:58.419 古くからある木々を 切り倒すことなく 00:12:58.419 --> 00:13:00.528 より多くの紙が 作れるようにしました 00:13:00.528 --> 00:13:03.408 シスコ社などは 00:13:03.408 --> 00:13:07.564 400万人以上に ITスキルの訓練をしてきました 00:13:07.564 --> 00:13:09.507 もちろん 業務のためですが 00:13:09.507 --> 00:13:11.938 この訓練によって 00:13:11.938 --> 00:13:14.211 IT技術が広まり 00:13:14.211 --> 00:13:15.513 産業全体も成長しています 00:13:15.513 --> 00:13:20.134 今 ビジネスには これら社会問題に 00:13:20.134 --> 00:13:24.190 影響を与え 取り組みをする 大きな機会があります 00:13:24.190 --> 00:13:25.514 そして この機会は 00:13:25.514 --> 00:13:28.782 最大のビジネス・チャンスです 00:13:28.782 --> 00:13:32.448 最大のビジネス・チャンスです NOTE Paragraph 00:13:32.448 --> 00:13:34.654 どうすれば ビジネスを 00:13:34.654 --> 00:13:38.082 この共通価値の創造に 向かわせられるでしょうか? 00:13:38.082 --> 00:13:39.891 私が「共通価値」と 呼ぶのは 00:13:39.891 --> 00:13:43.646 ビジネスモデルを使い 社会問題に取り組むことです 00:13:43.646 --> 00:13:45.570 これが共通価値の創造です 00:13:45.570 --> 00:13:47.399 共通価値は 資本主義ですが 00:13:47.399 --> 00:13:49.961 より高度な資本主義です 00:13:49.961 --> 00:13:53.321 それは 資本主義があるべき 究極的な姿であって 00:13:53.321 --> 00:13:56.734 社会の重要なニーズに 応えるものです 00:13:56.734 --> 00:13:59.557 製品や市場シェアの些細な違いを 競争することではありません 00:13:59.557 --> 00:14:02.820 製品や市場シェアの些細な違いを 競争することではありません 00:14:02.820 --> 00:14:04.553 製品や市場シェアの些細な違いを 競争することではありません 00:14:04.553 --> 00:14:06.772 共通価値が生まれるのは 私たちが 00:14:06.772 --> 00:14:09.375 社会的価値と経済的価値を 同時に創造することです 00:14:09.375 --> 00:14:11.885 つまり これらの機会を捉えて 00:14:11.885 --> 00:14:14.950 私たちが持つ 最大限の可能性を引き出し 00:14:14.950 --> 00:14:16.941 実際にこれらの社会問題に 取り組むのです 00:14:16.941 --> 00:14:18.974 大きなスケールで できるからです 00:14:18.974 --> 00:14:22.530 共通価値の創造は 様々なレベルで取り組めます 00:14:22.530 --> 00:14:25.695 本当です 実際に起こっているんです NOTE Paragraph 00:14:25.695 --> 00:14:28.588 でも この解決策を うまく機能させるには 00:14:28.588 --> 00:14:32.716 ビジネスのあり方を 変えなくてはいけません 00:14:32.716 --> 00:14:35.230 幸運にも これはすでに進行中です 00:14:35.230 --> 00:14:38.706 ビジネスが これまでとらわれてきた 社会通念とは 00:14:38.706 --> 00:14:40.554 社会問題なんか 関係ないとか 00:14:40.554 --> 00:14:42.596 本質的なことじゃないとか 00:14:42.596 --> 00:14:45.177 他の人がすることだとか いったものです 00:14:45.177 --> 00:14:46.753 今 企業は 00:14:46.753 --> 00:14:49.229 共通価値を取り入れるように なってきています 00:14:49.229 --> 00:14:51.418 でも 私たちが 同時に理解すべきは 00:14:51.418 --> 00:14:54.162 ビジネスだけで取り組むよりは 00:14:54.162 --> 00:14:56.022 NGOや政府と連携する方が 00:14:56.022 --> 00:14:59.053 より効果的だということです 00:14:59.053 --> 00:15:02.061 際立って変化を起こしている 新しいNGOは 00:15:02.061 --> 00:15:04.244 こうしたパートナーシップを見つけ 00:15:04.244 --> 00:15:06.061 連携する道を 見つけています 00:15:06.061 --> 00:15:08.534 政府で 一番成果を上げているのも 00:15:08.534 --> 00:15:10.148 ビジネスで 共通価値を 実現する道を見つけた政府で 00:15:10.148 --> 00:15:13.799 ビジネスで 共通価値を 実現する道を見つけた政府で 00:15:13.799 --> 00:15:16.920 政府だけで全てを決めるところ ではありません 00:15:16.920 --> 00:15:19.934 政府だけで全てを決めるところ ではありません 00:15:19.934 --> 00:15:22.406 政府は 様々な方法で 00:15:22.406 --> 00:15:24.720 企業のやる気や能力を高めて 競争を促進することができます 00:15:24.720 --> 00:15:26.714 企業のやる気や能力を高めて 競争を促進することができます NOTE Paragraph 00:15:26.714 --> 00:15:29.663 もし ビジネスの役割を 再定義して 00:15:29.663 --> 00:15:32.206 その新しい考え方を 世の中に広げることができれば 00:15:32.206 --> 00:15:35.011 世界を変えられるのです 00:15:35.011 --> 00:15:38.216 私はこの兆しを目の当たりにし 知っています 00:15:38.216 --> 00:15:40.166 実感しています 00:15:40.166 --> 00:15:41.861 若者は― 00:15:41.861 --> 00:15:45.041 ハーバード・ビジネス・スクールの 私の学生は理解してきています 00:15:45.041 --> 00:15:49.363 もし この種の分断や 不安 緊張を取り払い 00:15:49.363 --> 00:15:52.373 もし この種の分断や 不安 緊張を取り払い 00:15:52.373 --> 00:15:54.303 社会問題を解決するには 根本的な連携が必要という認識を 00:15:54.303 --> 00:15:56.543 社会問題を解決するには 根本的な連携が必要という認識を 00:15:56.543 --> 00:15:58.893 醸成できるのであれば 00:15:58.893 --> 00:16:00.997 私たちは この状況を打破し 00:16:00.997 --> 00:16:02.997 最終的には 00:16:02.997 --> 00:16:05.629 解決ができると 思います NOTE Paragraph 00:16:05.629 --> 00:16:08.429 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:16:08.429 --> 00:16:11.151 (拍手)