0:00:01.050,0:00:05.290 やあ、マーク・ブラウンだ[br]今回は Boss Keys 0:00:05.290,0:00:12.180 1993年の『夢をみる島』の後、ゼルダファンは[br]次の "お楽しみ" まで長く待たされたが 0:00:12.180,0:00:17.360 『時のオカリナ』 が 1998年に Nintendo 64 で[br]ついに発売された しかしながら 0:00:17.360,0:00:20.400 待つ価値はあったと言って[br]間違いないと思う 0:00:20.400,0:00:24.200 時のオカリナは[br]控えめに言っても大絶賛されていて 0:00:24.200,0:00:28.620 「史上最高のゲーム」の全てのリストに登場する 0:00:28.620,0:00:32.880 英雄的で、広大で[br]何十作品ものゲームに影響を与えた 0:00:32.880,0:00:40.580 ゼルダ作品の大規模な変化でもあった[br]俯瞰視点は、成熟した 3D 体験に変貌したのだ 0:00:40.580,0:00:45.200 これはゲーム内の 9つの[br]ダンジョン設計にも大きく影響した 0:00:45.200,0:00:49.600 以前のゼルダでは複数フロアのダンジョンによって[br]垂直な移動を探求していたのだが 0:00:49.600,0:00:53.840 時のオカリナでは、この最新式の[br]Z軸を最大限に活用している 0:00:53.840,0:00:57.420 部屋の天井は高くなり[br]薄切りの階層は無くなった 0:00:57.420,0:01:01.080 例えば、水の神殿の中央空間や[br]デクの樹の幹のような構造だ 0:01:02.040,0:01:06.480 カメラを完璧に操作できるようになると[br]敵、ボス、パズルといった要素は 0:01:06.480,0:01:08.620 実際に狙い撃つものになった 0:01:08.620,0:01:13.860 この森の神殿の空間は、ぐるっとねじれて[br]壁を歩くようにさせる 0:01:13.870,0:01:16.650 これは 2D では[br]ほとんど説明が不可能だろう 0:01:16.650,0:01:21.920 だが、大抵の場面では「ゼルダ・ダンジョンの原則」は[br]それほど変容していない 0:01:21.920,0:01:27.240 アイテム、鍵、閉じた扉、中ボス[br]地図、モンスターはまだ存在している 0:01:27.240,0:01:32.300 コンパスは地図上の宝箱の位置を示してくれるが[br]『夢をみる島』にあった音が鳴る機能は無くなった 0:01:32.300,0:01:35.520 そしてヒント・ストーンは[br]ナビィの為に捨てられた 0:01:36.140,0:01:38.560 しかし、構成要素はよく知られているが 0:01:38.560,0:01:41.960 実際のダンジョン構造は、前作とは[br]かなり異なるものである 0:01:41.960,0:01:44.280 これは必ずしも良い意味ではない 0:01:45.160,0:01:49.860 以前の Boss Keys では『神々のトライフォース』が[br]小さな鍵と閉じたドアを使うことで 0:01:49.860,0:01:53.280 どのようにダンジョンを非線形に[br]探索させるかを見てきた 0:01:53.280,0:01:55.600 では、時のオカリナでは[br]どうなっているのか? 0:01:55.610,0:02:00.320 最初の 3つのダンジョン 「デクの樹サマ」[br]「ドドンゴの洞窟」「ジャブジャブ様のお腹」には 0:02:00.320,0:02:04.230 実は小さな鍵は置かれていない[br]小さな鍵は、青年リンクとしての 0:02:04.230,0:02:07.110 初ダンジョンである「森の神殿」で[br]初めて導入されるアイテムなのだ 0:02:07.110,0:02:12.410 このダンジョンでは、かなり早い段階で[br]探索し得る巨大空間に入る 0:02:12.410,0:02:14.720 そこで始めの 3つの鍵を入手できる 0:02:14.720,0:02:18.360 ここ ここ ここだ(好きな順番で) 0:02:18.360,0:02:25.060 しかし、3つの鍵を持っていたとしても[br]開けられるドアはひとつだけだ ここだ 0:02:25.060,0:02:29.920 そして、その後もひとつのドアしか[br]開けられない その後も、その後も 0:02:29.920,0:02:34.500 実際『夢をみる島』のように[br]小さな鍵をどこで使うのか選ぶことは 0:02:34.500,0:02:39.540 時のオカリナでは出来ないのだ[br]オカリナの全てのダンジョンでは 0:02:39.540,0:02:44.680 閉じたドアの後ろに、次の閉じたドアがあり[br]本質的には、進行可能なひとつのルートを 0:02:44.690,0:02:48.120 進むのを強制され、それぞれのダンジョンを[br]小さな塊に切り分けているのである 0:02:48.120,0:02:52.800 これで超・直線的なダンジョンになっている[br]例えば闇の神殿では、全ての鍵は 0:02:52.800,0:02:58.020 ひとつの特定のドアでしか使えない[br]ボスに到達するまで、ひとつずつ開けていくのだ 0:02:58.020,0:03:01.640 魂の神殿でも、非常に似たことが[br]発生している 0:03:01.640,0:03:07.060 炎の神殿は少しマシだが、それほどでもない[br]このエリアでは、閉じたドアのほぼ真後ろに 0:03:07.060,0:03:11.350 別の閉じたドアがあり[br]必要な 2つの鍵はこのエリアにある 0:03:11.350,0:03:17.260 だから、どちらの鍵を先に取るか選択したと思うが[br]それはあまり刺激的な決断ではない 0:03:17.740,0:03:21.660 2つの鍵と 2つの扉を見つけて[br]かたまり毎に開くという 0:03:21.670,0:03:25.140 ダンジョンのパターンが[br]神殿全体で繰り返されているのである 0:03:25.140,0:03:30.980 最終的に、非線形性を実感できるダンジョンは[br]2つだけである 0:03:30.980,0:03:35.740 「森の神殿」と「水の神殿」だ[br]これに行こう 0:03:35.740,0:03:37.540 それで、アイテムはどうだろうか? 0:03:37.540,0:03:44.040 前回『夢をみる島』では新しいアイテムを使って[br]どのように障害を再文脈化しているか見た 0:03:44.040,0:03:47.140 Level 2 で[br]パワーブレスレットを入手してからは 0:03:47.140,0:03:51.760 以前通り過ぎたゾウの石像を[br]持ち上げることができる 0:03:51.760,0:03:54.340 この点については[br]時のオカリナの方が少し良い 0:03:54.340,0:03:58.209 デクの樹や闇の神殿では、妖精のパチンコや[br]ホバーブーツを早い段階で入手できるので 0:03:58.209,0:04:02.709 引き返す機会はない[br]そしてドドンゴの洞窟や魂の神殿では 0:04:02.709,0:04:07.260 爆弾とミラーシールドは基本的に[br]それを入手する部屋でしか使用しない 0:04:07.260,0:04:11.580 だが、ジャブジャブ様のお腹[br]森の神殿、水の神殿、炎の神殿では 0:04:11.590,0:04:16.549 ブーメラン、弓矢、ロングフック、ハンマーを[br]道を引き返して使用し、以前遭遇した障害を 0:04:16.549,0:04:19.140 迂回することが出来る[br]この利点とは― 0:04:19.140,0:04:24.320 アイテムを探し求めている間、ダンジョンを[br]観察していた者への報酬である点 また 0:04:24.320,0:04:28.860 神殿が、部屋が次々と続く長い鎖のように[br]感じられるのを止める点だ 0:04:28.860,0:04:33.360 いくつかのダンジョンでは、アイテムを持って[br]引き返さなければ入れない部屋やエリアがあることは 0:04:33.360,0:04:37.760 指摘する価値がある[br]だが、そこにあるのは非必須のルピーや 0:04:37.760,0:04:40.060 黄金のスカルチュラである 0:04:40.060,0:04:45.849 また、ボス戦ではほぼ必ずアイテムが使われる[br]それが良いのか悪いのかは 0:04:45.849,0:04:50.340 これらのビデオのコメント欄で議論されている[br]個人的には好きである というのも 0:04:50.340,0:04:55.040 ダンジョンを終える為の最終試験として[br]ボス戦を扱っているからだ 0:04:55.040,0:04:59.560 だが、このお約束を用いたゲームを 9本以上[br]分析した後で僕がどう感じたか見てみよう 0:05:00.700,0:05:07.260 3D グラフィックスは時のオカリナに、個々の[br]ダンジョンを独創的で興味深くさせる機会を与える 0:05:07.260,0:05:14.880 炎の神殿の巨大な溶岩穴から[br]魂の神殿の中央の堂々たる石像 0:05:14.880,0:05:17.860 闇の神殿での[br]舟に乗って川下りから 0:05:17.860,0:05:23.460 ジャブジャブ様のお腹のドロドロした体内まで[br]同じように感じるダンジョンは 2つとない 0:05:23.460,0:05:27.700 時のオカリナがダンジョンにもたらした[br]もう一つの概念は、中央部屋という発想である 0:05:27.700,0:05:31.899 ドドンゴの洞窟、森の神殿[br]水の神殿、ガノン城内部 0:05:31.900,0:05:35.380 それと、程度は低いものの[br]炎の神殿、ジャブジャブ様のお腹では 0:05:35.380,0:05:40.220 様々な部屋と通路に枝分かれした[br]印象的な巨大空間をもっている 0:05:41.000,0:05:44.760 プレイヤーが何度もこの部屋に[br]戻ってくるようにすることで 0:05:44.760,0:05:50.780 それが高所の狭い通路であったとしても[br]ダンジョンが相互接続されていると感じさせてくれる 0:05:50.780,0:05:55.500 また、プレイヤーの空間理解と[br]探索済み・未探索の場所の理解に役立っている 0:05:56.560,0:05:59.980 Okay[br]水の神殿の前に少し脱線する 0:05:59.980,0:06:06.520 ジャブジャブ様で、ルト姫を運搬するのは[br]『夢をみる島』でのボールと似たように機能する 0:06:06.520,0:06:10.700 何故なら、彼女をどう動かすか理解するために[br]空間に精通する必要があるからだ 0:06:10.700,0:06:14.060 ダンジョン内で友好的な顔を見れるのも良い点だ 0:06:14.060,0:06:17.480 そしてこれは、炎の神殿で救出した[br]この生意気なゴロン族まで及んでいる 0:06:18.420,0:06:23.119 時のオカリナでは 7年間を行き来するが[br]これがダンジョンに影響しているのは 0:06:23.119,0:06:28.389 魂の神殿を、子供リンクと大人リンクで[br]半分ずつ解く場合のみである 0:06:28.389,0:06:34.700 ゼルダとは、ダンジョン内でゲームの核となる仕様を[br]軽視することが頻発するのがテーマのゲームなのだ 0:06:34.700,0:06:36.260 ……僕の覚えでは 0:06:36.260,0:06:38.760 優れた戦闘はたくさんある 0:06:38.760,0:06:43.120 緊張感のあるアイアンナック戦から[br]溶岩上でのリザルフォス戦まで 0:06:43.120,0:06:46.520 僕はドドンゴの洞窟で[br]敵が増えていくのが本当に好きだ 0:06:46.520,0:06:50.160 こうした赤ちゃんの奴から、デカイ奴[br]ドドンゴのボスまで 0:06:50.840,0:06:54.900 そして最後に、地図とコンパスの位置を入り口の[br]近くや遠くに設置することで 0:06:54.900,0:06:59.280 任天堂がダンジョン難易度を調整しているのを[br]見ることができる 0:06:59.280,0:07:02.820 早めに入手するほど[br]ダンジョンの解決は容易になるのだ 0:07:05.160,0:07:08.300 Okay[br]水の神殿について話そう 0:07:08.309,0:07:13.710 まず明らかにしたいのは[br]水の神殿は、巨大で、迷路型であり 0:07:13.710,0:07:18.340 探索は非常に骨が折れるものだ[br]というのも、水の底に沈んだり 0:07:18.340,0:07:22.260 逆に浮上したくなったりした際は、毎回[br]メニューで時間を浪費しなければならないからだ 0:07:22.260,0:07:26.320 勿論、それは面倒で[br]探索の妨げになるので 0:07:26.320,0:07:29.160 3DS 版のリメイクでは[br]慈悲深く変更された 0:07:29.160,0:07:31.000 しかし[br]だからといって 0:07:31.000,0:07:35.720 水の神殿は本作の最高のダンジョンであるという[br]事実から気を反らすことはできない 何故なら 0:07:35.720,0:07:40.140 複雑で、手間がかかり、基本的には[br]ひとつの巨大なパズルなのだから 0:07:40.140,0:07:44.540 ゲーム中のいくつかのダンジョンでは[br]ある部屋での行動が、別の部屋を変化させている 0:07:44.540,0:07:48.540 例えば、ジャブジャブ様のお腹では[br]これらを殺すことで触手を除去したり 0:07:49.160,0:07:52.980 炎の神殿では、柱を落下させて[br]別の部屋への道筋を作ったりしている 0:07:55.700,0:08:00.780 だが今回は[br]神殿全体が 3つの形態に変化するのだ 0:08:00.780,0:08:07.580 ダンジョンは 3階構造で、地下は浸水している[br]3ヶ所で水位を上げたり下げたり出来るので 0:08:07.580,0:08:10.860 水は 3つの階のどこかで[br]停止している 0:08:10.860,0:08:14.820 これは炎の神殿や[br]『夢をみる島』のオオワシの塔のような 0:08:14.820,0:08:18.160 一方向で一度きりのスイッチではない 0:08:18.160,0:08:20.900 これは基本的には[br]三方向のスイッチであり 0:08:20.900,0:08:24.260 水位をどちらへ動かすか[br]意識的に選択しなければならないのだ 0:08:24.260,0:08:28.560 Okay 例えばこの爆破可能な壁がある[br]場所は 2階で 0:08:28.560,0:08:32.340 プレイヤーは 1階から 3階まで[br]泳いで上がろうとする際に目視する 0:08:32.340,0:08:36.840 実際に壁を爆破する為には[br]まず水位を 1階まで下げる必要がある 0:08:36.840,0:08:41.260 そして水位を 2階まで上げた後[br]1階の部屋まで戻って 0:08:41.260,0:08:44.160 壁の場所まで[br]泳いで浮上するのである 0:08:44.160,0:08:48.639 このシステムは基本的に[br]強引なパズル解決を排除して 0:08:48.639,0:08:53.099 重要な意思決定を促進し[br]ダンジョン構造の深い理解に報いるものだ 0:08:53.100,0:08:56.480 複雑なのだが、ある意味では[br]水の神殿は親切なのだ 0:08:56.480,0:08:59.480 例えば、地図とコンパスは[br]すぐに入手できる 0:08:59.480,0:09:04.520 また、進行具合に応じて[br]神殿は区切られている 0:09:04.520,0:09:07.840 最初にアクセス出来るのは[br]この区域だけだ 0:09:07.840,0:09:12.300 水位を下げた後は、鍵を発見するまで[br]ここに閉じ込められる 0:09:12.300,0:09:17.640 それから、2階まで水位を上昇させると[br]探索可能な区域はこの部分に制限される 0:09:17.640,0:09:20.230 そして、別の鍵を見つけた後は 0:09:20.230,0:09:24.860 ついに 3つ全部の水位スイッチを利用可能になり[br]この全ての区域を探索できるようになる 0:09:24.860,0:09:28.240 「ロングフック」を入手するまでに[br]基本的にダンジョン全体が解放されるのだ 0:09:28.240,0:09:34.220 だが複雑なのが「鍵の場所」だ[br]ダンジョンの部屋や場所に散らばっていて 0:09:34.220,0:09:37.540 異なる水位では[br]その場所に到達不可能なのである 0:09:37.540,0:09:41.160 そしてこの部屋の足場の下に隠れているという[br]スーパー生意気な鍵もあるのだ 0:09:41.160,0:09:45.740 何故このダンジョンが正しい痛みであると[br]ゴロン族の中で評判になったか分かっただろう 0:09:45.740,0:09:51.980 そして任天堂が 3DS 版で道筋を強調することで[br]少し簡単に作り直した理由も…… 0:09:51.980,0:09:57.400 だが、他のダンジョンの一般的な直線性と[br]単純な構造を考慮すると 0:09:57.400,0:10:01.200 水の神殿は、僕の目には[br]好ましい回帰に見えるのだ 0:10:01.200,0:10:05.320 ゼルダのダンジョンとは何か[br]どうあるべきかを思い出させてくれるのだ 0:10:05.320,0:10:09.440 勿論、時のオカリナの神殿は[br]伝説的で印象的だ そして 0:10:09.440,0:10:15.600 3D がダンジョンの視覚的な印象と、主題的な[br]興味深さに如何に寄与するかを示している 0:10:15.600,0:10:20.420 だが『夢をみる島』と比較すると[br]ほとんどのダンジョンの直線性に 0:10:20.420,0:10:23.660 ほんの少し失望せざるを得ないのである 0:10:23.660,0:10:28.060 とはいえ、任天堂が未来の 3D ゲームで[br]どうするのか見るのは楽しみである 0:10:28.069,0:10:31.569 そして、次回に取り上げるのは[br]『ムジュラの仮面』だ 0:10:31.569,0:10:36.209 これはダンジョンが 4つだけだから[br]リラックスして…… Oh… Oh No… 0:10:36.209,0:10:36.860 (日本語字幕の推敲求む)