単純な質問ほど難しい 物とは何か? なぜこの宇宙は存在するのか? 一つずつ調べよう あなたを分解していくと 分子 原子 最後に素粒子になる 素粒子が一番小さい構成要素だが それは何なのか? 単純なところから始めよう まず宇宙を消す 物質 反物質 放射線 粒子 全部だ そしてそこを見ると 何もない では空間とは何だろうか そこには物が何もない 物は何もないが 何もないという場所がある そこは静かな海のようなものだ 水は静止しているが ときどき波が起きる 宇宙はそんな海で満たされていて これを場と呼ぶ この概念を放射線で考えてみよう 電磁場に波が起こることで 光子という粒子が生まれる 放射線を運ぶ光の粒子だ 光子以外の粒子もこのように作られ それぞれの粒子に固有の場がある 例えば電磁場は 宇宙全体に満ちている場で この場の揺れが電子だ 場は全部で17個の粒子を生み出し 3つに分類できる レプトン クォーク ボソンだ レプトンには電子 ミュー粒子 タウ粒子と その対となるニュートリノがある クォークには 原子を作る粒子があり これらが組み合わさって 原子核の陽子と中性子を作り出す レプトンとクォークが すべての物を構成している 空気や太陽 あなたの目の前のコンピューターも また 物には力もある 哲学的に言えば 性質は存在同様そのものの一部だ ボソンはそのような力の場にある クォークとレプトンは物質場 ボソンは力の場で作られる 宇宙を支配する力で 基本的な力が4つ存在する 電磁気力 重力 強い力 弱い力だ これらの力をルールに 粒子の駒は宇宙の盤を動く 力がその可能な動き方を決める ビショップはななめに 粒子は光速で進み ナイトは跳び 重力は引っ張る 力は相互作用の仕方も決め 粒子に働く力が最終的に 宇宙の大きな構造を作る 重力は月や 落ちるりんごだけではなく すべての物質に働いて 天体を形作る 電磁気力は磁石の作用や 電気のためだけではなく すべての原子に働き 分子を形作る 力と粒子の関係は 組み立ておもちゃに似ている ボソンは粒子同士を繋ぎ合わせる 連絡係のようなものだ 粒子同士は特定の力で相互作用する クォーク同士は 電磁気力と強い力を使うが 電子同士は電磁気力だけを使う クォーク同士は強い力で 強く相互作用する一方 それらが作る陽子は 電子と電磁気力(光子)で関わり合う こうして 原子核と それに引かれる電子が原子を形作る 宇宙に見られる生命 超新星爆発 コンピューターなどの複雑な現象も 十分に拡大すれば 場から生まれて 4つの力で動く 17個の粒子に至る これが現在わかっている物の正体だ 物理学では標準模型と呼ばれている あなたは広い海に生じた波であり 宇宙の力に導かれた存在なのだ しかし力が何なのかは さらに説明が必要になりそうだ