WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:04.738 2015年11月 197ヵ国の代表が パリに集まり 00:00:04.738 --> 00:00:07.979 産業革命以降の 世界の気温上昇を 00:00:07.979 --> 00:00:11.238 1.5℃までに抑える努力をすることで 合意しました 00:00:11.238 --> 00:00:13.370 クライメート・アクション・ トラッカー (CAT) は 00:00:13.370 --> 00:00:16.750 36の国々の公約と実施状況を 監視しています 00:00:16.750 --> 00:00:20.363 この国々で 全世界の温室効果ガス排出量の 約80パーセントを占めています 00:00:20.363 --> 00:00:23.136 残念ながら排出量は 増え続けていて 00:00:23.136 --> 00:00:27.168 地球の気温は すでに1.1℃ 上がっています 00:00:27.168 --> 00:00:29.773 CATは二つの問題を明確にします NOTE Paragraph 00:00:29.773 --> 00:00:33.158 一つ目は パリ協定のゴールを 達成できるほどに意欲的な排出目標を 00:00:33.158 --> 00:00:35.731 各国が設けていないことです 00:00:35.731 --> 00:00:38.642 仮にすべての国がその目標を 達成したとしても 00:00:38.642 --> 00:00:43.282 今後70年で2℃以上の 気温上昇になる見込みで 00:00:43.282 --> 00:00:47.549 22世紀以降も 上昇が収まりません NOTE Paragraph 00:00:47.549 --> 00:00:50.070 二つ目は その不十分な目標ですら 00:00:50.070 --> 00:00:52.415 実行されていないことです 00:00:52.415 --> 00:00:55.424 CATが監視する36ヵ国が これまでに行った政策や 00:00:55.424 --> 00:00:57.504 現在計画中の政策でさえ 00:00:57.504 --> 00:01:00.101 排出量の増加を 遅らせるに過ぎないのです 00:01:00.101 --> 00:01:02.053 さらなる行動を 起こさなければなりません 00:01:02.053 --> 00:01:05.412 地球の温暖化を1.5℃までに抑える 希望を保つには 00:01:05.412 --> 00:01:11.488 世界の排出量を2030年までに半分に 2050年までに実質ゼロにする必要があります NOTE Paragraph 00:01:11.488 --> 00:01:13.238 データを見てみましょう 00:01:13.238 --> 00:01:15.155 分析された36ヵ国のうち 00:01:15.155 --> 00:01:20.530 たった2ヵ国だけが地球温暖化を1.5℃に 抑制するのに十分な行動を起こしています 00:01:20.530 --> 00:01:23.030 ガンビアはこれまでの排出が 最も少ない 00:01:23.030 --> 00:01:25.238 発展途上国でありながらも 00:01:25.238 --> 00:01:27.662 十分な排出量削減を公約に掲げました 00:01:27.662 --> 00:01:30.833 モロッコは続々と 太陽光発電所を建てています 00:01:30.833 --> 00:01:33.665 その他の国々の政策は 不十分です NOTE Paragraph 00:01:33.665 --> 00:01:36.696 2020年には各国の代表が集まり 00:01:36.696 --> 00:01:39.209 それぞれの目標を 厳格化するはずでした 00:01:39.209 --> 00:01:41.895 現在までに 目標を厳格化した国は ごく少数であり 00:01:41.895 --> 00:01:45.701 他の国々は既存の不十分な目標を 維持しています 00:01:45.701 --> 00:01:49.071 ガンビアやモロッコに大きく後れを 取っていない国もあります 00:01:49.071 --> 00:01:50.988 インドやケニアがそうです 00:01:50.988 --> 00:01:53.401 しかし 最も経済が発達した国々は 00:01:53.401 --> 00:01:56.651 技術開発や他国への支援に 十分な力があるにもかかわらず 00:01:56.651 --> 00:01:59.530 このプロジェクトを先導する責任から 目を背けています 00:01:59.530 --> 00:02:02.941 アメリカは現在パリ協定から 離脱しています 00:02:02.941 --> 00:02:07.718 中国は2060年までに 炭素の排出を実質ゼロにすることを約束し 00:02:07.718 --> 00:02:12.410 それで地球温暖化が0.3℃ほど 抑えられることになりますが 00:02:12.410 --> 00:02:15.405 実際に行われている政策は 一貫しておらず 00:02:15.405 --> 00:02:18.667 中国は風力と太陽光発電の 最大の市場であると同時に 00:02:18.667 --> 00:02:21.911 新たな石炭火力発電所も 作っています 00:02:21.911 --> 00:02:24.571 EUはグリーンディールを導入して 00:02:24.571 --> 00:02:27.767 加盟国のサステナビリティを促進するなど 良い方向へ向かっていますが 00:02:27.767 --> 00:02:31.224 それでも 1.5℃の目標達成には 十分ではありません NOTE Paragraph 00:02:31.833 --> 00:02:33.905 はたして 希望はあるのでしょうか? 00:02:33.905 --> 00:02:37.571 その鍵となる指標の一つは 電力のクリーン化に向けた国の姿勢です 00:02:37.571 --> 00:02:41.996 電力のクリーン化は各産業の排出を 削減もしくは無くすことを可能にします 00:02:41.996 --> 00:02:47.124 50ヵ国、30地域、160都市、 200の事業者が 00:02:47.124 --> 00:02:50.988 電力の100%クリーン化の 実現を誓いました 00:02:50.988 --> 00:02:53.655 デンマーク、スコットランド、 南オーストラリア州は 00:02:53.655 --> 00:02:55.342 目標達成まであと少しですが 00:02:55.342 --> 00:02:57.836 世界の大部分は 電力のクリーン化に向け 00:02:57.836 --> 00:03:00.440 さらなる決意と迅速な行動が 求められています NOTE Paragraph 00:03:00.708 --> 00:03:03.238 輸送分野にも 良いニュースがあります 00:03:03.238 --> 00:03:07.446 20ヵ国、5地域、50都市、 60の事業者が 00:03:07.446 --> 00:03:11.113 温室効果ガスを出さない 車、バイク、バスへの移行を 00:03:11.113 --> 00:03:13.155 すでに決定しています 00:03:13.155 --> 00:03:18.238 ノルウェーは2025年までに すべてのガソリン車の販売を終了させます 00:03:18.238 --> 00:03:19.655 一方で アメリカは 00:03:19.655 --> 00:03:21.946 燃費規制を後退させ 00:03:21.946 --> 00:03:25.895 燃費の悪い車の製造を 許可しています 00:03:25.895 --> 00:03:28.326 鉄鋼、セメント、航空、 00:03:28.326 --> 00:03:30.130 海運などの他の分野では 00:03:30.130 --> 00:03:33.434 まだまだ遅れを取っていて 改善はさらに難しいですが 00:03:33.434 --> 00:03:37.310 いくつかの鉄鋼やセメントの業者は 脱炭素の製造方法を開発しています 00:03:37.310 --> 00:03:41.339 ノルウェーとスコットランドは 短距離航空便の脱炭素化を目指しています NOTE Paragraph 00:03:41.417 --> 00:03:45.905 2015年11月 197ヵ国の代表が パリに集まり 00:03:45.905 --> 00:03:48.635 気候変動に挑む目標を それぞれ掲げました 00:03:48.635 --> 00:03:52.783 その目標は地球温暖化を 1.5℃に抑えるには 00:03:52.783 --> 00:03:55.488 不十分なものでしたが 00:03:55.488 --> 00:04:00.113 多くの国はそんな目標にさえ 満足に取り組めていません 00:04:00.113 --> 00:04:04.363 私たちはもっと野心的な目標と 野心的な行動を必要としています 00:04:04.363 --> 00:04:08.446 排出削減のため 今後10年で 世界経済の主要産業の変革を 00:04:08.446 --> 00:04:10.594 進める必要があります 00:04:10.594 --> 00:04:13.196 これは難しいでしょうが 不可能ではありません 00:04:13.196 --> 00:04:16.153 たくさんの雇用創生など 数々の素晴らしい機会が 00:04:16.153 --> 00:04:18.280 生まれてくるでしょう 00:04:18.280 --> 00:04:20.655 忘れてはならないことは 00:04:20.655 --> 00:04:23.829 この変革は 私たちすべてにとって よりきれいな空気や 00:04:23.829 --> 00:04:26.915 安全で安定した気候をも 意味するのです