0:00:02.416,0:00:04.586
はじめてのキス

0:00:05.316,0:00:06.616
彼女の口が

0:00:06.616,0:00:08.726
僕の口に舞い降りた

0:00:08.726,0:00:14.366
夏の雪のように ５番目の季節のように[br]真新しい楽園のように

0:00:14.366,0:00:17.216
イブのお尻の[br]流れるような傾きに

0:00:17.216,0:00:21.327
神様が不平を言った時の[br]エデンのように

0:00:21.327,0:00:24.017
彼女のキスは[br]そんな風に痛んだ

0:00:24.017,0:00:26.687
つまり 彼女が天使の汗に

0:00:26.687,0:00:31.251
蜜柑の味を[br]混ぜたかのようだった

0:00:31.251,0:00:33.741
ほんとうに[br]僕の口はずっと

0:00:33.741,0:00:37.111
秘密で塗り固めた[br]ヘルメットだったんだ

0:00:37.111,0:00:41.671
僕の口は行き止まりの道で[br]歯で少しだけ照らされていた

0:00:41.671,0:00:46.721
僕の心は闇の底で[br]固く閉じた貝だった

0:00:46.721,0:00:50.331
でも彼女の口は 水色の[br]キャデラックのようにつんとして

0:00:50.331,0:00:54.661
カナリアが一杯詰まり[br]オオハシが運転していたんだ — ほんとうに

0:00:54.661,0:00:58.171
その唇がキスするときに[br]鮮やかな羽と言った

0:00:58.171,0:01:03.411
荒々しく 正確に タツノオトシゴに[br]話し方を教えているかのように

0:01:03.411,0:01:08.714
彼女の口はとても慎重に 僕の喉から[br]最初の母音をおびき寄せた

0:01:08.714,0:01:14.614
僕の脳がピアノになって大きく鳴り響くまで[br]そんな風に打ったんだ

0:01:14.614,0:01:19.144
それはほんとうに 彼女の舌が[br]土星の７番目の月であるかのようで

0:01:19.144,0:01:23.714
そんな風に 熱く[br]熱く 冷たく 回って

0:01:23.714,0:01:27.719
回って[br]僕を有頂天な惑星に変えた

0:01:27.719,0:01:32.639
一方には太陽が もう一方には[br]彼女のゆっくりした手を注ぐ夜があって

0:01:32.639,0:01:36.649
一方の火が[br]もう一方の凧を飛ばす

0:01:36.649,0:01:40.824
彼女のキスは それこそ[br]母なる自然が

0:01:40.824,0:01:43.924
月を贈り物のように[br]急いで開け

0:01:43.924,0:01:49.084
居合わせた自分の手首からついに[br]影が外れるのを感じるようだった

0:01:49.084,0:01:51.194
そんな感じだったけど[br]もっと甘かった

0:01:51.194,0:01:55.214
ホッピングに乗った義足の坊さんたちの[br]暴動みたいに

0:01:55.214,0:01:58.524
上へ 上へ こっちへ こっちへ

0:01:58.524,0:02:00.854
落ちることなく 上へ上へと

0:02:00.854,0:02:02.964
そんな風に[br]やんちゃしていた

0:02:02.964,0:02:10.814
だけどまったく あのキスと言ったら[br]両方の唇がすっかり世界に尽くしていた

0:02:10.814,0:02:12.584
平和部隊のように

0:02:12.584,0:02:14.224
無料の店のように

0:02:14.224,0:02:16.244
いつでも いつまでも

0:02:16.244,0:02:21.564
鍵も壁もなく 扉があるだけという[br]新しい街のように

0:02:21.564,0:02:24.234
そんな風だった [br]ほんとうに

0:02:24.234,0:02:26.284
そんな風だったんだ