0:00:03.000,0:00:06.000
アリサ(以下AV)：これが全ての始まり

0:00:06.000,0:00:08.000
私たちの第一子デクラン誕生の

0:00:08.000,0:00:10.000
劇的な瞬間です

0:00:10.000,0:00:12.000
素晴らしい体験は

0:00:12.000,0:00:14.000
私たちの人生を変えました

0:00:14.000,0:00:16.000
中には想定外のことも多くあり

0:00:16.000,0:00:19.000
後にそれらを振り返ってみることで

0:00:19.000,0:00:21.000
新たなビジネスが思いつきました

0:00:21.000,0:00:23.000
そして1年後 親のためのウェブサイト

0:00:23.000,0:00:25.000
Babbleを立ち上げたのです

0:00:25.000,0:00:27.000
ルーファス(以下RG)：この物語は

0:00:27.000,0:00:30.000
その数年前に始まります （AV：確かに）

0:00:30.000,0:00:33.000
覚えてるかな 僕らは恋に落ちたよね

0:00:33.000,0:00:35.000
AV：そうね

0:00:35.000,0:00:37.000
RG：当時は今とかなり異なるウェブサイト

0:00:37.000,0:00:39.000
Nerve.comを運営していました

0:00:39.000,0:00:42.000
キャッチフレーズは「洗練されたエロ本」

0:00:42.000,0:00:45.000
性と文化を扱った 知的なオンラインマガジンを

0:00:45.000,0:00:47.000
目指したもので 実際

0:00:47.000,0:00:50.000
そのとおりのものでした

0:00:50.000,0:00:53.000
AV：それがある出会い系サイトの元になりました

0:00:53.000,0:00:55.000
冗談で「セックスで子供が生まれた」や

0:00:55.000,0:00:58.000
「Nerveについて行ったらBabbleに着いた」など

0:00:58.000,0:01:00.000
も言われました

0:01:00.000,0:01:03.000
次は高齢者向けサイトを立ち上げるかもしれません

0:01:04.000,0:01:07.000
RG：でも私たちにとって二つのサイトの共通項は

0:01:07.000,0:01:09.000
単にライフステージだけではなく

0:01:09.000,0:01:11.000
それも関係はあるのですが

0:01:11.000,0:01:13.000
それよりも

0:01:13.000,0:01:15.000
人が避けたがる話題こそ

0:01:15.000,0:01:18.000
人々は率直に話し合いたいという強い願望を持っていることです

0:01:18.000,0:01:20.000
思うに

0:01:20.000,0:01:23.000
人が偽ったり 嘘をついたりし始める時こそ

0:01:23.000,0:01:25.000
それは興味深い話題なのであり

0:01:25.000,0:01:27.000
私たちはそんな話題を掘り下げたいのです

0:01:27.000,0:01:29.000
驚いたことに

0:01:29.000,0:01:32.000
性について存在する以上の数のタブーが

0:01:32.000,0:01:34.000
子育てには存在するのです

0:01:34.000,0:01:36.000
AV：申し上げた通り

0:01:36.000,0:01:38.000
子育ての初期は本当に素晴らしかった一方

0:01:38.000,0:01:40.000
本当に困難でもありました

0:01:40.000,0:01:42.000
その苦労の一部は

0:01:42.000,0:01:45.000
子育てに関する誤った宣伝のせいだと思うのです

0:01:45.000,0:01:47.000
（笑い）

0:01:47.000,0:01:50.000
多くの雑誌を購読し 下調べしたのですが

0:01:50.000,0:01:53.000
見回すと周りに広がるのは このような光景ばかりだけでした

0:01:53.000,0:01:55.000
こんな光景を期待して

0:01:55.000,0:01:57.000
子育てを始めたのに…

0:01:57.000,0:02:00.000
日の光がいつも差し込み 子供は決して泣きわめいたりせず

0:02:00.000,0:02:03.000
常に髪型も完璧で いつも元気で

0:02:04.000,0:02:06.000
しかし 現実はかけ離れていました

0:02:06.000,0:02:09.000
RG：私たちが眺めていた こうした美しい写真を

0:02:09.000,0:02:11.000
掲載した子育て雑誌を下に置き

0:02:11.000,0:02:13.000
実際の我が家のリビングを眺めてみると

0:02:13.000,0:02:15.000
むしろこんな感じでした

0:02:15.000,0:02:17.000
うちの3人の息子です

0:02:17.000,0:02:19.000
もちろん 常に泣き叫んではいませんが

0:02:19.000,0:02:21.000
男の子が3人もいれば たいていの場合は

0:02:21.000,0:02:23.000
少なくとも1人は 行儀よくせずに

0:02:23.000,0:02:25.000
ぐずっているのです

0:02:25.000,0:02:28.000
AV：期待と現実のギャップがどう生まれたのかお分かりでしょう

0:02:28.000,0:02:31.000
私たちは 期待していたことが

0:02:31.000,0:02:34.000
実際の体験とは何ら関連しないのだと気づき

0:02:34.000,0:02:37.000
こうしたことを親たちに率直に伝えようと決めたのです

0:02:37.000,0:02:40.000
あるがままの子育ての現実を

0:02:40.000,0:02:43.000
理解してほしいと強く感じたのです

0:02:43.000,0:02:45.000
RG：そこで今日 みなさんに

0:02:45.000,0:02:48.000
子育ての4つのタブーをご紹介します

0:02:48.000,0:02:50.000
もちろん 子育てでのタブーは

0:02:50.000,0:02:52.000
もっとたくさんあるのですが

0:02:52.000,0:02:54.000
私たちにとって個人的に特に重要な

0:02:54.000,0:02:57.000
4つについて 今日はお話ししたいと思います

0:02:57.000,0:03:00.000
まずは タブーひとつ目：

0:03:00.000,0:03:03.000
誕生した瞬間に赤ん坊を愛さなかった とは

0:03:03.000,0:03:05.000
言ってはいけません

0:03:05.000,0:03:08.000
私は病院で待っていた時を鮮明に覚えています

0:03:08.000,0:03:11.000
私たちは初めての子供を分娩する過程にありました

0:03:11.000,0:03:13.000
「私たち」?「私」でしょ?

0:03:13.000,0:03:15.000
ごめんなさい

0:03:15.000,0:03:17.000
代名詞の誤用です

0:03:17.000,0:03:19.000
アリサは寛大にも 第一子を

0:03:19.000,0:03:21.000
分娩してくださっており （AV：どうも）

0:03:21.000,0:03:23.000
私は相方として控えて

0:03:23.000,0:03:25.000
誕生を待っていました

0:03:25.000,0:03:27.000
すると珠のような赤ん坊を

0:03:27.000,0:03:29.000
抱いた看護師がこちらに向かってきて

0:03:29.000,0:03:31.000
その時 私は友人たちの言葉を

0:03:31.000,0:03:34.000
思い返していました

0:03:34.000,0:03:36.000
「赤ん坊を腕の中に抱いた瞬間

0:03:36.000,0:03:39.000
それまでの人生で経験したどんなことよりも

0:03:39.000,0:03:41.000
はるかに巨大な力をもって

0:03:41.000,0:03:44.000
愛の感情が押し寄せてくるんだよ」と

0:03:44.000,0:03:46.000
息をのんでその瞬間を待ちました

0:03:46.000,0:03:48.000
赤ん坊はやってきていて

0:03:48.000,0:03:50.000
私は愛が巨大なトラックのように

0:03:50.000,0:03:53.000
込み上げるのを私は待っていた

0:03:53.000,0:03:56.000
しかし 赤ん坊がこの腕に置かれた瞬間は

0:03:56.000,0:03:58.000
驚くべきものでした

0:03:58.000,0:04:01.000
この写真は赤ん坊を抱いたまさにほんの数秒後で

0:04:01.000,0:04:04.000
私が彼を抱いてきて撮ったものなのですが

0:04:04.000,0:04:06.000
ご覧の通り私たちの目は輝き

0:04:06.000,0:04:09.000
私は妻への愛と愛着で心がいっぱいで

0:04:09.000,0:04:11.000
健康な子を授かったことへの

0:04:11.000,0:04:13.000
深い 深い感謝の思いで満ちあふれています

0:04:13.000,0:04:15.000
それは現実と思えないほどでした

0:04:15.000,0:04:17.000
念のために名札を確認したほどでした

0:04:17.000,0:04:19.000
本当に自分たちの子なのか疑ってしまいました

0:04:19.000,0:04:22.000
驚くべきことでした

0:04:22.000,0:04:25.000
その時私が子供に対して感じたのは深い愛着でしたが それは

0:04:25.000,0:04:28.000
5年経った今彼に抱いているのとは全く違うものです

0:04:28.000,0:04:30.000
そこで 許されないことかもしれませんが

0:04:30.000,0:04:32.000
わたしたちは

0:04:32.000,0:04:35.000
子供への愛を時間軸で

0:04:35.000,0:04:38.000
グラフ化してみました

0:04:38.000,0:04:40.000
（笑い）

0:04:40.000,0:04:43.000
お分かりの通り これはやってはいけないことで

0:04:43.000,0:04:45.000
愛のグラフ化など許されません

0:04:45.000,0:04:47.000
これが許されない理由は 愛が

0:04:47.000,0:04:49.000
二項対立のものと考えられているからです

0:04:49.000,0:04:51.000
恋に落ちているか 落ちていないか

0:04:51.000,0:04:53.000
愛しているか 愛してないか

0:04:53.000,0:04:56.000
現実的には 私は愛とはプロセスだと思います

0:04:56.000,0:04:58.000
愛を二項対立図式で理解しようとすることの

0:04:58.000,0:05:00.000
問題点は そうすると

0:05:00.000,0:05:02.000
愛なんて欺瞞だとか

0:05:02.000,0:05:04.000
不十分だとか そんなふうに

0:05:04.000,0:05:07.000
わたしたちがむやみに思ってしまうことです

0:05:07.000,0:05:10.000
ここでは当然父親の経験に基づき話しているわけですが

0:05:10.000,0:05:12.000
思うにおそらく多くの男性が 多かれ少なかれ

0:05:12.000,0:05:15.000
自身の情緒的反応が不十分だという思いを

0:05:15.000,0:05:18.000
子育て初期の数ヶ月 あるいは初年に経験しているでしょう

0:05:18.000,0:05:20.000
AV：この話題を取り上げてくれてありがたいです

0:05:20.000,0:05:23.000
初年で彼の愛が下降しているのがおわかりでしょう

0:05:23.000,0:05:26.000
わたしが育児の殆どを担っていたのに

0:05:26.000,0:05:28.000
よく冗談で 子供の生後数ヶ月間は

0:05:28.000,0:05:30.000
彼は叔父なんだ と

0:05:30.000,0:05:32.000
言ったりします

0:05:32.000,0:05:34.000
（笑い）

0:05:34.000,0:05:36.000
RG：私は叔父にしては 実に愛情深いと思うよ

0:05:36.000,0:05:39.000
AV：そうね あと彼が帰宅すると よく

0:05:39.000,0:05:42.000
息子を他の子と並べたら見分けがつかないんじゃないの なんて

0:05:42.000,0:05:44.000
冗談を言っていたので

0:05:44.000,0:05:46.000
実際にルーファスにクイズを出してみましょう

0:05:46.000,0:05:48.000
RG：なんだって!?

0:05:48.000,0:05:51.000
AV：恥をかかせたくはありませんが 制限時間は３秒です

0:05:51.000,0:05:54.000
RG：ずるいな 引っかけ問題だ どれも我が子じゃないんだろう?

0:05:54.000,0:05:57.000
AV：いいえ 生後8週間の息子がいるわよ

0:05:57.000,0:05:59.000
彼は素早く息子を見分けられるでしょうか

0:05:59.000,0:06:01.000
RG：一番左だ（AV：違うわよ!）

0:06:01.000,0:06:08.000
（笑い）

0:06:08.000,0:06:10.000
RG：ひどいなぁ

0:06:10.000,0:06:12.000
AV：何も言えないわ

0:06:12.000,0:06:14.000
（笑い）

0:06:14.000,0:06:16.000
2つ目のタブーに移りましょう

0:06:16.000,0:06:19.000
子育てがどんなに孤独かを打ち明けてはいけません

0:06:19.000,0:06:21.000
妊娠中は楽しかったのです

0:06:21.000,0:06:24.000
周りのコミュニティーとの繋がりを強く感じ

0:06:24.000,0:06:27.000
周りの皆が 私の妊娠を共有してくれていると感じました

0:06:27.000,0:06:30.000
予定日が近づいてくると 自分を

0:06:31.000,0:06:34.000
慈愛の未来を乗せた船のように感じたのです

0:06:34.000,0:06:37.000
それは入院中まで続き 私はウキウキしていました

0:06:37.000,0:06:40.000
多くの来客があり贈り物や花をいただいたり

0:06:40.000,0:06:43.000
本当に素晴らしい体験でした

0:06:43.000,0:06:45.000
しかし帰宅すると

0:06:45.000,0:06:47.000
突然 切り離された気持ちになりました

0:06:47.000,0:06:50.000
閉じ込められ 除外された気持ち

0:06:50.000,0:06:52.000
またそうした感覚に驚きました

0:06:52.000,0:06:54.000
夜も眠れず 休みなく授乳するのは

0:06:54.000,0:06:56.000
覚悟していたのです でも

0:06:56.000,0:06:58.000
私が経験した孤独や寂しさは

0:06:58.000,0:07:01.000
予想もしないものでした

0:07:01.000,0:07:03.000
同時に こんな気持ちになるのだと

0:07:03.000,0:07:05.000
誰も教えてくれなかった事実に驚き

0:07:05.000,0:07:07.000
姉に電話しました

0:07:07.000,0:07:10.000
3人の子持ちの彼女とは仲が良く

0:07:10.000,0:07:12.000
こう尋ねました「どうしてこんなふうに

0:07:12.000,0:07:14.000
とてつもなく孤独に感じることを

0:07:14.000,0:07:17.000
こんな感情を抱くことを教えてくれなかったの?」と

0:07:18.000,0:07:20.000
忘れもしません 彼女はこう答えました

0:07:20.000,0:07:22.000
「とにかくそれは 初めて子を持つ母親に

0:07:22.000,0:07:25.000
言いたいことじゃないのよ」

0:07:25.000,0:07:27.000
RG：もちろん私たちは

0:07:27.000,0:07:30.000
これがまさに 初めて子を持つ母親達に

0:07:30.000,0:07:33.000
伝えるべきことだと考えます

0:07:33.000,0:07:36.000
また これは私たちのテーマのひとつで

0:07:36.000,0:07:38.000
率直で

0:07:38.000,0:07:40.000
残酷な本音こそ 私たち皆が

0:07:40.000,0:07:42.000
良い親であるために必要な

0:07:42.000,0:07:44.000
ものだと考えます

0:07:44.000,0:07:46.000
またこうした孤独感を

0:07:46.000,0:07:48.000
引き起こす要因の一部は 現代社会にあると

0:07:48.000,0:07:50.000
考えられます

0:07:50.000,0:07:52.000
アリサ一人の経験ではないのです

0:07:52.000,0:07:54.000
調査によると 58％の母親が

0:07:54.000,0:07:56.000
孤独感を感じています

0:07:56.000,0:07:58.000
そのうちの67％が 最も寂しい時期は

0:07:58.000,0:08:01.000
子供が0〜5歳の時だと答えています 特に0〜2歳でしょう

0:08:01.000,0:08:03.000
今日の準備を進めるなかで

0:08:03.000,0:08:05.000
世界の他の文化圏では この時期をどう乗り切るのか

0:08:05.000,0:08:08.000
ということを調べました

0:08:08.000,0:08:10.000
なぜならここ西洋では

0:08:10.000,0:08:13.000
親戚の近くに住む人の割合は50％以下で

0:08:13.000,0:08:16.000
それが この時期が困難になる理由だと思うのです

0:08:16.000,0:08:18.000
そこでひとつの例を挙げてみましょう

0:08:18.000,0:08:20.000
南インドには

0:08:20.000,0:08:22.000
ジョラビハリという風習があり

0:08:22.000,0:08:25.000
女性は 妊娠7〜8ヶ月目を迎えると

0:08:25.000,0:08:27.000
母親の元へ里帰りし

0:08:27.000,0:08:29.000
一連の儀式や祭儀を行ってから出産をし

0:08:29.000,0:08:32.000
生後数ヵ月経ってから

0:08:32.000,0:08:34.000
核家族のもとへ戻るのです

0:08:34.000,0:08:36.000
これが他の文化圏での

0:08:36.000,0:08:39.000
子育ての孤独を回避する多くの方法の一つです

0:08:39.000,0:08:41.000
AV：では 3つ目のタブーです

0:08:41.000,0:08:44.000
流産について話してはいけない でも今日は私の経験をお話します

0:08:44.000,0:08:46.000
デクランをもうけた後

0:08:46.000,0:08:48.000
自分たちの期待値を計り直しました

0:08:48.000,0:08:51.000
再度同じことをやりきれるだろうと思ったし

0:08:51.000,0:08:54.000
立ちはだかる壁ももう分かっていました

0:08:54.000,0:08:57.000
そして嬉しいことにまた妊娠することができて

0:08:57.000,0:08:59.000
それが男の子だということもすぐに知りました

0:08:59.000,0:09:01.000
すると妊娠5ヶ月の時

0:09:01.000,0:09:03.000
流産したことが発覚しました

0:09:03.000,0:09:06.000
これが 最後に撮った彼の画像です

0:09:07.000,0:09:09.000
当然 非常に苦しい時期でした

0:09:09.000,0:09:12.000
とても辛かった

0:09:12.000,0:09:15.000
この悲嘆の時期を乗り越えている間

0:09:15.000,0:09:18.000
驚くことに 誰にも会いたくありませんでした

0:09:18.000,0:09:21.000
本当に 穴に閉じこもりたくて

0:09:21.000,0:09:23.000
そしてどうやって周囲のコミュニティーに

0:09:23.000,0:09:26.000
また復帰すれば良いのか分からなかったのです

0:09:26.000,0:09:29.000
そして気づきました そういう私の思いは

0:09:29.000,0:09:31.000
非常に深い生理的なもので

0:09:31.000,0:09:34.000
ある意味遺伝子的にできて当然の

0:09:34.000,0:09:36.000
出産に失敗したのだという

0:09:36.000,0:09:38.000
とてもみじめな気持ち

0:09:38.000,0:09:41.000
むしろ羞恥心を強く抱いていました

0:09:41.000,0:09:43.000
また もしもう子供を産めないとしたら

0:09:43.000,0:09:45.000
私たちの結婚は そして

0:09:45.000,0:09:47.000
女性として自分は どうなってしまうか

0:09:47.000,0:09:49.000
と 問いました

0:09:49.000,0:09:51.000
本当に辛い時期でした

0:09:51.000,0:09:53.000
悲しみを乗り越えていく中で

0:09:53.000,0:09:56.000
やっと穴から抜け出し 人とも話すようになりました

0:09:56.000,0:09:58.000
すると そこで

0:09:58.000,0:10:00.000
耳にする数々の話に驚いたのです

0:10:00.000,0:10:02.000
日ごろ関わっている人たち

0:10:02.000,0:10:04.000
例えば同僚 友人

0:10:04.000,0:10:06.000
そして長年知っている親戚ですら

0:10:06.000,0:10:08.000
私に彼らの話をしたことがなかったのです

0:10:08.000,0:10:11.000
こういった話が 突然どこからともなく次々に現れたように感じて

0:10:11.000,0:10:13.000
とある隠された女性社会に

0:10:13.000,0:10:16.000
ふと遭遇し その一員になったかのような気がしました

0:10:16.000,0:10:19.000
それは安心と気遣いを与えてくれる場でした

0:10:20.000,0:10:22.000
思うに

0:10:22.000,0:10:24.000
流産は目に見えない喪失です

0:10:24.000,0:10:26.000
援助をしてくれるところもあまりありません

0:10:26.000,0:10:28.000
儀式や典礼は

0:10:28.000,0:10:30.000
ないのです

0:10:30.000,0:10:33.000
死者の場合は葬式があって その人生が讃えられて

0:10:33.000,0:10:35.000
周囲の支えもたくさんもあります

0:10:35.000,0:10:37.000
女性の流産には それがないのです

0:10:37.000,0:10:39.000
RG：当然 流産は酷いことです

0:10:39.000,0:10:41.000
一般的で 精神的に大きな傷を残します

0:10:41.000,0:10:44.000
妊娠の15〜20％は流産に終わります

0:10:44.000,0:10:46.000
これは驚くべき割合です

0:10:46.000,0:10:48.000
ある調査によると 74％の女性が

0:10:48.000,0:10:51.000
流産の原因の一部は自分にあると感じています ひどいことです

0:10:51.000,0:10:53.000
さらに 22％の女性が

0:10:53.000,0:10:55.000
配偶者にも流産を秘密にするそうです

0:10:55.000,0:10:57.000
では タブー4つ目です

0:10:57.000,0:11:00.000
子ができたら幸せの水準が下がった

0:11:00.000,0:11:03.000
などと言ってはいけません

0:11:03.000,0:11:06.000
家族を持ち 子を授かるという奇跡に巡り会った途端

0:11:06.000,0:11:08.000
人生が あらゆる側面で

0:11:08.000,0:11:10.000
劇的に好転した

0:11:10.000,0:11:13.000
と言うのがお約束なのです

0:11:14.000,0:11:17.000
今も鮮明に覚えている 忘れられない瞬間があって

0:11:17.000,0:11:20.000
その時第一子のデクランは生後9カ月で

0:11:20.000,0:11:22.000
私はソファに座り

0:11:22.000,0:11:25.000
ダニエル・ギルバートの『幸せはいつもちょっと先にある』を読んでいました

0:11:25.000,0:11:27.000
本の3分の2ぐらいにさしかかった時

0:11:27.000,0:11:30.000
右手側 つまり右側のページに

0:11:30.000,0:11:32.000
グラフがありました

0:11:32.000,0:11:34.000
これです

0:11:34.000,0:11:36.000
『新米の親にとって 想像し得る

0:11:36.000,0:11:38.000
最も恐ろしいグラフ』

0:11:38.000,0:11:41.000
このグラフは 全く独立した4つの研究で構成されていて

0:11:41.000,0:11:44.000
基本的に 結婚満足度には崖のような

0:11:44.000,0:11:46.000
急降下が見られ

0:11:46.000,0:11:49.000
お分かりのように これはより広義の幸せと密接に連動していて

0:11:49.000,0:11:51.000
第一子が大学に進学するまで

0:11:51.000,0:11:54.000
上昇することはありません

0:11:54.000,0:11:57.000
こうして私は 来る20年間の人生 つまりこれから

0:11:57.000,0:11:59.000
まっさかさまに突っ込んでいく

0:11:59.000,0:12:02.000
幸福の谷底を眺めていたのです

0:12:02.000,0:12:05.000
落胆しました

0:12:05.000,0:12:07.000
AV：最初の大変だった数カ月を何とかして

0:12:07.000,0:12:09.000
切り抜けたというのに

0:12:09.000,0:12:11.000
この研究には大変ショックを受けました

0:12:11.000,0:12:14.000
そこで 希望の光を見いだすために

0:12:14.000,0:12:16.000
もっと深く掘り下げてみたかったのです

0:12:16.000,0:12:18.000
RG：親向けウェブサイトを運営していたため

0:12:18.000,0:12:21.000
素晴らしい記者がいて

0:12:21.000,0:12:24.000
先の4つの研究を指揮した科学者に

0:12:24.000,0:12:26.000
インタビューしてもらえました

0:12:26.000,0:12:28.000
私たちは この研究はどこかおかしい

0:12:28.000,0:12:30.000
何か要素が欠けているはずだ と主張しました

0:12:30.000,0:12:33.000
結果がこんな酷いはずないですから

0:12:34.000,0:12:37.000
そこでリズ・ミッチェルは尽力してくれ

0:12:37.000,0:12:40.000
4人の研究者とダニエル・ギルバートに

0:12:40.000,0:12:42.000
インタビューをしてくれたのです

0:12:42.000,0:12:44.000
実際に 希望の光は見つかりました

0:12:44.000,0:12:46.000
これが 私たちが予想する

0:12:46.000,0:12:49.000
幸福の平均値の基準線が人生を通して

0:12:49.000,0:12:51.000
描く形です しかしもちろん

0:12:51.000,0:12:53.000
幸福の平均値はひとつひとつの経験を

0:12:53.000,0:12:55.000
反映しないので

0:12:55.000,0:12:57.000
不十分な数値と言えるでしょう

0:12:57.000,0:13:00.000
従って ひとつひとつの経験を

0:13:00.000,0:13:02.000
織り込めば

0:13:02.000,0:13:05.000
このような形になります

0:13:05.000,0:13:07.000
子どもの頃を思い出してみると

0:13:07.000,0:13:10.000
自分の子供の顔にも現れますが ものすごく小さな

0:13:10.000,0:13:12.000
本当に些細な事柄で

0:13:12.000,0:13:14.000
天にも昇るような喜びを

0:13:14.000,0:13:16.000
もたらしてくれる一方

0:13:16.000,0:13:18.000
次のほんの些細な出来事によって

0:13:18.000,0:13:20.000
絶望の縁に突き落とされてしまうのです

0:13:20.000,0:13:23.000
見ていて驚きますし 自身の経験としても覚えていますよね

0:13:23.000,0:13:25.000
ところが 歳をとるにつれて

0:13:25.000,0:13:27.000
まるでリチウムのように

0:13:27.000,0:13:30.000
だんだんと安定してきます

0:13:30.000,0:13:33.000
20〜30代に起こる現象の一部は おそらく

0:13:33.000,0:13:35.000
幸福に保険をかけることを覚えることです

0:13:35.000,0:13:37.000
気づくのです

0:13:37.000,0:13:40.000
「そうだ 音楽の生ライブに行って

0:13:40.000,0:13:42.000
全身に鳥肌が立つような

0:13:42.000,0:13:45.000
すばらしい体験をしてこよう

0:13:45.000,0:13:47.000
でもきっと人混みでぎゅうぎゅうだろうし

0:13:47.000,0:13:50.000
ビールも買えないんだろうな

0:13:50.000,0:13:52.000
やめよう

0:13:52.000,0:13:55.000
家に良いステレオもあるし 行かなくていいや」と

0:13:55.000,0:13:58.000
そうして幸福の水準は上がるものの

0:13:58.000,0:14:00.000
瞬間的なすばらしい経験は逃すのです

0:14:00.000,0:14:03.000
AV：そうして第一子をもうけると

0:14:03.000,0:14:05.000
こういった高揚や落胆を再び

0:14:05.000,0:14:07.000
甘んじて受けるのです

0:14:07.000,0:14:10.000
高揚は 子供の初めての一歩 初めての笑顔

0:14:10.000,0:14:12.000
自分に初めて本を読んでみせる時

0:14:12.000,0:14:15.000
落胆は 毎晩6〜7時には一家で就寝することなどです

0:14:17.000,0:14:19.000
しかしその中で 自分がすばらしい意味で

0:14:19.000,0:14:22.000
再びハメを外すようになっていると気づきます

0:14:22.000,0:14:24.000
これは 私たちの人生に大きな意味を

0:14:24.000,0:14:26.000
そして喜びを もたらしてくれます

0:14:26.000,0:14:28.000
RG：それは

0:14:28.000,0:14:30.000
幸福の平均値と引き換えで

0:14:30.000,0:14:32.000
ある程度の満足感を維持することの

0:14:32.000,0:14:34.000
保証や安心感と引き換えに

0:14:34.000,0:14:37.000
これらの素晴らしい瞬間を得るのです

0:14:37.000,0:14:39.000
では 3人の男の子を抱える

0:14:39.000,0:14:41.000
私たちは どうすればいいのでしょう?

0:14:41.000,0:14:43.000
私たちの場合

0:14:43.000,0:14:45.000
もう一つ要素があります

0:14:45.000,0:14:47.000
私たちはさらにもう一つタブーを

0:14:47.000,0:14:49.000
犯しました

0:14:49.000,0:14:52.000
おまけのタブーです

0:14:52.000,0:14:55.000
AV：私たちは一緒に働いてはいけない 特に３人の子持ちでは

0:14:55.000,0:14:57.000
というタブーですが 実際

0:14:57.000,0:14:59.000
私たちは働いています

0:14:59.000,0:15:02.000
RG：仕事の準備段階から すでに逆風に遭いました

0:15:02.000,0:15:05.000
配偶者とは絶対に働かない方が良いと考えていて

0:15:05.000,0:15:08.000
実際 Babbleの資金集めにベンチャー・キャピタルへ赴いた際も

0:15:08.000,0:15:10.000
彼らに言われました

0:15:10.000,0:15:12.000
「夫婦で始めた企業には

0:15:12.000,0:15:14.000
投資しないことにしてるんですよ

0:15:14.000,0:15:16.000
失敗する確率が高いから

0:15:16.000,0:15:18.000
やめて忘れなさい」と

0:15:18.000,0:15:20.000
でも私たちは 実際に前に進みました

0:15:20.000,0:15:23.000
儲けを生むことができたし 本当にうれしいです

0:15:23.000,0:15:25.000
人生のこの時期というのは

0:15:25.000,0:15:28.000
とにかく時間が貴重ですから

0:15:28.000,0:15:31.000
そして毎日の営みに本当に情熱を燃やすことができていて

0:15:31.000,0:15:33.000
二人の関係にも情熱をもっているのならば

0:15:33.000,0:15:36.000
成功の方法はこれしかないでしょう

0:15:36.000,0:15:38.000
では 最後にお聞きしたいのですが

0:15:38.000,0:15:41.000
皆の幸福水準を上昇させることはできるしょうか?

0:15:41.000,0:15:44.000
超絶的な喜びの瞬間があるのはすばらしいことですが

0:15:44.000,0:15:47.000
たいてい一瞬で過ぎてしまいます

0:15:47.000,0:15:50.000
そこで幸福の平均的水準はどうでしょう

0:15:50.000,0:15:52.000
少々上げることはできるでしょうか?

0:15:52.000,0:15:55.000
AV：先ほどお話ししたように 思うにこの幸福の落差を生むのは

0:15:55.000,0:15:57.000
誤った期待を抱いて 子育て

0:15:57.000,0:15:59.000
あるいはあらゆる長期の人間関係に

0:15:59.000,0:16:01.000
足を踏み入れることでしょう

0:16:01.000,0:16:04.000
もし正しい期待を抱き 期待の制御を行うことができれば

0:16:04.000,0:16:07.000
子育ては非常に楽しい経験になると思うのです

0:16:07.000,0:16:09.000
RG：わたしたちの場合も

0:16:09.000,0:16:11.000
当てはまりますが

0:16:11.000,0:16:13.000
多くの親にとって 子育てはこんな感じでしょう

0:16:13.000,0:16:16.000
ヨーロッパ旅行に向けて荷づくりし とてもウキウキしていたのに

0:16:16.000,0:16:18.000
飛行機を降りてみると

0:16:18.000,0:16:20.000
そこはネパールだった

0:16:20.000,0:16:23.000
もし適切な荷造りをし 何をするか分かっていて

0:16:23.000,0:16:25.000
はり切っていれば ネパール旅行は

0:16:25.000,0:16:27.000
素晴らしい経験になるでしょう

0:16:27.000,0:16:29.000
従って今日お伝えしたかったことは

0:16:29.000,0:16:32.000
ただ単に真実を話せばそれで良いというのではなく

0:16:32.000,0:16:35.000
こういった経験についてもっと正直かつ率直に話をすることで

0:16:35.000,0:16:37.000
皆で集合的に幸福水準を

0:16:37.000,0:16:40.000
上げることが きっとできるということです

0:16:40.000,0:16:42.000
RGとAV：ありがとう

0:16:42.000,0:16:47.000
（拍手）