1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 1995年の事でした 2 00:00:03,000 --> 00:00:05,000 大学生だった私は 3 00:00:05,000 --> 00:00:08,000 友人と車の旅に出ました 4 00:00:08,000 --> 00:00:10,000 ロードアイランド州のプロビデンスから 5 00:00:10,000 --> 00:00:12,000 オレゴン州のポートランドまでです 6 00:00:12,000 --> 00:00:15,000 二人とも若く 職にも就いていなかったので 7 00:00:15,000 --> 00:00:17,000 一般道を使って遠回りをしました 8 00:00:17,000 --> 00:00:19,000 州立公園や 9 00:00:19,000 --> 00:00:22,000 国有林を通って 10 00:00:22,000 --> 00:00:25,000 できる限り長い距離を走りました 11 00:00:26,000 --> 00:00:29,000 サウスダコタ州の真ん中あたりで 12 00:00:29,000 --> 00:00:32,000 私は友人に 13 00:00:32,000 --> 00:00:34,000 質問をしました 14 00:00:34,000 --> 00:00:36,000 2000マイルのドライブの間 15 00:00:36,000 --> 00:00:39,000 ずっと気になっていた事です 16 00:00:40,000 --> 00:00:44,000 "道の脇に見える漢字は どういう意味?" 17 00:00:47,000 --> 00:00:51,000 友人はポカンとして私を見つめました 18 00:00:51,000 --> 00:00:53,000 最前列にお座りの男性が 19 00:00:53,000 --> 00:00:56,000 その時の彼女とまさに同じ表情をしています 20 00:00:56,000 --> 00:00:59,000 (観衆 笑) 21 00:00:59,000 --> 00:01:01,000 “だから 22 00:01:01,000 --> 00:01:03,000 さっきから出てる 23 00:01:03,000 --> 00:01:06,000 漢字の標識よ” 24 00:01:07,000 --> 00:01:10,000 友人はしばらく私を見つめ 25 00:01:10,000 --> 00:01:13,000 そして大笑いしました 26 00:01:13,000 --> 00:01:15,000 私の質問を理解したのです 27 00:01:15,000 --> 00:01:18,000 この標識のことです 28 00:01:18,000 --> 00:01:24,000 (観衆 笑) 29 00:01:24,000 --> 00:01:28,000 ピクニック場を示す有名な漢字です 30 00:01:28,000 --> 00:01:30,000 (観衆 笑) 31 00:01:30,000 --> 00:01:34,000 私はこの5年間ずっと 32 00:01:34,000 --> 00:01:36,000 似たような状況について 33 00:01:36,000 --> 00:01:39,000 考えてきました 34 00:01:39,000 --> 00:01:41,000 なぜ時々人は 標識の意味を 35 00:01:41,000 --> 00:01:43,000 間違えるのか? 36 00:01:43,000 --> 00:01:46,000 間違えた時 人はどう反応するのか? 37 00:01:46,000 --> 00:01:50,000 これは人間の本質の何を示すのか? 38 00:01:50,000 --> 00:01:52,000 言い換えると クリスさんが言ったように 39 00:01:52,000 --> 00:01:54,000 私はこの5年間 40 00:01:54,000 --> 00:01:57,000 間違えるという事について考えてきました 41 00:01:57,000 --> 00:02:00,000 変わったキャリア転換と思われるでしょう 42 00:02:00,000 --> 00:02:03,000 でも良い所もあります 43 00:02:03,000 --> 00:02:05,000 仕事の競争はありません 44 00:02:05,000 --> 00:02:07,000 (観衆 笑) 45 00:02:07,000 --> 00:02:10,000 実際 多くの人々は間違いを避けるために 46 00:02:10,000 --> 00:02:13,000 できる限りの事をします 47 00:02:13,000 --> 00:02:15,000 少なくとも 自分が間違えるという 48 00:02:15,000 --> 00:02:17,000 可能性は考えません 49 00:02:17,000 --> 00:02:19,000 理論の上では 50 00:02:19,000 --> 00:02:21,000 ここにいる全員が間違いをすると理解しています 51 00:02:22,000 --> 00:02:25,000 一般的に 人間は間違いをしがちな生き物です 52 00:02:26,000 --> 00:02:29,000 でも私自身について言えば 53 00:02:29,000 --> 00:02:31,000 自分の信念にかけて 54 00:02:31,000 --> 00:02:34,000 今この瞬間には 55 00:02:34,000 --> 00:02:38,000 間違いをしがちな性質への理論上の理解は 56 00:02:38,000 --> 00:02:41,000 完全に消え失せています 57 00:02:41,000 --> 00:02:44,000 自分が間違っているとは思いもしません 58 00:02:45,000 --> 00:02:48,000 つまり私たちは現在時制で生きているのです 59 00:02:48,000 --> 00:02:51,000 現在時制で会議に出席し 60 00:02:51,000 --> 00:02:53,000 現在時制で家族と休暇に出かけ 61 00:02:53,000 --> 00:02:57,000 現在時制で投票します 62 00:02:57,000 --> 00:03:00,000 事実上 私たちは一生 63 00:03:00,000 --> 00:03:02,000 常に正しいという感情に捕らわれて 64 00:03:02,000 --> 00:03:05,000 過ごす羽目になるのです 65 00:03:06,000 --> 00:03:08,000 これこそが問題です 66 00:03:08,000 --> 00:03:11,000 仕事やプライベートを問わず 67 00:03:11,000 --> 00:03:14,000 私たち個人レベルの問題であり 68 00:03:14,000 --> 00:03:17,000 人類全体の文化上の問題でもあります 69 00:03:17,000 --> 00:03:19,000 今日は最初に 70 00:03:19,000 --> 00:03:22,000 正しいという感情に 71 00:03:22,000 --> 00:03:24,000 陥る理由をお話します 72 00:03:24,000 --> 00:03:27,000 次に なぜそれが問題なのか 73 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 そして最後に 正しいという感情から 74 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 抜け出す事は可能だと 75 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 皆さんにご理解いただきたいのです 76 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 正しいという感情から 77 00:03:35,000 --> 00:03:37,000 抜け出す事は 78 00:03:37,000 --> 00:03:40,000 道徳的で知的で創造的な素晴らしい飛躍です 79 00:03:42,000 --> 00:03:44,000 なぜ私たちは 80 00:03:44,000 --> 00:03:46,000 正しいという感情に陥ってしまうのでしょう 81 00:03:46,000 --> 00:03:49,000 理由の一つは 間違える時の感情に起因します 82 00:03:49,000 --> 00:03:51,000 皆さんにお尋ねします― 83 00:03:51,000 --> 00:03:55,000 そちらの方々に伺いましょう 近くですから 84 00:03:55,000 --> 00:03:58,000 間違えるという事について 気持ちの上では 85 00:03:58,000 --> 00:04:01,000 どのように感じますか? 86 00:04:01,000 --> 00:04:04,000 嫌悪 不満 87 00:04:04,000 --> 00:04:06,000 羞恥 良い回答です 88 00:04:06,000 --> 00:04:08,000 嫌悪 不満 羞恥 89 00:04:08,000 --> 00:04:11,000 ありがとう 素晴らしい回答です 90 00:04:11,000 --> 00:04:14,000 でも質問を取り違えています 91 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 皆さんの回答は 92 00:04:16,000 --> 00:04:19,000 “間違いを認識した時どう感じるか?”です 93 00:04:19,000 --> 00:04:23,000 (観衆 笑) 94 00:04:23,000 --> 00:04:26,000 間違いを認識した時 回答の通りに感じます 95 00:04:26,000 --> 00:04:29,000 つまり 破壊的であり 啓示的 96 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 私の漢字の間違いのように 97 00:04:31,000 --> 00:04:34,000 冗談に聞こえるかもしれません 98 00:04:34,000 --> 00:04:37,000 しかし 間違える行為には 99 00:04:37,000 --> 00:04:39,000 何の感情も伴わないのです 100 00:04:39,000 --> 00:04:42,000 1つ例をご紹介します 101 00:04:42,000 --> 00:04:44,000 アニメのルーニー・テューンズを覚えていますか? 102 00:04:44,000 --> 00:04:46,000 哀れなコヨーテは 103 00:04:46,000 --> 00:04:48,000 ロードランナーを追いかけますが 失敗します 104 00:04:48,000 --> 00:04:51,000 毎回のように登場するエピソードです 105 00:04:51,000 --> 00:04:53,000 コヨーテがロードランナーを追いかけて 106 00:04:53,000 --> 00:04:55,000 ロードランナーは崖の先に逃げます 107 00:04:55,000 --> 00:04:58,000 ロードランナーは大丈夫 鳥なので飛べます 108 00:04:58,000 --> 00:05:02,000 でもコヨーテが 崖より先に追いかけると 109 00:05:02,000 --> 00:05:04,000 面白い事に 110 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 子供なら面白いはずですが 111 00:05:06,000 --> 00:05:08,000 コヨーテも大丈夫な事です 112 00:05:08,000 --> 00:05:10,000 コヨーテは走り続けます 113 00:05:10,000 --> 00:05:12,000 足元を見るまでずっと 114 00:05:12,000 --> 00:05:15,000 自分が空中にいると気付いたら 115 00:05:15,000 --> 00:05:18,000 その時 落下が始まるのです 116 00:05:19,000 --> 00:05:21,000 私たちが間違える時― 117 00:05:21,000 --> 00:05:24,000 間違いを認識する直前は― 118 00:05:24,000 --> 00:05:27,000 コヨーテそのものです 119 00:05:27,000 --> 00:05:30,000 崖の先に行った後 下を見るまでの瞬間です 120 00:05:31,000 --> 00:05:34,000 もう間違っているのに 121 00:05:34,000 --> 00:05:36,000 ピンチに立っているのに 122 00:05:36,000 --> 00:05:39,000 地面の上に居るかのように感じる 123 00:05:40,000 --> 00:05:43,000 先ほどの言葉を訂正します 124 00:05:43,000 --> 00:05:46,000 違う感情が起きるのです 125 00:05:46,000 --> 00:05:49,000 つまり正しいと感じます 126 00:05:49,000 --> 00:05:52,000 (観衆 笑) 127 00:05:52,000 --> 00:05:55,000 これが正しさに固執する 128 00:05:55,000 --> 00:05:57,000 構造上の1つの理由です 129 00:05:57,000 --> 00:05:59,000 間違いの盲目性と私は呼んでいます 130 00:05:59,000 --> 00:06:01,000 多くの場合 131 00:06:01,000 --> 00:06:04,000 何か間違いをした時 132 00:06:04,000 --> 00:06:06,000 それには全く気がつきません 133 00:06:06,000 --> 00:06:09,000 手遅れなのです 134 00:06:09,000 --> 00:06:12,000 正しいという感情に陥る 2つ目の理由は 135 00:06:12,000 --> 00:06:14,000 文化的なものです 136 00:06:15,000 --> 00:06:18,000 小学生の頃を思い出してください 137 00:06:18,000 --> 00:06:20,000 あなたは教室に居て 138 00:06:20,000 --> 00:06:23,000 先生がテストを返却します 139 00:06:23,000 --> 00:06:25,000 生徒の中にはこんな表情の子もいます 140 00:06:25,000 --> 00:06:27,000 私ではありませんよ 141 00:06:27,000 --> 00:06:29,000 (観衆 笑) 142 00:06:29,000 --> 00:06:32,000 あなたが小学校に居て 143 00:06:32,000 --> 00:06:34,000 採点されたテストを受け取る時 144 00:06:34,000 --> 00:06:37,000 こんな評価を受ける子は 145 00:06:37,000 --> 00:06:40,000 頭の悪い トラブルメーカーと思いますよね 146 00:06:40,000 --> 00:06:43,000 宿題は絶対やらない子です 147 00:06:43,000 --> 00:06:46,000 つまり 9歳になる頃には 148 00:06:46,000 --> 00:06:48,000 すでに学習しているのです 149 00:06:48,000 --> 00:06:50,000 間違いをする人間は 150 00:06:50,000 --> 00:06:53,000 怠け者で 無責任で 愚か者であると 151 00:06:53,000 --> 00:06:55,000 そして 152 00:06:55,000 --> 00:06:57,000 人生で成功する方法は 153 00:06:57,000 --> 00:07:00,000 間違いをしない事だと 154 00:07:01,000 --> 00:07:05,000 この悪い教訓をしっかりと学びます 155 00:07:06,000 --> 00:07:08,000 多くの人々は― 156 00:07:08,000 --> 00:07:12,000 特にこの会場の大多数の方は 157 00:07:12,000 --> 00:07:14,000 この教訓をもとに 158 00:07:14,000 --> 00:07:16,000 完璧な優等生になるのです 159 00:07:16,000 --> 00:07:19,000 完璧主義者 頑張り屋さん 160 00:07:19,000 --> 00:07:21,000 そうです 161 00:07:21,000 --> 00:07:25,000 CFO兼宇宙物理学者で 熱心なマラソン選手の方のように 162 00:07:25,000 --> 00:07:32,000 (観衆 笑) 163 00:07:32,000 --> 00:07:36,000 皆さんはCFO兼宇宙物理学者で 熱心なマラソン選手ですね 164 00:07:36,000 --> 00:07:38,000 いいでしょう 165 00:07:38,000 --> 00:07:41,000 間違いをする可能性に 166 00:07:41,000 --> 00:07:43,000 恐れる事を除けば 167 00:07:43,000 --> 00:07:46,000 間違いの盲目性によると 168 00:07:46,000 --> 00:07:48,000 間違いをする事は 169 00:07:48,000 --> 00:07:51,000 何か自分に間違いがあると意味します 170 00:07:51,000 --> 00:07:53,000 だから人は正しいと主張するのです 171 00:07:53,000 --> 00:07:55,000 自分は賢くて信頼を得る高潔で 172 00:07:55,000 --> 00:07:58,000 安全な人間と感じるためです 173 00:07:59,000 --> 00:08:01,000 ある女性の話をしましょう 174 00:08:01,000 --> 00:08:03,000 数年前 175 00:08:03,000 --> 00:08:06,000 ベス・イスラエル・ディアコネス・メディカルセンターで手術を受けました 176 00:08:06,000 --> 00:08:08,000 ボストンのベス・イスラエルは 177 00:08:08,000 --> 00:08:10,000 ハーバードの教育病院で― 178 00:08:10,000 --> 00:08:12,000 全米屈指の病院です 179 00:08:12,000 --> 00:08:15,000 その女性は手術室に運ばれ 180 00:08:15,000 --> 00:08:17,000 麻酔をかけられ 手術を受け 181 00:08:17,000 --> 00:08:20,000 縫合され 術後回復室に入りました 182 00:08:20,000 --> 00:08:23,000 すべてが順調に見えました 183 00:08:23,000 --> 00:08:26,000 彼女は眼を覚まし 自分の姿を見て言いました 184 00:08:26,000 --> 00:08:30,000 “なぜ違う側が包帯されているのかしら?” 185 00:08:30,000 --> 00:08:33,000 間違った側面に包帯が巻かれていたのです 186 00:08:33,000 --> 00:08:35,000 外科医が手術したのは 187 00:08:35,000 --> 00:08:38,000 手術すべき右足ではなく 左足だったのです 188 00:08:39,000 --> 00:08:42,000 ベス・イスラエルの医療機能評価機構の副会長が 189 00:08:42,000 --> 00:08:45,000 この出来事について 190 00:08:45,000 --> 00:08:48,000 非常に興味深い発言をしました 191 00:08:48,000 --> 00:08:51,000 “どんな理由にせよ 192 00:08:51,000 --> 00:08:53,000 外科医は純粋に 193 00:08:53,000 --> 00:08:55,000 患者の正しい側面を手術していると思っていた” 194 00:08:55,000 --> 00:08:58,000 (観衆 笑) 195 00:09:00,000 --> 00:09:02,000 この話の要点は 196 00:09:02,000 --> 00:09:05,000 いかなる場合でも 正しいという感覚に 197 00:09:05,000 --> 00:09:08,000 頼りすぎると 198 00:09:08,000 --> 00:09:11,000 危険だという事です 199 00:09:11,000 --> 00:09:14,000 直感的に正しいと思う事は 200 00:09:14,000 --> 00:09:16,000 頻繁にありますが 201 00:09:16,000 --> 00:09:18,000 外界の現実の出来事の 202 00:09:18,000 --> 00:09:21,000 指針としては信頼できません 203 00:09:21,000 --> 00:09:23,000 正しさの内部感覚を信頼し 204 00:09:23,000 --> 00:09:27,000 間違いをする可能性を楽しむ事を 205 00:09:27,000 --> 00:09:29,000 やめてしまうと 206 00:09:29,000 --> 00:09:33,000 メキシコ湾に2億ガロンの石油を投棄したり 207 00:09:33,000 --> 00:09:36,000 世界経済を粉砕したりする事態に陥ります 208 00:09:37,000 --> 00:09:40,000 とても現実的な問題なのです 209 00:09:40,000 --> 00:09:43,000 同時に 社会的な問題です 210 00:09:43,000 --> 00:09:47,000 正しく感じる瞬間とは 211 00:09:47,000 --> 00:09:49,000 あなたの信念が 212 00:09:49,000 --> 00:09:52,000 そのまま現実に反映された時です 213 00:09:52,000 --> 00:09:54,000 正しいと感じるている時 214 00:09:54,000 --> 00:09:56,000 仮に何か解決すべき問題があって 215 00:09:56,000 --> 00:09:58,000 周囲の全員があなたに反対している時 216 00:09:58,000 --> 00:10:01,000 彼らに どう説明しますか? 217 00:10:01,000 --> 00:10:04,000 多くの人は 残念な仮説に基づき 218 00:10:04,000 --> 00:10:07,000 同じ方法を使って説明します 219 00:10:08,000 --> 00:10:11,000 周囲に反対されたら まず最初に 220 00:10:11,000 --> 00:10:14,000 彼らが無知だと思います 221 00:10:14,000 --> 00:10:16,000 同じ情報を持たないため 222 00:10:16,000 --> 00:10:19,000 親切に情報を共有してあげれば 223 00:10:19,000 --> 00:10:22,000 彼らは真理を知り 自分の側につくだろうと 224 00:10:22,000 --> 00:10:25,000 この考えが違った場合 225 00:10:25,000 --> 00:10:27,000 つまり 同じ事実を共有していても 226 00:10:27,000 --> 00:10:29,000 彼らに反対されたら 227 00:10:29,000 --> 00:10:31,000 2つ目の仮説を立てます 228 00:10:31,000 --> 00:10:33,000 彼らは間抜け 229 00:10:33,000 --> 00:10:35,000 (観衆 笑) 230 00:10:35,000 --> 00:10:37,000 パズルのピースが全て揃っても 231 00:10:37,000 --> 00:10:40,000 愚かさ故に 正しくピースを合わせられない 232 00:10:40,000 --> 00:10:42,000 さらにその仮説が正しくない場合 233 00:10:42,000 --> 00:10:45,000 つまり 彼らは反対し 234 00:10:45,000 --> 00:10:47,000 同じ事実を共有し 235 00:10:47,000 --> 00:10:50,000 彼らは優秀である 236 00:10:50,000 --> 00:10:53,000 そこで3つ目の仮説に移ります 237 00:10:53,000 --> 00:10:56,000 彼らは真実を知っていて 238 00:10:56,000 --> 00:10:58,000 悪意を持って 239 00:10:58,000 --> 00:11:01,000 意図的に歪めているのだと 240 00:11:02,000 --> 00:11:04,000 これは大惨事です 241 00:11:04,000 --> 00:11:07,000 自身の正しさへの愛着は 242 00:11:07,000 --> 00:11:09,000 最も大事な時でも 243 00:11:09,000 --> 00:11:11,000 間違いの防止には役立ちません 244 00:11:11,000 --> 00:11:14,000 酷い態度で接し合う事態を招きます 245 00:11:15,000 --> 00:11:17,000 私にとって 最も不可解で 246 00:11:17,000 --> 00:11:20,000 悲劇的な事は 247 00:11:20,000 --> 00:11:24,000 人間である意味を失う事です 248 00:11:24,000 --> 00:11:26,000 例えて言うと 249 00:11:26,000 --> 00:11:29,000 私たちの考えが半透明な窓で 250 00:11:29,000 --> 00:11:31,000 ぼんやりと その窓を眺めるだけで 251 00:11:31,000 --> 00:11:34,000 それが全世界だと評し 252 00:11:34,000 --> 00:11:36,000 皆が同じ窓から眺める景色が 253 00:11:36,000 --> 00:11:38,000 全く同じである事なんて 254 00:11:38,000 --> 00:11:40,000 望みませんよね 255 00:11:40,000 --> 00:11:43,000 仮にそれが真実なら 人生はなんと退屈でしょう 256 00:11:43,000 --> 00:11:46,000 精神の奇跡は 257 00:11:46,000 --> 00:11:49,000 世界をそのままに見られる事ではなく 258 00:11:50,000 --> 00:11:53,000 世界を違う角度から見られる事です 259 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 過去を思い出したり 260 00:11:56,000 --> 00:11:59,000 未来のことを考えたり 261 00:11:59,000 --> 00:12:01,000 別の場所で別の人物としての生活を 262 00:12:01,000 --> 00:12:04,000 想像する事も可能です 263 00:12:04,000 --> 00:12:06,000 人は それぞれ違う視点を持つのです 264 00:12:06,000 --> 00:12:08,000 同じ夜空を見上げて 265 00:12:08,000 --> 00:12:10,000 夜空がこのように見えたり 266 00:12:10,000 --> 00:12:12,000 またはこんな風に 267 00:12:12,000 --> 00:12:15,000 こう見えるのと同じです 268 00:12:15,000 --> 00:12:18,000 そうです 違う視点も 間違いの要因です 269 00:12:19,000 --> 00:12:21,000 1200年前 デカルトは有名な言葉を残しました 270 00:12:21,000 --> 00:12:23,000 “我思う 故に我あり” 271 00:12:23,000 --> 00:12:25,000 聖アウグスティヌスも 座り込み 272 00:12:25,000 --> 00:12:28,000 “ファーラー エルゴ スム”と書き残しました 273 00:12:28,000 --> 00:12:32,000 “我誤る 故に我あり” 274 00:12:32,000 --> 00:12:34,000 アウグスティヌスは 275 00:12:34,000 --> 00:12:36,000 失敗する能力は 276 00:12:36,000 --> 00:12:38,000 人間の仕組みの中の 277 00:12:38,000 --> 00:12:40,000 恥ずべき欠点ではなく 278 00:12:40,000 --> 00:12:43,000 克服し 乗り越えらえるものと考えました 279 00:12:43,000 --> 00:12:46,000 人間の在り方の根本です 280 00:12:46,000 --> 00:12:48,000 なぜなら 神と違って人間は 281 00:12:48,000 --> 00:12:51,000 すべての出来事を把握はできません 282 00:12:51,000 --> 00:12:54,000 また 他の動物と違って 283 00:12:54,000 --> 00:12:58,000 その出来事を理解することに執着します 284 00:12:58,000 --> 00:13:00,000 私にとって この執着こそが 285 00:13:00,000 --> 00:13:02,000 生産や創造の 286 00:13:02,000 --> 00:13:05,000 すべての根源です 287 00:13:05,000 --> 00:13:08,000 昨年 諸般の事情から 288 00:13:08,000 --> 00:13:10,000 公営ラジオをよく聴きました 289 00:13:10,000 --> 00:13:12,000 アメリカン・ライフという名前の番組を 290 00:13:12,000 --> 00:13:15,000 ずっと聴いているうちに 291 00:13:15,000 --> 00:13:18,000 ある時 292 00:13:18,000 --> 00:13:21,000 番組は全て 間違いに関する話だと考え始めました 293 00:13:22,000 --> 00:13:24,000 最初は思いました 294 00:13:24,000 --> 00:13:26,000 私は頭がおかしくなってしまった 295 00:13:26,000 --> 00:13:28,000 正気じゃないおばさんだ 296 00:13:28,000 --> 00:13:30,000 常にそう感じていました 297 00:13:30,000 --> 00:13:32,000 本当の話です 298 00:13:32,000 --> 00:13:34,000 でも数ヵ月後 299 00:13:34,000 --> 00:13:36,000 番組司会者のアイラ・グラスにインタビューする機会があり 300 00:13:36,000 --> 00:13:38,000 彼にこの事を話すと 301 00:13:38,000 --> 00:13:41,000 彼は言いました 302 00:13:41,000 --> 00:13:43,000 “別におかしくない 本当だよ 303 00:13:43,000 --> 00:13:45,000 スタッフは 304 00:13:45,000 --> 00:13:47,000 番組のエピソードには 305 00:13:47,000 --> 00:13:50,000 共通の秘密のテーマがあるって笑うよ 306 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 秘密のテーマとは 307 00:13:52,000 --> 00:13:55,000 『最初に予測していた事と 308 00:13:55,000 --> 00:13:58,000 別の事が代わりに起こる』” 309 00:13:58,000 --> 00:14:01,000 “実のところ 310 00:14:01,000 --> 00:14:03,000 驚きや逆転 311 00:14:03,000 --> 00:14:05,000 誤りの瞬間が 312 00:14:05,000 --> 00:14:07,000 ストーリーを成立させる為に必要だ” 313 00:14:07,000 --> 00:14:09,000 他の人や観客 314 00:14:09,000 --> 00:14:12,000 リスナーや読者たちは 315 00:14:12,000 --> 00:14:14,000 もう夢中です 316 00:14:14,000 --> 00:14:17,000 ひねりの効いたプロットや 317 00:14:17,000 --> 00:14:20,000 ひっかけや 意外な結末が好きなのです 318 00:14:20,000 --> 00:14:23,000 ストーリーに関して言えば 319 00:14:23,000 --> 00:14:26,000 間違える事は大好きです 320 00:14:26,000 --> 00:14:28,000 ストーリーと同じ事が 321 00:14:28,000 --> 00:14:31,000 人生にも当てはまります 322 00:14:31,000 --> 00:14:34,000 最初に起こると思った事と 323 00:14:34,000 --> 00:14:37,000 違う事が起こる 324 00:14:37,000 --> 00:14:39,000 ジョージ・ブッシュ元大統領はイラクに侵攻し 325 00:14:39,000 --> 00:14:41,000 大量破壊兵器を沢山発見するだろうと考えました 326 00:14:41,000 --> 00:14:44,000 人々を解放し 中東に民主主義をもたらすと 327 00:14:45,000 --> 00:14:47,000 でも代わりに別の事が起きました 328 00:14:48,000 --> 00:14:50,000 ホスニ・ムバラク元大統領は 329 00:14:50,000 --> 00:14:52,000 生涯 エジプトの独裁者として 330 00:14:52,000 --> 00:14:54,000 老衰か病気になるまで地位に留まり 331 00:14:54,000 --> 00:14:57,000 息子に支配権を譲ると考えていました 332 00:14:57,000 --> 00:15:00,000 でも代わりに別の事が起きました 333 00:15:01,000 --> 00:15:03,000 きっとあなたも昔は 334 00:15:03,000 --> 00:15:05,000 大人になって 高校時代の恋人と結婚し 335 00:15:05,000 --> 00:15:08,000 故郷に帰り 子育てをする姿を想像したでしょう 336 00:15:09,000 --> 00:15:12,000 でも代わりに別の事が起きました 337 00:15:12,000 --> 00:15:14,000 それから私は 338 00:15:14,000 --> 00:15:16,000 途方もなく間抜けな本を書いていると思っていました 339 00:15:16,000 --> 00:15:18,000 人が嫌うテーマについて 340 00:15:18,000 --> 00:15:21,000 存在しない観客のために 341 00:15:21,000 --> 00:15:23,000 でも代わりに別の事が起きました 342 00:15:23,000 --> 00:15:25,000 (観衆 笑) 343 00:15:25,000 --> 00:15:27,000 つまり これが人生です 344 00:15:27,000 --> 00:15:29,000 良くも悪くも 345 00:15:29,000 --> 00:15:32,000 このような素晴らしいストーリーは 346 00:15:32,000 --> 00:15:34,000 世界中で作り出されています 347 00:15:34,000 --> 00:15:37,000 地球は回り 私たちを驚かせます 348 00:15:40,000 --> 00:15:43,000 悪く思わないでください この会議はすべて 349 00:15:43,000 --> 00:15:45,000 私達の持つ 間違える性質のための 350 00:15:45,000 --> 00:15:47,000 素晴らしいモニュメントなのです 351 00:15:47,000 --> 00:15:49,000 この一週間 352 00:15:49,000 --> 00:15:51,000 革新や進歩について 353 00:15:51,000 --> 00:15:53,000 そして 改善について話をしました 354 00:15:53,000 --> 00:15:56,000 なぜ革新 進歩 改善が 355 00:15:56,000 --> 00:15:58,000 必要なのでしょう? 356 00:15:58,000 --> 00:16:00,000 その理由の半分は 357 00:16:00,000 --> 00:16:03,000 小難しくて 世界を変えると言った― 358 00:16:03,000 --> 00:16:05,000 TED 1998です― 359 00:16:05,000 --> 00:16:07,000 360 00:16:07,000 --> 00:16:11,000 (観衆 笑) 361 00:16:11,000 --> 00:16:13,000 そんなに上手くいきませんでしたよね 362 00:16:13,000 --> 00:16:15,000 (観衆 笑) 363 00:16:15,000 --> 00:16:18,000 早めに会場から脱出した方が良さそうです 364 00:16:18,000 --> 00:16:22,000 (観衆 笑) 365 00:16:22,000 --> 00:16:27,000 (観衆 拍手) 366 00:16:27,000 --> 00:16:30,000 つまり 367 00:16:30,000 --> 00:16:32,000 こういう事です 368 00:16:32,000 --> 00:16:34,000 アイデアを思いつき 369 00:16:34,000 --> 00:16:37,000 話をして 370 00:16:37,000 --> 00:16:40,000 会議を開催する 371 00:16:40,000 --> 00:16:42,000 テーマは 372 00:16:42,000 --> 00:16:44,000 もう何百万回も聞かされた 373 00:16:44,000 --> 00:16:46,000 驚きの再発見です 374 00:16:46,000 --> 00:16:48,000 私にとって 375 00:16:48,000 --> 00:16:51,000 驚きを再発見することは 376 00:16:51,000 --> 00:16:53,000 自分を解放し 正しさという名の 377 00:16:53,000 --> 00:16:59,000 小さくて恐ろしい殻から抜け出すことです 378 00:16:59,000 --> 00:17:02,000 お互いを見つめ 379 00:17:02,000 --> 00:17:05,000 この広大で 380 00:17:05,000 --> 00:17:08,000 複雑で神秘的な 381 00:17:08,000 --> 00:17:11,000 宇宙を仰ぎ 382 00:17:11,000 --> 00:17:14,000 こう呟く事です 383 00:17:14,000 --> 00:17:18,000 ああ 何だろう 384 00:17:18,000 --> 00:17:20,000 きっと自分は間違っている' 385 00:17:20,000 --> 00:17:22,000 ありがとうございます 386 00:17:22,000 --> 00:17:25,000 (観衆 拍手) 387 00:17:25,000 --> 00:17:27,000 皆さんありがとう 388 00:17:27,000 --> 00:17:30,000 (観衆 拍手)