0:00:19.700,0:00:23.240 人生は多くの疑問を我々に問いかけます 0:00:23.526,0:00:27.353 おそらく 最も重要な質問の一つがこれです 0:00:27.800,0:00:32.475 「困難を伴う思考や感情にどう対処するか」 0:00:34.200,0:00:39.071 もしあなたが[br]恥ずかしさや不安を感じているとしたら 0:00:40.200,0:00:42.428 まさに 人生が質問を問いかけているのです 0:00:43.750,0:00:46.520 もし TEDxトークをするために[br]ここに立っているのに 0:00:46.520,0:00:48.810 マインドが落ち着かず何か話し続けていたら 0:00:50.200,0:00:52.589 それに対してどうしますか? 0:00:55.100,0:00:56.434 良い質問ですよ 0:00:56.434,0:00:58.000 (笑) 0:00:59.300,0:01:01.500 そしてその質問の答えとして 0:01:01.500,0:01:03.294 人々が好むのは 0:01:03.400,0:01:05.683 人生の軌跡について多く語ることであり 0:01:05.800,0:01:07.690 それがどう進んでいくかということです 0:01:07.690,0:01:09.170 ポジティブな方向である― 0:01:09.170,0:01:13.240 繁栄、愛、自由、貢献へと向かうか 0:01:13.240,0:01:19.500 それとも病気や絶望へと落ちていくのかです 0:01:19.700,0:01:25.000 私が今日論じようとしていることは[br]この問いに対する 素晴らしい答― 0:01:25.100,0:01:27.200 あるいは 少なくともその種は 0:01:27.200,0:01:29.032 みなさんの中にすでにあるということ 0:01:29.800,0:01:31.812 しかしまた一方で[br]傲慢で 0:01:31.900,0:01:35.400 ストーリーテリングや問題解決志向の[br]分析的や批判的なマインドが 0:01:35.400,0:01:40.506 みなさんの頭の中にあって[br]その答に気づかないまま 0:01:40.800,0:01:43.400 間違った方向を選ばせようと 0:01:43.500,0:01:46.399 常に誘惑しているのです 0:01:49.500,0:01:51.150 私の名前はスティーブン・ヘイズです 0:01:51.150,0:01:53.300 30年の間 0:01:53.300,0:01:55.900 私とこの分野の研究者たちは 0:01:55.900,0:01:58.700 心理学的プロセスの一部の過程に注目し 0:01:59.500,0:02:01.800 これを「心理的柔軟性」と名づけて研究してきました 0:02:02.500,0:02:05.300 これを「心理的柔軟性」と名づけて研究してきました 0:02:06.600,0:02:10.502 それは先ほどの質問に対する答です 0:02:11.900,0:02:14.800 1000例以上の研究において 0:02:14.800,0:02:17.650 心理的柔軟性によって[br]不安、抑うつ、トラウマなどの 0:02:17.650,0:02:20.403 メンタルヘルスの問題が生じる見込みが[br]予測できることが 0:02:20.403,0:02:22.300 示されています 0:02:22.300,0:02:24.582 このうち1つに当たるなら 0:02:24.600,0:02:26.585 いずれ2つめも発症するかどうか[br]とか 0:02:26.800,0:02:28.718 疾患の重症度も予測できます 0:02:28.718,0:02:29.980 どの程度 慢性化するかも 0:02:29.980,0:02:31.240 しかし それだけでなく 0:02:31.240,0:02:34.270 精神医学的な疾患以外にも 0:02:34.270,0:02:36.900 多くの重要なことを予測します 0:02:36.900,0:02:40.619 例えば どんな親になりたいでしょうか 0:02:41.336,0:02:43.310 どんな種類の仕事に[br]就くでしょうか 0:02:43.310,0:02:46.819 肉体的な病気に対して[br]生活習慣を変えられますか 0:02:46.906,0:02:49.660 エクササイズプログラムを[br]継続できるでしょうか 0:02:49.700,0:02:52.778 人間の精神が関わるあらゆる場面で 0:02:53.500,0:02:57.481 心理的柔軟性は登場します 0:02:59.900,0:03:03.473 この話の狙いは 0:03:04.273,0:03:06.020 心理的柔軟性の科学について 0:03:06.020,0:03:08.100 皆さんに概要を示すことです 0:03:08.100,0:03:09.840 我々は[br]数百件の研究を通じて 0:03:09.840,0:03:12.370 どうしたら「アクセプタンス&コミットメントセラピー」 0:03:12.381,0:03:15.000 ― 略して ACT が 0:03:15.040,0:03:16.900 これらのプロセスを変化させるか[br]学んできました 0:03:16.900,0:03:18.750 我々は ACTだけではなく 0:03:18.750,0:03:20.900 柔軟性をターゲットとした関連手法も含めて 0:03:20.900,0:03:22.860 ここに変化を与えられることを示し 0:03:22.860,0:03:24.250 そしてこの変化と共に 0:03:24.250,0:03:25.940 人生の軌跡は 0:03:25.940,0:03:28.406 ネガティブな方向から[br]ポジティブな方向へ変わり 0:03:28.406,0:03:32.092 先ほど述べた領域に限らずあらゆる領域で[br]成果が得られることを示しました 0:03:34.100,0:03:36.200 では [br]心理的柔軟性の要素について 0:03:36.200,0:03:40.536 見ていきましょう 0:03:42.500,0:03:44.995 皆さんとともに私の人生を遡り 0:03:45.100,0:03:47.800 34年前のあるひと時をご覧ください 0:03:48.800,0:03:51.729 私が初めて力強く方向を変えた 0:03:51.860,0:03:53.465 そのときその場になります 0:03:55.400,0:03:57.200 数十年前― 0:03:57.700,0:04:01.045 34年前の深夜2時のこと 0:04:01.200,0:04:03.882 茶色と金のシャギーカーペットの上で 0:04:04.000,0:04:07.418 私は ほとんどこんな姿勢になっていて 0:04:07.418,0:04:10.257 私の精神もまた [br]まさに同じような姿勢でした 0:04:11.200,0:04:14.512 その2ー3年の間 0:04:15.400,0:04:17.482 私はパニック障害の地獄へと 0:04:17.700,0:04:20.499 螺旋を描くように落ち込んでいました 0:04:22.600,0:04:24.900 そのきっかけは恐ろしい部門会議でした 0:04:24.900,0:04:26.700 そこでは私は教授同士の戦いを 0:04:26.700,0:04:28.875 見せつけられたのです 0:04:29.000,0:04:31.300 野生の動物と 0:04:31.300,0:04:33.600 教授達だけが行う戦いです 0:04:33.700,0:04:36.300 (笑) 0:04:38.700,0:04:42.239 私はやめてくださいと言いたかったのですが 0:04:43.600,0:04:47.200 その代わり[br]私は最初のパニック発作を起こしました 0:04:47.200,0:04:50.676 人々が 私に声をかけたときには 0:04:53.700,0:04:56.400 私はもう声さえ[br]出せなくなっていました 0:04:57.100,0:04:59.289 私はもう声さえ[br]出せなくなっていました 0:04:59.908,0:05:02.520 公の場でパニック発作を起こした[br]ショックと恐怖、困惑の中で 0:05:02.520,0:05:05.770 公の場でパニック発作を起こした[br]ショックと恐怖、困惑の中で 0:05:07.600,0:05:09.900 私は論理的、合理的で賢明な、そして医学的な[br]手段を 0:05:09.900,0:05:11.800 思いつく限り試しました 0:05:11.800,0:05:13.577 思いつく限り試しました 0:05:14.600,0:05:17.475 不安から逃げようとしました 0:05:17.900,0:05:20.756 不安と戦おうとしました 0:05:21.400,0:05:24.115 そして不安から隠れようとしました 0:05:24.600,0:05:26.100 ドアのそばに座るようになり 0:05:26.100,0:05:27.380 パニックの来襲に注意を払い 0:05:27.380,0:05:28.910 正気への道筋を議論し 0:05:28.910,0:05:30.370 安定薬を飲みました 0:05:30.370,0:05:32.030 これら全てを進めると 0:05:32.030,0:05:34.056 パニック発作は悪化し 0:05:34.100,0:05:36.627 頻度が増して 強い発作になりました 0:05:38.300,0:05:39.799 最初は仕事場で 0:05:40.200,0:05:42.176 それから旅行中 0:05:42.550,0:05:43.900 それからレストランで 0:05:43.900,0:05:45.260 それから映画館で 0:05:45.260,0:05:46.500 それからエレベーターで 0:05:46.500,0:05:48.380 それから電話の最中に 0:05:48.900,0:05:51.500 それから安全なはずの家で 0:05:51.900,0:05:55.200 そしてしまいには[br]死んだように眠る深夜2時 0:05:55.900,0:05:59.000 目覚めたときには 0:05:59.200,0:06:01.500 すでにパニック発作の最中でした 0:06:03.500,0:06:07.521 しかし この晩 [br]茶色と金色のシャギーカーペットの上でのこと 0:06:09.193,0:06:11.000 まさにその晩 0:06:11.000,0:06:14.485 不安が波のように押し寄せ 0:06:16.000,0:06:18.042 私の体の感覚は 0:06:18.100,0:06:19.200 いつもと違っていました 0:06:19.200,0:06:22.700 この夜はさらに強く恐怖を感じていましたが 0:06:22.700,0:06:25.200 何となく満足をも感じていました 0:06:27.100,0:06:30.000 パニックの発作ではなかったからです 0:06:31.300,0:06:34.887 私は心臓発作で死にかけていました 0:06:36.700,0:06:38.300 証拠はすべて揃っていました 0:06:38.300,0:06:39.900 胸が重くなる感じがありました 0:06:39.900,0:06:42.310 刺すような痛みが腕に降りてきました 0:06:42.310,0:06:43.800 やたらと汗をかきました 0:06:43.800,0:06:46.960 私の心臓は早くなり[br]乱暴に鼓動を刻みます 0:06:47.000,0:06:49.700 そして私にこんな指図をしていた[br]クモのような声が登場します 0:06:49.700,0:06:51.800 ―「逃げるんだ」 0:06:51.800,0:06:55.617 「戦うんだ」「不安から隠れるんだ」 0:06:55.617,0:06:58.000 こんどの指示はこうです 0:06:58.000,0:06:59.320 「電話をするんだ 0:06:59.320,0:07:01.500 この状況じゃ運転はできない 0:07:02.000,0:07:03.512 死にかけているんだぞ 0:07:03.700,0:07:05.100 救急診療に電話しろ 0:07:05.100,0:07:06.620 救急車を呼べ 0:07:06.620,0:07:09.200 大変なことだ [br]電話をしろ」 0:07:11.200,0:07:13.969 数分が経っても 0:07:14.500,0:07:16.596 私は電話をかけませんでした 0:07:17.700,0:07:19.800 そして私は自分が 体から離れて 0:07:19.800,0:07:22.700 自分の体を後に残していくような[br]感覚を覚えました 0:07:24.180,0:07:25.800 もし私が電話をかけたなら 0:07:25.800,0:07:28.100 どうなっていただろうと想像しました 0:07:29.150,0:07:30.300 映画館で見る 0:07:30.300,0:07:32.200 公開予定の映画の[br]予告編のように 0:07:32.200,0:07:33.690 公開予定の映画の[br]予告編のように 0:07:33.700,0:07:35.519 短い場面が連続します 0:07:36.950,0:07:39.840 救急隊員たちが[br]階段を駆けのぼる音 0:07:39.840,0:07:41.310 救急隊員たちが[br]階段を駆けのぼる音 0:07:41.310,0:07:43.778 薄い扉を叩くこもった音 0:07:44.800,0:07:46.839 救急車に乗せられ 0:07:47.100,0:07:48.400 チューブやケーブルに繋がれ 0:07:48.400,0:07:51.133 緊急救命室に入る時 0:07:51.133,0:07:53.450 看護師の心配そうな顔が目に入りました 0:07:54.700,0:07:57.100 そして 最後のシーン 0:07:57.100,0:07:58.300 この映画予告編の 0:07:58.300,0:08:00.160 最後の場面です 0:08:00.200,0:08:01.600 そこでわたしは悟りました 0:08:01.600,0:08:03.700 この映画がどのような映画であるか 0:08:05.770,0:08:07.200 それを見て 口をついた言葉 0:08:07.200,0:08:09.090 「神様 お願いだから やめて 0:08:09.100,0:08:11.200 お願いです お願いです」 0:08:13.300,0:08:14.910 なぜなら その最後のシーンでは 0:08:14.910,0:08:17.340 緊急救命室の担架に寝ていると 0:08:17.340,0:08:19.200 若い医者がやってくる来るのを[br]私のマインドが目にします 0:08:19.200,0:08:20.800 若い医者がやってくる来るのが[br]私のマインドが目にします 0:08:20.800,0:08:23.090 リラックスした感じで歩いてきて 0:08:25.760,0:08:27.280 私の近くまで来ると 0:08:27.280,0:08:29.560 彼は薄笑いを浮かべています 0:08:31.100,0:08:32.881 私は何が起こるかを理解します 0:08:35.299,0:08:36.918 彼は近づいて 言いました 0:08:37.000,0:08:38.758 「ヘイズ先生 0:08:40.799,0:08:43.000 先生は心臓発作じゃありません」 0:08:43.900,0:08:45.700 そして薄笑いが広がります 0:08:47.300,0:08:49.231 「パニック発作ですよ」 0:08:51.700,0:08:54.362 その通りだと 私は分かっています 0:08:56.200,0:08:59.891 これは他のレベルの地獄におちただけです 0:09:01.100,0:09:03.156 そして 私は悲鳴をあげました 0:09:03.300,0:09:07.508 息切れて 変な声でした 0:09:09.300,0:09:11.105 ちょうどこんな感じで 0:09:12.900,0:09:16.600 (悲鳴) 0:09:20.100,0:09:22.600 そのどん底から立ち上がると 0:09:23.200,0:09:24.700 もう一つの扉が開きました 0:09:27.760,0:09:29.200 どのくらい後だったのか― 0:09:29.200,0:09:31.439 おそらく数分程度でしょう 0:09:31.450,0:09:32.760 めったに出てくることがない 0:09:32.760,0:09:34.872 私自身の深いところの私の一部 0:09:35.000,0:09:37.300 目のずっと奥の方にある私の一部 0:09:37.300,0:09:39.411 もっとスピリチュアルな部分で 0:09:39.420,0:09:41.950 人によっては[br]魂と呼ぶところから 0:09:41.950,0:09:43.210 言葉が出てきました 0:09:43.210,0:09:44.310 確実に 0:09:44.310,0:09:45.750 誰に言うともなく[br]大きな声で 0:09:45.750,0:09:47.300 午前の2時に 0:09:48.810,0:09:49.865 私は言いました 0:09:50.600,0:09:52.581 お前が誰かは知らないが 0:09:54.400,0:09:57.700 お前は私を傷つけることができる 0:09:57.900,0:09:59.800 お前は私を苦しませることができる 0:10:01.100,0:10:04.123 しかし お前にはできないことを教えてやる 0:10:05.300,0:10:10.499 お前は私を自分の経験から[br]目を背けさせることはできない 0:10:11.200,0:10:12.779 それだけはできない 0:10:19.000,0:10:22.601 当時ずっと若かった私の体は[br]立ち上がるとずきずき痛みました 0:10:26.400,0:10:31.699 すっかり乾ききった涙の跡から 0:10:32.000,0:10:34.400 とても長い時間が経ったことが わかりました 0:10:37.400,0:10:40.600 でも私は立ち上がり[br]心の中で誓いました 0:10:42.600,0:10:44.481 決してふたたび 0:10:45.617,0:10:48.499 自分から目を背けまい 0:10:52.900,0:10:55.754 どうやってその約束を守るのかは[br]わかりませんでした 0:10:56.000,0:10:57.991 本当のことを言えば[br]今でも学んでいる最中です 0:10:58.300,0:11:02.201 どうしたら その約束が 0:11:02.500,0:11:05.100 他の人の人生に影響するのか[br]見当もつきませんでした 0:11:06.000,0:11:08.854 わたしは自分の目の前にあった― 0:11:08.854,0:11:11.900 アクセプタンス&コミットメントセラピー[br]― ACTを通じてだけ 0:11:11.900,0:11:13.555 それを学べるだろうと考えました 0:11:14.400,0:11:16.000 でも この34年間で 0:11:16.000,0:11:18.400 その約束を思い出さない日は 0:11:19.700,0:11:22.600 1日もありませんでした 0:11:23.900,0:11:27.100 そして このようにここに立つときに 0:11:27.100,0:11:29.420 あなたが知ったこのACTという方法は 0:11:29.420,0:11:31.780 賢明な立ち方なのです 0:11:31.900,0:11:33.857 痛みや苦しみに対しても 0:11:34.020,0:11:35.480 いろいろなこと出来事に対しても 0:11:35.580,0:11:37.300 科学が何を示したのか [br]この姿勢とは何か 0:11:37.300,0:11:40.486 それを言葉で言うなら 0:11:40.800,0:11:43.180 感情をオープンにすることです。 0:11:43.280,0:11:45.430 私たちはそこにあるものを[br]それがつらいものだとしても 0:11:45.430,0:11:47.500 そのまま感じます 0:11:47.520,0:11:49.530 自分の思考を観察することができます 0:11:49.530,0:11:51.000 思考を通して見るだけではありません 0:11:51.000,0:11:52.190 考えているときにも 0:11:52.190,0:11:53.530 こう[br]その思考以外は何も 0:11:53.530,0:11:55.080 見えなくなるわけではありません 0:11:55.080,0:11:57.044 それが思考である[br]と気づくことができます 0:11:57.300,0:11:59.300 自分の中のスピリチュアルな部分と[br]つながり 0:11:59.300,0:12:01.100 そこから注意を 0:12:01.100,0:12:03.412 柔軟に、自在に、自分の意志で 0:12:03.500,0:12:05.500 向けることができます 0:12:05.500,0:12:08.400 注意を集中すべきものに向かえるのです 0:12:09.100,0:12:11.500 そして あなたにとって[br]大事な方向を見ているとき 0:12:11.610,0:12:13.000 そこへ進むことができるよう 0:12:13.000,0:12:14.600 手や腕は自由になると 0:12:14.600,0:12:16.900 感じたり 行動したり 0:12:16.900,0:12:19.000 貢献したり 参加することができます 0:12:20.000,0:12:22.700 それこそが心理的柔軟性です 0:12:25.600,0:12:28.100 そしてそれが育つための種は何か 0:12:28.100,0:12:30.200 それをひとことで言うなら 0:12:30.200,0:12:34.670 ―この言葉になる理由は[br]お分かりだと思いますが 0:12:34.670,0:12:37.600 ひとことで言えば「愛」です 0:12:38.500,0:12:40.100 自分に対して 0:12:40.100,0:12:43.467 思いやりと親切で愛情に満ちた態度で[br]向き合うとき 0:12:44.518,0:12:48.400 人生が開かれ 0:12:48.400,0:12:50.410 あなたは自分の人生の意味や目的 0:12:50.500,0:12:52.900 あるいは他の人の人生に対して 0:12:52.900,0:12:54.579 愛や関与や美や貢献をもたらす― 0:12:55.100,0:12:56.800 方向に向かうことができるでしょう 0:12:58.900,0:13:01.469 私は当初 0:13:01.500,0:13:03.500 苦しみと痛みに向かう中心が 0:13:05.100,0:13:07.321 人生の意味や目的の中心とも 0:13:07.400,0:13:09.850 繋がったものだとは[br]気づいていませんでした 0:13:09.850,0:13:11.190 わかっていませんでしたが 0:13:11.210,0:13:13.800 クライアントにそれを見出し 0:13:13.800,0:13:16.000 ACTを始めるにつれて 0:13:16.000,0:13:18.100 自分の人生の中にそれが見えてきました 0:13:19.500,0:13:21.300 そのたった数年後 0:13:21.300,0:13:23.297 それはとても力強く私にもたらされました 0:13:24.340,0:13:27.843 その頃までに私はACTに関する[br]いくつかの無作為試験を終え 0:13:28.580,0:13:30.300 トレーニングを始めたばかりでした 0:13:30.300,0:13:33.615 あちこち回り [br]臨床家の小さな集まりに参加しては 0:13:33.690,0:13:35.743 私たちがする治療を教えていました 0:13:36.800,0:13:38.551 ワークショップを開いていたとき 0:13:38.600,0:13:40.600 不安の波がきましたが 0:13:40.600,0:13:42.523 それはまったく正常なことです 0:13:43.100,0:13:45.229 今でも講演の間は 0:13:45.400,0:13:46.697 不安になります 0:13:48.100,0:13:50.200 それでいいのです[br]私はそれを受け入れます 0:13:50.500,0:13:52.500 ほら 来なさい あわてていません 0:13:54.400,0:13:56.000 でもそのとき別の波がきました 0:13:56.000,0:13:58.318 私は急に泣きそうになりました 0:13:58.318,0:14:01.360 集まった臨床家たちの前で 0:14:02.203,0:14:04.989 涙が抑えられなくなりそうでした 0:14:06.000,0:14:07.469 「これは何だ?」と思いました 0:14:07.800,0:14:10.324 その瞬間をやり過ごし[br]ワークショップを終えました 0:14:11.260,0:14:13.735 次のワークショップまで[br]そのことは忘れていましたが 0:14:13.800,0:14:15.830 まさしく同じことが起こりました 0:14:15.990,0:14:20.372 このときには 冷静な心で[br]幼いころのマインドに気づきました 0:14:21.200,0:14:22.180 私は自問しました 0:14:22.180,0:14:23.750 ワークショップは続けながらです 0:14:23.800,0:14:25.245 「何歳なんだい?」と 0:14:25.400,0:14:28.200 「8から9歳」という答えが[br]返ってきました 0:14:29.300,0:14:31.710 そして 思い出すことのなかった― 0:14:31.800,0:14:35.220 ある記憶がよみがえりました 0:14:35.220,0:14:37.792 私が8歳か9歳のときの記憶です 0:14:38.500,0:14:41.020 ワークショップの最中には[br]時間はありませんでしたが 0:14:41.020,0:14:42.800 その晩 ホテルで記憶を辿りました 0:14:45.000,0:14:47.094 私はベッドの陰で 0:14:47.635,0:14:50.700 両親が別の部屋で喧嘩をしている声を[br]聞いています 0:14:52.500,0:14:57.016 また お父さんが酔っ払って[br]夜遅くに帰ってきたのでした 0:14:59.300,0:15:02.264 お母さんはお父さんを激しく[br]責めていました 0:15:02.900,0:15:06.603 家庭のわずかなお金なのに [br]酒代に浪費されていると 0:15:06.800,0:15:10.014 夫として父として [br]務めを果たしていないとも 0:15:10.900,0:15:11.900 お父さんが言います 0:15:11.900,0:15:15.900 「だまれ!黙らないとどうなるか知らないぞ」 0:15:16.100,0:15:18.307 お父さんは 拳を握り締めているはずです 0:15:19.100,0:15:21.523 そして ものすごい音と 0:15:22.000,0:15:23.738 お母さんの悲鳴が聞こえます 0:15:26.000,0:15:27.600 後になってわかりましたが 0:15:27.600,0:15:29.100 コーヒーテーブルが[br]リビングルームを横切って飛んだのです 0:15:29.100,0:15:30.700 コーヒーテーブルが[br]リビングルームを横切って飛んだのです 0:15:32.160,0:15:33.463 そして私は考えます 0:15:33.600,0:15:35.458 けがしてないかな? 0:15:35.900,0:15:37.526 お父さんはお母さんを殴ったのかな? 0:15:38.400,0:15:40.200 そして 私の小さな男の子のマインドから 0:15:40.200,0:15:42.900 こんな言葉が出てきました 0:15:44.100,0:15:46.488 「何かしないと!」 0:15:49.500,0:15:53.140 でも自分ができることは[br]何もないことに気づきます 0:15:53.140,0:15:54.800 安心もできません 0:15:56.100,0:15:58.000 ただ後ずさって 0:15:58.000,0:16:00.272 小さくなって泣きました 0:16:03.900,0:16:05.233 わかりますか? 0:16:06.420,0:16:09.540 私は座って 年老いた荒々しい人たちの[br]喧嘩をみていたのです 0:16:09.540,0:16:11.744 大学の心理学部のなかで 0:16:12.500,0:16:14.449 本当に怖かったですし 0:16:15.400,0:16:17.397 不安でした 0:16:17.500,0:16:21.316 私が本当にしたかったことは[br]ただ泣くことでした 0:16:22.500,0:16:24.513 心理学部で ですよ? 0:16:24.600,0:16:27.800 (笑) 0:16:28.700,0:16:29.863 正気でしょうか? 0:16:32.500,0:16:34.600 でも私は幼い私に近づくことはできず 0:16:35.500,0:16:37.300 彼を治療することもできませんでした 0:16:39.400,0:16:42.234 彼こそが 私が心理士である理由でしたが 0:16:43.400,0:16:45.812 私は それすら知りませんでした 0:16:47.000,0:16:51.000 私は忙殺されました 0:16:51.000,0:16:53.150 論文や 職務経歴書や[br]補助金や 業績や 0:16:53.150,0:16:55.131 あれやこれや 0:16:57.000,0:17:00.738 しかし 私がここに来た理由は [br]彼が私に言ったからです 0:17:01.800,0:17:03.544 「何かしなさい」と 0:17:05.098,0:17:07.900 そしてそれに対して私から彼に向かっては 0:17:08.700,0:17:12.000 かがみこんでこんなふうに言ったも同然です 0:17:12.500,0:17:15.300 「静かにしろ 出ていけ 黙れ」 0:17:17.200,0:17:21.200 私が走り 戦い 隠れたとき 0:17:22.000,0:17:24.300 不親切で 愛もありませんでした 0:17:24.900,0:17:29.261 誰に?[br]私と 私の人生の目的とさえつながる― 0:17:29.862,0:17:34.257 私の一部に対してです 0:17:35.800,0:17:38.700 なぜならば 私たちは[br]自分が気にしていることで傷つき 0:17:39.600,0:17:42.100 自分が傷つくことを気にしているのです 0:17:42.700,0:17:45.100 これらの2つの中心、この2つのいずれと 0:17:45.100,0:17:48.300 「向き合う」かということは[br]同じことです 0:17:49.000,0:17:50.700 あなたが自分自身とともにあるならば 0:17:50.700,0:17:52.570 たとえ困難なときでも 0:17:52.700,0:17:54.947 自分のために[br]愛のある行いをしています 0:17:55.100,0:17:57.500 それゆえに あえてリスクをとって 0:17:57.500,0:18:00.595 何かと向き合うことができ 0:18:01.600,0:18:03.300 愛や美しさや 0:18:03.300,0:18:05.200 コミュニケーションや貢献を 0:18:05.200,0:18:08.159 世界にもたらすことができます 0:18:08.500,0:18:12.249 そういうことがわかったので[br]私は新たな約束をしました 0:18:13.100,0:18:17.324 もう決して 君のことも[br]我々の目的についての 0:18:19.100,0:18:23.528 君のメッセージも[br]ないがしろにしない 0:18:24.510,0:18:27.409 君にワークショップを受けろとか 0:18:27.800,0:18:29.900 TEDxトークをやれと言うつもりはない 0:18:30.150,0:18:32.330 (笑) 0:18:33.000,0:18:35.900 ただ君に ここに一緒にいて欲しい 0:18:37.000,0:18:38.868 君がいると心が和らぐから 0:18:39.500,0:18:45.700 君は 私の人生がこれに関わることの[br]意味を与えてくれる 0:18:46.900,0:18:49.300 だから 私からみなさんへのメッセージは 0:18:51.050,0:18:54.686 心理学的柔軟性の科学を見てください 0:18:54.700,0:18:58.543 皆さんが既に知っていることを[br]この方法はどう説明するのか見てください 0:19:00.000,0:19:02.600 つまり困難なときにも 0:19:02.600,0:19:04.658 自分を愛することは 0:19:04.800,0:19:07.446 世界へ愛をもたらすことに役立ち 0:19:07.500,0:19:11.537 それも皆さんが望むやり方で[br]もたらせるのだということをです 0:19:13.600,0:19:15.540 これは大事なことです 0:19:16.600,0:19:17.951 皆さんも知っていて 0:19:18.300,0:19:20.753 皆さんの中で泣いている[br]小さな8歳の子供も知っています 0:19:22.900,0:19:24.537 私たちは皆知っているのです 0:19:26.600,0:19:28.500 なぜならば愛はすべてではなく 0:19:29.900,0:19:31.569 ただ唯一のものだからです 0:19:33.011,0:19:33.851 ありがとうございました[br]お役に立てたでしょうか 0:19:33.851,0:19:35.381 ありがとうございました[br]お役に立てたでしょうか