WEBVTT 00:00:14.360 --> 00:00:17.216 働く母親はどんな姿をしているでしょう? 00:00:17.240 --> 00:00:20.496 インターネットに問いかければ こんな答えが返ってきます 00:00:20.520 --> 00:00:24.950 赤ちゃんを膝に乗せて パソコンで仕事をしようとすれば 00:00:24.970 --> 00:00:27.856 こういうことになるのは 忘れておきましょう 00:00:27.880 --> 00:00:29.416 (笑) 00:00:29.440 --> 00:00:32.336 でも これは「働く母親」ではありません 00:00:32.360 --> 00:00:35.536 こうした写真には特徴があるのがわかります よく見かけますよね 00:00:35.560 --> 00:00:37.976 特徴とは まばゆいばかりの自然な照明です 00:00:38.000 --> 00:00:41.136 (笑) 皆さん ご存知のように 00:00:41.160 --> 00:00:44.720 アメリカの職場の特徴 そのものですよね 00:00:45.360 --> 00:00:48.816 このような画像が 何千も出回っています 00:00:48.840 --> 00:00:52.256 「働く母親」でGoogle画像検索で 調べてみて下さい 00:00:52.280 --> 00:00:53.536 画像素材サイトでもいいです 00:00:53.560 --> 00:00:55.016 こうした画像はネットに溢れており 00:00:55.040 --> 00:00:57.416 ブログやニュース記事の トップ画像にも使われています 00:00:57.440 --> 00:01:01.776 私はこうした画像や それらが伝える嘘と安堵感に 00:01:01.800 --> 00:01:03.776 取り付かれるようになりました 00:01:03.800 --> 00:01:07.216 アメリカで新生児の母として働くのは 00:01:07.240 --> 00:01:09.016 まったく問題ないという嘘と安堵感です 00:01:09.040 --> 00:01:10.616 実際には問題があるのです 00:01:10.640 --> 00:01:14.056 全国的に アメリカは毎年 何百万人もの女性を 00:01:14.080 --> 00:01:18.016 出産後 非常に― ある種恐ろしいほどに早い段階で 00:01:18.040 --> 00:01:19.696 職場復帰させます 00:01:19.720 --> 00:01:21.416 これは道徳的な問題ですが 00:01:21.440 --> 00:01:25.336 今日お話ししたいのは それが経済的問題でもある理由です 00:01:25.360 --> 00:01:28.976 私はこれらの画像の非現実性に 苛立ち また取り付かれました 00:01:29.000 --> 00:01:31.016 あまりに私の生活とかけ離れています 00:01:31.040 --> 00:01:36.216 そこで 最近 私が世界に 使い始めてほしいパロディ版の写真を 00:01:36.240 --> 00:01:38.376 自分を被写体に撮ることにしました 00:01:38.400 --> 00:01:42.656 赤ちゃんの食料源が 自分の身体に備わっている状態で 00:01:42.680 --> 00:01:46.240 職場復帰するという 気まずい現実を表したものです 00:01:47.320 --> 00:01:49.696 2枚ほどお見せしますね 00:01:49.720 --> 00:01:51.776 (笑) 00:01:51.800 --> 00:01:54.896 プレゼンの最中に 母乳が染み出しちゃうなんて 00:01:54.920 --> 00:01:57.056 昇進は決まったようなもんですよね(笑) 00:01:57.080 --> 00:01:59.496 この写真には赤ちゃんが 写っていませんね 00:01:59.520 --> 00:02:02.136 なぜなら ほとんどの働く母親にとっては 00:02:02.160 --> 00:02:04.496 現実ではそうだからです 00:02:04.520 --> 00:02:06.576 ご存知でしょうか 気分を悪くされるかもしれませんが 00:02:06.600 --> 00:02:09.776 トイレが流される度に 便器の中身が噴霧となって 00:02:09.800 --> 00:02:12.216 何時間も空気中に浮遊しています 00:02:12.240 --> 00:02:14.976 それでも 多くの 働く新生児の母親にとって 00:02:15.000 --> 00:02:18.256 生まれたばかりの我が子の食料を 日中に作り出せるのは 00:02:18.280 --> 00:02:19.600 トイレの中だけなのです 00:02:20.880 --> 00:02:24.336 こうした写真を何十枚か作って 世界に送り出しました 00:02:24.360 --> 00:02:25.976 現実を知って欲しかったのです 00:02:26.000 --> 00:02:29.416 その時 ある扉を開けていることには 気づきませんでした 00:02:29.440 --> 00:02:32.976 なぜなら 今では 様々な職業の全くの他人から 00:02:33.000 --> 00:02:34.936 お便りが舞い込んできます 00:02:34.960 --> 00:02:38.816 出産後数日から数週間で 職場復帰したときの 00:02:38.840 --> 00:02:41.856 体験を教えてくれるのです 00:02:41.880 --> 00:02:44.456 そのうち10の物語を 皆さんと共有したいと思います 00:02:44.480 --> 00:02:47.856 これらの話は実話で 中には生々しいものもあります 00:02:47.880 --> 00:02:50.920 この写真のように見えるものは ひとつとしてありません 00:02:52.360 --> 00:02:54.136 最初のお話です 00:02:54.160 --> 00:02:57.856 「私は連邦刑務所の 現役刑務官でした 00:02:57.880 --> 00:03:02.256 帝王切開での出産後 休暇として 認められる8週間を使い切って復職しました 00:03:02.280 --> 00:03:06.336 男性の同僚は 私が『休暇』を 取ったことに不満を持っており 00:03:06.360 --> 00:03:09.789 私が搾乳している時に わざとドアを開け放して 00:03:09.813 --> 00:03:13.856 受刑者と一緒に 廊下に立っていました」 00:03:13.880 --> 00:03:17.176 全くの他人である女性たちが 送ってくれる話のほとんどは 00:03:17.200 --> 00:03:19.456 実は授乳についての話ではありません 00:03:19.480 --> 00:03:21.376 ある女性は次のように 書いてくれました 00:03:21.400 --> 00:03:26.176 「私は双子を出産し 7週間の無給休暇の後 仕事に戻りました 00:03:26.200 --> 00:03:27.856 精神的には 私は打ちのめされていました 00:03:27.880 --> 00:03:32.216 肉体的には 分娩中に 大出血とひどい裂傷を経験し 00:03:32.240 --> 00:03:34.976 立ったり 座ったり 歩くのも やっとという状態でした 00:03:35.000 --> 00:03:38.856 雇用主には予算案の提出時期なので 使えるはずの有給休暇を 00:03:38.880 --> 00:03:40.640 使うなと言われました」 00:03:41.800 --> 00:03:46.416 人はこうした状況を直視できないのだと 私は考えるようになりました 00:03:46.440 --> 00:03:48.256 ショックを受けるからです 00:03:48.280 --> 00:03:51.336 ショックを受けたからには 何かしなければなりません 00:03:51.360 --> 00:03:55.216 そこで私たちは この画像を見て 信じることにするのです 00:03:55.240 --> 00:03:57.696 この写真は何の場面なのか よくわかりません 00:03:57.720 --> 00:04:00.376 どうも奇妙ですし 少し気味が悪いです 00:04:00.400 --> 00:04:01.816 (笑) 00:04:01.840 --> 00:04:03.056 この女性は何をしているんでしょう? 00:04:03.080 --> 00:04:06.802 でもメッセージはわかります 00:04:07.120 --> 00:04:09.656 何ら問題ないと伝えているのです 00:04:09.680 --> 00:04:13.416 働く母親と彼女たちの赤ちゃんは 皆大丈夫なのだと 00:04:13.440 --> 00:04:15.416 何も目を留めるものはないのだと 00:04:15.440 --> 00:04:18.856 それに 選択をしたのは 女性なのだから 00:04:18.880 --> 00:04:21.176 私たちの問題ですらないのだと 00:04:21.200 --> 00:04:24.136 私はこの「選択」に関わる事柄を 2つに分けたいと思います 00:04:24.160 --> 00:04:27.776 最初の「選択」は 女性が働く選択をしたというものです 00:04:27.800 --> 00:04:30.016 これは事実ではありません 00:04:30.040 --> 00:04:35.255 現在アメリカでは 全労働力の47%を 女性が占めています 00:04:35.279 --> 00:04:37.256 そしてアメリカの家庭の40%では 00:04:37.280 --> 00:04:40.816 女性のみ または女性が主として 家計を支えています 00:04:40.840 --> 00:04:45.376 女性の有償労働は アメリカ経済の中核を担っており 00:04:45.400 --> 00:04:48.176 そして家族を支えるにも 不可欠なのです 00:04:48.200 --> 00:04:52.376 国家レベルでは 有償労働は 個人の選択ではないのです 00:04:52.400 --> 00:04:55.336 もう1つの「選択」は 女性が 子を持つことにしたのだから 00:04:55.360 --> 00:04:58.480 この選択による影響は 女性だけが負うべきだというものです 00:05:00.200 --> 00:05:01.976 ちょっと聞いただけだと 00:05:02.000 --> 00:05:04.456 正しいように思えるような 事柄のひとつです 00:05:04.480 --> 00:05:05.909 「私が赤ちゃんを産ませたんじゃない」 00:05:05.933 --> 00:05:08.016 「妊娠した時に 私はそこにはいなかったんだから」 00:05:09.478 --> 00:05:14.056 しかし この態度は 根本的な事実を無視しています 00:05:14.080 --> 00:05:18.976 つまり 国家レベルでは女性の出産は 個人の選択ではないということです 00:05:19.000 --> 00:05:23.496 働く女性が多い中 彼女たちが出産する子どもは 00:05:23.520 --> 00:05:26.736 いつか労働力となり 国家の安全を守り 00:05:26.760 --> 00:05:28.576 税基盤となるのです 00:05:28.600 --> 00:05:32.776 国家レベルでは女性の出産は 個人の選択ではありません 00:05:32.800 --> 00:05:34.176 これらは選択ではないのです 00:05:34.200 --> 00:05:38.016 女性には働いてもらう必要があり 働く女性が出産できなければなりません 00:05:38.040 --> 00:05:40.517 この2つのことを同時に行えるよう 少なくとも― 00:05:40.541 --> 00:05:41.941 立ち行くようにすべきです 00:05:42.960 --> 00:05:45.656 さて クイズの時間です 00:05:45.680 --> 00:05:48.616 アメリカの働く女性のうち 有給の産休をもらえない割合は 00:05:48.640 --> 00:05:52.160 どれくらいだと思いますか? 00:05:53.440 --> 00:05:54.640 88%です 00:05:55.873 --> 00:05:59.016 88%の働く母親たちは 出産後1分たりとも 00:05:59.040 --> 00:06:00.656 有給の産休をとれないのです 00:06:00.680 --> 00:06:04.296 そこで無給休暇はどうかと考えるでしょう 00:06:04.320 --> 00:06:07.896 FMLA(育児介護休業法)が存在しますが 機能していません 00:06:07.920 --> 00:06:10.896 その法律の仕組みと様々な例外のせいで 00:06:10.920 --> 00:06:14.936 新たに出産する母親の半数は 使えません 00:06:14.960 --> 00:06:16.294 その例を見てみましょう 00:06:18.320 --> 00:06:20.136 「私たちは息子を養子に迎えました 00:06:20.160 --> 00:06:24.376 電話を受けた日 息子が生まれた日 私は仕事を休む必要がありました 00:06:24.400 --> 00:06:27.536 私はFMLAを使えるほど 勤続年数が長くなかったので 00:06:27.560 --> 00:06:30.296 無給休暇を取れませんでした 00:06:30.320 --> 00:06:32.736 生まれたばかりの我が子を 迎えに仕事を休んだとき 00:06:32.760 --> 00:06:33.960 私は職を失いました」 00:06:35.840 --> 00:06:40.736 こうした企業のイメージ画像には もう1つの現実が隠されています 00:06:40.760 --> 00:06:44.376 無給休暇しか取れない 女性たちのうちでも 00:06:44.400 --> 00:06:47.576 そのほとんどが無給休暇を取る 経済的余裕がないのです 00:06:47.600 --> 00:06:51.096 看護師の話です 「私の妊娠は既往症とみなされ 00:06:51.120 --> 00:06:55.176 短期所得補償を認められませんでした 00:06:55.200 --> 00:06:57.867 私の6週間の無給休暇の間に 税金還付と貯金の半分を 00:06:57.891 --> 00:06:59.736 使い果たしてしまいました 00:06:59.760 --> 00:07:01.496 これ以上は生活できない状態でした 00:07:01.520 --> 00:07:04.056 肉体的にも大変でしたが 精神的にはさらに辛いものでした 00:07:04.080 --> 00:07:07.056 息子のそばにいられず 何ヶ月も辛い思いをしました」 00:07:07.080 --> 00:07:09.976 ですから 早期に 職場復帰するという選択は 00:07:10.000 --> 00:07:14.176 家計を鑑みた 理性的な経済的選択なのです 00:07:14.200 --> 00:07:16.456 しかし出産は大変なことですから 00:07:16.480 --> 00:07:20.016 肉体的に厳しいことが多々あります 00:07:20.040 --> 00:07:21.456 あるウェイトレスの話です 00:07:21.480 --> 00:07:25.016 「第一子の出産時には 産後5週間で職場復帰しました 00:07:25.040 --> 00:07:28.096 第二子のときは 産後に大手術をしたので 00:07:28.120 --> 00:07:31.136 職場復帰に6週間かかりました 00:07:31.160 --> 00:07:33.240 私は第3度裂傷を負っていました」 00:07:34.880 --> 00:07:37.936 アメリカで 働く新生児の母親のうち23%が 00:07:37.960 --> 00:07:42.560 出産後2週間で 職場復帰しています 00:07:44.320 --> 00:07:48.976 「私はバーテンダー兼シェフで 妊娠中は平均週75時間働いていました 00:07:49.000 --> 00:07:51.616 赤ちゃんが生後1ヶ月になる前に 仕事に戻らねばならず 00:07:51.640 --> 00:07:53.656 週60時間働きました 00:07:53.680 --> 00:07:58.736 私の同僚は出産時に 10日しか休めませんでした」 00:07:58.760 --> 00:08:02.936 もちろん こうした事例は単に 経済的・肉体的な負担の問題ではありません 00:08:02.960 --> 00:08:08.136 出産とは心理的に大きな出来事であり そうあり続けるでしょう 00:08:08.160 --> 00:08:10.256 ある教師の話です 00:08:10.280 --> 00:08:13.256 「息子を出産して8週間後に 職場復帰しました 00:08:13.280 --> 00:08:15.176 以前から不安障害はあったのですが 00:08:15.200 --> 00:08:20.296 仕事に戻る前に経験した パニック発作は耐え難いものでした」 00:08:20.320 --> 00:08:22.416 統計的な話をすると 00:08:22.440 --> 00:08:25.136 女性の産後休暇が 短ければ短いほど 00:08:25.160 --> 00:08:28.376 うつや不安障害などといった 産後うつの諸症状に 00:08:28.400 --> 00:08:30.496 悩まされる可能性が高いのです 00:08:30.520 --> 00:08:34.534 産後の精神疾病によって起こりうる 様々な影響の中でも 00:08:34.558 --> 00:08:37.696 自殺は産後1年以内の女性の 死因の中で 00:08:37.720 --> 00:08:39.600 2番目に多いといいます 00:08:41.240 --> 00:08:42.816 次の話に移りましょう 00:08:42.840 --> 00:08:47.416 この女性に会ったことはないのですが 読むのが辛い話です 00:08:47.440 --> 00:08:51.616 「私は重要でかけがえのない 発達期を 00:08:51.640 --> 00:08:55.496 息子と過ごせなかったことに 深い悲しみと怒りを覚えます 00:08:55.520 --> 00:08:58.936 分娩・出産によって 私は壊れてしまったように感じました 00:08:58.960 --> 00:09:03.616 何ヶ月もの間の記憶は泣き叫ぶ声― 夜泣きと呼ばれるものです 00:09:03.640 --> 00:09:05.776 心の中で 私は溺れそうでした 00:09:05.800 --> 00:09:09.496 毎朝 あとどれくらい 頑張れるだろうと自問しました 00:09:09.520 --> 00:09:12.696 私は子連れでの出勤を許されました 00:09:12.720 --> 00:09:15.856 オフィスの扉を閉めて 問題にならないように 00:09:15.880 --> 00:09:19.376 息子をあやして静かにさせ どうか泣き止んでと懇願しました 00:09:19.400 --> 00:09:21.456 息子が泣き叫んでいる間 私は毎日 00:09:21.480 --> 00:09:23.416 オフィスの扉に隠れて泣きました 00:09:23.440 --> 00:09:27.096 搾乳機を洗いながら トイレでも泣きました 00:09:27.120 --> 00:09:30.256 毎日 通勤中も帰り道も 泣き通しでした 00:09:30.280 --> 00:09:33.416 日中に済ませられなかった仕事は 家で夜にやるからと 00:09:33.440 --> 00:09:35.096 上司に約束しました 00:09:35.120 --> 00:09:38.920 上手くこなせないのは 私のせいなのだと思いました」 00:09:40.520 --> 00:09:43.136 これらは母親の物語です 00:09:43.160 --> 00:09:44.936 赤ちゃんの方はどうでしょう? 00:09:44.960 --> 00:09:47.456 国家として 私たちは 働く母親のもとに生まれてくる― 00:09:47.480 --> 00:09:49.336 何百万人もの赤ちゃんを 大切に考えているでしょうか? 00:09:49.360 --> 00:09:50.696 私はそうは思いません 00:09:50.720 --> 00:09:54.176 就労して納税をして軍隊に入れる 年齢になるまでは考えていません 00:09:54.200 --> 00:09:56.105 言うなれば 18年後に戻っておいでと言って 00:09:56.129 --> 00:09:57.891 18年間の生活は 本人任せなのです 00:09:59.854 --> 00:10:02.616 こう申し上げる理由のひとつは 赤ちゃんと12週間以上 00:10:02.640 --> 00:10:04.936 我が子と過ごすことのできる母親の子は 00:10:04.960 --> 00:10:08.936 生後1年の間にワクチン接種と 健康診断を受ける可能性が高く 00:10:08.960 --> 00:10:13.656 命に関わり障害の残るような病気から より守られているのです 00:10:13.680 --> 00:10:16.920 こうした事実は これらの画像の裏に隠されています 00:10:20.280 --> 00:10:25.776 働く母親とその赤ちゃんに対して アメリカはメッセージを送っています 00:10:25.800 --> 00:10:29.576 「少しでも一緒に過ごせるだけで ありがたく思え 00:10:29.600 --> 00:10:32.336 アメリカ経済と雇用主にとって 00:10:32.360 --> 00:10:35.376 あなたたちは迷惑なのだ」と 00:10:35.400 --> 00:10:39.936 この「感謝すべき」という風潮は 私に届く話の多くに通底しています 00:10:39.960 --> 00:10:41.616 ある女性の話です 00:10:41.640 --> 00:10:43.816 「夫が失業中であったため 帝王切開での出産から 00:10:43.840 --> 00:10:45.656 8週間で仕事に戻りました 00:10:45.680 --> 00:10:48.416 私がいないと 娘は うまく育ちませんでした 00:10:48.440 --> 00:10:49.736 ミルクを飲まず 00:10:49.760 --> 00:10:51.376 体重が減り始めました 00:10:51.400 --> 00:10:54.216 ありがたいことに 上司には理解があり 00:10:54.240 --> 00:10:55.776 酸素吸入器とモニターに つながれた娘を 00:10:55.800 --> 00:10:58.096 シフト中 4回 母が連れてくるのを許可してくれ 00:10:58.120 --> 00:11:00.240 私は娘の世話をすることができました」 00:11:01.960 --> 00:11:05.336 世界には新生児の母親に 00:11:05.360 --> 00:11:09.216 国家として有給の産休を与えない国々の 小さなグループがあります 00:11:09.240 --> 00:11:11.696 メンバーが気になりますか? 00:11:11.720 --> 00:11:15.656 最初の8カ国は全部合わせて 8百万人の人口しかありません 00:11:15.680 --> 00:11:19.176 パプア・ニューギニアとスリナム それから小さな島国の 00:11:19.200 --> 00:11:25.416 ミクロネシア、マーシャル諸島 ナウル、ニウエ、パラオ、トンガです 00:11:25.440 --> 00:11:27.816 9番目はアメリカ合衆国 00:11:27.840 --> 00:11:29.920 人口3億2千万人です 00:11:31.320 --> 00:11:33.656 あとは... ありません 00:11:33.680 --> 00:11:36.256 リストはこれだけです 00:11:36.280 --> 00:11:37.896 地球上のほかの経済圏では 00:11:37.920 --> 00:11:41.816 国の未来を担う赤ちゃんたちのために 00:11:41.840 --> 00:11:44.816 国家として有給の産休を 何らかの範囲で与えています 00:11:44.840 --> 00:11:48.896 「そんなことできるわけがない」と アメリカでは言われます 00:11:48.920 --> 00:11:51.416 いつか市場が解決してくれると言い 00:11:51.440 --> 00:11:55.776 すでに非常に高学歴で 高収入を得ている女性たちに 00:11:55.800 --> 00:11:59.056 さらなる有給休暇を与える企業に 賛辞を送ります 00:11:59.080 --> 00:12:00.896 88%という数字を覚えていますか? 00:12:00.920 --> 00:12:04.760 それら中所得・低所得の女性たちは これに参加すらできません 00:12:05.880 --> 00:12:11.336 私たちはこのやり方によって 驚くほどに経済的・金銭的・肉体的― 00:12:11.360 --> 00:12:13.896 そして心理的な負担が 強いられているのを知っています 00:12:13.920 --> 00:12:17.936 たまたまではなく 私たちは「選択」したのです― 00:12:17.960 --> 00:12:21.896 この負担を働く母親とその赤ちゃんに 背負わせることを 00:12:21.920 --> 00:12:24.576 低所得の女性にとっては 負担はさらに厳しいものです 00:12:24.600 --> 00:12:27.376 つまり不均衡なまでに 有色女性に負担がかかっています 00:12:27.400 --> 00:12:29.856 それでも このやり方を続けています 00:12:29.880 --> 00:12:32.496 これはアメリカが恥じるべきことです 00:12:32.520 --> 00:12:35.360 でも アメリカにとって これはリスクでもあるのです 00:12:36.440 --> 00:12:38.336 だって 赤ちゃんを持つという 00:12:38.360 --> 00:12:42.416 いわゆる「選択」をする個人が 00:12:42.440 --> 00:12:46.440 子を持たないという選択を し始めたらどうなるでしょう? 00:12:47.320 --> 00:12:49.016 ある女性の話です 00:12:49.040 --> 00:12:52.296 「母親業は大変ですが 苦しめられるべきではありません 00:12:52.320 --> 00:12:54.576 我が家では家族を増やそうか という話になると 00:12:54.600 --> 00:12:58.896 自分自身と赤ちゃんを世話をする時間を どれだけ取れるかと考えます 00:12:58.920 --> 00:13:02.216 第一子のときと全く同じように やらねばならないなら 00:13:02.240 --> 00:13:03.880 1人っ子でいいかと思います」 00:13:05.800 --> 00:13:08.696 アメリカの人口維持に必要な 出生率は 00:13:08.720 --> 00:13:10.856 女性1人あたり2.1人です 00:13:10.880 --> 00:13:13.848 現在アメリカの出生率は 1.86人です 00:13:14.880 --> 00:13:17.176 女性に出産してもらう必要があるのに 00:13:17.200 --> 00:13:21.736 私たちは働く女性に わざわざ思いとどまらせているのです 00:13:21.760 --> 00:13:24.976 労働力や技術革新 GDPはどうなるでしょうか? 00:13:25.000 --> 00:13:29.136 この国の働く女性たちが 1人 また1人と 00:13:29.160 --> 00:13:32.520 もう1度同じことを繰り返すのは 耐えられないと決めてしまったら? 00:13:33.680 --> 00:13:37.176 私が今日ここでお話ししたい 広める価値のあるアイディアは1つです 00:13:37.200 --> 00:13:39.336 もう おわかりですね 00:13:39.360 --> 00:13:43.056 そろそろ地球上で最も強力な国が 00:13:43.080 --> 00:13:45.136 国家レベルでの有給休暇を 00:13:45.160 --> 00:13:47.875 この国の未来のために 仕事をする人々と 00:13:47.899 --> 00:13:50.776 その未来を担う赤ちゃんに 与えて然るべきです 00:13:50.800 --> 00:13:52.936 出産は公共の利益です 00:13:52.960 --> 00:13:55.496 この有給の産休は 国が助成するべきです 00:13:55.520 --> 00:13:58.016 ビジネス規模や勤続年数 起業家であるかにかかわらず 00:13:58.040 --> 00:14:00.496 例外なく行われるべきです 00:14:00.520 --> 00:14:02.896 パートナー間で休暇を 分け合えるべきです 00:14:02.920 --> 00:14:04.896 今日はたくさん母親の話をしましたが 00:14:04.920 --> 00:14:07.600 共同育児は様々なレベルで 大変重要です 00:14:09.520 --> 00:14:12.616 足をひきずり 出血しているのに 仕事に戻る女性を 00:14:12.640 --> 00:14:15.816 もう出してはいけません 00:14:15.840 --> 00:14:19.496 休息と回復 そして絆を深める数日間のために 00:14:19.520 --> 00:14:23.176 預金口座の残高を使い果たす 家族をもう出してはいけません 00:14:23.200 --> 00:14:25.496 新生児集中治療室で 00:14:25.520 --> 00:14:28.456 両親がわずかな「休暇」を 使い果たしてしまったために 00:14:28.480 --> 00:14:31.176 保育器から直接 保育所へと送られる か弱い新生児を 00:14:31.200 --> 00:14:32.816 もう出してはいけません 00:14:32.840 --> 00:14:35.698 どちらも必要である仕事と子育てが 重なってしまうことが 00:14:35.722 --> 00:14:40.056 彼ら自身の問題だと 言われるような共働きの親を 00:14:40.080 --> 00:14:41.560 もう出してはいけません 00:14:42.760 --> 00:14:47.416 問題点は 新生児を迎えた家族は この事態に手一杯で 00:14:47.440 --> 00:14:50.216 新生児のいる家族は それまでと比べて 00:14:50.240 --> 00:14:51.696 金銭的に厳しいことが多いので 00:14:51.720 --> 00:14:55.656 新生児を持つ母親は自分のために 声を上げる余裕がないということです 00:14:55.680 --> 00:14:57.896 でも 私たちは皆 声を上げられます 00:14:57.920 --> 00:15:01.496 私はすでに子を持ちました 00:15:01.520 --> 00:15:03.376 あなた方は子を持つ前か 00:15:03.400 --> 00:15:04.776 子をすでに持った後か 00:15:04.800 --> 00:15:06.416 子を持たないことにしたかもしれません 00:15:06.440 --> 00:15:08.296 それは関係ないのです 00:15:08.320 --> 00:15:10.736 この問題を母親の問題であるとか 00:15:10.760 --> 00:15:12.456 女性の問題だとして 語るのはやめるべきです 00:15:12.480 --> 00:15:14.040 これはアメリカの問題なのです 00:15:16.200 --> 00:15:19.696 私たちはこれらの画像が教える嘘を 信じるのをやめるべきです 00:15:19.720 --> 00:15:21.976 それらの嘘によって 心地よさを感じてはいけません 00:15:22.000 --> 00:15:24.656 世界のほかの国々では 上手く機能しているにもかかわらず 00:15:24.680 --> 00:15:27.976 どうして無理だと言われるのか 疑問に思うべきです 00:15:28.000 --> 00:15:31.776 アメリカにおけるこの現実は 不名誉なことであり 00:15:31.800 --> 00:15:34.834 危険を招くものだと認識すべきです 00:15:35.440 --> 00:15:37.616 なぜなら これも 00:15:37.640 --> 00:15:39.256 これも 00:15:39.280 --> 00:15:42.760 そして これも 働く母親の姿ではないからです 00:15:44.200 --> 00:15:45.920 (拍手)