1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 話は簡単です 35年間ロッククライミングして 2 00:00:03,000 --> 00:00:07,000 見つけた9つのルールがあります 3 00:00:07,000 --> 00:00:11,000 基本的なものばかりです 4 00:00:11,000 --> 00:00:14,000 1つ、放さない。 5 00:00:14,000 --> 00:00:16,000 成功するためにかなり有効なことです 6 00:00:16,000 --> 00:00:19,000 でも、確かに、頭が体よりも 7 00:00:19,000 --> 00:00:21,000 先に諦めて手を放そうと考えだします 8 00:00:21,000 --> 00:00:23,000 だから、放さなければ、 9 00:00:23,000 --> 00:00:27,000 想像力に富んだ解決策が思い浮かぶものです 10 00:00:27,000 --> 00:00:29,000 2つ、ちゅうちょしないこと 11 00:00:29,000 --> 00:00:32,000 これはヨセミテのトゥオルミ・メドウズでの 12 00:00:32,000 --> 00:00:34,000 フリクションクライムです 13 00:00:34,000 --> 00:00:38,000 フリクションクライムには確かなホールドはなく 14 00:00:38,000 --> 00:00:42,000 粒のようなホールドや、岩のちょっとしたくぼみを使って登ります 15 00:00:42,000 --> 00:00:46,000 一番フリクションがある時というのは岩に最初に足か 16 00:00:46,000 --> 00:00:49,000 手をかけた時です 17 00:00:49,000 --> 00:00:53,000 その後は基本的に落下状態にいます 18 00:00:53,000 --> 00:00:56,000 勢いがあるのはよいことです ちゅうちょしないように 19 00:00:56,000 --> 00:00:58,000 3つ、計画を立てておくこと 20 00:00:58,000 --> 00:01:00,000 これはボルダーの外にあるエルドラド渓谷の 21 00:01:00,000 --> 00:01:02,000 ネイキッドエッジという名前のルートです 22 00:01:02,000 --> 00:01:05,000 この写真のクライマーは最後のピッチを登っているところです 23 00:01:05,000 --> 00:01:07,000 ちょうど私が落ちたところ辺りにいます 24 00:01:07,000 --> 00:01:10,000 地上から約305m離れています 25 00:01:10,000 --> 00:01:13,000 実は要となるピッチはすでに登り終えています 26 00:01:13,000 --> 00:01:15,000 よくあるのが 27 00:01:15,000 --> 00:01:17,000 難易度が高いポイントだけに 28 00:01:17,000 --> 00:01:20,000 「どうしよう?」と考えすぎることです 29 00:01:20,000 --> 00:01:22,000 そうしたらどうなるか? 30 00:01:22,000 --> 00:01:24,000 最後のピッチに到達して、簡単なルートなのに 31 00:01:24,000 --> 00:01:27,000 ここで完全に体力も気力も使い果たしている これではいけません 32 00:01:27,000 --> 00:01:30,000 ゴールに到達するには先まで計画しておく必要があります 33 00:01:30,000 --> 00:01:33,000 同時にムーブを一つ一つ達成していく 34 00:01:33,000 --> 00:01:35,000 必要があることも忘れないように 35 00:01:35,000 --> 00:01:37,000 これはダイクルートと名づけられていて 36 00:01:37,000 --> 00:01:41,000 ヨセミテのビラドームにあるルートです 37 00:01:41,000 --> 00:01:44,000 このルートの面白い点はあまり難しくないところです 38 00:01:44,000 --> 00:01:46,000 でもリードしているとなると 39 00:01:46,000 --> 00:01:50,000 一番難しいところで、なだらかな岩肌を30メートルくらい 40 00:01:50,000 --> 00:01:52,000 転がり落ちることになります 41 00:01:52,000 --> 00:01:54,000 なので集中することが重要です 42 00:01:54,000 --> 00:01:57,000 コールリッジのクブラ・カーンのように 43 00:01:57,000 --> 00:01:59,000 途中で止まらず 44 00:01:59,000 --> 00:02:01,000 動き続けなければなりません 45 00:02:01,000 --> 00:02:03,000 5つ、休み方を知ること 46 00:02:03,000 --> 00:02:05,000 すごいクライマーは 47 00:02:05,000 --> 00:02:08,000 どんなに無理そうな状況でも体をうまく 48 00:02:08,000 --> 00:02:10,000 配置することによりレストをとることのできる 49 00:02:10,000 --> 00:02:12,000 場所を見つけ出し 50 00:02:12,000 --> 00:02:15,000 落ち着きを取り戻して集中力をまた高め 51 00:02:15,000 --> 00:02:19,000 登り続けます 52 00:02:19,000 --> 00:02:21,000 カリフォルニアのニードルズにあるルートです 53 00:02:21,000 --> 00:02:23,000 恐怖を感じている時にはやるべきことに 54 00:02:23,000 --> 00:02:26,000 集中していないのでよくありません 55 00:02:26,000 --> 00:02:28,000 どちらかというと失敗した時のことを 56 00:02:28,000 --> 00:02:31,000 考えていると言うことになります 57 00:02:31,000 --> 00:02:33,000 どのムーブを成功させるにも思考能力は 58 00:02:33,000 --> 00:02:38,000 そのムーブをどのように達成するか 59 00:02:38,000 --> 00:02:40,000 考えていなければなりません 60 00:02:40,000 --> 00:02:43,000 クライミングをする時、ほとんどの人は 61 00:02:43,000 --> 00:02:47,000 もっとも自然に思える方法で登りはじめます 62 00:02:47,000 --> 00:02:50,000 これはワイオーミングのデビルズタワーです 63 00:02:50,000 --> 00:02:53,000 玄武岩の岩頸で未知との遭遇に 64 00:02:53,000 --> 00:02:56,000 出てきたので知っているかもしれません 65 00:02:56,000 --> 00:02:58,000 ここではクラッククライマーは 66 00:02:58,000 --> 00:03:00,000 手やつま先を岩の割れ目に入れて 67 00:03:00,000 --> 00:03:02,000 登りはじめます 68 00:03:02,000 --> 00:03:05,000 割れ目が小さ過ぎてつま先を入れることができないので、 69 00:03:05,000 --> 00:03:08,000 指先を何とか割れ目に入れ 70 00:03:08,000 --> 00:03:10,000 足を 71 00:03:10,000 --> 00:03:12,000 突っ張って 72 00:03:12,000 --> 00:03:15,000 自分を上に押し上げます 73 00:03:15,000 --> 00:03:18,000 8つ、力があればよいというわけではない 74 00:03:18,000 --> 00:03:20,000 クライミングのガイドを35年間続けてきて 75 00:03:20,000 --> 00:03:22,000 インドアにあるウォールなどで教えてきたのですが 76 00:03:22,000 --> 00:03:24,000 その中でわかった一番重要なことは 77 00:03:24,000 --> 00:03:27,000 男は必ず懸垂しようとするということです 78 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 初めて登る男はもがいて、もがいて、もがいて 79 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 9メートルくらい登ります 80 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 で大体の人は懸垂を15回できますよね? 81 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 そこで完全に疲れきってしまいます 82 00:03:35,000 --> 00:03:37,000 女性はもっとバランス感覚を使おうとします 83 00:03:37,000 --> 00:03:40,000 というのはもとから100回も懸垂することが 84 00:03:40,000 --> 00:03:42,000 できると想定していないからです 85 00:03:42,000 --> 00:03:45,000 なるべく足に力をかけようとします 86 00:03:45,000 --> 00:03:48,000 自然な考え方ですよね 足は一日中体を支え続けているわけですから 87 00:03:48,000 --> 00:03:50,000 ですからバランス感覚は 88 00:03:50,000 --> 00:03:52,000 一番力強い筋肉でできている足に 89 00:03:52,000 --> 00:03:54,000 体重をかけるようにすることが重要です 90 00:03:54,000 --> 00:03:56,000 そして9つ目 91 00:03:56,000 --> 00:03:58,000 9つ目のルールを発見したのは 92 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 落ちることを考えずに 93 00:04:00,000 --> 00:04:03,000 いきなり12メートル落ちて肋骨にひびを入れた時でした 94 00:04:03,000 --> 00:04:06,000 もう絶対に落ちるとわかった時点からどのように 95 00:04:06,000 --> 00:04:09,000 落ちるか計画し始める必要があります 96 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 怪我をしないためにはこれが一番 97 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 重要だからです 98 00:04:14,000 --> 00:04:18,000 ロープを使ってどのように落ちていくか 99 00:04:18,000 --> 00:04:20,000 ロープが無ければ落下が制御できる 100 00:04:20,000 --> 00:04:24,000 場所にどのように落ちていくか 最後までただただ 101 00:04:24,000 --> 00:04:27,000 つかまっていることだけにこだわり続けるのは止めましょう 102 00:04:27,000 --> 00:04:29,000 ありがとうございました 103 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 (拍手)