WEBVTT

00:00:00.000 --> 00:00:01.762
はい！どうもアバタローです。

00:00:01.795 --> 00:00:05.561
本日は、宮本武蔵の［五輪書］
コチラをご紹介いたします。

00:00:05.605 --> 00:00:10.151
どんな本かと言いますと
生涯無敗と言われる最強の剣豪が残した

00:00:10.151 --> 00:00:12.019
戦いの極意書でございます。

00:00:12.045 --> 00:00:15.501
まず、どういった方に
お役に立ちそうな内容なのかをお伝えいたします。

00:00:15.540 --> 00:00:17.936
［物怖じしない、強い自分を作りたい］

00:00:17.965 --> 00:00:19.816
［仕事が出来るようになりたい］

00:00:19.816 --> 00:00:21.329
［勝負ごとに強くなりたい］

00:00:21.329 --> 00:00:23.427
［我が道を進み、夢を叶えたい］

00:00:23.445 --> 00:00:25.716
これに一つでも、当て嵌まるのであれば

00:00:25.716 --> 00:00:29.649
［五輪書］は間違いなく、そのニーズに
嵌る作品であると思います。

00:00:29.665 --> 00:00:32.211
と言いますのも
本書はただ『剣術』について

00:00:32.211 --> 00:00:34.397
指南しているだけの本ではないのです。

00:00:34.397 --> 00:00:39.260
就職活動、ビジネス、スポーツといった
あらゆる勝負所で負けない為の

00:00:39.260 --> 00:00:42.483
原理原則が書かれた、人生の攻略本。

00:00:42.483 --> 00:00:44.865
それが［五輪書］と言うわけでございます。

00:00:44.925 --> 00:00:46.903
因みに、ハーバードビジネススクールでは

00:00:46.903 --> 00:00:50.478
［五輪書］を経営学のテキストとして
採用していたこともあり

00:00:50.478 --> 00:00:53.137
誕生から400年近い、年月が経った今でも

00:00:53.137 --> 00:00:55.471
現代ビジネスにも通じる書籍として

00:00:55.471 --> 00:00:57.524
世界的にも高い評価を得ているのです。

00:00:57.528 --> 00:01:00.016
更に、孤独の中で己の剣を磨き

00:01:00.058 --> 00:01:02.655
我が道を突き進んだ
『宮本武蔵』の生き方は

00:01:02.655 --> 00:01:05.845
個人の力を高め
より高く羽ばたこうと

00:01:05.845 --> 00:01:08.260
志を持って
努力されている方にとっても

00:01:08.260 --> 00:01:11.281
大いにご参考いただけるものと
確信しております。

00:01:11.291 --> 00:01:12.701
そこで、この動画では

00:01:12.701 --> 00:01:15.884
［五輪書］を誰でも、しっかり
楽しんでいただけるよう

00:01:15.884 --> 00:01:19.148
難しい表現を避け、カジュアルに
ご紹介をしてまいります。

00:01:19.148 --> 00:01:23.703
最強の侍が残した、パワフルで
刺激的な戦闘哲学の世界を

00:01:23.703 --> 00:01:25.803
是非、最後までお楽しみください。

00:01:25.828 --> 00:01:27.030
それでは、参りましょう。

00:01:27.058 --> 00:01:28.980
宮本武蔵、［五輪書］

00:01:29.028 --> 00:01:31.194
ではまず、中身に入る前に

00:01:31.194 --> 00:01:34.831
『宮本武蔵』という人物と
［五輪書］の構成について

00:01:34.831 --> 00:01:36.504
サラっと触れさせてください。

00:01:36.521 --> 00:01:39.948
宮本武蔵。
彼の生涯については、諸説ありますが

00:01:39.948 --> 00:01:43.959
1584年、播磨の国。
今の兵庫県に生まれ

00:01:43.971 --> 00:01:47.204
1645年に没したとされています。

00:01:47.231 --> 00:01:49.095
ですから、活躍した時期としては

00:01:49.095 --> 00:01:52.684
安土桃山時代の終わりから
江戸時代の初期に当たります。

00:01:52.684 --> 00:01:55.030
宮本武蔵は、凄まじい鍛錬の末

00:01:55.040 --> 00:01:56.861
最強の武士になったわけですが

00:01:56.881 --> 00:02:00.772
実は、幼少期から
天才的な才能があったと言われています。

00:02:00.772 --> 00:02:04.140
初めての真剣勝負は、なんと13歳の時。

00:02:04.140 --> 00:02:06.561
名のある剣士が、相手だったにもかかわらず

00:02:06.561 --> 00:02:11.086
見事、勝利をおさめ
そこから20代後半まで、実に60回以上

00:02:11.086 --> 00:02:14.742
真剣勝負において、一度たりとも
負けることがなかったそうです。

00:02:14.742 --> 00:02:18.566
しかし彼は、ただ強いだけの人物では
ありませんでした。

00:02:18.566 --> 00:02:20.900
歌を詠んだり
水墨画を書いたり

00:02:20.900 --> 00:02:24.417
文化面、芸術面においても
マルチな才能を発揮しました。

00:02:24.417 --> 00:02:26.364
そして、60歳を過ぎた頃

00:02:26.407 --> 00:02:29.211
熊本県の霊巌洞という
洞窟に籠り

00:02:29.227 --> 00:02:32.892
自分の人生の集大成として
五輪書を残し

00:02:32.892 --> 00:02:34.657
この世を去ったと言うわけです。

00:02:34.707 --> 00:02:37.728
この『五輪』という言葉は
もともと仏教用語でして

00:02:37.728 --> 00:02:40.519
宇宙を構成している
５つの要素。

00:02:40.519 --> 00:02:43.784
［地］［水］［火］［風］［空］を

00:02:43.784 --> 00:02:45.346
現していると言われています。

00:02:45.346 --> 00:02:49.397
宮本武蔵は、その仏教的
宇宙観に基づき、［五輪書］を

00:02:49.620 --> 00:02:54.414
［地の巻］［水の巻］［火の巻］
［風の巻］［空の巻］

00:02:54.414 --> 00:02:56.414
という５つの書に区分し

00:02:56.414 --> 00:02:58.414
戦いの極意を解いたのです。

00:02:58.414 --> 00:03:01.320
では、以上の点を踏まえて
早速ひとつ目

00:03:01.320 --> 00:03:02.982
［地の巻］から見ていきましょう。

00:03:03.026 --> 00:03:06.725
”戦いの道を究めた” 
私がそう確信するに至ったのは

00:03:06.725 --> 00:03:08.667
50の歳になってからだ。

00:03:08.667 --> 00:03:12.520
しかし、私はなにも剣の技術だけを追求し

00:03:12.520 --> 00:03:13.718
生きてきたわけではない。

00:03:13.718 --> 00:03:18.184
書道、彫刻、絵画、
そう言った様々な文芸についても

00:03:18.184 --> 00:03:19.592
独学でマスターしている。

00:03:19.592 --> 00:03:21.868
なぜ、そんな器用なことができるか
と、思うだろう。

00:03:21.906 --> 00:03:23.228
理由は一つしかない。

00:03:23.276 --> 00:03:25.799
何か一つの物事を極めた人間は

00:03:25.799 --> 00:03:28.960
その経験を他の物事にも
応用できるのだ。

00:03:28.960 --> 00:03:31.327
つまり、［一をもって万を知る］ことは

00:03:31.327 --> 00:03:32.484
可能なのである。

00:03:32.484 --> 00:03:37.054
また、人間生きていれば
己の人生を賭けた戦いに臨む時があるだろう。

00:03:37.054 --> 00:03:40.635
その時に、あなたが何を心掛けるべきなのかを
伝えておく。

00:03:40.635 --> 00:03:44.381
それは、自分の持てる道具を
全て、使い切ることだ。

00:03:44.381 --> 00:03:46.870
本来、使えるはずの武器や道具を

00:03:46.870 --> 00:03:48.663
何の役にも立てることなく

00:03:48.663 --> 00:03:50.559
ただ、腰に収めたまま
敗れ去る。

00:03:50.559 --> 00:03:53.280
そんなことは、真剣勝負の世界では許されない。

00:03:53.280 --> 00:03:55.214
ただ、注意しなければならないのは

00:03:55.214 --> 00:03:59.575
それらの道具が、常に
有効に働くわけではない！ということだ。

00:03:59.575 --> 00:04:03.209
どんな物事にも必ず
今しかない！というタイミングが存在する。

00:04:03.209 --> 00:04:07.385
道具とは、最も適した瞬間に使われてこそ
その意味を成すのだ。

00:04:07.385 --> 00:04:08.606
はい！いかがでしょうか？

00:04:08.606 --> 00:04:11.672
［地の巻］は、五輪書の
総論的なパートであり

00:04:11.672 --> 00:04:15.925
武士として、正しい道の地盤を固める為の
原則について解かれています。

00:04:15.935 --> 00:04:16.978
整理しますと...

00:04:16.978 --> 00:04:19.426
［１つの道を究めると、横展開しやすい］

00:04:19.426 --> 00:04:22.058
［勝利のためには、使えるものは全て使う］

00:04:22.058 --> 00:04:24.732
［何事もタイミングが肝である］
ということでした。

00:04:24.732 --> 00:04:26.866
宮本武蔵と言えば、二刀流。

00:04:26.866 --> 00:04:29.320
そういったイメージを
お持ちの方も多いと思いますが

00:04:29.320 --> 00:04:32.349
彼はいつ、如何なる時でも
二刀流であったか、というと

00:04:32.349 --> 00:04:33.547
実は、そうではありません。

00:04:33.547 --> 00:04:36.671
戦う相手の力量や人数
場所などを考えながら

00:04:36.671 --> 00:04:38.653
一刀で戦ったり
二刀で戦ったり

00:04:38.653 --> 00:04:41.037
刀の長さや
種類を変えたりして

00:04:41.037 --> 00:04:44.922
臨機応変に対応することで
全ての戦いに勝利してきたのです。

00:04:44.922 --> 00:04:46.143
何が言いたいか、と言いますと

00:04:46.143 --> 00:04:49.870
宮本武蔵は、自分の手札が100あるなら
100使えと。

00:04:49.870 --> 00:04:52.717
精神論を振りかざしている訳ではないのです。

00:04:52.717 --> 00:04:56.877
まずは今、自分が持っている全てのカードを整理する

00:04:56.941 --> 00:04:59.493
次に必要な切り札を絞り込む。

00:04:59.493 --> 00:05:03.067
最後に、適切なタイミングで
切り札をすべて出し切り

00:05:03.067 --> 00:05:04.421
そして、勝利をする。

00:05:04.421 --> 00:05:09.986
このように、合理的に勝ち筋を頭の中で
描き切ることの重要性を説いているのです。

00:05:09.986 --> 00:05:14.439
だからこそ彼は、刃物を持った人間と
60回以上死闘を繰り広げても

00:05:14.439 --> 00:05:16.973
最後まで命を奪われなかった、というわけです。

00:05:17.283 --> 00:05:19.352
では次、行きましょう。
［水の巻］です。

00:05:19.352 --> 00:05:23.402
この書に記された、一文一句は
私が命を懸けて書いたものである。

00:05:23.402 --> 00:05:26.701
それゆえ、決して
適当な気持ちで読んではいけない。

00:05:26.701 --> 00:05:31.132
”習おう” といった気持ちを捨て
今の自分の仕事や生活に当て嵌め

00:05:31.132 --> 00:05:35.012
頭をよく使い、よく考えを巡らしながら読むのだ

00:05:35.074 --> 00:05:37.581
まず、兵法の道において大切なことは

00:05:37.581 --> 00:05:39.330
それは、心の在り方なんだ

00:05:39.330 --> 00:05:43.228
特に、戦いの場において
持てる力を十分に発揮するには

00:05:43.228 --> 00:05:46.684
どんな状況でも動じない、平常心が求められる。

00:05:46.684 --> 00:05:49.796
例えば今、自分の目の前に
大勢の敵がいたとしよう。

00:05:49.796 --> 00:05:52.138
その際、相手の数に圧倒されてはいけない。

00:05:52.138 --> 00:05:54.282
たくさんの問題を抱えてしまった時は

00:05:54.282 --> 00:05:57.012
いっぺんに全てを
片付けようとするのではなく

00:05:57.026 --> 00:05:59.637
似たような種類のものをひと固まりにして

00:05:59.637 --> 00:06:01.505
［塊］に分けて確実に潰せ
ひとつひとつ倒して行けば

00:06:01.505 --> 00:06:04.360
必ず活路を切り開くことができるはずだ。

00:06:04.360 --> 00:06:06.226
また、人生という戦場において

00:06:06.226 --> 00:06:11.328
自分より遥かに能力が勝る者と
刃を交わえなければならない時がある。

00:06:11.328 --> 00:06:14.587
この時多くの者は
気持ちが一歩も二歩も引いてしまい

00:06:14.587 --> 00:06:16.502
自分の負けを覚悟するだろう。

00:06:16.502 --> 00:06:18.236
だが、逆に考えて欲しい。

00:06:18.236 --> 00:06:22.302
能力において格上の者は
自分より格下の者を見た時

00:06:22.302 --> 00:06:25.173
コイツは自分よりも劣った人間だと侮り

00:06:25.173 --> 00:06:27.538
油断し、隙が生まれるモノなのだ。

00:06:27.538 --> 00:06:30.259
つまり、自分や相手の表面だけを見比べて

00:06:30.259 --> 00:06:32.821
どっちが優れ
どっちが劣っているとか

00:06:32.821 --> 00:06:36.345
先入観をもってしまうことは
非常に危険な考え方なんだ。

00:06:36.355 --> 00:06:40.289
空か食われるかの世界では、如何なる時も
心は濁らせない。

00:06:40.289 --> 00:06:41.373
これが鉄則なんだ！

00:06:41.384 --> 00:06:44.981
また、自分の進むべき道が定まった時も同様だ。

00:06:44.981 --> 00:06:47.741
やると決めたからには
雑念を取り払い

00:06:47.741 --> 00:06:51.440
あれこれ余計なこと考えず
無心で取り組むといいだろう。

00:06:51.440 --> 00:06:53.479
千里の道も一歩からというように

00:06:53.479 --> 00:06:56.513
どんな物事だろうと
直ぐには、成果は出ない。

00:06:56.513 --> 00:06:58.923
地道な鍛錬が必ず必要になる。

00:06:58.923 --> 00:07:00.536
あなたが今日、やるべきことは

00:07:00.536 --> 00:07:02.294
昨日のあなたに勝つことなんだ。

00:07:02.294 --> 00:07:04.804
それを何日も何年も積み重ねていく。

00:07:04.804 --> 00:07:06.764
鍛錬とは、そういうものなんだ。

00:07:06.764 --> 00:07:08.071
はい！いかがでしょうか？

00:07:08.071 --> 00:07:10.284
この［水の巻］では、地道な鍛錬に

00:07:10.284 --> 00:07:14.891
精神と肉体をコントロールすることの
重要性について解いています。

00:07:14.891 --> 00:07:19.903
まず、何においても重要なのは
心の在り方である、というお話でしたが

00:07:19.903 --> 00:07:22.339
これは色々な場面に当て嵌まりそうです。

00:07:22.339 --> 00:07:24.339
大学受験。大事な試合。

00:07:24.339 --> 00:07:25.496
重要な商談。

00:07:25.496 --> 00:07:30.061
緊張したせいで、実力の半分も出せなかったぁ
なんてことは、実際によくあります。

00:07:30.061 --> 00:07:33.334
いつも通り、自然体でやればいいよ、と
言ったアドバイスを貰っても

00:07:33.334 --> 00:07:36.726
逆に緊張してしまうことだって
決して珍しくはありません。

00:07:36.726 --> 00:07:40.272
そもそも、自然体とは何かと言えば
不必要な力を抜き

00:07:40.272 --> 00:07:43.361
必要な力だけが入っている状態のことを指します。

00:07:43.361 --> 00:07:46.445
つまり、心と体を
微調整するわけですから

00:07:46.445 --> 00:07:48.494
ある程度、経験を積んだ人でないと

00:07:48.494 --> 00:07:51.188
身に付けることが困難な技術であるといいます。

00:07:51.188 --> 00:07:53.757
では、どうやって身に付ければいいのか、というと

00:07:53.757 --> 00:07:57.281
とにかく、場数をこなし
日々、鍛錬を積むしかない。

00:07:57.281 --> 00:07:59.437
それが、ここでの回答となります。

00:07:59.437 --> 00:08:01.589
非常に地味で、遠回りのようですが

00:08:01.589 --> 00:08:04.693
これが自然体をマスターするための王道なのです。

00:08:04.693 --> 00:08:09.176
これを体得することによって
人は高い集中状態に入ることができ

00:08:09.176 --> 00:08:12.986
結果として、高いパフォーマンスを
発揮することができると言うわけです。

00:08:12.989 --> 00:08:17.813
因みに、宮本武蔵は
心の中に一切の雑念が無い状態を

00:08:17.813 --> 00:08:21.813
『無念無想』と呼び
この状態に自分をもって言ったうえで

00:08:21.835 --> 00:08:24.485
強烈な一撃を
相手に放つそうです。

00:08:24.485 --> 00:08:26.775
まるで、全集中の呼吸みたいな話ですが

00:08:26.775 --> 00:08:29.517
何かしらで高いパフォーマンスを発揮されたい方は

00:08:29.517 --> 00:08:31.575
ご参考にされてみてはいかがでしょうか？

00:08:31.575 --> 00:08:34.087
はい！それでは次
［火の巻］について見ていきます。

00:08:34.087 --> 00:08:36.382
まず、戦いにおいて重要なのは

00:08:36.382 --> 00:08:38.087
先手を取る、ということだ。

00:08:38.089 --> 00:08:40.237
この先手の取り方は
3種類ある。

00:08:40.237 --> 00:08:43.397
まず１つが、自分から仕掛けに行き
先手を取る。

00:08:43.397 --> 00:08:46.025
２つ目が、相手が攻めて来た時に
先手を取る。

00:08:46.025 --> 00:08:50.249
最期３つ目が、自分と相手が
同じタイミングでぶつかった時に

00:08:50.249 --> 00:08:51.660
先手を取る、ということだ。

00:08:51.670 --> 00:08:54.881
どんな戦いだろうが
先手の取り方は、これ以外にない。

00:08:54.881 --> 00:08:57.877
常に自分から仕掛けることだけが
先手ではないが

00:08:57.877 --> 00:08:59.806
出来ることならば、自分から仕掛け

00:08:59.806 --> 00:09:02.400
相手を翻弄し
優位に立ちたいものだ。

00:09:02.400 --> 00:09:04.289
また、戦いの世界においては

00:09:04.289 --> 00:09:07.055
何処で戦うのかも
非常に重要になって来る。

00:09:07.055 --> 00:09:08.553
自分にとって有利な場所。

00:09:08.553 --> 00:09:10.852
相手にとって不利な場所とは
何処だろうか？

00:09:10.852 --> 00:09:14.554
そういったことを考え
徹底的にリサーチを済ませた上で

00:09:14.554 --> 00:09:15.743
本番に臨むことだ。

00:09:15.756 --> 00:09:18.559
そして、自分自身の身を
相手の立場に置き換えて

00:09:18.559 --> 00:09:20.599
向こうは一体
どんな手を使ってくるのか

00:09:20.599 --> 00:09:23.989
想像力を働かせながら
シュミレーションを行っておくことだ。

00:09:23.989 --> 00:09:27.002
また、勝負ごとの世界での
チャンスの掴み方についても

00:09:27.002 --> 00:09:28.189
コツを伝えておこう。

00:09:28.189 --> 00:09:31.122
結論から言えば
”崩れ” によく注目するのだ。

00:09:31.122 --> 00:09:33.678
どのような物事においても
必ずどこかで

00:09:33.678 --> 00:09:35.671
崩れが生じる瞬間がある。

00:09:35.671 --> 00:09:38.257
例えば、家が崩れ、荷が持崩れ

00:09:38.257 --> 00:09:39.811
相手陣営が
崩れる。

00:09:39.811 --> 00:09:40.899
チャンスとは、正に

00:09:40.899 --> 00:09:44.510
こういった崩れの瞬間にこそ
訪れるモノなのだ。

00:09:44.510 --> 00:09:46.187
それを捉え、行動をし

00:09:46.187 --> 00:09:49.237
イケると思ったら
一気に畳みかけ勝利を掴むと良い。

00:09:49.237 --> 00:09:50.501
はい！ここで止めましょう。

00:09:50.501 --> 00:09:53.973
この［火の巻］では
敵と戦うの際の具体的な戦術

00:09:53.973 --> 00:09:56.307
駆け引きなどについて
説いている章になります。

00:09:56.307 --> 00:10:00.616
簡単にまとめますと、先手を取り
自分の有利な環境で戦い

00:10:00.616 --> 00:10:03.587
更に崩れたタイミングを狙いましょう
というお話でした。

00:10:03.587 --> 00:10:06.849
要するに、スポーツマンシップに乗っ取って
フェアーに戦うのではなく

00:10:06.849 --> 00:10:11.249
自分の土俵に乗っかって
自分にとって有利に戦いましょう、と言うわけです。

00:10:11.249 --> 00:10:13.029
例えば、宮本武蔵の場合

00:10:13.029 --> 00:10:15.888
太陽を抜き、視点の高さ、足場の高さなど

00:10:15.888 --> 00:10:19.619
自分が有利で、相手が不利な環境を事前に現場調査をし

00:10:19.619 --> 00:10:23.269
そこに相手を誘導した上で
敵を叩きのめしていたと言います。

00:10:23.269 --> 00:10:25.950
つまり、仕事でも何でも成功を納める為には

00:10:25.968 --> 00:10:29.241
そのための環境をまずもって
作る必要があると言うわけです。

00:10:29.241 --> 00:10:30.978
因みに、以前紹介した

00:10:30.978 --> 00:10:34.054
［銃・病原菌・鉄］でも
似たような話がありましたが

00:10:34.054 --> 00:10:36.278
覚えていますでしょうか？
簡単に言いますと

00:10:36.278 --> 00:10:41.179
西洋諸国は、多くの国々を植民地化し
歴史的勝者とはなったが

00:10:41.179 --> 00:10:44.502
それは、彼らが優れた人種だったからではなくて

00:10:44.502 --> 00:10:49.124
ただ単に、有利な環境が
そうさせただけだ、と主張している作品です。

00:10:49.124 --> 00:10:51.337
つまり、どんな勝負ごとに臨む時でも

00:10:51.337 --> 00:10:55.292
自分が今、居る環境が
そもそも勝てる土俵なのか、を

00:10:55.292 --> 00:10:57.909
客観的に見つめることが
重要だと言えそうです。

00:10:57.909 --> 00:11:00.795
はい！それでは次
［風の巻］について見ていきましょう。

00:11:00.795 --> 00:11:04.919
我が流派は、勝つことを第一とする
『二天一流』である。

00:11:04.919 --> 00:11:09.278
しかし私は、ただ自分の流派だけを知っていればいいとは思わない。

00:11:09.278 --> 00:11:13.130
他の流派の考え、やり方を知り
その違いを知ることもまた

00:11:13.130 --> 00:11:16.153
自分の道を究める上で
大切なことなのだ。

00:11:16.153 --> 00:11:20.275
例えば、長い刀であるほ
どリーチが長い分、有利だと説く流派がある。

00:11:20.275 --> 00:11:21.755
これについては、一理あるが

00:11:21.755 --> 00:11:24.739
明らかに兵法の原理原則を理解していない、と言える。

00:11:24.739 --> 00:11:28.739
まず、人との手段を全体的なものと
信じ込んでしまっている時点で

00:11:28.739 --> 00:11:32.023
その人物の自信のなさ
心の弱さが伺える。

00:11:32.023 --> 00:11:35.465
そもそも、何が起こるか分からない
真剣勝負の世界において

00:11:35.465 --> 00:11:38.336
この道具を使えば間違いない、なんてはずはない。

00:11:38.336 --> 00:11:41.298
そういった、偏った発想は
命取りになるだろう。

00:11:41.298 --> 00:11:43.776
また、刀は強く振るべきである、だとか

00:11:43.776 --> 00:11:45.431
早く振るべきである、だとか

00:11:45.431 --> 00:11:47.748
こういった、型に嵌まった考え方もよくない。

00:11:47.748 --> 00:11:50.028
そもそも、命の取り合いをしている最中に

00:11:50.028 --> 00:11:53.281
弱く切るとか、強く切るとか
力の入れ具合を

00:11:53.281 --> 00:11:55.353
呑気に調整している暇など
ないのだ。

00:11:55.353 --> 00:11:57.025
本当に考えるべきことは

00:11:57.025 --> 00:12:00.175
今...自分の目の前にいる
敵をなぎ倒す！という

00:12:00.175 --> 00:12:01.654
ただ、その目的だけだろう。

00:12:01.654 --> 00:12:05.809
また、我が二天一流は
構えがあって、構えが無いことを極意とする。

00:12:05.809 --> 00:12:08.352
構えとは本来、自分の身を守るうえで

00:12:08.352 --> 00:12:10.663
最も大切な基本の型だ。

00:12:10.663 --> 00:12:13.227
ただ、なんでもかんでも
構えに縛られ過ぎて

00:12:13.227 --> 00:12:15.527
本来の目的を果たせないようでは

00:12:15.527 --> 00:12:16.739
本末転倒だ。

00:12:16.739 --> 00:12:19.906
目の前の敵が構える暇もないうちに
先手を打ち

00:12:19.906 --> 00:12:22.570
相手の構やリズムを崩してやった方が

00:12:22.570 --> 00:12:24.927
よっぽど効果的な場面など
幾らでもある。

00:12:24.927 --> 00:12:26.849
何のための基本動作なのか。

00:12:26.849 --> 00:12:28.793
何のための道具なのか。

00:12:28.793 --> 00:12:31.821
その目的、その本質を
忘れてしまってはいけない。

00:12:31.821 --> 00:12:34.890
また、剣術には
様々なテクニックが存在するが

00:12:34.890 --> 00:12:38.396
何事においても、ただ
小手先ばかりに捕らわれるのは

00:12:38.396 --> 00:12:40.209
あまり、いい傾向とは言えない。

00:12:40.209 --> 00:12:44.022
本来の目的とは外れた
些末なことに気を取られている間に

00:12:44.022 --> 00:12:46.590
敵から先に、一本
取られてしまうのがオチだ。

00:12:46.590 --> 00:12:48.104
まずは、何をするにしても

00:12:48.104 --> 00:12:50.826
基本となる土台を
しっかりと学ぶといいだろう。

00:12:50.826 --> 00:12:52.093
はい！いかがでしょうか？

00:12:52.093 --> 00:12:54.280
［風の巻］では
他者と比較することで

00:12:54.280 --> 00:12:57.983
自分の道を広く、客観的に見つめる
大切さを説いています。

00:12:57.983 --> 00:13:01.843
整理しますと
［偏った考えや、思い込みを捨てる］こと。

00:13:01.843 --> 00:13:04.205
［本来の目的を忘れない］こと。

00:13:04.205 --> 00:13:06.657
［ノウハウやテクニックばかりに捕らわれず

00:13:06.657 --> 00:13:09.321
基本を磨くこと］
といったお話でした。

00:13:09.321 --> 00:13:12.547
江戸時代には
宮本武蔵の二天一流以外に

00:13:12.547 --> 00:13:15.154
柳生新陰流とか、一刀流とか

00:13:15.154 --> 00:13:17.595
様々な流派があったことで知られています。

00:13:17.595 --> 00:13:20.672
ただ、どの流派も
華やかな技法を凝らすことで

00:13:20.672 --> 00:13:22.099
商売にしていたこともあり

00:13:22.099 --> 00:13:25.133
武蔵としては、本来の道から外れているのではないかと

00:13:25.133 --> 00:13:27.036
批判的な気持ちもあったようです。

00:13:27.036 --> 00:13:29.577
あと、長い刀に関する言及がありましたが

00:13:29.577 --> 00:13:32.733
武蔵のライバルとして、よく描かれる
佐々木小次郎は

00:13:32.733 --> 00:13:35.541
長い刀を使う剣豪として知られています。

00:13:35.541 --> 00:13:39.644
江戸時代の一般的な刀の長さが
約70センチであったのに対し

00:13:39.644 --> 00:13:42.866
小次郎の刀は、約94センチと非常に長く

00:13:42.866 --> 00:13:47.280
それを扱うのには、相当な技術が
必要であったと、言われています。

00:13:47.280 --> 00:13:50.331
彼の刀は『備前長船長光
（びぜんおさふねながみつ）』という

00:13:50.331 --> 00:13:52.509
名刀なんですが
そのあまりの長さから

00:13:52.509 --> 00:13:55.627
”物干し竿” という名前で呼ばれ
恐れられていたそうです。

00:13:55.627 --> 00:13:58.318
そして、小次郎自慢の物干し竿に対し

00:13:58.318 --> 00:14:01.496
武蔵は、どういった手段で
対抗したか、と言いますと、なんと彼は...

00:14:01.496 --> 00:14:03.472
「俺のはもっと長いぞ！」と言って

00:14:03.472 --> 00:14:06.443
１メートル39センチの木刀を用意して

00:14:06.443 --> 00:14:08.209
戦いに挑んだと言います。

00:14:08.209 --> 00:14:11.536
つまり彼は、事前に対戦相手の情報をリサーチし

00:14:11.536 --> 00:14:14.233
真っ先に、その強みを消しに行ったわけです。

00:14:14.620 --> 00:14:15.801
では、次最後です。

00:14:15.801 --> 00:14:17.273
［空の巻］を見ていきましょう。

00:14:17.273 --> 00:14:20.232
我が二天一流の究極の断りについて

00:14:20.235 --> 00:14:22.710
この［空の巻］に書き表すことにする。

00:14:22.710 --> 00:14:25.110
武士たるものは
兵法の道を身に付け

00:14:25.110 --> 00:14:29.044
更に、その他の文芸についても
よく稽古を続けるべきだ。

00:14:29.044 --> 00:14:31.002
それによって、人は心を磨き

00:14:31.002 --> 00:14:33.918
一点の曇りもない
晴れ渡った境地に至る。

00:14:33.918 --> 00:14:35.775
それこそが、空の教えなのだ。

00:14:35.775 --> 00:14:39.020
はい！だいぶ短いですが
空の巻は、コレでお終いです。

00:14:39.020 --> 00:14:42.159
この書は、極めて短い
エピローグ的なところでして

00:14:42.159 --> 00:14:46.750
宮本武蔵が武士としての人生から導きだした
『哲学』が特徴になります。

00:14:46.750 --> 00:14:49.597
因みにここは
空の巻よりも前に見て来た

00:14:49.597 --> 00:14:52.174
他の４巻を全て
体得することによって

00:14:52.588 --> 00:14:55.400
初めて到達できる領域である、と
言われています。

00:14:55.400 --> 00:14:59.419
すごく、簡単に言いますと
宮本武蔵が剣の道を追求したように

00:14:59.419 --> 00:15:03.419
自分の道を
ひたすら突き進んだ先に

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
真の自由が待っている。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
それが空と呼ばれる
最終境地なのだ、というお話です。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
実際は、もっと遥かに奥深い所なので

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
ご興味のある方は、是非手に取っていただければと思います。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
というわけで、５つの巻物に関しては
ここでお終いです。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
仕事や日々の生活など
色んなことに当て嵌めて

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
取り入れられそうなものを
見つけていただけましたでしょうか？

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
この、変化の激しい時代において
ひとつの道をまっすぐ進んで行くことは

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
決して簡単なことではありません。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
もしかしたら、この道は
行き止まりかもしれない...

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
進んでいる途中で、閉ざされてしまうかもしれない。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
そういった不安や恐怖が
常に付き纏っています。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
しかし、一つの道を究めることは
あらゆる可能性の扉を開く

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
カギになるのだ、と
宮本武蔵はその生き方によって

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
示してくれました。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
もし、今やりたいことがあるのに
躊躇しているのであれば

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
彼の言葉と自分を信じて、とにかく
無心になって、我が道を進んでみてはいかがでしょうか？

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
その道の先には、真の自由が
あなたを待っているかもしれません。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
はい！というわけで
宮本武蔵［五輪書］

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
以上でございます。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
いかがでしたでしょうか？

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
日本の古典は主に人間同士の絡みや

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
その中で生まれる
心の繊細な動きに注目した作品が多いのですが

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
［五輪書］のように、ただ勝つことのみを追求した

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
一人の人間の生き方、考え方が解かれた古典は

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
極めて珍しく、貴重な作品だ、と言われています。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
ご興味を持たれた方は、是非チェックしてみてください、

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
また、途中で紹介しました
［銃・病原菌・鉄］については

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
動画概要欄に貼っておきます。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
是非、こちらも併せてごらんいただければと思います。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
面白かった、参考になったという方は
高評価・コメントなどいただけますと嬉しいです。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
また、チャンネル登録も鎧くお願い致します。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
それではまた、次の動画でお会いしましょう。

99:59:59.999 --> 99:59:59.999
ありがとうございました。