”マックス さあ 右か左か?” ”早く!マックス!” ”左!” こんにちは トニーです 短い” Every Frame a Painting”をお送りします あらかじめ警告しておくと このビデオはスノーピアサーのネタバレがあります ですから あなたにここから先をみるかどうか 決めるチャンスを与えましょう ”後戻りはできないぞ” ”後戻りはできないぞ” ”後戻りはできないぞ” ”後戻りはできないぞ” ”後戻りはできないぞ” ”後戻りはできないぞ” ”わかってるのか?” ”わかってる” ほぼすべての大作映画やテレビゲームで このような 主人公が選択するシーンを みたことがあるでしょう そしてその選択は覆すことができません ”よし お前だ” はっきりいうと このような瞬間こそが すぐれたストーリーテリングの基礎です しかし私としては 選択の瞬間を 会話で表現してもらいたくありません ですから 今回は  会話無しの 選択の表現をみていきましょう 実際 これは映画における 最も古い伝統的手法のひとつなのです どのようにキャラクターの選択をみせるか? 「右か左か」 それだけです 私たちはスクリーンの方向を ツールとして使えることを忘れがちです スクリーンのどちら側をみているかによって キャラクターの選択をシンプルに表現できます スノーピアサーは この単純なルールにのっとった映画です カメラ右手が列車前方なら カメラ左手は列車後方になります そしてだんだんと 左から右へと移動していきます 実際 この映画では 前に進み続けようとする男の 物語をみることができます そしてまた 彼のうしろにあって 彼をつなぎ止めるものすべてが 彼に人間性を与えています ”あなたは 私たちを導くのよ” 彼が直面するどの選択も 「二つの方向」のバリエーションです しかし映画は 簡単に選択させてはくれません ときには後ろに戻ります ”カーチス わたしたち互いに理解しあっているわ 話をきいて わたしじゃないのよ!” カーチスはこの旅の最後に 別の人物によって 後押しされます ”私は人生のすべてを この永久のエンジンに捧げた” その人物は 人間性などささいなものだと そそのかすのです ”君は彼らを彼ら自身から 救うことが出来る” そして最後の選択の瞬間が与えられます 右上か 左下か 彼の選択はこれです これこそボン・ジュノが 会話無しで  倫理的選択をみせた最高の場面です スノーピアサーはおそらく今年一番の 横方向型の映画といえるでしょう そしてそれは もっとも上品かつ巧妙な 映像的アイデアの証拠でもあるのです では次に あなたが登場人物を 複雑な選択に追い込む場合 どうすればいいかというと… 誰にも分かりません 多分実際は 右か左かの単純な問題でしょうね