WEBVTT 00:00:00.760 --> 00:00:03.816 人間が人間になったのはいつなのか 00:00:03.840 --> 00:00:07.136 進化生物学者に尋ねたら 00:00:07.160 --> 00:00:09.256 何人かはこう言うでしょう 00:00:09.280 --> 00:00:12.176 「ある時点から 自身の脚で立つようになり 00:00:12.200 --> 00:00:15.520 二足歩行動物になって 自然を支配するようになったのだ」 00:00:16.880 --> 00:00:22.176 それまでと比較にならないほど 脳が肥大したおかげで 00:00:22.200 --> 00:00:25.700 はるかに複雑な認知過程を持つようになった と言う学者もいるでしょう 00:00:26.680 --> 00:00:31.056 言語が発達したおかげで 種として進化できたのだと 00:00:31.080 --> 00:00:33.360 論じる学者もいるかもしれません 00:00:34.960 --> 00:00:39.496 面白いことに この3つの 現象はすべてつながっています 00:00:39.520 --> 00:00:42.296 どうやって どんな順序でかは わかりません 00:00:42.320 --> 00:00:43.856 しかし どれもが 00:00:43.880 --> 00:00:47.640 首の後部にある頸椎の 形状変化に起因しています 00:00:48.840 --> 00:00:52.000 これにより 頭と体の間の 角度が変わったのです 00:00:52.760 --> 00:00:55.816 つまり 直立できるようになり 00:00:55.840 --> 00:00:58.976 さらに脳も後部で進化し 00:00:59.000 --> 00:01:04.616 それまでの霊長類の喉頭は 7センチメートルでしたが 00:01:04.640 --> 00:01:07.760 11〜17センチメートルにまで 大きくなりました NOTE Paragraph 00:01:09.080 --> 00:01:11.600 これが「喉頭降下」です 00:01:12.280 --> 00:01:14.240 喉頭とは声が出る場所です 00:01:16.160 --> 00:01:20.320 現人類の喉頭は 赤ん坊として 生まれた時点ではまだ下降していません 00:01:21.160 --> 00:01:23.560 約3ヶ月齢になって初めて起こります 00:01:25.040 --> 00:01:27.296 喩えるならば ここにいる私たち一人ひとりが 00:01:27.320 --> 00:01:30.560 全人類の進化の過程を 自ら辿ってきているということです 00:01:32.880 --> 00:01:34.136 赤ん坊といえば 00:01:34.160 --> 00:01:36.800 胎児が母親の子宮の中で 成長を始めて 00:01:37.600 --> 00:01:41.816 外の世界から来る初めて感覚— 00:01:41.840 --> 00:01:45.776 受精からわずか3か月 小エビ程度の大きさしかない時です— 00:01:45.800 --> 00:01:48.496 それは「触感」なのです 00:01:48.520 --> 00:01:51.320 母親の声の振動から来るものです NOTE Paragraph 00:01:52.440 --> 00:01:57.416 お分かりのように 人間の声には とても意味があり 重要なのです 00:01:57.440 --> 00:02:00.416 「種」のレベルでも 00:02:00.440 --> 00:02:01.976 「社会」のレベルでもそうです 00:02:02.000 --> 00:02:04.936 声とは意思疎通や 絆を築く方法です 00:02:04.960 --> 00:02:08.416 「個人」や 「個人間」のレベルでも 00:02:08.440 --> 00:02:11.576 私たちは声を使って 言葉やデータより はるかに多くを伝えます 00:02:11.600 --> 00:02:13.736 要は 自分という存在を 表現するわけです 00:02:13.760 --> 00:02:18.136 そして 私たちの声は 他人から見た 私たち自身の印象と区別できません 00:02:18.160 --> 00:02:20.530 私たちが社会の中で かぶっている仮面なのです 00:02:22.000 --> 00:02:25.060 でも 私たちと 自分自身の声との 関係は非常に不明瞭です 00:02:25.840 --> 00:02:30.616 自分に向けて声を発することは滅多になく 他人に「与える」という形で使います 00:02:30.640 --> 00:02:33.740 人と触れ合う方法が声なのです 00:02:33.760 --> 00:02:35.796 猿の毛づくろいを 言葉で行っているわけです NOTE Paragraph 00:02:35.810 --> 00:02:38.216 でも 自分の声について どう思っていますか? 00:02:38.240 --> 00:02:39.976 挙手でお答えください 00:02:40.000 --> 00:02:44.016 録音された自分の声が 嫌だという人? NOTE Paragraph 00:02:44.040 --> 00:02:45.256 (笑) NOTE Paragraph 00:02:45.280 --> 00:02:46.300 ありがとうございます 00:02:46.320 --> 00:02:50.416 実際 ほとんどの人が 録音された自分の声は嫌いだと言います 00:02:50.440 --> 00:02:51.656 どういうことでしょうか 00:02:51.680 --> 00:02:54.376 これからの10分で説明しましょう 00:02:54.400 --> 00:02:57.120 私はMIT Media Labの研究員で 00:02:57.140 --> 00:02:59.780 Opera of the Futureという 研究室の所属です 00:03:00.200 --> 00:03:03.040 私の研究では 人が自分の声や他人の声と 00:03:03.040 --> 00:03:06.360 どのような関係を持つのか 調べています 00:03:07.760 --> 00:03:11.816 人の声を聴くことで 導き出せることを研究しています 00:03:11.840 --> 00:03:13.216 関連分野は多岐にわたり 00:03:13.240 --> 00:03:17.120 神経学 生物学 認知科学 言語学まで含まれます 00:03:18.680 --> 00:03:21.736 私の研究室で開発している ツールやアクティビティを使えば 00:03:21.760 --> 00:03:26.496 自分の声への理解が深まり 実生活にも役立ちます 00:03:26.520 --> 00:03:29.576 先入観を軽減したり 00:03:29.600 --> 00:03:31.696 傾聴力を伸ばしたり 00:03:31.720 --> 00:03:34.696 より健全な人間関係を作ったり 00:03:34.720 --> 00:03:36.720 ただ自分自身への理解を 深めたりなどです NOTE Paragraph 00:03:38.240 --> 00:03:42.520 そうするには「声」について あらゆる側面を考える必要があります 00:03:43.640 --> 00:03:47.256 「声」について知識を深めるにつれ 何に使えるのか 00:03:47.280 --> 00:03:50.510 どんな意味合いがあるのか 色々と考えてみてください 00:03:51.160 --> 00:03:53.750 「声」とは非常に複雑な現象です 00:03:53.800 --> 00:03:57.940 体中の100種類以上の筋肉を 同時に動かす必要があります 00:03:58.480 --> 00:04:00.856 そして 声を聴くことで 00:04:00.880 --> 00:04:05.656 体の内部で起こっているかもしれない 異変についてもわかるのです 00:04:05.680 --> 00:04:06.880 例えば 00:04:07.840 --> 00:04:11.336 人の声に表れる いくつかの非常に特徴的な乱れや 00:04:11.360 --> 00:04:13.656 非直線性を聴き取ることで 00:04:13.680 --> 00:04:17.136 ごく初期のパーキンソン病を 発見するのに役立ちます 00:04:17.160 --> 00:04:18.560 これが電話でできるのです 00:04:19.519 --> 00:04:24.000 声に表れる息切れを聴き取ることで 心臓病の発見に役立ちます 00:04:25.880 --> 00:04:30.496 それぞれの単語を発音する際の テンポの変化が 00:04:30.520 --> 00:04:33.420 非常にはっきりした うつ病の兆候 であることもわかっています NOTE Paragraph 00:04:34.320 --> 00:04:37.376 人の声は ホルモンレベルとも 深く連動しています 00:04:37.400 --> 00:04:40.016 女性の声を聴いた第三者が 00:04:40.040 --> 00:04:43.056 その女性が月経周期の中で どの時期にいるのかを 00:04:43.080 --> 00:04:44.970 ピッタリ当てることができたのです 00:04:45.560 --> 00:04:47.200 聴覚情報のみからです 00:04:48.800 --> 00:04:52.376 そして今 テクノロジーは 常に私たちの声を聴いています 00:04:52.400 --> 00:04:55.376 だから Amazon Echoのアレクサが 00:04:55.400 --> 00:04:57.816 あなたの妊娠を あなた自身が気づく前に 00:04:57.840 --> 00:04:59.536 推測できるかもしれないのです 00:04:59.560 --> 00:05:00.926 だから… NOTE Paragraph 00:05:00.940 --> 00:05:02.096 (笑) NOTE Paragraph 00:05:02.120 --> 00:05:04.330 倫理的な問題点も 考えてみてください 00:05:05.720 --> 00:05:08.816 また 声は人間関係の構築にも 深い繋がりがあります 00:05:08.840 --> 00:05:12.216 人は話す相手が変わると それぞれに向けて違った声を出すんです 00:05:12.240 --> 00:05:15.736 あなたの声の 断片的なサンプルを分析すれば 00:05:15.760 --> 00:05:20.776 会話の相手がお母さんなのか兄弟なのか 友人なのか上司なのかがわかります 00:05:20.800 --> 00:05:25.976 また あなたの「発声態度」を読むことで 将来の予測も可能です 00:05:26.000 --> 00:05:29.936 誰かと話す時にどんな風に意識して 声を出しているかです 00:05:29.960 --> 00:05:33.176 配偶者と話している時の発声態度から 00:05:33.200 --> 00:05:36.880 あなたが離婚するかどうかだけでなく いつ離婚するかまで予測できるのです NOTE Paragraph 00:05:38.510 --> 00:05:41.000 声から読み取れることは たくさんあるということです 00:05:42.080 --> 00:05:44.456 まずは 私たちが持っている声は 1つではないと 00:05:44.480 --> 00:05:46.496 理解することから 始めなければいけません 00:05:46.520 --> 00:05:50.376 私たちのほぼ誰もが持っている 3つの声について 00:05:50.400 --> 00:05:52.720 「仮面」というモデルを使って お話ししますね 00:05:53.520 --> 00:05:55.496 仮面というものは 00:05:55.520 --> 00:05:57.800 ある性格特性を反映しています 00:05:58.360 --> 00:06:00.496 「外向きの声」と呼びましょう 00:06:00.520 --> 00:06:03.336 これは 声についての考え方としても 最も古典的です 00:06:03.360 --> 00:06:06.256 声はその人自身を 世界に投影する方法なのです 00:06:06.280 --> 00:06:09.536 この投影の仕組みについては よく知られています 00:06:09.560 --> 00:06:11.896 横隔膜が弛緩すると 肺から空気が押し出され 00:06:11.920 --> 00:06:15.176 その結果 持続的に声帯が振動して 00:06:15.200 --> 00:06:16.696 音が生まれます 00:06:16.720 --> 00:06:19.896 次に 口内の空洞を 開閉することで 00:06:19.920 --> 00:06:22.616 声道が音を変化させるのです NOTE Paragraph 00:06:22.640 --> 00:06:24.856 この仕組みは誰でも同じです 00:06:24.880 --> 00:06:26.756 しかし声は 一人一人 大きく異なります 00:06:26.786 --> 00:06:32.456 これは 体格 生理機能 ホルモンレベル といった ごく僅かな違いにより 00:06:32.480 --> 00:06:36.120 外向きの声に ごく僅かな違いが生まれるためです 00:06:36.840 --> 00:06:42.890 人間の脳は 他人が発する外向きの声から この僅かな違いを感じ取るのに長けています 00:06:43.760 --> 00:06:47.016 私の研究室では この僅かな違いを読み取れるよう 00:06:47.040 --> 00:06:49.456 機械に教え込んでいます 00:06:49.480 --> 00:06:55.336 ディープラーニング(深層学習)を 即時話者識別システムに利用し 00:06:55.360 --> 00:07:00.136 皆が共有する会話の場がどう使われているかの 意識向上に役立てています 00:07:00.160 --> 00:07:02.770 例えば 会議中に誰が発言して 誰が黙っているのかなど 00:07:03.480 --> 00:07:05.450 集団としての知性を高めるためです NOTE Paragraph 00:07:05.960 --> 00:07:10.080 ここで難しいのは まず 人の声は不変ではないということです 00:07:11.000 --> 00:07:14.136 先ほど 話す相手によって 自分が出す声も変わるとお話ししましたが 00:07:14.160 --> 00:07:17.096 人の人生の中でも 総じて 声は変化していきます 00:07:17.120 --> 00:07:19.336 この旅路の始まりと終わりでは 00:07:19.360 --> 00:07:22.056 男性の声と女性の声は 非常に似ています 00:07:22.080 --> 00:07:26.760 幼い女の子と幼い男の子の声を 聴き分けるのは非常に難しいものです 00:07:28.280 --> 00:07:33.376 しかし 幼齢と老齢の中間では 声は 移り変わるアイデンティティの標識となります 00:07:33.400 --> 00:07:37.336 一般に 男性の声は 思春期に大きく変化します 00:07:37.360 --> 00:07:38.696 そして女性の声は 00:07:38.720 --> 00:07:41.960 妊娠するごとに変化し 閉経時にも大きく変化します 00:07:43.320 --> 00:07:47.456 今までのお話はすべて 周りの人々が聞くあなたの声についてです 00:07:47.480 --> 00:07:50.860 ではなぜ 私たちは自分自身の声に こんなにも馴染みがないのでしょう 00:07:51.600 --> 00:07:55.016 なぜ 自分自身が聞いている声は 外に出る声と違うのでしょう 00:07:55.040 --> 00:07:56.256 では 考えてみましょう NOTE Paragraph 00:07:56.280 --> 00:07:59.800 仮面を着けているとき その仮面は自分には見えません 00:08:00.640 --> 00:08:04.560 それを見ようとして見えるのは 仮面の内側です 00:08:05.240 --> 00:08:06.920 それが「内向きの声」です 00:08:08.560 --> 00:08:10.576 違いの理由を理解するために 00:08:10.600 --> 00:08:14.280 まず 内向きの声を知覚する メカニズムを考えてみましょう 00:08:15.560 --> 00:08:18.496 内向きの声が人体の中で通る フィルターの経路は 00:08:18.520 --> 00:08:20.536 外向きの声とは違うからです 00:08:20.560 --> 00:08:24.056 知覚するためには まず 耳に届かなければなりません 00:08:24.080 --> 00:08:26.656 外向きの声は 空気中を伝わりますが 00:08:26.680 --> 00:08:30.176 内向きの声は 骨を通って伝わります 00:08:30.200 --> 00:08:31.800 これを「骨伝導」といいます 00:08:32.640 --> 00:08:37.655 このため 内向きの声は 低い声区の中で響き 00:08:37.679 --> 00:08:42.400 また 外向きの声よりも 音楽的に調和が取れているのです 00:08:43.400 --> 00:08:47.296 内向きの声が耳に伝わると 次は内耳に届きます 00:08:47.320 --> 00:08:49.580 そこで また違った仕組みが働きます 00:08:49.600 --> 00:08:51.856 それは機械的なフィルターで 00:08:51.880 --> 00:08:58.176 あなたが音声を出すたびに 内耳を保護しようと働く小さな仕切りです 00:08:58.200 --> 00:09:00.400 聞こえるものの音量を 下げる機能もあります 00:09:01.240 --> 00:09:04.200 3つ目のフィルターは 生物学的なフィルターです 00:09:04.820 --> 00:09:09.136 内耳の一部にあり 音を処理する蝸牛という器官は 00:09:09.160 --> 00:09:11.216 生きた細胞で出来ています 00:09:11.240 --> 00:09:14.336 この生きた細胞は 音が聞こえる頻度によって 00:09:14.360 --> 00:09:16.936 異なる反応を起こします 00:09:16.960 --> 00:09:18.360 それは「慣れ」の効果です 00:09:19.400 --> 00:09:20.936 そういうわけで 00:09:20.960 --> 00:09:24.016 自分の声は 人生の中で 最も多く聞く音でありながら 00:09:24.040 --> 00:09:26.520 実際に聞こえる分は 他の音よりも少ないのです NOTE Paragraph 00:09:27.280 --> 00:09:29.296 最後4つ目のフィルターは 00:09:29.320 --> 00:09:30.840 神経学的フィルターです 00:09:31.760 --> 00:09:34.216 近年の神経学での発見によると 00:09:34.240 --> 00:09:37.016 音を出すために口を開くとき 00:09:37.040 --> 00:09:39.840 その人自身の聴覚皮質は 停止するそうです 00:09:42.400 --> 00:09:45.296 つまり 自分の声が聞こえていても 00:09:45.320 --> 00:09:49.600 実際は 脳はその声を 聴いていないという訳です 00:09:52.040 --> 00:09:54.576 まあ 進化の上では もっともなことかもしれません 00:09:54.600 --> 00:09:57.576 自分の声がどう響くか 認知上では知っているからです 00:09:57.600 --> 00:10:01.230 そのシグナルを分析するのにエネルギーを 費やす必要はないのかもしれません 00:10:01.560 --> 00:10:05.216 これは「随伴発射」といって 00:10:05.240 --> 00:10:07.736 体の動き一つひとつに伴って 起こるものです 00:10:07.760 --> 00:10:09.976 「随伴発射」とは 正確には 00:10:10.000 --> 00:10:15.256 脳が発する運動指令の複製で 00:10:15.280 --> 00:10:17.976 そのものは動作を起こしませんが 00:10:18.000 --> 00:10:21.976 その代わり 次に起こる動作は何かを伝達するため 00:10:22.000 --> 00:10:24.190 脳の他の領野に送られます 00:10:26.120 --> 00:10:29.600 声について言えば 随伴発射には 別の呼び名があります 00:10:30.480 --> 00:10:32.576 「内声(心の声)」です NOTE Paragraph 00:10:32.600 --> 00:10:34.416 では ここまでをまとめます 00:10:34.440 --> 00:10:36.496 人には仮面として 「外向きの声」があり 00:10:36.520 --> 00:10:39.616 仮面の内側には 「内向きの声」があり 00:10:39.640 --> 00:10:41.656 さらに「内声」があります 00:10:41.680 --> 00:10:43.800 内声とは 操り人形の糸を 00:10:43.830 --> 00:10:46.110 操作している人のようなものです 00:10:47.440 --> 00:10:49.056 内声が聞こえるのは 00:10:49.080 --> 00:10:51.920 例えば 文を黙読しているときや 00:10:53.320 --> 00:10:55.670 大事な話を頭の中で リハーサルしているときです 00:10:56.760 --> 00:10:58.376 内声を断つのは時に難しく 00:10:58.400 --> 00:11:02.630 母国語で書かれた文を見て 内声が読まないようにするのは 00:11:02.630 --> 00:11:04.560 非常に難しいことです 00:11:05.800 --> 00:11:08.136 頭の中で流れる下らない歌を 止めようとしても 00:11:08.160 --> 00:11:09.976 止めてくれないのが内声です NOTE Paragraph 00:11:10.000 --> 00:11:11.200 (笑) NOTE Paragraph 00:11:13.280 --> 00:11:16.976 内声が 自分ではどうにもならない という人もいます 00:11:17.000 --> 00:11:19.736 統合失調症患者の場合です 00:11:19.760 --> 00:11:21.776 幻聴があり 00:11:21.800 --> 00:11:25.136 自分の内声と外から来る声を 00:11:25.160 --> 00:11:26.656 区別できません 00:11:26.680 --> 00:11:30.056 私の研究室では こういった人たちが 00:11:30.080 --> 00:11:32.616 内側から来ている声と 外側のら来ている声とを 00:11:32.640 --> 00:11:35.280 区別するのに役立つ 小型デバイスを開発中です NOTE Paragraph 00:11:36.760 --> 00:11:41.096 内声はまた 夢の中で聞こえる声とも考えられます 00:11:41.120 --> 00:11:43.216 内声には色々な形があるのです 00:11:43.240 --> 00:11:47.456 夢の中では内声が秘める可能性を 解き放っているというわけです 00:11:47.480 --> 00:11:49.536 これが私の研究室での もう一つの研究で 00:11:49.560 --> 00:11:52.720 夢の中で聞こえる内声に アクセスすることです 00:11:54.280 --> 00:11:56.576 内声をいつも制御できるわけでは ありませんが 00:11:56.600 --> 00:11:59.136 関わりを持つことは いつだってできます 00:11:59.160 --> 00:12:01.496 内なる対話を通すのです 00:12:01.520 --> 00:12:04.596 さらに 思考と動作との 間に存在する繋がりが 00:12:04.616 --> 00:12:06.130 内声であると考えられます NOTE Paragraph 00:12:08.590 --> 00:12:11.776 さて これで 自分が持つすべての声についてや 00:12:11.800 --> 00:12:15.256 それが自分の中と外で 果たす役割についての理解が 00:12:15.280 --> 00:12:17.816 深まったのではないかと思います 00:12:17.840 --> 00:12:22.256 声とは 人間を人間たらしめる 非常に重要な決定因子であり 00:12:22.280 --> 00:12:24.720 世界と交流する方法なのです NOTE Paragraph 00:12:25.120 --> 00:12:26.336 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:12:26.360 --> 00:12:29.200 (拍手)