くそ 誰か? ちょっと助けてくれ 生きてる よし よし 大丈夫! 大丈夫だ もう大丈夫 生きてる 立てるか? さあ ほら つかまって よし... よし 「生きてる」ってどういう意味? 船に乗ってるんだ 俺の船に ーなぜ? ー君が分かってるだろ 大丈夫? 私は死んでた 確かよ だが今は違う もう生きてる ーなぜ? なぜ生きてるの? ーさあ 俺の網に入ってたよ ー網? ーああ 溺れかけてた 水を飲み 沈んだ なぜか俺に訊かないでくれ ーしっかり 寒いか? ーええ ほら つかまって 立て 立って よし 足元に気をつけて ー暖かくしてろ 病院に行かなくちゃ ーいや! ーなぜ? ー大丈夫だから 医者に診せなくちゃ ーこんなあとで! ーいや 行かない! ー誰にも会いたくない ーじゃ俺は消える? ーあなたはいいの ー俺は会っていい... それはいいな ー何ですって? ー大抵の人は嫌がる ー私は嫌じゃない ーなぜ? だって...水から釣ってくれたわ やあ おっと ほんとに見られたくないんだな 名前は? ー分からない ー水で記憶喪失になったのか? ーそうかも ーそうなると聞いたことがある ーそうなの? ー頭を打って いっぱい忘れる それから急に全部思い出す みたいな 名前は? シラキュースだ でも皆サーカスと呼ぶ なぜ? 白状すると 俺は道化なんだ ー道化...サーカスの? ーそんなところだ ー私は呼ぶわ...シラ... ーシラキュースだ じゃ 病院に連れてくぞ 岸に車をおいてるんだ だめ! ー亡命希望者の一人か? ー何? アラビアからここまで泳いだのか? すごく泳ぐが じゃ私を行かせて ほんとに溺れたいのか? ー二回は死なないわ ー一回はほんとに死ぬだろ お願い 病院は行きたくない いい所がある 人に見られない所だ おいで ーここは誰の家なの? ー俺の母のだった ーここに住んでたの? ー時々 ーちょっと...孤独好きだった ー孤独好き? 君みたいに あまり人が好きじゃなかった なぜ? 一種のジプシーだった ー今どこに? ー創造主と一緒だよ ー死んだってこと? ーそうだ ー私みたいに ー君は死んでない ええ だけど死んでたかも ほらサンドイッチ 俺の昼ごはんだ 今日は妙な釣りなんかで 食い忘れた 有難う もう君をおいてっていい? ー用があるなら ーうん よそに行かないと オーケー オーケーだとさ? ーずっと待ってるわよ ー悪い ちょっとあって ー約束は6時よ 怒ってるわよ ー埋め合わせするよ わが子は元気?よし ーバイ ママ ーあんたは台無しにするんだから ああ 遺伝だよ よし 上げるぞ ー何か不思議か素敵なことは? ーなんでいつもそう言うの? さあな アニー ちょっとした...望みだ ー望み? ーああ 何か不思議だとか... ...素敵なことが起こってほしい ううん パパ 何もなかったわ じゃ それでいい ーやあ ーどうも ーハノン先生はいる/ ーいいえ タッチの差ね ーいると思ってた ーちょっとあってね コークで ー今回はどの位長く? ーいつもと同じよ 一時間か30分くらい 彼女に本はある? 本はない お話をしてやるよ -必要なら中にいるわ ー分かった じゃ...続けて ー何を? -お話をするって言ったでしょ よし 昔昔... いつも「昔昔」になるの? お話はそう始まるもんだ ーそして良い時代なんでしょ ーそう...良い時代だった 悪い時代でもあったよ ー気分はどう? ー私のことはいいから 続けて 昔 漁師がいました 網を引いていました... いつもと変わらない日でした ーそれで? ーそれで何? ー彼女は何だったの? ー彼女は何だったか? ー人魚だったの? ーいや 人魚じゃなかった ーじゃ セルキーだった? ーセルキーって何? 一種のアザラシの女性 アザラシ岩で歌ってるのが聞こえるの ー誰から聞いた? ー先生よ 海から上がり アザラシの上着を失くすの 海が呼び戻すまで 陸地に住む アザラシの上着をもってなかったよ それが何か分からないが ー溺れたのを覚えてるようだった ーそれで? ーそれで...おしまい ーそれってほんとにへたな話ね ああ そうだね CRCに注文したものを 覚えてる? ー何を? ー見せるから待って さあ... 呼び出すまでできるだけ休んでいて ーいい? ーOK -もう力を得たね アニー ー力ね これを見て アレックス すごい ーがたごとしないわ ーパパが買ってくれたのかい? ーううん CRCよ ーなるほど ー漁の調子は サーカス? ーシラキュースだ ーシラキュース 漁の調子は? ー同じだ じゃ又 ーいつ? ー明日 ーじゃ医者に会ったの? ーいなかったよ ー遅刻したからでしょ バカ ー道化だ そう 道化よ 彼はテストをしてるの 彼女には腎臓が要るのよ ーええと...何て言うんだっけ? ー適合性だ ー分かってるの? ー合わなきゃいけないんだ ー 血液型よ バカな道化 ニュースがあるか彼に訊く事になってたでしょ さよなら まだここに? ー消えたと思ってた? ーいや 夢だと思ってた 私を水から釣った夢? そんなところだ ー今もまだ夢見てるの? ーそれは母のコートだ ーごめんなさい 私の服を洗ったから ー夢に合わない ーそう? ーああ 母は大柄だった ーそれにちょっとぶざまだ ーぶざま? ああ 君とは違った ー私だってぶざまになるわ ー大抵の人はそうだ ー漁に行くの? ーうん ー別のがつかまると思って ー私みたいな別の女を? そう 海にはたくさんいるのかも ー一緒に行っていい? ーいや ーなぜ? ー見られたくない筈だろ ーまた隠れるわ ーそれにツキが悪い ー船の女が? ー漁にだ 最近ついていたの? 全然 よし じゃ 乗って 歌ってたのは何て歌? ーただの歌よ ーだけど覚えていたろ? ーそうね ー自分の名を覚えてる? ーオンディーヌと呼んで ーいい名だ ーどういう意味? ー彼女は水から来たの オンディーヌは「水から来た」という意味? いいえ オンディーヌは水から来た女だったわ ーいつ? ーずっと前 手伝うか? その罠を向こうに積んで そこに ーからっぽね ーそうだな ー誰か盗んだの? ーそうじゃないといいね ーあれ! ー何? ー君は俺をからかってる ーいいえ 違うわ 今何をした? ーう...歌ったわ ーああ 知ってる 下りてきて また歌ってくれる? へぇ...君は福の神だ ー福? ー今まであまりなかった ー誰でも幸運は必要よ ーそうだが 皆が得るとは限らない ー今度はあなたの番なんでしょ ーそうならいいね よし こっちへ来て 鋏を縛るのを手伝って はさまれないように一方を脚の間に入れて もう一方をこんな風にするんだ ーとったのをどうするの? ーどう思う? ー食べる ーいいや 売るんだ ーいつもこんなに沢山とるの? ーいや ほぼ一度もない よし ほらよ 鋏をそこに つかんで 君の歌のお陰じゃなかったよね そんな筈はない ーええ ーもう罠に入っていたんだ ー気をつけて ーOK ーなぜ戻すの? 雨の日用にとっておくんだ 残りを売る 俺達これで何か買おう ー私達? ー君の捕まえた分だ 君は歌った  町を歩き回って皆に歌わないでくれ 生協へ行こう 一ポンドで10ユーロになる 誰にも会いたくないわ 俺に会ったろ あなただけよ わかった ー元気 メアリ? ー元気よ サーカス ーじゃ 今日は上首尾ね? ーああ たまにはな ー海老は残ってないそうよ ーそうだな ーどうも有難う ーどうも ーいらっしゃい サーカス ートレーシー これは君に合いそうか? ー私に試着してほしいの? ーそう この辺が少しきついわ ー少なくとも君は透明じゃない ーえっ? なんでもない それを貰うよ ー誰に? ーアニーにだ ーアニーに合うわけないでしょ ーいつかは合うよ ーどう思う サーカス? ーそれは俺の名じゃなさそうだ ごめん パパ ー彼等はつらくあたるか? ーううん 妬んでるの 車椅子のある人 何人いる? 電動椅子よ ーこれから何をする? ーお前を家に乗せていく ー競走よ ーアニー... ー何? ーよおし ーそれで お話は? ーああ 彼女は歌う 誰が歌うの? 前に話したお話の女だ ー漁師の? ああ 彼女が魚に歌うと 彼は捕まえる ーほんとに夢じゃないの? ー夢? そうよ ほんとに何か変な 願望実現って話じゃない? ーどこでそんな言葉を習った? ー学校に行ってるもの ー俺は行かなかった? ーそう 正直になろうね パパは行かなかった ーパパは読む時口を動かすわ ーそれは悪いこと? ううん だけど何か意味がある じゃ彼女は歌うのね? ああ 彼の聞いた事がない言葉の歌だ ーそれはセルクの筈よ ーセルク? アザラシ語よ ー何故彼女が歌うか知ってる? ーなぜ? 彼等はそんな風に 水中で会話するのよ ー彼等は話さないで歌うの ーそれで海老が彼女の歌うのを聞いた どの海老? つまり 水中で 彼等は彼女が歌ってるのを聞こえるのか? ー海の住人がね ーほんとか? ー彼女はアザラシよ 人間じゃない ー人間に見える ーお話の中で? ーああ お話の中で ーこれは誰の話? ー俺のだ ーパパが作ってるの? ーああ お前の為に ー週末はどこに? ー新しい車の練習よ 不思議 ー君にものを買ってきた ーもの? ーメッセージ ーメッセージ? ああ 食料など たとえ水の女でも... 君は食べないといけないよね? 服も必要だ 必要...靴紐を結ぶのも ますます不思議 ー私のサイズが分かるの? ー店のトレーシー 彼女は...君と同じ位に見えた 有難う ー私... ー何? ーここをきれいにしていい? ーそう思うよ ーいつまでいる? ー場合によるわ ー何の? ーあなたに 俺に? 俺によるなら 永遠にいていい ー永遠に? ー永遠にだ そのあとずっと幸せに 昔昔 俺は... 娘にお話を聞かせてるんだ お伽話を お話は パパ? すごいわ じゃ デアドレ ハイ アニー まあ たくさんの本ね ー研究してるの ー何を? アザラシのことでしょ? 俺の名はシラキュースで アル中だ 前に言ったろ サーカス 告解は禁酒会支部じゃないんだ この町にはないんだ 神父 2年7ヶ月18日飲んでない ここは皆が拍手するところだ ーそれを映画で見たのか? ーそうだ ー有難う ーじゃ言ってごらん 夢を見たんだ 彼の葬式で彼女は俺のそばにいる 俺はまたパニックになりそうだ 多分まだ彼女と一緒になりたいんだろう いや よりが戻ったから パニックになりそうなんだ そんな筈はない 彼女はまだ飲んでる 俺が欲しいのはアニーだけだ 君は誰かと話す必要があるんじゃないかな サーカス ーシラキュースだ それにあんたと話してる ーいや カウンセラーってことだ 君が許可すれば 二人を紹介できるがね 許可はない 秘密だからあんたに話すだけだ その気になったらいつでも言ってくれ すぐ行動に移すから それまでは... 感情を抑制しろ 他には? あるようだ ーそう 盗みをした ーなんと ー何を盗んだ シラキュース? ー婦人用衣類を 全く なんとまあ これは全く気に入らないよ シラキュース ーそれは悪い進展だよ ーあんたが思ってることと違うんだ ー理由があった ーどんな? 買うのを見られるのが恥ずかしいから 盗んだんだ ー何の為に欲しかったんだ? ー出会った女に着せるんだ 女? どこで会った? その...網で水から引き上げたんだ ー網で? ー漁の網で ー冗談だろ? ーいや まじめだ 夢かも だが今朝船に戻ったら... ---そこに彼女はいた じゃ彼女は船に泊まったのか? ーいや ー違う? ーじゃその女はどこでねたんだ? ー教えない ー私は無理に話せと言えないね? ーそうだ ーそれにあんたは誰にも言えないんだ ーああ 口に栓をしてある だが君はこれからの進展を 知らせ続けるね シラキュース? 勿論だ 神父 ーでは日曜のミサで会うか? ーそうじゃないと知ってる筈だ そのようだ 君は告解を利用するだけ... この町には禁酒会がないからだ 出る時アベマリアを2、3回 言わないのかね? ーアニー 何を読んでる? ー学校用よ アザラシ人間 アザラシ人間? それはスコットランドのものだ これは違うわ ますます不思議 それって何? アリスが白ウサギに言ったことよ ーもう一度言って ーます... ...ます... ---不思議 ーね あなたが本物だと知ってた ー私が本物? ーええ お話じゃないとね ー何がお話じゃなかったの? ー漁師の話 網にかかった女の人 パパがあなたの話をしてくれたの ーあなたのパパはシラキュース? ーそう その漁師よ じゃ あなたは魔法が使えるの? ーあなたは? ー使えないと知ってるでしょ そうね あなたは使えない ー私をよくできる? ーよく? 病気なの 腎臓が悪いの パパから聞いてなかった? ー名前は? ーアニーよ アニーね ー私はオンディーヌよ ーオンディーヌ 水かきを調べてるの がっかりした? オンディーヌはフランス語ね? フランスのセルキーがなぜここにいるの? ー私がフランス人だと誰が言ったの? ー迷ったんでしょ? ええ 迷ったんだと思うわ ー寒い? ー急に 今陸に上がってるからよ あなたの自然生息地は水中だものね ー私のことをいっぱい知ってるみたいね ーうん ずっと本を読んで... ...研究してるから ー中に入る? 私が敷居をまたいだら まじないをかけられるかもね ーまじないって何? ー悪いことよ まじないは 水中の方が気分がいいかもね ー何よりいいの? ーずっと気分の悪い日もあるわ 水中の方が気分いい? ーあなたが何を言ってるかよく分からないわ ーやめてよ とぼけないで話そうよ 二人ともほんとのことを知ってるんだから 率直にしなかったら 友達の意味がないわ じゃ私達友達になるの/? なるでしょ うまくすればね だからはっきりして欲しいの 波の下のあなたの家では もっと気持ちいい? それは...違う気分なのは確かよ それにそこでは話さないんでしょ 歌うのよね ええ 水中では歌の方がよく伝わるわ ー冷たさはどうなの? ー慣れるわ ああ 勿論 アザラシの皮が あるんでしょ? 私のアザラシの皮? ね 遠まわしの話は 意味がないわ 私はそういうこと知ってるの 研究してきたのよ じゃ...私のアザラシの皮のこと言って 水から出たとき失くしたのよ それで見つけるまで 戻れないんだわ 見つけて陸に埋めれば 7年いられて 7つの涙を流すの だけど泣くのが終われば あなたの種族が 予期してない幸せを見つける...ええと... -ー何と言うの? ー言葉に詰まったの? 陸地人と それよ セルキーの女性はよく 陸地人と予想しなかった幸せを見つけるの 知ってるのはそれで全部 ここはおばあちゃんの家よ 彼は彼女を恋しがってる あなたはどこに住んでるの? ママとよ そこは波の下じゃないわ ママは私がどこへ行ったかと思うわね じゃまたね 頬が濡れてるよ ー7つの涙の一つ? ーそうかもね じゃ残りは6つだけだね ー何かお探し サーカス? ーああ セルキーの本ある? あるわ でも 奇妙にも 今は全部出ちゃってるわ ー出てる? ーあなたの娘が持ってるわ ーアニーが? ー研究してるんですって ー うん 先に知っておいて 手伝おうとしてるんだ いい人ね ーそれでスタントできる アニー? ースタントって? こんな風なスタント 遊び用じゃないと思うわ ーじゃただドンくさ用? ー「ドンくさ」と言わないのよ 「特別支援」と言うのよ そうよね アニー? ーええ ーほらね バカ 言ってごらん ー特別支援 ー特別支援 アニー  やらせて ー浮く? ー水陸両用じゃなさそうよ 特別支援 ダメだ 行こう みんな ーママはもう起きてる? ーいや ーどうかしたか? ーなぜそう思う? ー電池切れか? ー濡れたの こっちへおいで 噛みつかないよ よいしょ 重くなったな スコットランドにはセルキーがいると 言ったでしょ ああ セルキーを作った アウター・ヘブリディーズ諸島でな ーあなた達が作ったってこと? ーいいや セルキーはスコットランドだ ほらよ ー彼女はあなたみたいに話さないわ ー誰が? おや 秘密だね チビちゃん? ーお礼を言わないのかい ー有難う どういたしまして ーまた来るか? ー漁に? 来たければね あなた以外会わないと約束する? 俺以外会わないと約束する 俺のドレスで泳いでる? 贈り物だったわ...漁師からの ー手伝う? ー舵柄を受け持って いいか まっすぐ沖へ 安定させておいてくれ 漁業組合 足で船を操るのは無理だ ーうまくやってない? ーいや そうは言ってない あ 畜生 見てご覧 ーすごい ー何? これは変だ 鮭だ ー変? ー鮭トローリングじゃない ートローリング ー刺し網でだけだ ーますます不思議 ーどこでそれを聞いた? ーアリスが言ったの ー白兎に ーアニーもそう言う ーアニー? 俺の娘だ 驚いたな もう! ー何? ー彼等が乗船してくる みんな ー鮭をとったんだな ーそうだ ーどうやって? ートローリング ーそれを真にうけろってか? ーいや だがほんとだ ー刺し網を見せろ ー容器に ー濡れてない ー分かってる ーじゃどうやって乾かした? ー言ったろ それは使ってないんだ ーここに女がいるぞ サーカス ーどこに? 網の中に ーそれは不法か? ーいや だが...普通じゃない ーあんたに彼女が見える? ーすぐ目の前にいるよ どう鮭をとったか彼女に訊けよ 彼はどうやってとった? トローリング お伽話を信じろと? ええ ー彼女は何と言った? ーそうだと言ったよ じゃ 彼女を信じたらいい じゃ 閉めて 彼等は君を見たよ 大丈夫か? ーいいえ ーある意味ホッとした ー君は俺の想像じゃないってことだ ー彼等は噂するってことよ 勿論だ ー何と言うかしら? ー好きなものをどうぞ サーカス 道化 鮭 女 港に行く 君をおろす? ー終わりね? ー何が終わり? 見られたわ ほら あの船でくる女を見て 悪くないね? 小さな町だ 皆がじろじろ見る 全くその通りね 見られてどこが悪い? 何も 見栄えがいい時は 君はすごく良く見える これを公表するしかないわ サーカス ー彼等はもう見ちゃってるよ ー誰が? 漁業組合 彼等は大丈夫だ 信じてくれ 有難う メアリ 君に贈り物を買っていい? 服よ でも今度は自分で選んでいい? ーあのドレスは気に入らない? ーいいえ 好きよ ただ... ...もっとよい下着を ー合わなかった? ー縁の辺りがきつい ー君に縁がある? ーお話じゃないと知ってたわ ー何がお話じゃなかった? とにかくお話がへたよ ーきっと本当だと思ってたわ ーオンディーヌ 娘のアニーだ ー前に会ってるわ ーそうよ ー何をするの? ー服を買うの 分かった この町は いわゆる衣服障害がある どういう意味? スーパーモデルの悪夢 セルキーは下着をつけるの? なぜ? 彼等は海草のニッカーと帆立貝のブラを着るのよ でもそれは水中の話 ここじゃだめよ 全部買うんじゃないわ パパ 選んだものだけよ そこで彼女を見つけた... ローン・カレイグ ーその意味知ってる? ーアザラシ岩 そこは彼女の種族には一種の避難所なの ー彼女の種族 ーそうよ 身なりのいい種族 どう思う? 彼等がどう思うって 言うべきかな? ここを掃除したのね 白雪姫みたいに ーいい? ーでも私は小人じゃないわ 小さいけど小人じゃない ー白雪姫って誰? ーどうでもいいわ 彼女は泳がなかった ーあなたは泳げる アニー? ーううん 町にプールはないし 一度も教わったことがない うんとリラックスできるわよ 水が怖くなければね 水の生物が近くにいれば 怖くなんかないわ わかった じゃ おいで 何を着る? 下着で ーもう彼女はいっちゃったよ ーどこへ? ポーリンのキャラバン そこが眠るところでしょ? あんたの水の精は? 今日連れだそうと思ってた ーレガッタは3時に始まる ーああ あんたら三人で 真珠とりにもぐる? そんなところ どんな話を作る気? いいから力をぬいて OK ここでねて つかんでるわ 落ち着いて ほら? あなたは海の生物よ ーそう思う? ー知ってるの リラックスして リラックス よし じゃいかだに上がりましょう いい? ーそれ何? ーただ見つけただけよ ー失くしたアザラシ皮を見つけたのね ーそうかもね ー埋めるの? ー埋めて欲しい? うん そうしたら7年いられるもの ーそれがいいの? ーとっても ーじゃ埋めたほうがいいわね ー絶対にね 分かった 手伝って どこか覚えてるかな? 7年後に? 見てて 17歩よ 私達の秘密よ 誰にも言わないの ね パパ アザラシ皮を埋めたら 彼女は7年陸にいる? ーアニー... -本当よ ー一緒に...何と言うんだっけ? -陸地人と 彼女の夫セルキーが呼び戻さなければね ー私に夫はいないわ ーあなたは覚えてないかもしれないけど いるのよ セルキーには皆いるの ー行け! 行け! ーこの野郎! これは魔法よ ほら ほら 少し食え それからね パパ 彼女は望みを叶えられるの ーやめて アニー ーセルクならできるわ だけど私はセルクじゃないわ 分かった セルクじゃないのね ーそれ しっかり  ーがんばれ セルクじゃないなら 証明して! 何? アニー! アニー! アニー! アニー? アニー? アニー? アニー? アニー? アニー! 大変... アニー!  こっちだ こっちだ  つかんだ つかまえた 大丈夫だ 全くもう! どうしたんだ? ーブレーキが効かなかった ー何? ーブレーキが効かなかった ーお前を見せてくれ ーこっちへおいで! ー私運がよかったよね? ー運がいい どうして? ー彼女が水中で呼吸できて 全く ーどうしたの? ーあひるを追って水に落ちたんだ ーここへおいで ーブレーキが効かなかったの ママ ー桟橋で 彼女が救ってくれたわ ーあなたの水の精? 道化 さあ 二階で風呂に入れるわ 早く ブレーキ 壊れてなかった だろ? ーええ 彼女が自分でやったの ーなぜ? なぜ自分でやったんだ? 私を試す為かも 彼女の為に私がどうするか見ようと 変ね...家のような気がする この女は誰なの アニー? オークニー諸島出身で ここまで沿岸を泳いできた そうなら何? 彼女は背の真ん中辺りが 少し濡れてると思うがな? ー腿の辺りは少し冷たい ー彼を止めて ママ ドアを閉めて お前の道化の漁師は気づかないだろね? ドアを閉めて ママ 彼は漁業協会に彼女を公表したのか? 君は娘の為にどれだけする? ーあなたも私を試してるの? ーごめん ところでなぜ皆は あなたをサーカスの道化と呼ぶの? 何年もそうだったから 酒飲みで ーなぜやめたの? ーアニーだ 一週間の漁から帰ってみると... 彼女は意識不明になってた 母親は外出して飲んだくれていた 親の一人はしらふの方がいいと思った それから彼女は俺を追い出した ーアニーを引き取れなかったの? ーここはアイルランドだ 俺のような男は親権がとれない ー彼女を探してる人がいた ー誰? ー男よ ー黒い髪の男? ーああ ー教えなかったのね ー彼女の名は? ーオンディーヌよ 彼はそう呼んでなかったな ーあなたのような男? ー漁師だ 乾いた? アニーから聞いてないの? セルクが漁師と愛を交わすと 彼女は... ...塩辛い涙を... ...流すと 死んだと君は言った 水中で 君は命をいくつ持ってる? あなたの為に? 数えられないわ 俺の名はシラキュースで アル中だ 君は禁酒して2年7ヶ月と 21日だ ー立派なもんだ シラキュース ーあの女のことだ 神父 ああ 漁に出て...会った...女だね ー彼女を網で引き上げたんだ ーとても本物に見えたよ サーカス ーシラキュースだ ーすまん シラキュース それで彼女の何だね? 彼女と罪を犯したんだね? 勿論 それで赦免を欲しいんじゃないんだね? ーああ ーそうだね じゃ何故ここに来た シラキュース? 秘密をもった王様が 気が変になりそうで 秘密を木に話した話を知ってる? 分かった じゃ...私は木のふりをする 彼女は俺に幸運をもたらす... 理由は分からない 怖いんだ 神父 ...なぜかというと... 希望を持ち始めてるからだ 私達は決して希望を失うべきじゃないよ 彼女は溺死したんだ 俺の網が彼女を生き返らせた ー筋が通らない ー分かってる そのどれも筋が通らない だから怖いんだ 何か起こりそうだとわかってる 何か素晴らしいこと または 恐ろしいことが 彼女はそういう女だ 彼女はそういう人だ それが俺の秘密だ あんたはどんな木だ 神父? 樫の木だと思う ハーリースティックを作るー - 木の方にもっと似てる - ああ トネリコね そうだな あんたが木である限り ちょっと 君はシラキュースか? - ああ - 漁師のシラキュース? - それがどうした? - 火はあるか? 船の女 何と呼んでる? 俺のマスコット - 夕べ怒っていた - そうじゃないわ - ママがそう言ってたよ - ママは想像したの - パパは想像する? - それはお前に任せるよ それは自分の時間が多過ぎるからよ 血が騒いでハッピーエンディングを 空想しようとするわ それは大変なの 大変な日もあるわ - 皆はどこ? - あ〜もう レガッタで町よ - レガッタ? - そうよ バンドの演奏があるの 夜遅くからよ ママに聞いたわ 忘れてた - 鍵はあるか? - うん だけど中においてきた - アニー - 来て - この頃ママはどこで飲んでる? - スキッパーズ スキッパーズ? 誰か? お〜い? - やったわ ママ - あら でかしたね 気をつけな ここでは変人に酒を出さないよ 鍵をくれ モーラ 彼女を家に連れてく 彼女は大丈夫 酒場では誰も傷つけないわ - 頼むよ モーラ - あんたがいた頃数人片付けたろ - 娘を俺の家に連れていく - だめだ 自分のハウス・トレーラーに帰りな あんたの人魚に帰りな サーカス ね 彼には水の精がいるのさ - アニー? - 私は大丈夫 行って パパ - 二打かい? - 二打だろ? そうだ ミドルポケットだな? ミドルポケット - あ バカな - 私に二打よ オンディーヌ! オンディーヌ! オンディーヌ! 俺は7年貰えない? - セルキー男の話を覚えてる? - 夫? ここに来てるわ - そして連れ戻す? - そうよ じゃ また家で? おい グラスゴーで 男が酒気検査されていた いや 本気だ 彼は制限を6倍越えてた 歩道を行ったらどうかな? な 君はまだ車の運転担当だよな? ゆっくり行くよ - 失せろと彼に言え - そう言えればいいのに - じゃ 願えよ - できないわ - 君は願い事を一つ叶えられる - ほんとに? - アニーはそう言ってる - 分かった 彼女が病気でないことを願う 俺もそう願う それから君がいてくれることを願う - それじゃ願い事は二つだわ - 一つは君で 一つは俺のだ ライトを点けてるか? 点けないと捕まるぞ 多分全部嘘なんだ 多分君は惨めな結婚から逃げる為に 海に入ったのかもな - それなら信じるの? - 一度そう思った - どうなった? - 濡れて 分別を得た 酒が覚めた - でも そういうことじゃないわ - じゃ どういうこと? アニーが言うように 私はセルクなの 何かある 衝突だ そんな... そんな! アニー どいて... 道を空けてくれ! - アニー アニー アニー! - シラキュース シラキュース! 大丈夫 彼女は大丈夫だ 安心しろ 何てこった! 彼女はどうなったか教えてくれ ひどい事故だった だがアニーは大丈夫 聞いてるか? アニーは元気だ - シートベルトをしてたんだね - どうなった? まだ分からない - 彼女は大丈夫ね... 神父? - 順調に行けば 大丈夫だ 別室に移します 付いて来ます? どうかしたの? - どうなってるの? - さあ 分からない - どうしたんだ? - 先生が説明します シラキュース 内密に話せるか? - どうなってる? - アレックスは臓器提供カードを持ってた - 何? - 組織整合がある 全く奇妙だが そうなんだ - ほんとか? - 来てくれ 開創鉤 なぜあなたがここに? - もう彼等の言葉を話してる - 私達の言葉より柔らかいわ - あなたは死ねばいいのに - 俺達の誰もそこまでツキがない じゃ...海はお前を吐き出したんだな? また飲み込むかもよ 俺達はここの住人じゃないね? - そう?  帰って - できない - 警察が俺に話がある - 何のことを? 彼女は不意に出てきた 酔っ払って - 俺じゃなく彼女と話せばいいんだ - 警察にそう言って そうする そのあとお前が俺に話せ 何もないわ やあ ママはどこ? 眠ってる 今は会えないけど あとで会えるよ - オンディーヌはどこ? - 近くにいるよ 彼女にも会えるよ 今は休んで 休んでて 彼はスコットランドに妻と 3人の子がいる 今彼等はどこに? 彼を自由にしていいって言ってた こんな風になって残念だ - とても受け入れられない - 分かってる 辛いことだ なぜ俺を責めないんだ? だって 今回だけは あんたは関係なかったよ - なんで関係あるように感じるのかな? - あんたはサーカスだからだよ あんたは何でも間違える このフェリーで彼に会ったの - 俺はどこにいた? - いつもいた所 海だよ アニーを連れ帰って 元気になったらね 私がこれから立ち直るまで - 私は耐えられない - OK. - あんたがずっと望んでたことよね? - そうだ つまり... 叶ったわ だけどあの女にそこにいて欲しくない もう私を通夜に連れてって - できない - どうしてもよ - ウィスキー二つと氷 - 一つだ - 二つよ - モーラ 俺は飲ま... 失礼にしないで 彼の葬式よ - 彼女を追い払って サーカス - 誰? あなたの水の精よ 彼女は幸運の次に不運をもたらすわ あと二つ マギー 大丈夫? 拾ったものは自分のもの なぜそんな風に私を見てるの? 君はセルキーで... 俺はアル中だからだ - 安らかに眠ってた? - いいえ - 彼はまだ外のどこかにいるわ - 分かった 君を家に連れてくよ ね! あの夫の話だが... - 彼は夫じゃないわ - じゃ何? - 私の「プシュタ」よ - 何それ? 搾りセルキー? さ 家に着いた ここで無事だ - 歌を歌っていい - 誰に歌うの? 俺にだ さあ 歌え アザラシを踊らせろ - できないわ - なぜ? - あなたは酔っ払ってるから - 朝はしらふになる その時歌ってくれ 何年もここで漁をした セルキーなんて知らなかった 多分君は死んでいて 俺が釣って生き返らせたのかも! そうよ! 今度は君は俺の頭から離れない? ずっと!  こっちへおいで 「頭から離れない」って? どういう意味? 君も飲む? セルキー族は飲まない? ところで... 君はここで無事だ いいか? - アニーはどう? - 元気だ 彼女も無事だ 船にもう一本ある シラキュース 「頭から離れない」ってどういう意味? 君がやってることだ... 俺に まさか シラキュース! シラキュース! やめて! - 何をしてるの? - お伽話の終わり方と違うさ でもこれは終わる それしかないから終わる どういう意味? どういう意味なの?! つまり 君の種族と俺の種族 俺達の世界は別だ - 別れを言わないと... - 行っちゃえ ...アニーに シラキュース - やあ 相棒 - 私は君の相棒なのかい? ああ そうさ 禁酒相棒だ 夕べどこにいた? 用があったんだ - 禁酒を破ったんだな - おおへまだ 大ばかさ 大テントをぐるぐる回っていた もうあほに戻った それにひどい味だ 俺のどこが問題か分かるか? 幸運を受けられない 10中10だ シャーロック 不幸は簡単だ シラキュース 幸福は取り組まなくちゃな 木はなぜそう言わなかった? うん 木は何も言わない - 女は? - いなくなった - それでアニーは? - 今日退院する 俺の家に連れ帰るんだ そのあとは もう言い訳はないね? そうだな - なぜ泣いてるの? - 泣いてない 泣いてるわ 分かる きっとお前がまた良くなるからだよ - 家に着いたよ - オンディーヌはどこ? オンディーヌは暫く留守に しなきゃいけなかった - だから泣いてるのね - 違うよ ほんとだ - 夫が来たの? - そのようだった 彼女が消えたからね 海の用事で - だけど戻るのよ - そう思うのか? 知ってるの - ここに置いたものがあるわ - 何? 二人の子供達の年上 弟の方のロバート... - 何時? - 1時半 - なぜ起こさなかった? - 赤ん坊みたいに眠ってたからよ - お前が赤ん坊の筈だ - どうも違うわね - 朝ごはん食べる? - 昼ごはんよ はいどうぞ - アニー その歌 - どの歌? ちょっと前だ - 本物だ - 勿論本物だわ シガー・ロスよ アニー ちょっと出かけてくる - お前をママのところに連れてくよ - いやよ - お前を一人にしておけない - ううん 大丈夫 - 分からないの? 私は良くなったのよ - ほんとに? 海の仕事が終わってないのね? - そう思う - じゃ行って とにかく私はここで忙しいの おーい! おーい! あそこにアザラシがいたわ 岩の上で日向ぼっこしてね 私の種族ね? - そう言ってない - ええ でもそう思ったでしょ すると嵐が来た 彼等は一頭ずつ水に滑り降りた 私も仲間に加わろうとした どうして気を変えた? あなたはどうして? アニーがテレビのチャンネルを変えていたら 君の歌が聞こえた 私の歌じゃなかったわ - じゃ教えてくれ - いや - いやよ 私を家に帰して - どこが家? どこだと思う? - 今度はほんとのことを言って - ほんとのこと? 真実は 私はアザラシの皮を みつけた海の生物で 好きな家族が見つかったから それを埋めたの - 頼む - それは... 一つの真実よ もう一つは知りたくないはずよ 試してみろ いいわ 私は囚人でルーマニアの 麻薬運び屋よ 本当のことをと言ったんだ これが本当のことよ バックパックに一キロのヘロインを 入れボートに乗ってたの 沿岸警備隊が来て ヴラディックが私を泳がせたの - ヴラディック? - 私のセルキー夫よ 私のプシュタよ 彼はお伽話の怪物みたいなの だけど彼は泳げなかった だから私を水に逃がしたの 私はいつも泳ぎがうまかったけど アイルランドの波でへとへとになった 私はもう泳げなくなるまで泳いだ それから漂い そうして沈んだ ほっとする位だった 「さあ...死ぬ」と思ったわ それが真実 あなたは私を生き返らせた 私はハウストレーラーを 家族を見つけた もうそれはなくなったの いい? トレーラーはどこにも行かない 本名は? - ジョアンナよ - ジョアンナ 彼女には海の用事で 留守だったとだけ言って 海の用事? - アニー? - 彼等に何も言わなかったわ - 誰に? - 違うな お嬢ちゃん 7つの涙とセルキー島のことを 話したぜ オンディーヌが水から出てきたこともな でも大事なことは何も ほんとよ 7つの涙は大事だろ? セルキー島もな だがもっとはっきり知りたいことがある 食べるか? - パパ! - 怪我はないか? - 一体お前は誰だ? - サーカスの道化 アザラシ セルキー 道化だと 誰かまともな話をしろ! - 彼女が泳いだのか? - そうよ 魚みたいに泳ぐわ - 失くしたのは彼女か? - 取り戻すわ 銃を下ろして - どこにある? - 何がどこにある? - 彼はアザラシの皮が欲しいのよ - 彼女は何の話をしてる? - そうだ アザラシの皮が欲しいんだ - 渡さないで - 仕方ないのよ - じゃあなたは行っちゃうのね - それは分からないわ - 私は分かってる! - 彼女に言って! - 何をだ? 私のことはどうでもいいって - 彼女のことはどうでもいい! - 欲しいのは皮だけでしょ - 彼は何と言ってるの? - それは大事じゃないわ 話を聞いて! 二人を放して 銃をしまって! 場所を教えるわ - どこだ? - 案内するわ - 大丈夫よ... - 娘を俺に こっちへおいで ほら アニー おいで こっちだ え? なんで? ここよ ここにあったの ほんとよ ほんとなの やめて! やめてよ - ね 聞いて 話をきいて... - 俺を見ろ お嬢ちゃん - 俺を怒らせるな - 動かしたの アニー? ...彼が掘り出したら 彼女は7年いられない... 誰か怪我する前に どこへ移したか彼等に言って いい? あなたに行って欲しくない どこへ動かしたか教えたら いると約束するわ - どれだけ? - あなたが望むだけ 漁船の仕事でも何でも見つける 教えて - 神に誓って? - 神に誓う 嘘なら死んでもいい - ロブスターの罠 - ロブスターの罠? - どのロブスターの罠だ? - 貯蔵用の方よ - 案内して - 外よ 案内して こっちによこせ... 水でいっぱいだ - 彼はセルキーじゃないよね? - ええ 違うわ - あなたはそうよね - 真空包装にしてある ずっとね 助けて! 泳げないんだ 助けてくれ! 彼を狙ったままにして - 彼は水中で息ができなかったの? - ええ できなかったわ - つまり溺死したの? - そんな心配はいい - よし終わりだ みんな こっちへ - 了解 よし 行こう - これは断酒会じゃない? - さあな 実は 彼女は来週 裁判になる - それで? - 外国人なんだ それで? これは告解だ 神父 ここでゴシップを話してるんじゃない 私はまだ樫の木だ あの木の筈だ 何て言ったっけ... - トネリコ - トネリコだ 弁護士によると 国民にならなければ 彼女は本国送還だそうだ じゃ彼女は司法省に 申請しなきゃならない... または... 結婚... するかだ じゃ 誰が結婚する シラキュース? え〜と... 求婚者の列が あるわけじゃない - 私は結婚できんよ - ああ あんたは木だ その通り 私はセルキーの皮を水に 捨てたの そのことで嘘をついた 本当の嘘じゃなかったでしょ? だって彼女にずっと いて欲しかったからね 彼女はずっといるの? そうよ 聞いてなかったの? 彼女を国民にする為に 来週二人は結婚するのよ だから彼女は本当は セルキーじゃないと思うわ アザラシとは結婚できないでしょ? ああ 絶対に とにかく現実の日常世界ではね - 日常? - そう 私達が暮らしてる世界のことよ だけど 彼女がアザラシでも あなたはやはり結婚式をする? 私? あなたの前世ではどう? - 私に前世があると? - うん 誰にでもあるの ただ覚えてないだけよ - 覗くのを止めてよ - 覗かないよ つまり あなたも彼等の一人と 結婚だってしていたかも...