0:00:00.000,0:00:04.000 まず始めに医療に関係する 0:00:04.000,0:00:07.000 データを取り扱う 0:00:07.000,0:00:09.000 課題について 0:00:09.000,0:00:11.000 ご説明します 0:00:11.000,0:00:13.000 これは私たちにとって大きな課題です 0:00:13.000,0:00:15.000 そんな私たちを助けるのがこの機械です 0:00:15.000,0:00:17.000 これはコンピュータ断層撮影装置 0:00:17.000,0:00:19.000 通称 CTです 0:00:19.000,0:00:21.000 素晴らしい装置です 0:00:21.000,0:00:23.000 人体の周りに対して 0:00:23.000,0:00:26.000 高速で回転するX線が使われます 0:00:26.000,0:00:28.000 機械を端から端まで通り抜けるのに 0:00:28.000,0:00:30.000 およそ30秒かかり そこから膨大な 0:00:30.000,0:00:32.000 情報が出力されます 0:00:32.000,0:00:34.000 健康管理の向上のために 0:00:34.000,0:00:36.000 使える 0:00:36.000,0:00:38.000 大変素晴らしい機械です 0:00:38.000,0:00:40.000 しかし 私たちにとっての課題でもあるのです 0:00:40.000,0:00:43.000 その課題はこちらの画像で見て取れます 0:00:43.000,0:00:45.000 これは現在私たちが直面している 0:00:45.000,0:00:47.000 医療データの爆発的な増加問題です 0:00:47.000,0:00:49.000 この問題に現在取り組んでいます 0:00:49.000,0:00:51.000 過去に遡りましょう 0:00:51.000,0:00:54.000 数年前に何が起こったかご説明します 0:00:54.000,0:00:56.000 これらの機械は 0:00:56.000,0:00:58.000 1970年頃に導入され始め 0:00:58.000,0:01:00.000 人体をスキャンし 0:01:00.000,0:01:02.000 100枚程度の人体画像を 0:01:02.000,0:01:04.000 生成します 0:01:04.000,0:01:06.000 大変勝手ながら 明確化するために 0:01:06.000,0:01:09.000 それらをデータをデジタル化すると 0:01:09.000,0:01:11.000 大体50MBの大きさになります 0:01:11.000,0:01:13.000 情報量自体は私たちが 0:01:13.000,0:01:16.000 現在扱っているデータに比べると小さいでしょう 0:01:16.000,0:01:18.000 通常のモバイル機器で扱えます 0:01:18.000,0:01:20.000 電話帳に例えると 0:01:20.000,0:01:23.000 1メートル分積み上げた電話帳の数に相当します 0:01:23.000,0:01:25.000 現在私たちが扱っている 0:01:25.000,0:01:27.000 これらの機械は 0:01:27.000,0:01:29.000 数秒以内に 0:01:29.000,0:01:31.000 2万4千枚もの人体の画像を生成します 0:01:31.000,0:01:34.000 これは20GBものデータ もしくは 0:01:34.000,0:01:36.000 電話帳800冊分の情報量です 0:01:36.000,0:01:38.000 重ねれば200メートルは行くでしょう 0:01:38.000,0:01:40.000 何が起きようとしているか 0:01:40.000,0:01:42.000 今まさに起き始めている 0:01:42.000,0:01:44.000 技術トレンドとは 0:01:44.000,0:01:47.000 測定時間中の人体の状態を見れるようになったことです 0:01:47.000,0:01:50.000 つまり人体の挙動を解剖なしで確認できるのです 0:01:50.000,0:01:52.000 それでは 0:01:52.000,0:01:55.000 5秒もの間 データを取得したとしましょう 0:01:55.000,0:01:57.000 それは1テラバイトものデータになります 0:01:57.000,0:01:59.000 これは 80万冊の本 あるいは 0:01:59.000,0:02:01.000 16km分重ねた電話帳に相当します 0:02:01.000,0:02:03.000 これは患者一人分のデータです 0:02:03.000,0:02:05.000 私たちが取り組む対象です 0:02:05.000,0:02:08.000 実に途方もない仕事です 0:02:08.000,0:02:11.000 これで 2万5千枚もあります 0:02:11.000,0:02:13.000 これらを放射線専門医が 0:02:13.000,0:02:15.000 対応する姿を想像してみてください 0:02:15.000,0:02:17.000 2万5千枚もの画像を前に 0:02:17.000,0:02:20.000 こう言うのです 「えっと 2万5千枚か 0:02:20.000,0:02:22.000 ああ ここが問題の箇所だ」 0:02:22.000,0:02:24.000 もうそのようなことはできません 不可能です 0:02:24.000,0:02:27.000 そうするよりももっと合理的な方法を行う必要があります 0:02:28.000,0:02:30.000 まずこれらの画像を一つにまとめます 0:02:30.000,0:02:33.000 自分自身の体をあらゆる角度から薄切りにし 0:02:33.000,0:02:36.000 それらを再度元のデータの塊に戻すことを 0:02:36.000,0:02:38.000 想像してみてください 0:02:38.000,0:02:40.000 そういうことを私たちは行っているのです 0:02:40.000,0:02:43.000 このギガ テラバイト級のデータを元の塊に戻します 0:02:43.000,0:02:45.000 もちろん データの塊は 0:02:45.000,0:02:47.000 単に 人体のそれぞれの箇所において 0:02:47.000,0:02:49.000 吸収されたX線の総量のみを表します 0:02:49.000,0:02:51.000 そこで まずは私たちが 0:02:51.000,0:02:54.000 注目していないものは透過し 確認したいもののみを 0:02:54.000,0:02:57.000 見れるようにする必要があります 0:02:57.000,0:02:59.000 つまり このような形に 0:02:59.000,0:03:01.000 データを変換したいのです 0:03:01.000,0:03:03.000 この課題は 0:03:03.000,0:03:06.000 私たちにとって とてつもない難題でした 0:03:06.000,0:03:09.000 絶えず処理速度や性能が良くなるコンピュータでも 0:03:09.000,0:03:11.000 ギガバイトや 0:03:11.000,0:03:13.000 テラバイト級のデータを対象に 0:03:13.000,0:03:15.000 関連情報を抽出するのは困難な作業です 0:03:15.000,0:03:17.000 心臓であったり血管や肝臓を 0:03:17.000,0:03:19.000 見たい時があるかもしれません 0:03:19.000,0:03:21.000 もしかしたら腫瘍を発見する 0:03:21.000,0:03:23.000 こともあるかもしれません 0:03:24.000,0:03:26.000 そこでこの可愛らしい子の出番です 0:03:26.000,0:03:28.000 これは私の娘です 0:03:28.000,0:03:30.000 今朝の9時頃の彼女の様子です 0:03:30.000,0:03:32.000 彼女はゲームで遊んでいます 0:03:32.000,0:03:34.000 まだ2歳児ですが 0:03:34.000,0:03:36.000 とても楽しんでいます 0:03:36.000,0:03:39.000 彼女はGPU開発の 0:03:39.000,0:03:42.000 推進役といっていいでしょう 0:03:43.000,0:03:45.000 子供達がゲームを遊ぶ限り 0:03:45.000,0:03:47.000 グラフィックは進化し続けるのです 0:03:47.000,0:03:49.000 帰ったら 是非ゲームを勧めてください 0:03:49.000,0:03:51.000 それが私たちには必要だからです 0:03:51.000,0:03:53.000 この機械の中には 0:03:53.000,0:03:55.000 私が医療データに対して行っていることを 0:03:55.000,0:03:57.000 可能にしてくれるものが存在します 0:03:57.000,0:04:00.000 実はこのような小さな装置を使っています 0:04:00.000,0:04:02.000 ご存知のように 0:04:02.000,0:04:04.000 おそらく10年程前 私が 0:04:04.000,0:04:06.000 1台目の画像処理用のコンピュータを 0:04:06.000,0:04:08.000 買う予算を得た時代の頃は 0:04:08.000,0:04:10.000 それはとても巨大なマシンでした 0:04:10.000,0:04:13.000 プロセッサやらストレージなどあらゆるものが詰め込まれていました 0:04:13.000,0:04:16.000 私はそのマシンに100万ドル支払いました 0:04:17.000,0:04:20.000 そんな機械も 今や私のiPhoneと同じくらいの性能です 0:04:22.000,0:04:24.000 毎月 新型のグラフィックカードが販売されますが 0:04:24.000,0:04:27.000 これは NVDIA ATI Intelといったベンダーから頂いた 0:04:27.000,0:04:30.000 数少ない最新モデルです 0:04:30.000,0:04:32.000 ご存知のように 数百ドルも払えば 0:04:32.000,0:04:34.000 このようなグラフィックカードを購入し 0:04:34.000,0:04:37.000 コンピュータに追加して様々なことが可能になります 0:04:37.000,0:04:39.000 このように これらと共に 0:04:39.000,0:04:42.000 人々に研究されている 0:04:42.000,0:04:44.000 アルゴリズム開発や 0:04:44.000,0:04:46.000 データの圧縮方法 0:04:46.000,0:04:48.000 関連情報の抽出方法などによって 0:04:48.000,0:04:51.000 膨大な医療データを取り扱うことを可能にしています 0:04:51.000,0:04:54.000 それでは 私たちが出来るいくつかの例をご紹介します 0:04:54.000,0:04:57.000 これはCTスキャナーによって取得されたデータです 0:04:57.000,0:05:00.000 ご覧のようにこれは完全なデータです 0:05:00.000,0:05:03.000 これは女性で 髪の毛が見えます 0:05:03.000,0:05:06.000 女性の身体の個別構成を確認することができます 0:05:06.000,0:05:09.000 このように歯の金属部分に対して 0:05:09.000,0:05:11.000 X線が拡散していることが見て取れます 0:05:11.000,0:05:14.000 ノイズが発生しているのはそういう部分です 0:05:14.000,0:05:16.000 でも 通常のコンピュータ内の 0:05:16.000,0:05:19.000 標準のグラフィックカードによって インタラクティブに 0:05:19.000,0:05:21.000 断面を作ることができます 0:05:21.000,0:05:23.000 全てのデータは格納されているので 0:05:23.000,0:05:26.000 回転させたり 別の異なるアングルから確認ができます 0:05:26.000,0:05:29.000 この女性は問題を抱えていたようですね 0:05:29.000,0:05:31.000 脳内出血を起こしていたようですが 0:05:31.000,0:05:33.000 小さなステントと呼ばれる血管を狭める 0:05:33.000,0:05:35.000 金属製の留め具で治療されています 0:05:35.000,0:05:37.000 そして機能を変えることで 0:05:37.000,0:05:40.000 何を透明にし何を見えるようにするか 0:05:40.000,0:05:42.000 決めることができます 0:05:42.000,0:05:44.000 骨格を見ることができます 0:05:44.000,0:05:47.000 これが 女性の頭蓋骨を開けた部分で 0:05:47.000,0:05:49.000 ここから中に入ったようです 0:05:49.000,0:05:51.000 これらは素晴らしい画像です 0:05:51.000,0:05:53.000 非常に解像度が高く 0:05:53.000,0:05:55.000 現在の標準グラフィックカードを使って 0:05:55.000,0:05:58.000 何が出来るかをとても良く示しています 0:05:58.000,0:06:00.000 効果的な利用方法を編み出した私たちは 0:06:00.000,0:06:03.000 膨大なデータをシステム上に 0:06:03.000,0:06:05.000 圧縮することを試みました 0:06:05.000,0:06:07.000 私たちの取り組んでいるアプリのうちの 0:06:07.000,0:06:10.000 一つは 世界中で少しずつ話題になりつつある 0:06:10.000,0:06:12.000 バーチャル解剖アプリです 0:06:12.000,0:06:14.000 同じように 全身スキャンの画像といった 0:06:14.000,0:06:17.000 非常に巨大なデータセットを使います 0:06:17.000,0:06:20.000 CTスキャナーに全身を通し 0:06:20.000,0:06:23.000 数秒後に全身の画像データを得ることができます 0:06:23.000,0:06:25.000 これがバーチャル解剖です 0:06:25.000,0:06:27.000 こうやって徐々に剥ぎ取っていきます 0:06:27.000,0:06:30.000 始めに遺体袋が確認できます 0:06:30.000,0:06:33.000 次に皮を剥ぎ取り 筋肉が見えますね 0:06:33.000,0:06:36.000 最後にこの女性の骨格がご覧になれます 0:06:36.000,0:06:39.000 ここからは 0:06:39.000,0:06:41.000 これからお見せする人々に 0:06:41.000,0:06:43.000 対し敬意を持って 0:06:43.000,0:06:45.000 いくつかのバーチャル解剖をお見せします 0:06:45.000,0:06:47.000 凶悪な事件によって 0:06:47.000,0:06:49.000 お亡くなりになられた方々に敬意を払いつつ 0:06:49.000,0:06:52.000 これらの画像を 0:06:53.000,0:06:55.000 法医学的な事例としてお見せします 0:06:55.000,0:06:57.000 これらは私の出身である 0:06:57.000,0:06:59.000 スウェーデンだけで 0:06:59.000,0:07:01.000 過去4年間において 0:07:01.000,0:07:03.000 およそ400件バーチャル解剖が 0:07:03.000,0:07:05.000 執り行われています 0:07:05.000,0:07:08.000 これが通常のワークフローです 0:07:08.000,0:07:10.000 警察は 0:07:10.000,0:07:12.000 例えば夕方に 事件が起きたとして 0:07:12.000,0:07:15.000 解剖の必要があるかどうか判断します 0:07:15.000,0:07:18.000 そして朝の6時から7時にかけて 0:07:18.000,0:07:20.000 袋に包まれた遺体が 0:07:20.000,0:07:22.000 私たちのセンターに移送され 0:07:22.000,0:07:24.000 CTスキャナーの一つでスキャンされます 0:07:24.000,0:07:26.000 病理学者やたまに法医学の研究者を 0:07:26.000,0:07:28.000 伴った放射線科医が 0:07:28.000,0:07:30.000 出力されるデータを確認し 0:07:30.000,0:07:32.000 合同で会議を開きます 0:07:32.000,0:07:35.000 そして本当の解剖をどのように行うか決めるのです 0:07:37.000,0:07:39.000 いくつかの事例のうち 0:07:39.000,0:07:41.000 私たちが担当した初期の事例を紹介します 0:07:41.000,0:07:44.000 このようにデータを本当に詳細に確認できます 0:07:44.000,0:07:46.000 とても高画質です 0:07:46.000,0:07:48.000 さらに私たちが考案したアルゴリズムによって 0:07:48.000,0:07:50.000 詳細な部分を拡大をすることが可能です 0:07:50.000,0:07:52.000 繰り返しますが 完全にインタラクティブで 0:07:52.000,0:07:54.000 このシステムによってリアルタイムで 0:07:54.000,0:07:56.000 画像を回転させて見ることが可能です 0:07:56.000,0:07:58.000 こちらの事例の説明は不要かもしれませんが 0:07:58.000,0:08:00.000 これは交通事故です 0:08:00.000,0:08:02.000 酔っぱらった運転手が女性をひきました 0:08:02.000,0:08:05.000 骨格の損傷を確認することがとても容易です 0:08:05.000,0:08:08.000 死因は首の損傷です 0:08:08.000,0:08:10.000 さらに女性は車に下敷きになってしまったため 0:08:10.000,0:08:12.000 その怪我によって体に 0:08:12.000,0:08:14.000 重度の損傷を負っています 0:08:14.000,0:08:17.000 別の事例を紹介します 刺殺事件です 0:08:17.000,0:08:19.000 私たちにできることを この例でも説明します 0:08:19.000,0:08:21.000 体内に存在する金属製品を 0:08:21.000,0:08:24.000 簡単に確認することができます 0:08:24.000,0:08:27.000 歯の中の加工物も確認できます 0:08:27.000,0:08:29.000 これは歯の詰め物です 0:08:29.000,0:08:32.000 金属のみを表示し その他は透明にする機能を 0:08:32.000,0:08:34.000 設定しています 0:08:34.000,0:08:37.000 別の凶悪な事例を紹介します これは実際の致命傷ではありません 0:08:37.000,0:08:39.000 この方は心臓に複数回刺され 死亡しました 0:08:39.000,0:08:41.000 しかし犯人はさらにナイフを 0:08:41.000,0:08:43.000 片方の眼球に刺したままにしたのです 0:08:43.000,0:08:45.000 別の事例を紹介します 0:08:45.000,0:08:47.000 ナイフによる刺殺の事例などを検証できることは 0:08:47.000,0:08:49.000 私たちにとって大変興味深いものです 0:08:49.000,0:08:52.000 ここではナイフが心臓に突き刺さっているのが確認できます 0:08:52.000,0:08:54.000 空気が一方からもう一方へと 0:08:54.000,0:08:56.000 漏れだしている様子が簡単に確認できます 0:08:56.000,0:08:59.000 通常の解剖ではこのようなことを確認することは困難です 0:08:59.000,0:09:01.000 このように 0:09:01.000,0:09:03.000 死因を判断する上で 0:09:03.000,0:09:05.000 犯罪捜査に大変有効です 0:09:05.000,0:09:08.000 また 捜査を正しい方向へ導き 真の殺人犯を 0:09:08.000,0:09:10.000 突き止める場合もあります 0:09:10.000,0:09:12.000 これは 私が興味深いと感じた事例です 0:09:12.000,0:09:14.000 弾丸がこの方の脊椎の横に 0:09:14.000,0:09:17.000 留まっているのが見えます 0:09:17.000,0:09:20.000 この弾丸を光源に変換することで 0:09:20.000,0:09:22.000 弾丸がこれらの破片を光らせて 0:09:22.000,0:09:25.000 見つけやすくしています 0:09:25.000,0:09:27.000 通常の解剖を行う際にこれらの破片を 0:09:27.000,0:09:29.000 体内から見つけだそうとする場合は 0:09:29.000,0:09:31.000 実際には大変困難です 0:09:33.000,0:09:35.000 今日 皆さんにお見せ出来ることを 0:09:35.000,0:09:38.000 嬉しく思っているものの一つが 0:09:38.000,0:09:40.000 このバーチャル解剖テーブルです 0:09:40.000,0:09:42.000 これは標準のGPUと今までのアルゴリズムを 0:09:42.000,0:09:45.000 元に私たちが開発したタッチデバイスです 0:09:45.000,0:09:47.000 実際には 0:09:47.000,0:09:50.000 このような形となっています 0:09:50.000,0:09:53.000 巨大なiPhoneのように動作します 0:09:53.000,0:09:55.000 テーブル上で 0:09:55.000,0:09:58.000 行える全てのジェスチャーを実装しています 0:09:58.000,0:10:02.000 巨大なタッチインターフェースと考えて頂ければと思います 0:10:02.000,0:10:04.000 iPadを買おうと考えている方は 0:10:04.000,0:10:07.000 忘れてください これこそ皆さんが欲していたものです 0:10:07.000,0:10:10.000 スティーブ あなたがこれを聞いてくれているといいんですが 0:10:11.000,0:10:13.000 という訳で これはとても良いデバイスです 0:10:13.000,0:10:15.000 もし機会があれば 是非使ってみてください 0:10:15.000,0:10:18.000 実体験して頂くことをお勧めします 0:10:18.000,0:10:21.000 注目も集めたことなので 私たちはこれの教育目的の 0:10:21.000,0:10:23.000 利用を想定して製品化を目指しており 0:10:23.000,0:10:25.000 将来的には 0:10:25.000,0:10:28.000 医療現場での利用も考えています 0:10:28.000,0:10:30.000 バーチャル解剖について紹介したい場合は 0:10:30.000,0:10:32.000 YouTubeに閲覧できる動画があるので 0:10:32.000,0:10:35.000 是非ご利用ください 0:10:35.000,0:10:37.000 「触れる」ことについてご紹介したので 0:10:37.000,0:10:39.000 次は本当にデータに触れることについてお話します 0:10:39.000,0:10:41.000 若干SFが入ってきますが 0:10:41.000,0:10:44.000 未来のことについてお話します 0:10:44.000,0:10:47.000 今は 医師がこれを利用している訳ではありませんが 0:10:47.000,0:10:49.000 将来は 使っていることに期待しています 0:10:49.000,0:10:52.000 左側に見えるのはタッチデバイスです 0:10:52.000,0:10:54.000 小さな機械式のペンで 0:10:54.000,0:10:57.000 高速のステッピング・モーターが内蔵されており 0:10:57.000,0:10:59.000 フィードバックを生むことができます 0:10:59.000,0:11:01.000 よって データに仮想的に触れると 0:11:01.000,0:11:04.000 ペンに接触力が生まれ 感覚を得ることができるのです 0:11:04.000,0:11:06.000 このように生きている方の 0:11:06.000,0:11:08.000 スキャン画像に対して 0:11:08.000,0:11:11.000 ペンを持って データを確認しながら 0:11:11.000,0:11:13.000 頭部に向けてペンを動かすと 0:11:13.000,0:11:15.000 突如 抵抗力を感じることができます 0:11:15.000,0:11:17.000 このように皮膚を感じることができます 0:11:17.000,0:11:19.000 もう少し強く押すと 皮膚を通り抜け 0:11:19.000,0:11:22.000 中の骨格を感じることができます 0:11:22.000,0:11:24.000 さらに強く押せば 骨格を通り抜け 0:11:24.000,0:11:27.000 耳のすぐ近くの柔らかい骨を通り 0:11:27.000,0:11:30.000 ぬるぬるしたような感じで 脳の部分を感じることができます 0:11:30.000,0:11:32.000 非常に有効な機能です 0:11:32.000,0:11:35.000 さらに例を紹介します これが心臓です 0:11:35.000,0:11:38.000 新型のスキャナーのおかげで 0:11:38.000,0:11:40.000 たった0.3秒で 0:11:40.000,0:11:42.000 心臓全体をスキャンすることができます 0:11:42.000,0:11:44.000 さらに時間分解が行えるため 0:11:44.000,0:11:46.000 心臓を見ながら 0:11:46.000,0:11:48.000 動画を再生することが可能です 0:11:48.000,0:11:50.000 彼はこのプロジェクトに取り組んでいる 0:11:50.000,0:11:52.000 大学院生の一人でカーデュアンと言います 0:11:52.000,0:11:55.000 フィードバックシステムである触覚装置の前に座りながら 0:11:55.000,0:11:58.000 心臓に向けてペンを動かすと 0:11:58.000,0:12:00.000 心臓が目の前で拍動しはじめます 0:12:00.000,0:12:02.000 どのように心臓が拍動するのか確認できるのです 0:12:02.000,0:12:04.000 ペンをとって 心臓に向けて動かし 0:12:04.000,0:12:06.000 心臓の上にペンを置くと 0:12:06.000,0:12:09.000 生きた患者の心臓の鼓動を感じることができるため 0:12:09.000,0:12:11.000 心臓の動作を確認することができます 0:12:11.000,0:12:13.000 心臓の中に移動し 内部を押して 0:12:13.000,0:12:16.000 心臓弁の動作を感じることができます 0:12:16.000,0:12:19.000 これこそが 心臓外科医の将来の姿であると考えます 0:12:19.000,0:12:22.000 心臓外科医にとって 0:12:22.000,0:12:25.000 患者の心臓の中を 0:12:25.000,0:12:27.000 高解像度のデータを元に手術前に 0:12:27.000,0:12:29.000 確認するなんて夢のような話でしょう 0:12:29.000,0:12:31.000 非常に素晴らしい構想です 0:12:32.000,0:12:35.000 さらにSFに近いものをご紹介します 0:12:35.000,0:12:38.000 機能MRIについてご存知でしょうか 0:12:38.000,0:12:41.000 これはとても興味深いプロジェクトです 0:12:41.000,0:12:43.000 MRIは磁場と周波数を利用し 0:12:43.000,0:12:45.000 脳や体の 0:12:45.000,0:12:48.000 あらゆる部分をスキャンすることができます 0:12:48.000,0:12:50.000 これによって 0:12:50.000,0:12:52.000 脳の構造についての情報が得られます 0:12:52.000,0:12:54.000 しかし 更にこれを使って 0:12:54.000,0:12:57.000 酸素を含む血液と 0:12:57.000,0:13:00.000 そうでない血液の磁性の差を測定することが可能です 0:13:00.000,0:13:02.000 これはつまり 0:13:02.000,0:13:04.000 脳の活動を映し出すことが可能なのです 0:13:04.000,0:13:06.000 私たちはこれにも取り組んでいます 0:13:06.000,0:13:09.000 ちょうど研究技術者であるモッツが 0:13:09.000,0:13:11.000 MRIにゴーグルを着用して 0:13:11.000,0:13:13.000 中に入る所をご覧頂いています 0:13:13.000,0:13:15.000 これはゴーグルを通して 0:13:15.000,0:13:18.000 彼にスキャナーにいながら映像を見せることができるためです 0:13:18.000,0:13:20.000 これは中々ビックリするかもしれません 0:13:20.000,0:13:22.000 モッツが実際に見ている映像はこれです 0:13:22.000,0:13:25.000 彼は自分の脳を見ているのです 0:13:25.000,0:13:27.000 モッツはここで何かしていますね 0:13:27.000,0:13:29.000 恐らく右手でこういう風にしています 0:13:29.000,0:13:31.000 なぜなら左側は運動皮質によって 0:13:31.000,0:13:33.000 活性化されるからです 0:13:33.000,0:13:35.000 彼も同じくその様子を確認できます 0:13:35.000,0:13:37.000 このような可視化は新しい取り組みであり 0:13:37.000,0:13:40.000 私たちが少し前から研究している分野です 0:13:40.000,0:13:43.000 これはモッツの脳の別の部分です 0:13:43.000,0:13:46.000 彼には 100から逆に計算するように頼みました 0:13:46.000,0:13:48.000 「100 97 94...」とった具合に 0:13:48.000,0:13:50.000 計算しています 0:13:50.000,0:13:53.000 彼の脳の小さな計算に関わる領域が活性化し 0:13:53.000,0:13:55.000 脳の全体を光らせているのがわかります 0:13:55.000,0:13:57.000 素晴らしい結果です リアルタイムで計測できます 0:13:57.000,0:13:59.000 彼に依頼して調査を行うことが可能です 0:13:59.000,0:14:01.000 更に彼の視覚野が 0:14:01.000,0:14:03.000 頭頂部の後ろ側で活性化しています 0:14:03.000,0:14:05.000 なぜなら自分自身の脳を見ているからです 0:14:05.000,0:14:07.000 また彼は 私たちが彼に何かをさせるための 0:14:07.000,0:14:09.000 命令を聞いています 0:14:09.000,0:14:11.000 この信号は脳の奥深くで発せられていますが 0:14:11.000,0:14:13.000 中で光っているのが確認できます 0:14:13.000,0:14:15.000 全てのデータがここに含まれているからです 0:14:15.000,0:14:17.000 ここでは以下のような光景をご覧頂けます 0:14:17.000,0:14:19.000 モッツ 左足を動かしてください 0:14:19.000,0:14:21.000 彼はその通りにします 0:14:21.000,0:14:23.000 20秒間そのままの状態でいます 0:14:23.000,0:14:25.000 するとここが急に光ります 0:14:25.000,0:14:27.000 運動皮質が活性化されたことが確認できます 0:14:27.000,0:14:29.000 非常に面白い結果です 0:14:29.000,0:14:31.000 これはとても素晴らしいツールだと思います 0:14:31.000,0:14:33.000 そして今までお話しした内容をまとめると 0:14:33.000,0:14:35.000 ニューロンや脳がどのように 0:14:35.000,0:14:37.000 機能しているのかを理解する上で 0:14:37.000,0:14:39.000 とても使えるツールであると考えます 0:14:39.000,0:14:42.000 何より非常に高画質かつ高分解能な上 0:14:42.000,0:14:45.000 高速に処理できます 0:14:45.000,0:14:47.000 さらにセンター内で少々面白いことも行っています 0:14:47.000,0:14:50.000 これはCAT(コンピューター断層撮影)スキャンです 0:14:51.000,0:14:53.000 これはノーショーピングのはずれにある 0:14:53.000,0:14:56.000 コルマルデン動物園からのエルサというライオンです 0:14:56.000,0:14:58.000 彼女はセンターに来て 0:14:58.000,0:15:00.000 鎮静状態にされ 0:15:00.000,0:15:02.000 そのままスキャナー内に運び込みました 0:15:02.000,0:15:05.000 その後 ライオンの全データを取得しました 0:15:05.000,0:15:07.000 このようなライオンの画像に対して 0:15:07.000,0:15:09.000 レイヤーを剥ぎ取っていき 0:15:09.000,0:15:11.000 内部を確認していきます 0:15:11.000,0:15:13.000 このようにして検証を行ってきました 0:15:13.000,0:15:15.000 これは未来のテクノロジーにおける 0:15:15.000,0:15:17.000 大変優れたアプリだと思います 0:15:17.000,0:15:20.000 なぜなら 動物解剖学については未知の部分も多く 0:15:20.000,0:15:23.000 獣医側で知られているのは基本的な知識に限られています 0:15:23.000,0:15:25.000 あらゆる動物をはじめ 0:15:25.000,0:15:27.000 あらゆるものをスキャンできます 0:15:27.000,0:15:30.000 唯一の問題は機械の中に入れることくらいです 0:15:30.000,0:15:32.000 これは熊です 0:15:32.000,0:15:34.000 機械に入れるのに苦労しました 0:15:34.000,0:15:37.000 熊は非常にかわいらしい 友好的な動物です 0:15:37.000,0:15:40.000 これは 熊の鼻の部分です 0:15:40.000,0:15:43.000 抱きしめたくなるでしょう 0:15:43.000,0:15:46.000 機能を変更してこれを見るまでは 0:15:46.000,0:15:48.000 熊には注意しましょう 0:15:48.000,0:15:50.000 以上をもって 0:15:50.000,0:15:52.000 これらの画像の生成を手伝って頂いた 0:15:52.000,0:15:54.000 全ての方々に感謝したいと思います 0:15:54.000,0:15:56.000 データの収集やアルゴリズムの開発 0:15:56.000,0:15:59.000 全てのソフトウェアを作り上げるまでに 0:15:59.000,0:16:01.000 非常に多くの労力がかかっています 0:16:01.000,0:16:04.000 非常に能力のある方々のおかげです 0:16:04.000,0:16:07.000 私のモットーは 私よりも頭の良い人達を雇うことです 0:16:07.000,0:16:09.000 多くは私より頭が良い方々ばかりです 0:16:09.000,0:16:11.000 ありがとうございました 0:16:11.000,0:16:15.000 (拍手)