WEBVTT

00:00:03.196 --> 00:00:06.356
フィンランドでは、義務教育を終えようとしている

00:00:06.356 --> 00:00:10.376
１５、１６歳の生徒の大半が

00:00:10.376 --> 00:00:13.556
一度は特別支援教育を受けています。

00:00:13.556 --> 00:00:17.416
特別支援教育は、特別なものでは無いのです。

00:00:17.416 --> 00:00:20.966
もし、子供が一度も特別支援教育を受けていなければ、

00:00:20.966 --> 00:00:41.046
その子こそが、特別という事になります。

00:00:41.046 --> 00:00:44.466
我が校では、生徒が抱えている問題に対して、

00:00:44.466 --> 00:00:49.316
できるだけ早期に手を差し伸べるようにしています。

00:00:49.316 --> 00:00:52.026
問題が顕在化するまで対応しない

00:00:52.026 --> 00:00:55.926
他国の教育システムとは

00:00:55.926 --> 00:01:01.056
大きく異なります。

00:01:01.056 --> 00:01:02.566
我々の考え方は違います。

00:01:02.566 --> 00:01:05.926
早期に支援する事により、

00:01:05.926 --> 00:01:11.126
問題を抱えそうな子供をいち早く見つけ、

00:01:11.126 --> 00:01:41.046
適切なサポートを与えることが出来ます。

00:01:41.046 --> 00:01:44.236
各科目の教師は、生徒が学習になんらかの

00:01:44.236 --> 00:01:45.406
支障を持っていると判断された場合は、

00:01:45.406 --> 00:01:50.396
特別支援教師と連携をとります。

00:01:50.396 --> 00:01:53.126
支障とは、一つの課題に集中できない、もしくは、

00:01:53.126 --> 00:01:56.056
読み取り、聞き取りが出来なかったりするケースです。

00:01:56.056 --> 00:01:57.686
語学や数学の授業で顕著です。

00:01:57.686 --> 00:02:01.326
こうした場合、できるだけ早い段階で

00:02:01.326 --> 00:02:03.036
特別支援教師に連絡します。

00:02:03.036 --> 00:02:04.886
我々はこれを「一次支援」と読んでいます。

00:02:04.886 --> 00:02:09.126
対象となる生徒がいる授業に

00:02:09.126 --> 00:02:12.846
特別支援教師が参加し、

00:02:12.846 --> 00:02:51.946
担任の先生と一緒に問題の特定に努めます。

00:02:51.946 --> 00:02:55.796
特別支援教師とのアポは2時間程度なので、

00:02:55.796 --> 00:03:00.526
問題を抱えている生徒とも個別面談を行い、

00:03:00.526 --> 00:03:02.316
サポートを与えます。

00:03:02.316 --> 00:03:06.166
面談に加え、

00:03:06.166 --> 00:03:09.556
生徒の個別学習プランも作成します。

00:03:09.556 --> 00:03:13.056
こうすることにより、授業から取り残される生徒が

00:03:13.056 --> 00:03:41.186
いないよう、万全を期すことが出来ます。

00:03:41.186 --> 00:03:44.956
毎週、生徒支援の専門チームが集まり、

00:03:44.956 --> 00:03:49.096
担任の先生から報告を受けます。

00:03:49.096 --> 00:03:51.616
報告内容はいじめ、不登校、

00:03:51.616 --> 00:03:52.976
生徒の学習意欲低下であったり、

00:03:52.976 --> 00:04:16.096
多岐に渡ります。

00:04:16.096 --> 00:04:19.986
ケースバイケースで問題の対応にあたります。

00:04:19.986 --> 00:04:39.046
こうした会議はフィンランド中の学校で行われています。

00:04:39.046 --> 00:04:41.416
生徒支援チームは、生徒が学校で抱えている

00:04:41.416 --> 00:04:48.586
様々な問題に対応します。家庭事情の影響、学習障害、

00:04:48.586 --> 00:04:53.316
多文化の問題などがあります。

00:04:53.316 --> 00:04:57.686
生徒支援チームの役割は、

00:04:57.686 --> 00:05:08.416
困っている生徒に早期に手を差し伸べる事です。

00:05:08.416 --> 00:05:11.086
この施策の狙いは、だれもが気軽に助けを

00:05:11.086 --> 00:05:15.476
求めるようになる事です。

00:05:15.476 --> 00:05:17.336
生徒は問題を隠すよりも、問題の存在を認め、

00:05:17.336 --> 00:05:19.456
助けを求めるようになります。

00:05:19.456 --> 00:05:22.806
問題を隠してしまうと、それが蓄積して行き、

00:05:22.806 --> 00:05:25.856
後々もっと大きな問題となってしまいます。

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この制度により、生徒支援の公平さと、

00:05:29.816 --> 99:59:59.999
質を向上する事が出来ました。