フィンランドでは、義務教育を終えようとしている 15、16歳の生徒の大半が 一度は特別支援教育を受けています。 特別支援教育は、特別なものでは無いのです。 もし、子供が一度も特別支援教育を受けていなければ、 その子こそが、特別という事になります。 我が校では、生徒が抱えている問題に対して、 できるだけ早期に手を差し伸べるようにしています。 問題が顕在化するまで対応しない 他国の教育システムとは 大きく異なります。 我々の考え方は違います。 早期に支援する事により、 問題を抱えそうな子供をいち早く見つけ、 適切なサポートを与えることが出来ます。 各科目の教師は、生徒が学習になんらかの 支障を持っていると判断された場合は、 特別支援教師と連携をとります。 支障とは、一つの課題に集中できない、もしくは、 読み取り、聞き取りが出来なかったりするケースです。 語学や数学の授業で顕著です。 こうした場合、できるだけ早い段階で 特別支援教師に連絡します。 我々はこれを「一次支援」と読んでいます。 対象となる生徒がいる授業に 特別支援教師が参加し、 担任の先生と一緒に問題の特定に努めます。 特別支援教師とのアポは2時間程度なので、 問題を抱えている生徒とも個別面談を行い、 サポートを与えます。 面談に加え、 生徒の個別学習プランも作成します。 こうすることにより、授業から取り残される生徒が いないよう、万全を期すことが出来ます。 毎週、生徒支援の専門チームが集まり、 担任の先生から報告を受けます。 報告内容はいじめ、不登校、 生徒の学習意欲低下であったり、 多岐に渡ります。 ケースバイケースで問題の対応にあたります。 こうした会議はフィンランド中の学校で行われています。 生徒支援チームは、生徒が学校で抱えている 様々な問題に対応します。家庭事情の影響、学習障害、 多文化の問題などがあります。 生徒支援チームの役割は、 困っている生徒に早期に手を差し伸べる事です。 この施策の狙いは、だれもが気軽に助けを 求めるようになる事です。 生徒は問題を隠すよりも、問題の存在を認め、 助けを求めるようになります。 問題を隠してしまうと、それが蓄積して行き、 後々もっと大きな問題となってしまいます。 この制度により、生徒支援の公平さと、 質を向上する事が出来ました。