WEBVTT 00:00:00.502 --> 00:00:05.787 フルーガル・デジタルは 元来C.I.I.D.の研究グループです 00:00:05.787 --> 00:00:07.930 デジタル技術を誰もが享受できる社会を いかにして創り上げるかについて 00:00:07.930 --> 00:00:12.470 デジタル技術を誰もが享受できる社会を いかにして創り上げるかについて 00:00:12.470 --> 00:00:14.278 新たな視点を探し求めています 00:00:14.278 --> 00:00:16.458 どうしてかと言えば 00:00:16.458 --> 00:00:19.732 今日のシリコン(半導体)技術はその大部分が 00:00:19.732 --> 00:00:21.484 「余剰の文化」だからです 00:00:21.484 --> 00:00:23.657 スピードや性能 00:00:23.657 --> 00:00:26.087 眩いばかりの最新機能に重きが置かれ 00:00:26.087 --> 00:00:28.985 その一方で 世界の3分の2の人々は 00:00:28.985 --> 00:00:32.669 こうした技術の最も基礎的な部分でさえ 00:00:32.669 --> 00:00:36.252 手が届かないのです 00:00:36.252 --> 00:00:38.420 医療 教育その他の 00:00:38.420 --> 00:00:42.499 生活に最低限に必要なものにさえ 取り入れることができません NOTE Paragraph 00:00:42.499 --> 00:00:45.744 本題に入る前に少しお話を披露したいと思います 00:00:45.744 --> 00:00:49.767 以前私はムンバイである人物に出会いました 00:00:49.767 --> 00:00:51.954 彼の名前はサティ・シュライといいます 00:00:51.954 --> 00:00:54.060 この彼が本当にすごい人物なのです 00:00:54.060 --> 00:00:56.202 彼は一人の起業家として 00:00:56.202 --> 00:00:57.944 ムンバイの裏路地で 00:00:57.944 --> 00:00:59.947 小さな店を経営しています 00:00:59.947 --> 00:01:02.995 彼はこのたった10平米の店で 00:01:02.995 --> 00:01:05.145 実に多くのことを行います 00:01:05.145 --> 00:01:07.050 私は偶然彼に出会った時に 00:01:07.050 --> 00:01:09.533 目にしたことを信じられませんでした 00:01:09.533 --> 00:01:11.658 彼の店では小口の支払い業務や 00:01:11.658 --> 00:01:14.411 チケットの予約といったサービスをはじめ 00:01:14.411 --> 00:01:17.744 皆さんがオンラインで行う色々な業務を 00:01:17.744 --> 00:01:19.933 お客さんと対面で行い 00:01:19.933 --> 00:01:21.930 デジタルの世界への橋渡し役をしています 00:01:21.930 --> 00:01:23.435 また彼はプリペイド携帯電話の 00:01:23.435 --> 00:01:26.028 このようなリチャージ・クーポンを売って 00:01:26.028 --> 00:01:28.303 商売をしています 00:01:28.303 --> 00:01:31.544 そしてそれだけではなく 彼は店の裏側の 00:01:31.544 --> 00:01:34.117 隠れ家のようなスペースで 2〜3人の人を雇って 00:01:34.117 --> 00:01:36.701 よろず修理屋を営んでいます 00:01:36.701 --> 00:01:39.959 携帯電話でも何でも 持ち込めば修理してくれます 00:01:39.959 --> 00:01:43.077 それがもう本当にすごいんです 私のiPhoneを見るなり 00:01:43.077 --> 00:01:45.246 「アップグレードするかい?」 ていう感じです 00:01:45.246 --> 00:01:47.564 私は「はい」と・・ (笑い) 00:01:47.564 --> 00:01:49.504 でもちょっと不安だったので 00:01:49.504 --> 00:01:54.137 代わりにノキアを預けることにしました (笑い) NOTE Paragraph 00:01:54.137 --> 00:01:59.352 ところが私は そのリバース・エンジニアリングに驚かされました 00:01:59.352 --> 00:02:04.304 その高い技術がこんなに狭い空間に 詰め込まれているのです 00:02:04.304 --> 00:02:06.895 作業に必要なことは全て理解していて 00:02:06.895 --> 00:02:08.921 機器を分解して バラバラにし 00:02:08.921 --> 00:02:11.880 回路を変えたり ファームウェアを書き換えたり 00:02:11.880 --> 00:02:13.847 携帯電話に関するあらゆることを行います 00:02:13.847 --> 00:02:16.416 すごいスピードで何でも修理してしまいます 00:02:16.416 --> 00:02:18.416 例えば今朝修理に出したら 00:02:18.416 --> 00:02:20.336 ランチの後にはもう受け取れるのです 00:02:20.336 --> 00:02:22.256 本当に信じがたいことです NOTE Paragraph 00:02:22.256 --> 00:02:23.827 これはこの地域に限ったことでしょうか? 00:02:23.827 --> 00:02:26.369 それとも世界中でこんなことがあるのでしょうか? 00:02:26.369 --> 00:02:28.619 時間が経つにつれ私たちは理解し始め 00:02:28.619 --> 00:02:30.338 このよろず修理ビジネスの全体像について 00:02:30.338 --> 00:02:32.454 系統立てた調査を開始しました 00:02:32.454 --> 00:02:34.059 なぜならそれはムンバイの街角でのみ 00:02:34.059 --> 00:02:36.091 行われていることではなかったからです 00:02:36.091 --> 00:02:39.205 これはインドのあらゆる場所で起こっています 00:02:39.205 --> 00:02:41.466 アフリカのケープタウンでも起きており 00:02:41.466 --> 00:02:43.513 同様の調査を行いました 00:02:43.513 --> 00:02:46.708 ここドーハでもこのような小さな店を見つけました 00:02:46.708 --> 00:02:49.595 そこでは目覚まし時計や腕時計を修理しています 00:02:49.595 --> 00:02:52.796 多くの小さな部品があり 決して簡単な仕事ではありません 00:02:52.796 --> 00:02:54.909 ご自身で試してみればわかると思います NOTE Paragraph 00:02:54.909 --> 00:02:56.463 何故こんなことが可能なのでしょうか? 00:02:56.463 --> 00:02:59.971 それは安い部品や消耗品のエコシステムで 00:02:59.971 --> 00:03:03.277 文字通り世界中で生産され 00:03:03.277 --> 00:03:07.043 流通して この業界を支えているのです 00:03:07.043 --> 00:03:09.214 再利用の部品さえ購入できます 00:03:09.214 --> 00:03:11.370 基本的には新品を買う必要すらなく 00:03:11.370 --> 00:03:13.833 バラバラに分解され 廃棄されたコンピュータの 00:03:13.833 --> 00:03:15.140 バラバラに分解され 廃棄されたコンピュータの 00:03:15.140 --> 00:03:16.710 中古部品を使い 00:03:16.710 --> 00:03:20.531 それらを新たな機械構成で 組み立てることができます NOTE Paragraph 00:03:20.531 --> 00:03:24.012 でもこの新しいやり方で何ができるかが 本質的に知りたいことです 00:03:24.012 --> 00:03:25.932 というのは 00:03:25.932 --> 00:03:28.157 こういうものが リソースの貧しい地域に 00:03:28.157 --> 00:03:30.523 必ず存在しているからです 00:03:30.523 --> 00:03:32.420 これは興味深いやり方です 00:03:32.420 --> 00:03:33.912 クラフトには伝統的な工芸品と 新しい技術的なものがあります 00:03:33.912 --> 00:03:35.915 クラフトには伝統的な工芸品と 新しい技術的なものがあります 00:03:35.915 --> 00:03:38.123 この新しいものは区別する意味で ハイテク・クラフトと名付けました 00:03:38.123 --> 00:03:40.195 それは確立されたものでもなければ 00:03:40.195 --> 00:03:42.862 きちんと制度化されているわけでも 00:03:42.862 --> 00:03:44.633 大学で身につけるものでもありません 00:03:44.633 --> 00:03:46.356 それは見よう見まねで学ぶものであり 00:03:46.356 --> 00:03:48.265 学校に頼らない教育がそこにあります NOTE Paragraph 00:03:48.265 --> 00:03:51.067 これによって一体 どんなことがができるでしょうか? 00:03:51.067 --> 00:03:53.801 こうしたシステムが持つ価値とは何でしょうか? 00:03:53.801 --> 00:03:56.146 まず モノを近所で修理できるということは 00:03:56.146 --> 00:03:58.486 製品やサービスを修理するのに 00:03:58.486 --> 00:04:00.531 煩雑で形式的なシステムを 00:04:00.531 --> 00:04:03.139 通す必要がないということです 00:04:03.139 --> 00:04:06.218 また素晴らしいことに 安くモノを作れるので 00:04:06.218 --> 00:04:08.250 さらに多くのことが可能になります 00:04:08.250 --> 00:04:10.564 最も重要なことは 00:04:10.564 --> 00:04:12.940 低コストが生む可能性です 00:04:12.940 --> 00:04:15.269 ちょっとしたアルゴリズムや 00:04:15.269 --> 00:04:18.794 自由なアイデアを 00:04:18.794 --> 00:04:22.452 とてもシンプルな装置に搭載できるということです NOTE Paragraph 00:04:22.452 --> 00:04:27.260 私たちは「シリコン家内産業」と呼んでいますが 00:04:27.260 --> 00:04:30.206 これは 産業革命以前のシステムや考え方が 00:04:30.206 --> 00:04:32.670 多くの発展途上国の小さなデジタルショップで 00:04:32.670 --> 00:04:35.678 全く新しい形で 00:04:35.678 --> 00:04:38.759 再び立ち現れようとしているということです NOTE Paragraph 00:04:38.759 --> 00:04:42.893 私たちはこのアイデアについて 色々と想いをめぐらせ 00:04:42.893 --> 00:04:44.571 「これをどう使えるか?」 と考えました 00:04:44.571 --> 00:04:47.099 何か簡単な製品やサービスを 作れないだろうか?と 00:04:47.099 --> 00:04:49.519 そこで まず手がけたのが こちらの 00:04:49.519 --> 00:04:51.915 マルチメディア用のシステム「ランチ・ボックス」です 00:04:51.915 --> 00:04:54.666 研究の為に選んだ場所の一つがインドの 00:04:54.666 --> 00:04:58.153 非常に辺鄙なところにある学校でした 00:04:58.153 --> 00:05:01.412 こういう所には先生たった一人で やってる学校があるんです 00:05:01.412 --> 00:05:04.114 そのような先生は八面六臂の活躍をし 00:05:04.114 --> 00:05:06.591 小さな学校で授業を行っています 00:05:06.591 --> 00:05:08.128 正式な学校ではありませんが 00:05:08.128 --> 00:05:10.287 非常に総括的な教育が行われています 00:05:10.287 --> 00:05:11.525 唯一欠けているものは 00:05:11.525 --> 00:05:13.919 教材へのアクセスで 時には教科書も 00:05:13.919 --> 00:05:16.746 きちんとしたカリキュラムさえありません NOTE Paragraph 00:05:16.746 --> 00:05:20.250 このような先生をどのように 応援することができるだろうか? 00:05:20.250 --> 00:05:23.062 私たちは考えました デジタルな情報資源を 00:05:23.062 --> 00:05:25.624 私たちが一方的に与えるのではなく 00:05:25.624 --> 00:05:28.028 情報への橋渡し役として 何ができるだろうか? 00:05:28.028 --> 00:05:31.412 そこで 先生を応援するために必要な ステップ を考えました 00:05:31.412 --> 00:05:34.067 どうやって このような先生を 情報の架け橋とするか 00:05:34.067 --> 00:05:36.599 どうやって地元の力だけで構築し運営できる 00:05:36.599 --> 00:05:39.591 安価なマルチメディア・プラットフォームを デザインするか 00:05:39.591 --> 00:05:41.934 考えながら その辺りを見て回りました 00:05:41.934 --> 00:05:44.224 近所の市場でこのアイデアを実現するために 00:05:44.224 --> 00:05:48.245 使えるものはないだろうかと探しました NOTE Paragraph 00:05:48.245 --> 00:05:50.772 そこで私たちが見つけたのが 00:05:50.772 --> 00:05:53.979 この小さなプロジェクタ付きの携帯電話です 00:05:53.979 --> 00:05:56.316 だいたい60ドルくらいでした 00:05:56.316 --> 00:05:58.772 それから大容量バッテリーで使う懐中電灯と 00:05:58.772 --> 00:06:00.562 小さなスピーカーをいくつか買いました 00:06:00.562 --> 00:06:02.860 携帯電話によって 00:06:02.860 --> 00:06:04.784 ネットワークへの接続ができます 00:06:04.784 --> 00:06:08.269 その接続があれば様々な形式のファイルを 00:06:08.269 --> 00:06:10.620 ダウンロードして利用することができます 00:06:10.620 --> 00:06:13.646 またこの懐中電灯は非常に明るいLEDで 00:06:13.646 --> 00:06:16.637 6時間使用可能な充電池が付属しています 00:06:16.637 --> 00:06:18.853 ランチボックスは 00:06:18.853 --> 00:06:20.900 全てを一つのパッケージにまとめます 00:06:20.900 --> 00:06:22.463 そしてスピーカーを使って 00:06:22.463 --> 00:06:23.881 音が聴こえるように大きくします 00:06:23.881 --> 00:06:27.420 信じられないでしょうが あの小さな教室は本当にうるさいんです 00:06:27.420 --> 00:06:30.013 子供たちは声の限りに叫びまくりますから 00:06:30.013 --> 00:06:31.673 先生はその上を行かねばなりません 00:06:31.673 --> 00:06:34.394 これを先程お話しした携帯電話の 00:06:34.394 --> 00:06:36.484 よろず修理屋に持って行きました 00:06:36.484 --> 00:06:37.912 ここでマジックが起きるのです 00:06:37.912 --> 00:06:39.293 私たちはこれらの道具を全て分解して 00:06:39.293 --> 00:06:41.650 新たな形に組み立てました 00:06:41.650 --> 00:06:43.828 そしてこのマッシュアップを 00:06:43.828 --> 00:06:46.437 職人にその手順を教えながら組み立てました 00:06:46.437 --> 00:06:49.892 そして出来上がったのがこちらの 弁当箱の形のものです NOTE Paragraph 00:06:49.892 --> 00:06:56.718 (拍手) NOTE Paragraph 00:06:56.718 --> 00:06:59.736 そして組織的にフィールドテストを行いました 00:06:59.736 --> 00:07:02.104 そこでいくつかの重要なことを 00:07:02.104 --> 00:07:04.621 このテストから学び 再びテストを繰り返しました 00:07:04.621 --> 00:07:07.316 中でも重要だったのが電力消費と充電でした 00:07:07.316 --> 00:07:11.294 また明るさも問題でした 外は日差しが強く 00:07:11.294 --> 00:07:13.846 また屋根が壊れていることもしばしばあり 00:07:13.846 --> 00:07:16.974 映写をするのに十分な暗さが確保できないのです NOTE Paragraph 00:07:16.974 --> 00:07:19.816 私たちはアイデアを膨らませ 更に実験を重ねました 00:07:19.816 --> 00:07:22.394 そして次に出来たのが 00:07:22.394 --> 00:07:24.774 太陽光によってトリクル充電できるモデルです 00:07:24.774 --> 00:07:27.573 また何より重要な変更点が 00:07:27.573 --> 00:07:30.567 車のバッテリーに接続できるようになったことです 00:07:30.567 --> 00:07:32.774 電力供給が不安定な場所では 00:07:32.774 --> 00:07:34.734 これがしばしば電源になります NOTE Paragraph 00:07:34.734 --> 00:07:36.703 それ以外の改良点としては 00:07:36.703 --> 00:07:39.165 USBドライブが使用可能になったことです 00:07:39.165 --> 00:07:42.519 GPRSによる通信が理論上は可能とはいえ 00:07:42.519 --> 00:07:45.094 USBに保存したデータを 00:07:45.094 --> 00:07:48.984 郵送で送る方が効率的なこともあります 00:07:48.984 --> 00:07:50.824 到着までに数日かかりますが 00:07:50.824 --> 00:07:53.198 高解像度で確かな品質の教材を 00:07:53.198 --> 00:07:55.413 届けることができます 00:07:55.413 --> 00:07:57.695 私たちは試作してはテストをし 00:07:57.695 --> 00:07:59.230 また試作をしてはテストをし 00:07:59.230 --> 00:08:00.779 それを何度も繰り返しました NOTE Paragraph 00:08:00.779 --> 00:08:03.748 ただ こうした技術や方法論が役立つのは 00:08:03.748 --> 00:08:05.614 何も教育に限ったことではなく 00:08:05.614 --> 00:08:07.626 その他の分野に応用することもできます 00:08:07.626 --> 00:08:09.534 そこでもうひとつエピソードを披露しましょう 00:08:09.534 --> 00:08:11.989 「メディ・メーター」という装置は 00:08:11.989 --> 00:08:15.356 ちょっとした健康チェック装置として開発したものです NOTE Paragraph 00:08:15.356 --> 00:08:18.683 インドにはアシャワーカーと呼ばれる 00:08:18.683 --> 00:08:20.962 素晴らしい人たちがいます 00:08:20.962 --> 00:08:23.379 彼女たちは医療システムの末端で働いており 00:08:23.379 --> 00:08:25.763 地方の村落で生活し 医療に関する基礎的な 00:08:25.763 --> 00:08:28.331 技術と考え方について 教育を受けた人たちです 00:08:28.331 --> 00:08:32.093 その主たる目的は 人々がより良い生活を送るために 00:08:32.093 --> 00:08:35.626 アドバイスをしたり 00:08:35.626 --> 00:08:38.854 どのような医療を受けるべきかについて 00:08:38.854 --> 00:08:41.528 助言を行うことです 00:08:41.528 --> 00:08:44.240 彼女たちは助言を与えるのですが NOTE Paragraph 00:08:44.240 --> 00:08:46.548 調査をして明らかになった問題があります 00:08:46.548 --> 00:08:50.738 彼女たちは人々に医療制度や 00:08:50.738 --> 00:08:53.218 最も近い診療所を教えることに 00:08:53.218 --> 00:08:56.091 非常に長けてはいるのですが 00:08:56.091 --> 00:09:00.169 そうした診療所では 信じられない程長い行列ができています 00:09:00.169 --> 00:09:02.979 人々がアシャの推薦によって 患者数の割に 00:09:02.979 --> 00:09:05.545 不足している医師や病院に殺到してしまい 00:09:05.545 --> 00:09:07.747 システム不全を起こしています 00:09:07.747 --> 00:09:09.866 したがって普通の風邪も 00:09:09.866 --> 00:09:12.526 重篤なマラリアも 00:09:12.526 --> 00:09:15.570 同じように扱われ 優先順位はありません NOTE Paragraph 00:09:15.570 --> 00:09:17.641 何かもっといいやり方があるに違いないと 00:09:17.641 --> 00:09:19.442 私たちは考えました 00:09:19.442 --> 00:09:22.019 なんとかしてアシャの人たちを 00:09:22.019 --> 00:09:25.950 フィルターとして しかもただのフィルターではなく 00:09:25.950 --> 00:09:28.465 より効果的なアドバイザーとして 00:09:28.465 --> 00:09:31.946 医療ネットワークの負荷を最適にするよう 00:09:31.946 --> 00:09:35.885 症状の重篤度や状況の深刻さに合わせて 00:09:35.885 --> 00:09:39.765 様々な医療サービスを提案できるよう 何ができるだろうと考えました NOTE Paragraph 00:09:39.765 --> 00:09:41.746 最も重要な問いは 次のようなものでした 00:09:41.746 --> 00:09:43.414 どうやって彼女に力を与えるか? 00:09:43.414 --> 00:09:45.341 彼女が簡単なツールによって 00:09:45.341 --> 00:09:48.292 診断ではなくスクリーニングをすることによって 00:09:48.292 --> 00:09:52.072 よりよいアドバイスを行えるようにするには どうすればよいか 00:09:52.072 --> 00:09:54.100 それが制度全体に 大きな違いをもたらすのです 00:09:54.100 --> 00:09:59.018 簡単な健康診断を受けるために長い時間待つこと 00:09:59.018 --> 00:10:00.938 時に7〜15キロも歩いて 00:10:00.938 --> 00:10:03.611 病院に行かねばならないことが 00:10:03.611 --> 00:10:09.074 とれほど大きな阻害要因になっているか 00:10:09.074 --> 00:10:11.528 そのせいで人々は 00:10:11.528 --> 00:10:13.537 医療にアクセスしづらくなっています 00:10:13.537 --> 00:10:15.572 そんな中で彼女に何かできることがあれば 00:10:15.572 --> 00:10:16.681 それは素晴らしいことです NOTE Paragraph 00:10:16.681 --> 00:10:19.742 そこで私たちはこの装置を 00:10:19.742 --> 00:10:21.559 医療器具に改造しました 00:10:21.559 --> 00:10:22.835 実際にデモをお見せしましょう 00:10:22.835 --> 00:10:25.508 非常に簡単なプロセスです NOTE Paragraph 00:10:25.508 --> 00:10:27.917 ブルーノ 手伝ってくれますか? (歓声) 00:10:27.917 --> 00:10:34.119 こちらへお願いします (拍手) NOTE Paragraph 00:10:34.119 --> 00:10:37.044 さてこれから 00:10:37.044 --> 00:10:40.016 今からあなたの体を使って 00:10:40.016 --> 00:10:42.871 心拍数や血中酸素量などのいくつかの 00:10:42.871 --> 00:10:44.744 数値を計測します 00:10:44.744 --> 00:10:48.035 ではここに親指をおいてくれますか NOTE Paragraph 00:10:48.035 --> 00:10:49.809 これでいいかな? NOTE Paragraph 00:10:49.809 --> 00:10:51.475 はい それで大丈夫です NOTE Paragraph 00:10:51.475 --> 00:10:55.483 では動かしてみます 上手くいくといいのですが 00:10:55.483 --> 00:10:59.833 (ビープ音)音だってなるんですよ だってもとは目覚まし時計ですからね 00:10:59.833 --> 00:11:01.845 当然です (笑い) NOTE Paragraph 00:11:01.845 --> 00:11:06.236 針をスタート位置に持って来て 00:11:06.236 --> 00:11:09.848 赤いボタンを押すと・・ (ビープ音) 00:11:09.848 --> 00:11:15.329 今あなたのデータを読み取っています (ビープ音) 00:11:15.329 --> 00:11:18.107 そして針が3つのどれかを指して 止まります 00:11:18.107 --> 00:11:21.382 では結果を見てみましょう 00:11:21.382 --> 00:11:23.465 (ビープ音) ブルーノ もう帰っていいですよ NOTE Paragraph 00:11:23.465 --> 00:11:27.301 ああ それはよかった (拍手) NOTE Paragraph 00:11:27.301 --> 00:11:29.646 そして (拍手) NOTE Paragraph 00:11:29.646 --> 00:11:32.863 これがどういうことかと言うと 00:11:32.863 --> 00:11:36.968 もし残念なことに針が赤いところを指した場合 00:11:36.968 --> 00:11:38.814 あなたを病院に担ぎ込まないといけないところですが 00:11:38.814 --> 00:11:42.934 幸運なことにそれは今日ではありません 00:11:42.934 --> 00:11:45.763 もしオレンジ色のところであれば 00:11:45.763 --> 00:11:48.807 引き続き検診を受ける必要があるということです 00:11:48.807 --> 00:11:51.158 やり方は三段階で実にシンプルですが 00:11:51.158 --> 00:11:53.273 これが色々な意味で 00:11:53.273 --> 00:11:56.013 医療制度にかかわる方程式を変えることになります NOTE Paragraph 00:11:56.013 --> 00:11:57.910 良い結果でよかったよ NOTE Paragraph 00:11:57.910 --> 00:12:02.303 (拍手) 00:12:02.303 --> 00:12:05.743 それでは簡単にこの仕組みをお話しします 00:12:05.743 --> 00:12:08.033 そっちの方がもっと面白いですから 00:12:08.033 --> 00:12:10.727 目覚まし時計からメディ・メーターを作るには 00:12:10.727 --> 00:12:15.255 3つ必要な物があります 00:12:15.255 --> 00:12:19.384 まず このような安価なテレビのリモコン 00:12:19.384 --> 00:12:22.295 どこの家庭にもあるでしょう 00:12:22.295 --> 00:12:26.009 それからパソコンのマウスの部品 00:12:26.009 --> 00:12:29.872 それも非常に安く中古品を手に入れることができます 00:12:29.872 --> 00:12:32.783 そしてプログラムを組み込んだ2〜3の部品です 00:12:32.783 --> 00:12:35.184 この部品は小型の制御装置に 00:12:35.184 --> 00:12:37.979 ちょっとした改造を施した物で 世界中に安く出荷されています 00:12:37.979 --> 00:12:40.972 必要な物はこれだけです 00:12:40.972 --> 00:12:43.363 あとは件のよろず修理の技術さえあれば 00:12:43.363 --> 00:12:46.150 このような変身をさせることができます 00:12:46.150 --> 00:12:49.546 さて 私たちは現在フィールド・テストを行っています 00:12:49.546 --> 00:12:52.596 このような装置が実際 彼女たちにとって意味があるかどうか 00:12:52.596 --> 00:12:54.163 確かめるためのテストです NOTE Paragraph 00:12:54.163 --> 00:12:57.707 テストではこの装置を本格的な 00:12:57.707 --> 00:13:01.165 医療機器と比較して その性能に差があるか 00:13:01.165 --> 00:13:03.487 人々の生活に実際に影響を与えられるか 00:13:03.487 --> 00:13:06.095 といったことを調べています しかし更に重要なこととして 00:13:06.095 --> 00:13:07.890 今私たちがやろうとしているのが 00:13:07.890 --> 00:13:10.144 テストの規模の拡大です なぜなら 00:13:10.144 --> 00:13:12.831 フィールドには 25万人ものアシャの人たちが 00:13:12.831 --> 00:13:15.568 医療の歩兵として働いており 00:13:15.568 --> 00:13:19.128 その一部の人たちにでも この装置を届けることができれば 00:13:19.128 --> 00:13:22.086 公共医療に関する事業の あり方を変えることになります 00:13:22.086 --> 00:13:25.097 制度の働きを 00:13:25.097 --> 00:13:29.363 制度設計の段階だけでなく 00:13:29.363 --> 00:13:32.548 草の根で根底から変えることができるのです NOTE Paragraph 00:13:32.548 --> 00:13:35.349 お話はここまでです 規模を拡大できますように 00:13:35.349 --> 00:13:38.507 ありがとうございました (拍手) NOTE Paragraph 00:13:38.507 --> 00:13:47.153 (拍手)