WEBVTT 00:00:00.000 --> 00:00:02.000 "発明"ということで 特別な思い入れのある 00:00:02.000 --> 00:00:05.000 プロジェクトのお話を させて頂きます 00:00:05.000 --> 00:00:08.000 いま手掛けてる中では 最もワクワクするもので 00:00:08.000 --> 00:00:10.000 とてもシンプルな内容ですが 00:00:10.000 --> 00:00:14.000 世界中に計り知れない程の 影響をもたらすかもしれません 00:00:14.000 --> 00:00:18.000 実は地上で最も大きな健康問題 のひとつについての取り組みです 00:00:18.000 --> 00:00:21.000 5歳以下の子供達を 死に至らしめる1番の原因は 00:00:21.000 --> 00:00:26.000 水を媒介とする病気でしょうか? 下痢や栄養失調でしょうか? 00:00:26.000 --> 00:00:32.000 違います! 1番の原因は 室内での調理からでる煙による 00:00:32.000 --> 00:00:37.000 急性呼吸器感染症です みなさん、信じられますか? NOTE Paragraph 00:00:37.000 --> 00:00:40.000 私は相当ショックを受け 愕然としました 00:00:40.000 --> 00:00:43.000 より害の少ない調理用燃料を 作り出せないものでしょうか? 00:00:43.000 --> 00:00:45.000 より安全なストーブを 開発できないでしょうか? 00:00:45.000 --> 00:00:49.000 いったい何が毎年2百万人もの死を 引き起こすのでしょう? 00:00:49.000 --> 00:00:51.000 ビル・ジョイが炭のナノチューブ の不思議について 00:00:51.000 --> 00:00:53.000 お話をされていましたね 00:00:53.000 --> 00:00:55.000 そこで私は炭化した 大きなチューブについて 00:00:55.000 --> 00:00:59.000 つまり 炭の不思議について お話したいと思います 00:01:01.000 --> 00:01:06.000 これはハイチ共和国の田舎の写真 98%の森林が伐採されました 00:01:06.000 --> 00:01:09.000 実はこうした光景は ハイチではよく目にします 00:01:09.000 --> 00:01:12.000 森林伐採は多くの環境問題 を引き起こします 00:01:12.000 --> 00:01:17.000 やがてハイチに住む全ての人々に 悪影響をもたらします 00:01:17.000 --> 00:01:19.000 数年前 何千人もの死者をだした 00:01:19.000 --> 00:01:20.000 深刻な洪水がありました 00:01:20.000 --> 00:01:22.000 土壌を守るための森林が 00:01:22.000 --> 00:01:25.000 丘からなくなったことに起因します 00:01:25.000 --> 00:01:29.000 雨が降ると 雨水が川へ満ち溢れ 洪水を起こすのです NOTE Paragraph 00:01:30.000 --> 00:01:33.000 今日ここまで森林が減って きた原因の1つに 00:01:33.000 --> 00:01:36.000 人が"料理する"ことと関係があります その為に 00:01:36.000 --> 00:01:39.000 人は木を切り 木炭を作ります 00:01:39.000 --> 00:01:42.000 人々が決して環境問題に 無頓着だからではありません 00:01:42.000 --> 00:01:45.000 むしろ 皆とてもよく理解しています ただ他の選択肢がないのが現状です 00:01:45.000 --> 00:01:47.000 ハイチでは化石燃料が 簡単に手に入りませんし 00:01:47.000 --> 00:01:52.000 太陽熱では美味しく調理 することもできません 00:01:52.000 --> 00:01:54.000 だから こうした現状があります 00:01:54.000 --> 00:01:58.000 ハイチではこのような家族に 出会うことは珍しくありません 00:01:58.000 --> 00:02:01.000 彼らは木を追い求めて森へ向かい 木を切り倒し 木炭を作るのです 00:02:02.000 --> 00:02:05.000 言うまでもなく 調理用の 代替燃料を探すため 00:02:05.000 --> 00:02:09.000 多くの努力がなされています NOTE Paragraph 00:02:09.000 --> 00:02:12.000 4年ほど前 ある学生チームを 引き連れて ハイチへ向かい 00:02:12.000 --> 00:02:15.000 平和部隊のボランティア と共に活動しました 00:02:15.000 --> 00:02:17.000 その中に こんなボランティアがいました 00:02:17.000 --> 00:02:20.000 これは彼がいた村で 彼が作った装置です 00:02:20.000 --> 00:02:22.000 仕組みは 古紙を圧縮し 00:02:22.000 --> 00:02:26.000 燃料として使用できる 塊を作ることですが 00:02:26.000 --> 00:02:28.000 困ったことに この装置は とても動作が遅かったのです 00:02:28.000 --> 00:02:31.000 そこでエンジニアの生徒達が 00:02:31.000 --> 00:02:34.000 単純な改良に取りかかりました 00:02:34.000 --> 00:02:37.000 すると実に3倍の速さになったのです 00:02:37.000 --> 00:02:39.000 生徒達がとても喜んだことは 容易に想像できるでしょう 00:02:39.000 --> 00:02:43.000 生徒達はその燃料を実験用に MITに持ち帰りました 00:02:43.000 --> 00:02:48.000 実験室で明らかになったことは この塊は燃えませんでした 00:02:48.000 --> 00:02:51.000 生徒達は少しショックを受けました 00:02:52.000 --> 00:02:56.000 実際 その塊をよく見てみると ここに見えると思いますが 00:02:56.000 --> 00:02:58.000 ”アメリカ平和部隊”と書いてあるでしょ 00:02:58.000 --> 00:03:02.000 実は この村には 古紙は存在しませんでした 00:03:02.000 --> 00:03:06.000 このボランティアが村へ持ち帰った アメリカ政府の書類(古紙)の 00:03:06.000 --> 00:03:08.000 稀にみる"再利用"の良い事例ですが (笑い) 00:03:08.000 --> 00:03:10.000 なにせこのアメリカ政府の書類は 村から800キロも離れていました 00:03:10.000 --> 00:03:14.000 従って なにか別の良い方法で 00:03:14.000 --> 00:03:16.000 料理用の代替燃料を作り出す 必要性を感じました NOTE Paragraph 00:03:16.000 --> 00:03:19.000 私たちが実現したかった事は 00:03:19.000 --> 00:03:22.000 その地域で簡単に手に入る原料を 使った燃料の生成です 00:03:22.000 --> 00:03:26.000 ハイチでも よくみかける 小規模の砂糖精製工場です 00:03:26.000 --> 00:03:27.000 サトウキビから 00:03:27.000 --> 00:03:31.000 ジュースを搾り取ったあとのカスは “バガス”と呼ばれてます 00:03:31.000 --> 00:03:34.000 バガスは 他の何の役にも立ちません 栄養素も残っていませんので 00:03:34.000 --> 00:03:36.000 家畜に与えることもできません 00:03:36.000 --> 00:03:40.000 砂糖精製工場の横に 焼却時まで ただただ山積みになっています 00:03:40.000 --> 00:03:43.000 私たちがやりたかった事は 00:03:43.000 --> 00:03:46.000 この資源ゴミを活かす方法をみつけ 00:03:46.000 --> 00:03:49.000 木炭のように人々が 簡単に調理できる燃料に 00:03:49.000 --> 00:03:51.000 まるで木炭のように 生まれ変えることでした 00:03:51.000 --> 00:03:56.000 そこで数年 研究に没頭しました NOTE Paragraph 00:03:56.000 --> 00:04:00.000 まずサトウキビの搾りカスを集め 00:04:00.000 --> 00:04:03.000 55ガロンのドラム缶で作った シンプルな窯を使いました 00:04:03.000 --> 00:04:07.000 しばらくして 窯に火を入れ 00:04:07.000 --> 00:04:10.000 窯の中に酸素が 入らないよう密閉します 00:04:10.000 --> 00:04:14.000 すると炭化された物質ができます 00:04:14.000 --> 00:04:16.000 しかし このままのでは 燃料として使えません 00:04:16.000 --> 00:04:20.000 粒子が細かく一瞬で燃え尽きるので 調理には向いていませんでした 00:04:20.000 --> 00:04:24.000 さらに実用化する為の研究を続け 00:04:24.000 --> 00:04:27.000 好都合なことに学生達の中に ひとりガーナ出身者がおり 00:04:27.000 --> 00:04:32.000 “ココンテ”と呼ばれる 彼の母親が 昔つくった料理を覚えていました 00:04:32.000 --> 00:04:35.000 とても粘り気のあるお粥のようで キャッサバイモの根が原料でした 00:04:35.000 --> 00:04:37.000 私達はキャッサバイモの調査をかけ 00:04:37.000 --> 00:04:41.000 "マニオック"という別名でハイチでも栽培 されていることを突き止めました 00:04:41.000 --> 00:04:43.000 実際 キャッサバイモは 世界中どこでも栽培されてました 00:04:43.000 --> 00:04:47.000 ユッカ、タピオカ、マニオック、 キャッサバイモ すべて同じものです 00:04:47.000 --> 00:04:49.000 とてもでんぷん質な根菜です 00:04:49.000 --> 00:04:52.000 それを使えば とても濃く 粘り気のあるお粥を作れますし 00:04:52.000 --> 00:04:56.000 このお粥を使えば 炭化したサトウキビの カスをしっかり接着することもできます 00:04:56.000 --> 00:04:59.000 それがまさしく私たちの"発明"です そして直ぐにハイチへ飛び発ちました 00:04:59.000 --> 00:05:02.000 彼らが“エコール デ シェーボン” 00:05:02.000 --> 00:05:04.000 つまり 炭の学校の初めての卒業生 そして ー 00:05:04.000 --> 00:05:06.000 (笑い) 00:05:06.000 --> 00:05:11.000 ー そうです 私は MIT だけでなく 実は CIT でも教鞭を執っています 00:05:11.000 --> 00:05:15.000 そして これが私たちが作ったものです NOTE Paragraph 00:05:15.000 --> 00:05:20.000 それでは 皆様を異なる大陸へ! ここはインドです 00:05:20.000 --> 00:05:25.000 これはインドで一般的に使われてる 調理用燃料 牛の糞です 00:05:25.000 --> 00:05:29.000 ハイチ以上に 本当に けむたい煙をだすんです 00:05:29.000 --> 00:05:32.000 牛の糞やバイオマスを燃料 として調理をすることで 00:05:32.000 --> 00:05:36.000 深刻な健康被害がでることに ご理解いただけると思います 00:05:36.000 --> 00:05:39.000 特に 子供や女性が 影響を受けやすいです 00:05:39.000 --> 00:05:41.000 なぜなら彼らこそ調理の 火の側にいるからです 00:05:41.000 --> 00:05:44.000 私たちはインドでこの炭を作る 00:05:44.000 --> 00:05:46.000 技術を紹介できるか 確かめたかったんです 00:05:46.000 --> 00:05:49.000 ところがインドにはサトウキビも 00:05:49.000 --> 00:05:52.000 キャッサバイモもありませんでした しかし私たちも諦めませんでした NOTE Paragraph 00:05:52.000 --> 00:05:56.000 すぐさまその地域で手に入る生物資源 (バイオマス)について調査しました 00:05:56.000 --> 00:05:59.000 インドには麦わらもありましたし 稲わらもみつかりました 00:05:59.000 --> 00:06:01.000 "つなぎ"として利用したものは 00:06:01.000 --> 00:06:03.000 少量の牛の糞でした 00:06:03.000 --> 00:06:06.000 もともと牛の糞自体 インドでは燃料代わりでしたね 00:06:06.000 --> 00:06:10.000 様々な比較テストを行い 00:06:10.000 --> 00:06:13.000 炭の塊ができました これは牛の糞です 00:06:13.000 --> 00:06:16.000 こちらの方がとても調理用燃料として きれいなことがお分かり頂けるでしょう 00:06:16.000 --> 00:06:19.000 実際 お湯を沸かすのも早いんですよ 00:06:19.000 --> 00:06:21.000 ここまでは目論み通りでしたが 00:06:21.000 --> 00:06:23.000 あとから判明したことで 00:06:23.000 --> 00:06:26.000 木炭との比較テストを行うと 00:06:26.000 --> 00:06:29.000 燃焼時間が短いことが分かりました そして塊は少し脆く 調理中にも 00:06:29.000 --> 00:06:32.000 燃焼力が徐々に弱まること も分かりました 00:06:32.000 --> 00:06:36.000 私達はハイチで作った 木炭にも負けない 00:06:36.000 --> 00:06:40.000 より競争力のある丈夫な燃料を 作る方法をみつけたかった NOTE Paragraph 00:06:40.000 --> 00:06:44.000 早速 MIT に戻りインストロン 実験機を使って 00:06:44.000 --> 00:06:47.000 より良いパフォーマンスを出せる 燃料の塊を作るための 00:06:47.000 --> 00:06:49.000 最適な圧縮率を 00:06:49.000 --> 00:06:52.000 丹念に調べ上げました 00:06:52.000 --> 00:06:56.000 実験室では生徒が検証しつつ それと平行作業で 00:06:56.000 --> 00:07:02.000 ハイチでは地域パートナーが プロセス改善に努め 00:07:02.000 --> 00:07:08.000 インドでも横展開 できるようにしました 00:07:08.000 --> 00:07:10.000 その後 00:07:10.000 --> 00:07:15.000 燃料をつくるための安価な プレス機を開発しました 00:07:15.000 --> 00:07:22.000 完成した燃料は以前より長く燃え 木炭に比べ さらに衛生的でした NOTE Paragraph 00:07:22.000 --> 00:07:26.000 ついにハイチの市場で 売買できる燃料よりも 00:07:26.000 --> 00:07:29.000 高性能燃料を作り上げる ことに成功しました 00:07:29.000 --> 00:07:32.000 実に素晴らしい成果でしょう? 00:07:33.000 --> 00:07:39.000 残念ながら ハイチだけでも毎年3000万 もの木々が自然破壊されています 00:07:39.000 --> 00:07:41.000 もし このプロジェクトが実施されれば 00:07:41.000 --> 00:07:43.000 木々の大部分を救える可能性があります 00:07:43.000 --> 00:07:49.000 さらに燃料から得られる収益は 2億6千万ドルにものぼります 00:07:49.000 --> 00:07:52.000 ハイチにとっては大きな額です ー 00:07:52.000 --> 00:07:54.000 人口わずか8百万人 00:07:54.000 --> 00:07:58.000 平均収入400ドル以下の国にとっては 00:07:58.000 --> 00:08:03.000 ハイチにつぎ インドでも炭燃料 プロジェクトを推進できました NOTE Paragraph 00:08:03.000 --> 00:08:05.000 興味深いことに 00:08:05.000 --> 00:08:10.000 カリフォルニア大学バークリー校に リスク分析が専門の友人がいまして 00:08:10.000 --> 00:08:13.000 彼は 木そのものと 炭を燃やすことの 00:08:13.000 --> 00:08:15.000 健康被害を研究調査しました 00:08:15.000 --> 00:08:17.000 彼の分析結果によれば 00:08:17.000 --> 00:08:21.000 世界中の調理燃料を木から炭に 変えることで100万人もの死を 00:08:21.000 --> 00:08:23.000 防げることを発見しました 実に素晴らし発見ですね! 00:08:23.000 --> 00:08:26.000 今までは木を切り倒すしか 方法はありませんでした 00:08:26.000 --> 00:08:28.000 しかし今の我々なら 00:08:28.000 --> 00:08:32.000 農業廃材を用い 調理用燃料を 作る手段があります NOTE Paragraph 00:08:32.000 --> 00:08:34.000 とてもワクワクすることに 00:08:34.000 --> 00:08:37.000 先月ガーナへ旅行した時 のエピソードなんですが 00:08:37.000 --> 00:08:40.000 とても凄いことなんですよ! 00:08:40.000 --> 00:08:43.000 炭燃料プロジェクトよりもっと 原始的な技術で実現してました 00:08:43.000 --> 00:08:46.000 想像できますか? それがこれです 00:08:46.000 --> 00:08:51.000 いったい何でしょうか? トウモロコシの穂軸を炭化したものです 00:08:51.000 --> 00:08:54.000 さらに素晴らしいことに 塊にしなくても扱える手軽さ ー 00:08:54.000 --> 00:08:58.000 原材料のままの形なんです これは私のノートパソコンですが 00:08:58.000 --> 00:09:01.000 ニックのようにサンプル を持って参りました NOTE Paragraph 00:09:01.000 --> 00:09:04.000 (笑い) NOTE Paragraph 00:09:04.000 --> 00:09:06.000 会場の皆さんで回して見てください 00:09:07.000 --> 00:09:12.000 機能的で 実地テスト済み いつでも出荷できます 00:09:15.000 --> 00:09:20.000 この技術の素晴らしいところは 00:09:20.000 --> 00:09:24.000 簡単に技術移転できる点です 00:09:24.000 --> 00:09:26.000 サトウキビの炭化物の場合 00:09:26.000 --> 00:09:29.000 燃料を塊にする為の 技術者育成が必須ですし 00:09:29.000 --> 00:09:31.000 接着剤を作るのに多くの 手間を必要としますが 00:09:31.000 --> 00:09:33.000 これは始めから塊なんです 00:09:33.000 --> 00:09:36.000 だから 今 私の人生の中で一番 エキサイティングなことなんです 00:09:36.000 --> 00:09:39.000 私の人生で"一番"というと少し 寂しいコメントに聞こえますが NOTE Paragraph 00:09:39.000 --> 00:09:41.000 (笑い) NOTE Paragraph 00:09:41.000 --> 00:09:44.000 でも 一度 手に取ってみると 最前列の皆さんのように 00:09:44.000 --> 00:09:46.000 そうです すごいですよね とにかく ー 00:09:46.000 --> 00:09:48.000 (笑い) 00:09:48.000 --> 00:09:52.000 ー これはロバート・ライトが言ってた 00:09:52.000 --> 00:09:57.000 ゼロサムゲームではない 完璧な例だと思います 00:09:57.000 --> 00:10:00.000 健康面での利益に加え 00:10:00.000 --> 00:10:02.000 環境面の利益もあります 00:10:02.000 --> 00:10:05.000 さらにとても信じ難い事に 00:10:05.000 --> 00:10:08.000 経済的な利益まであるのです 00:10:08.000 --> 00:10:12.000 我々は廃材から調理用燃料を作れます 00:10:12.000 --> 00:10:14.000 そして収入を得ることができます 00:10:14.000 --> 00:10:17.000 今まで炭に使っていたはずの お金を貯金に回すことができ 00:10:17.000 --> 00:10:19.000 余分にできた炭は 市場を通じて 00:10:19.000 --> 00:10:21.000 炭を作れない人たちに 商売ができます 00:10:21.000 --> 00:10:23.000 健康と経済 そして 環境と経済において 00:10:23.000 --> 00:10:27.000 トレードオフのない関係 はとても稀です 00:10:27.000 --> 00:10:30.000 従って このプロジェクトは とてもワクワクするだけでなく 00:10:30.000 --> 00:10:36.000 このプロジェクトを通して どこまで 発展できるかがとても楽しみなのです NOTE Paragraph 00:10:37.000 --> 00:10:41.000 さて これから作り上げようとする 未来像を思い描くとき 00:10:41.000 --> 00:10:44.000 必要なことは 00:10:44.000 --> 00:10:48.000 今の私達の置かれている状況を十分に 認識することから始まります 00:10:48.000 --> 00:10:52.000 ただ"我々"が今置かれている状況 という意味ではなく 00:10:52.000 --> 00:10:56.000 世界のどこかで 女性が家族を養う為 穀物を製粉するのに 00:10:56.000 --> 00:10:59.000 毎日2-3時間を使う状況がある ということを認識すること 00:10:59.000 --> 00:11:02.000 世界のどこかでは 先進的な建築材というのは 00:11:02.000 --> 00:11:05.000 手作りセメントでできた天井用タイル を意味することを認識すること 00:11:05.000 --> 00:11:08.000 そして世界のどこかでは 毎日10時間労働をしても 00:11:08.000 --> 00:11:11.000 たった月60ドルしか稼げない 現実があることを認識することです 00:11:12.000 --> 00:11:20.000 つまり 水を汲むのに女性や子供が 年間400億時間使っている現実があります 00:11:20.000 --> 00:11:24.000 言い換えると カリフォルニア州 に住むすべての就労者が 00:11:24.000 --> 00:11:28.000 一年間水汲みしかしないのに 等しい時間です NOTE Paragraph 00:11:28.000 --> 00:11:33.000 もし この会場がインドだとしたら 00:11:33.000 --> 00:11:36.000 3人しか車を持てない状況であり 00:11:36.000 --> 00:11:37.000 この会場がアフガニスタンだとしたら 00:11:37.000 --> 00:11:41.000 一人しかインターネットの使い方 を知らない世界であり 00:11:41.000 --> 00:11:46.000 この会場がザンビアだとすれば 300人が農家で 00:11:46.000 --> 00:11:49.000 100人がエイズ感染者です 00:11:49.000 --> 00:11:53.000 そしてこの会場の半分以上の方が 1日1ドル以下で生活しています 00:11:53.000 --> 00:11:58.000 こうした本質的な問題こそ "解決策"が必要なんです 00:11:58.000 --> 00:12:03.000 こうした問題に気づき 目を向けられるよう エンジニアや 00:12:03.000 --> 00:12:07.000 デザイナー ビジネスマン 起業家達 を教育する必要があります 00:12:07.000 --> 00:12:10.000 まさに私たちが見つけなければ いけない解決策です NOTE Paragraph 00:12:10.000 --> 00:12:15.000 個人的に 特筆すべき分野と して考えているのは 00:12:15.000 --> 00:12:21.000 ひとつがマイクロファイナンスと 小規模事業の促進のための技術革新 00:12:21.000 --> 00:12:25.000 そうすることで貧困層の人々が 今ある困難な状況から 00:12:25.000 --> 00:12:27.000 抜け出すことができる筈ですが 現実はできていません 00:12:27.000 --> 00:12:31.000 彼らはこれまで通りの伝統的な籠編みや 養鶏などに従事したままです 00:12:31.000 --> 00:12:34.000 しかし今や小規模で始められる 00:12:34.000 --> 00:12:36.000 新しい技術と商品があります NOTE Paragraph 00:12:36.000 --> 00:12:41.000 私達の次の目標は 貧しい農家のために農作物に 00:12:41.000 --> 00:12:44.000 付加価値をつける技術を 作り出すことです 00:12:44.000 --> 00:12:47.000 我々自身 基本に立ち返り 戦略の見直しをすべきです 00:12:47.000 --> 00:12:51.000 農家に高等教育を与えることで 00:12:51.000 --> 00:12:53.000 農家以外の職業に就いてもらう ことを目指すのではなく 00:12:53.000 --> 00:12:56.000 貧しいままの農家にならないように 武装すべきです 00:12:56.000 --> 00:12:59.000 これを効率的に展開できる方法 を編み出すべきです 00:12:59.000 --> 00:13:02.000 こうした貧しい地域で暮らす人々に対し 00:13:02.000 --> 00:13:05.000 適切な資源と道具を提供し 彼ら自身のチカラで 00:13:05.000 --> 00:13:08.000 問題解決しなければなりません それが最良の解決策なのです 00:13:08.000 --> 00:13:10.000 私達が外部から支援することで 彼らの問題解決をしてはなりません 00:13:10.000 --> 00:13:15.000 このような未来像をつくるべく いま共に動かなければいけません 00:13:15.000 --> 00:13:17.000 ご清聴 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:13:17.000 --> 00:13:26.000 (拍手) NOTE Paragraph 00:13:26.000 --> 00:13:29.000 クリス・アンダーソン:えーと他に、他に誰か質問がある方がいないか確認する間に、 00:13:29.000 --> 00:13:32.000 従事された他のプロジェクトに関してもお話を伺えますか? NOTE Paragraph 00:13:32.000 --> 00:13:34.000 エイミー・スミス:他のプロジェクトといえば、 00:13:34.000 --> 00:13:37.000 低コストでの水質検査の調査方法の開発です。 00:13:37.000 --> 00:13:40.000 そうすることで、ある社会の人々が自分自身でシステムを管理できるようになり、 00:13:40.000 --> 00:13:43.000 いつそれらが起動しているかやどのように処理されるかも知ることができます。 00:13:43.000 --> 00:13:45.000 私たちは低コストでの水質管理システムも調査しています。 00:13:45.000 --> 00:13:49.000 1つの本当に注目すべき点は太陽による水の殺菌です。 00:13:49.000 --> 00:13:52.000 そしてその殺菌力の改善です。 NOTE Paragraph 00:13:52.000 --> 00:13:56.000 CA:規模を拡大するうえでの問題点はありますか? 00:13:56.000 --> 00:13:59.000 企業家や投資家を見つける必要がありますか? 00:13:59.000 --> 00:14:04.000 また規模を拡大する上で何が必要でしょうか? NOTE Paragraph 00:14:04.000 --> 00:14:07.000 AS:そうですね、多くの人がプロジェクトの前進に力を注いでいます。 00:14:07.000 --> 00:14:10.000 規模の拡大は困難なものです。 00:14:10.000 --> 00:14:12.000 求めている人々は収入もなく分断化された人々です。 00:14:12.000 --> 00:14:16.000 ですので物事を進めるためにアメリカ方式では 00:14:16.000 --> 00:14:18.000 通じません。 00:14:18.000 --> 00:14:21.000 またスタッフがとてもすくないんです。実は私だけなんです。 NOTE Paragraph 00:14:21.000 --> 00:14:22.000 (笑い) NOTE Paragraph 00:14:22.000 --> 00:14:25.000 ですので、私ができることとして、学生への働きかけをおこなっています。 00:14:25.000 --> 00:14:27.000 年間30人もの学生が現地へ行き、 00:14:27.000 --> 00:14:29.000 実行し前へ進もうとしています。 00:14:29.000 --> 00:14:33.000 長期的な面でも行動をしております。 00:14:33.000 --> 00:14:37.000 2,3年で解決するとはおもっていません。 00:14:37.000 --> 00:14:39.000 5年先、10年先をみていなければなりません。 00:14:39.000 --> 00:14:43.000 このようなビジョンがあれば、前へ進んでいけると考えております。