1 00:00:00,000 --> 00:00:02,000 "発明"ということで 特別な思い入れのある 2 00:00:02,000 --> 00:00:05,000 プロジェクトのお話を させて頂きます 3 00:00:05,000 --> 00:00:08,000 いま手掛けてる中では 最もワクワクするもので 4 00:00:08,000 --> 00:00:10,000 とてもシンプルな内容ですが 5 00:00:10,000 --> 00:00:14,000 世界中に計り知れない程の 影響をもたらすかもしれません 6 00:00:14,000 --> 00:00:18,000 実は地上で最も大きな健康問題 のひとつについての取り組みです 7 00:00:18,000 --> 00:00:21,000 5歳以下の子供達を 死に至らしめる1番の原因は 8 00:00:21,000 --> 00:00:26,000 水を媒介とする病気でしょうか? 下痢や栄養失調でしょうか? 9 00:00:26,000 --> 00:00:32,000 違います! 1番の原因は 室内での調理からでる煙による 10 00:00:32,000 --> 00:00:37,000 急性呼吸器感染症です みなさん、信じられますか? 11 00:00:37,000 --> 00:00:40,000 私は相当ショックを受け 愕然としました 12 00:00:40,000 --> 00:00:43,000 より害の少ない調理用燃料を 作り出せないものでしょうか? 13 00:00:43,000 --> 00:00:45,000 より安全なストーブを 開発できないでしょうか? 14 00:00:45,000 --> 00:00:49,000 いったい何が毎年2百万人もの死を 引き起こすのでしょう? 15 00:00:49,000 --> 00:00:51,000 ビル・ジョイが炭のナノチューブ の不思議について 16 00:00:51,000 --> 00:00:53,000 お話をされていましたね 17 00:00:53,000 --> 00:00:55,000 そこで私は炭化した 大きなチューブについて 18 00:00:55,000 --> 00:00:59,000 つまり 炭の不思議について お話したいと思います 19 00:01:01,000 --> 00:01:06,000 これはハイチ共和国の田舎の写真 98%の森林が伐採されました 20 00:01:06,000 --> 00:01:09,000 実はこうした光景は ハイチではよく目にします 21 00:01:09,000 --> 00:01:12,000 森林伐採は多くの環境問題 を引き起こします 22 00:01:12,000 --> 00:01:17,000 やがてハイチに住む全ての人々に 悪影響をもたらします 23 00:01:17,000 --> 00:01:19,000 数年前 何千人もの死者をだした 24 00:01:19,000 --> 00:01:20,000 深刻な洪水がありました 25 00:01:20,000 --> 00:01:22,000 土壌を守るための森林が 26 00:01:22,000 --> 00:01:25,000 丘からなくなったことに起因します 27 00:01:25,000 --> 00:01:29,000 雨が降ると 雨水が川へ満ち溢れ 洪水を起こすのです 28 00:01:30,000 --> 00:01:33,000 今日ここまで森林が減って きた原因の1つに 29 00:01:33,000 --> 00:01:36,000 人が"料理する"ことと関係があります その為に 30 00:01:36,000 --> 00:01:39,000 人は木を切り 木炭を作ります 31 00:01:39,000 --> 00:01:42,000 人々が決して環境問題に 無頓着だからではありません 32 00:01:42,000 --> 00:01:45,000 むしろ 皆とてもよく理解しています ただ他の選択肢がないのが現状です 33 00:01:45,000 --> 00:01:47,000 ハイチでは化石燃料が 簡単に手に入りませんし 34 00:01:47,000 --> 00:01:52,000 太陽熱では美味しく調理 することもできません 35 00:01:52,000 --> 00:01:54,000 だから こうした現状があります 36 00:01:54,000 --> 00:01:58,000 ハイチではこのような家族に 出会うことは珍しくありません 37 00:01:58,000 --> 00:02:01,000 彼らは木を追い求めて森へ向かい 木を切り倒し 木炭を作るのです 38 00:02:02,000 --> 00:02:05,000 言うまでもなく 調理用の 代替燃料を探すため 39 00:02:05,000 --> 00:02:09,000 多くの努力がなされています 40 00:02:09,000 --> 00:02:12,000 4年ほど前 ある学生チームを 引き連れて ハイチへ向かい 41 00:02:12,000 --> 00:02:15,000 平和部隊のボランティア と共に活動しました 42 00:02:15,000 --> 00:02:17,000 その中に こんなボランティアがいました 43 00:02:17,000 --> 00:02:20,000 これは彼がいた村で 彼が作った装置です 44 00:02:20,000 --> 00:02:22,000 仕組みは 古紙を圧縮し 45 00:02:22,000 --> 00:02:26,000 燃料として使用できる 塊を作ることですが 46 00:02:26,000 --> 00:02:28,000 困ったことに この装置は とても動作が遅かったのです 47 00:02:28,000 --> 00:02:31,000 そこでエンジニアの生徒達が 48 00:02:31,000 --> 00:02:34,000 単純な改良に取りかかりました 49 00:02:34,000 --> 00:02:37,000 すると実に3倍の速さになったのです 50 00:02:37,000 --> 00:02:39,000 生徒達がとても喜んだことは 容易に想像できるでしょう 51 00:02:39,000 --> 00:02:43,000 生徒達はその燃料を実験用に MITに持ち帰りました 52 00:02:43,000 --> 00:02:48,000 実験室で明らかになったことは この塊は燃えませんでした 53 00:02:48,000 --> 00:02:51,000 生徒達は少しショックを受けました 54 00:02:52,000 --> 00:02:56,000 実際 その塊をよく見てみると ここに見えると思いますが 55 00:02:56,000 --> 00:02:58,000 ”アメリカ平和部隊”と書いてあるでしょ 56 00:02:58,000 --> 00:03:02,000 実は この村には 古紙は存在しませんでした 57 00:03:02,000 --> 00:03:06,000 このボランティアが村へ持ち帰った アメリカ政府の書類(古紙)の 58 00:03:06,000 --> 00:03:08,000 稀にみる"再利用"の良い事例ですが (笑い) 59 00:03:08,000 --> 00:03:10,000 なにせこのアメリカ政府の書類は 村から800キロも離れていました 60 00:03:10,000 --> 00:03:14,000 従って なにか別の良い方法で 61 00:03:14,000 --> 00:03:16,000 料理用の代替燃料を作り出す 必要性を感じました 62 00:03:16,000 --> 00:03:19,000 私たちが実現したかった事は 63 00:03:19,000 --> 00:03:22,000 その地域で簡単に手に入る原料を 使った燃料の生成です 64 00:03:22,000 --> 00:03:26,000 ハイチでも よくみかける 小規模の砂糖精製工場です 65 00:03:26,000 --> 00:03:27,000 サトウキビから 66 00:03:27,000 --> 00:03:31,000 ジュースを搾り取ったあとのカスは “バガス”と呼ばれてます 67 00:03:31,000 --> 00:03:34,000 バガスは 他の何の役にも立ちません 栄養素も残っていませんので 68 00:03:34,000 --> 00:03:36,000 家畜に与えることもできません 69 00:03:36,000 --> 00:03:40,000 砂糖精製工場の横に 焼却時まで ただただ山積みになっています 70 00:03:40,000 --> 00:03:43,000 私たちがやりたかった事は 71 00:03:43,000 --> 00:03:46,000 この資源ゴミを活かす方法をみつけ 72 00:03:46,000 --> 00:03:49,000 木炭のように人々が 簡単に調理できる燃料に 73 00:03:49,000 --> 00:03:51,000 まるで木炭のように 生まれ変えることでした 74 00:03:51,000 --> 00:03:56,000 そこで数年 研究に没頭しました 75 00:03:56,000 --> 00:04:00,000 まずサトウキビの搾りカスを集め 76 00:04:00,000 --> 00:04:03,000 55ガロンのドラム缶で作った シンプルな窯を使いました 77 00:04:03,000 --> 00:04:07,000 しばらくして 窯に火を入れ 78 00:04:07,000 --> 00:04:10,000 窯の中に酸素が 入らないよう密閉します 79 00:04:10,000 --> 00:04:14,000 すると炭化された物質ができます 80 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 しかし このままのでは 燃料として使えません 81 00:04:16,000 --> 00:04:20,000 粒子が細かく一瞬で燃え尽きるので 調理には向いていませんでした 82 00:04:20,000 --> 00:04:24,000 さらに実用化する為の研究を続け 83 00:04:24,000 --> 00:04:27,000 好都合なことに学生達の中に ひとりガーナ出身者がおり 84 00:04:27,000 --> 00:04:32,000 “ココンテ”と呼ばれる 彼の母親が 昔つくった料理を覚えていました 85 00:04:32,000 --> 00:04:35,000 とても粘り気のあるお粥のようで キャッサバイモの根が原料でした 86 00:04:35,000 --> 00:04:37,000 私達はキャッサバイモの調査をかけ 87 00:04:37,000 --> 00:04:41,000 "マニオック"という別名でハイチでも栽培 されていることを突き止めました 88 00:04:41,000 --> 00:04:43,000 実際 キャッサバイモは 世界中どこでも栽培されてました 89 00:04:43,000 --> 00:04:47,000 ユッカ、タピオカ、マニオック、 キャッサバイモ すべて同じものです 90 00:04:47,000 --> 00:04:49,000 とてもでんぷん質な根菜です 91 00:04:49,000 --> 00:04:52,000 それを使えば とても濃く 粘り気のあるお粥を作れますし 92 00:04:52,000 --> 00:04:56,000 このお粥を使えば 炭化したサトウキビの カスをしっかり接着することもできます 93 00:04:56,000 --> 00:04:59,000 それがまさしく私たちの"発明"です そして直ぐにハイチへ飛び発ちました 94 00:04:59,000 --> 00:05:02,000 彼らが“エコール デ シェーボン” 95 00:05:02,000 --> 00:05:04,000 つまり 炭の学校の初めての卒業生 そして ー 96 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 (笑い) 97 00:05:06,000 --> 00:05:11,000 ー そうです 私は MIT だけでなく 実は CIT でも教鞭を執っています 98 00:05:11,000 --> 00:05:15,000 そして これが私たちが作ったものです 99 00:05:15,000 --> 00:05:20,000 それでは 皆様を異なる大陸へ! ここはインドです 100 00:05:20,000 --> 00:05:25,000 これはインドで一般的に使われてる 調理用燃料 牛の糞です 101 00:05:25,000 --> 00:05:29,000 ハイチ以上に 本当に けむたい煙をだすんです 102 00:05:29,000 --> 00:05:32,000 牛の糞やバイオマスを燃料 として調理をすることで 103 00:05:32,000 --> 00:05:36,000 深刻な健康被害がでることに ご理解いただけると思います 104 00:05:36,000 --> 00:05:39,000 特に 子供や女性が 影響を受けやすいです 105 00:05:39,000 --> 00:05:41,000 なぜなら彼らこそ調理の 火の側にいるからです 106 00:05:41,000 --> 00:05:44,000 私たちはインドでこの炭を作る 107 00:05:44,000 --> 00:05:46,000 技術を紹介できるか 確かめたかったんです 108 00:05:46,000 --> 00:05:49,000 ところがインドにはサトウキビも 109 00:05:49,000 --> 00:05:52,000 キャッサバイモもありませんでした しかし私たちも諦めませんでした 110 00:05:52,000 --> 00:05:56,000 すぐさまその地域で手に入る生物資源 (バイオマス)について調査しました 111 00:05:56,000 --> 00:05:59,000 インドには麦わらもありましたし 稲わらもみつかりました 112 00:05:59,000 --> 00:06:01,000 "つなぎ"として利用したものは 113 00:06:01,000 --> 00:06:03,000 少量の牛の糞でした 114 00:06:03,000 --> 00:06:06,000 もともと牛の糞自体 インドでは燃料代わりでしたね 115 00:06:06,000 --> 00:06:10,000 様々な比較テストを行い 116 00:06:10,000 --> 00:06:13,000 炭の塊ができました これは牛の糞です 117 00:06:13,000 --> 00:06:16,000 こちらの方がとても調理用燃料として きれいなことがお分かり頂けるでしょう 118 00:06:16,000 --> 00:06:19,000 実際 お湯を沸かすのも早いんですよ 119 00:06:19,000 --> 00:06:21,000 ここまでは目論み通りでしたが 120 00:06:21,000 --> 00:06:23,000 あとから判明したことで 121 00:06:23,000 --> 00:06:26,000 木炭との比較テストを行うと 122 00:06:26,000 --> 00:06:29,000 燃焼時間が短いことが分かりました そして塊は少し脆く 調理中にも 123 00:06:29,000 --> 00:06:32,000 燃焼力が徐々に弱まること も分かりました 124 00:06:32,000 --> 00:06:36,000 私達はハイチで作った 木炭にも負けない 125 00:06:36,000 --> 00:06:40,000 より競争力のある丈夫な燃料を 作る方法をみつけたかった 126 00:06:40,000 --> 00:06:44,000 早速 MIT に戻りインストロン 実験機を使って 127 00:06:44,000 --> 00:06:47,000 より良いパフォーマンスを出せる 燃料の塊を作るための 128 00:06:47,000 --> 00:06:49,000 最適な圧縮率を 129 00:06:49,000 --> 00:06:52,000 丹念に調べ上げました 130 00:06:52,000 --> 00:06:56,000 実験室では生徒が検証しつつ それと平行作業で 131 00:06:56,000 --> 00:07:02,000 ハイチでは地域パートナーが プロセス改善に努め 132 00:07:02,000 --> 00:07:08,000 インドでも横展開 できるようにしました 133 00:07:08,000 --> 00:07:10,000 その後 134 00:07:10,000 --> 00:07:15,000 燃料をつくるための安価な プレス機を開発しました 135 00:07:15,000 --> 00:07:22,000 完成した燃料は以前より長く燃え 木炭に比べ さらに衛生的でした 136 00:07:22,000 --> 00:07:26,000 ついにハイチの市場で 売買できる燃料よりも 137 00:07:26,000 --> 00:07:29,000 高性能燃料を作り上げる ことに成功しました 138 00:07:29,000 --> 00:07:32,000 実に素晴らしい成果でしょう? 139 00:07:33,000 --> 00:07:39,000 残念ながら ハイチだけでも毎年3000万 もの木々が自然破壊されています 140 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 もし このプロジェクトが実施されれば 141 00:07:41,000 --> 00:07:43,000 木々の大部分を救える可能性があります 142 00:07:43,000 --> 00:07:49,000 さらに燃料から得られる収益は 2億6千万ドルにものぼります 143 00:07:49,000 --> 00:07:52,000 ハイチにとっては大きな額です ー 144 00:07:52,000 --> 00:07:54,000 人口わずか8百万人 145 00:07:54,000 --> 00:07:58,000 平均収入400ドル以下の国にとっては 146 00:07:58,000 --> 00:08:03,000 ハイチにつぎ インドでも炭燃料 プロジェクトを推進できました 147 00:08:03,000 --> 00:08:05,000 興味深いことに 148 00:08:05,000 --> 00:08:10,000 カリフォルニア大学バークリー校に リスク分析が専門の友人がいまして 149 00:08:10,000 --> 00:08:13,000 彼は 木そのものと 炭を燃やすことの 150 00:08:13,000 --> 00:08:15,000 健康被害を研究調査しました 151 00:08:15,000 --> 00:08:17,000 彼の分析結果によれば 152 00:08:17,000 --> 00:08:21,000 世界中の調理燃料を木から炭に 変えることで100万人もの死を 153 00:08:21,000 --> 00:08:23,000 防げることを発見しました 実に素晴らし発見ですね! 154 00:08:23,000 --> 00:08:26,000 今までは木を切り倒すしか 方法はありませんでした 155 00:08:26,000 --> 00:08:28,000 しかし今の我々なら 156 00:08:28,000 --> 00:08:32,000 農業廃材を用い 調理用燃料を 作る手段があります 157 00:08:32,000 --> 00:08:34,000 とてもワクワクすることに 158 00:08:34,000 --> 00:08:37,000 先月ガーナへ旅行した時 のエピソードなんですが 159 00:08:37,000 --> 00:08:40,000 とても凄いことなんですよ! 160 00:08:40,000 --> 00:08:43,000 炭燃料プロジェクトよりもっと 原始的な技術で実現してました 161 00:08:43,000 --> 00:08:46,000 想像できますか? それがこれです 162 00:08:46,000 --> 00:08:51,000 いったい何でしょうか? トウモロコシの穂軸を炭化したものです 163 00:08:51,000 --> 00:08:54,000 さらに素晴らしいことに 塊にしなくても扱える手軽さ ー 164 00:08:54,000 --> 00:08:58,000 原材料のままの形なんです これは私のノートパソコンですが 165 00:08:58,000 --> 00:09:01,000 ニックのようにサンプル を持って参りました 166 00:09:01,000 --> 00:09:04,000 (笑い) 167 00:09:04,000 --> 00:09:06,000 会場の皆さんで回して見てください 168 00:09:07,000 --> 00:09:12,000 機能的で 実地テスト済み いつでも出荷できます 169 00:09:15,000 --> 00:09:20,000 この技術の素晴らしいところは 170 00:09:20,000 --> 00:09:24,000 簡単に技術移転できる点です 171 00:09:24,000 --> 00:09:26,000 サトウキビの炭化物の場合 172 00:09:26,000 --> 00:09:29,000 燃料を塊にする為の 技術者育成が必須ですし 173 00:09:29,000 --> 00:09:31,000 接着剤を作るのに多くの 手間を必要としますが 174 00:09:31,000 --> 00:09:33,000 これは始めから塊なんです 175 00:09:33,000 --> 00:09:36,000 だから 今 私の人生の中で一番 エキサイティングなことなんです 176 00:09:36,000 --> 00:09:39,000 私の人生で"一番"というと少し 寂しいコメントに聞こえますが 177 00:09:39,000 --> 00:09:41,000 (笑い) 178 00:09:41,000 --> 00:09:44,000 でも 一度 手に取ってみると 最前列の皆さんのように 179 00:09:44,000 --> 00:09:46,000 そうです すごいですよね とにかく ー 180 00:09:46,000 --> 00:09:48,000 (笑い) 181 00:09:48,000 --> 00:09:52,000 ー これはロバート・ライトが言ってた 182 00:09:52,000 --> 00:09:57,000 ゼロサムゲームではない 完璧な例だと思います 183 00:09:57,000 --> 00:10:00,000 健康面での利益に加え 184 00:10:00,000 --> 00:10:02,000 環境面の利益もあります 185 00:10:02,000 --> 00:10:05,000 さらにとても信じ難い事に 186 00:10:05,000 --> 00:10:08,000 経済的な利益まであるのです 187 00:10:08,000 --> 00:10:12,000 我々は廃材から調理用燃料を作れます 188 00:10:12,000 --> 00:10:14,000 そして収入を得ることができます 189 00:10:14,000 --> 00:10:17,000 今まで炭に使っていたはずの お金を貯金に回すことができ 190 00:10:17,000 --> 00:10:19,000 余分にできた炭は 市場を通じて 191 00:10:19,000 --> 00:10:21,000 炭を作れない人たちに 商売ができます 192 00:10:21,000 --> 00:10:23,000 健康と経済 そして 環境と経済において 193 00:10:23,000 --> 00:10:27,000 トレードオフのない関係 はとても稀です 194 00:10:27,000 --> 00:10:30,000 従って このプロジェクトは とてもワクワクするだけでなく 195 00:10:30,000 --> 00:10:36,000 このプロジェクトを通して どこまで 発展できるかがとても楽しみなのです 196 00:10:37,000 --> 00:10:41,000 さて これから作り上げようとする 未来像を思い描くとき 197 00:10:41,000 --> 00:10:44,000 必要なことは 198 00:10:44,000 --> 00:10:48,000 今の私達の置かれている状況を十分に 認識することから始まります 199 00:10:48,000 --> 00:10:52,000 ただ"我々"が今置かれている状況 という意味ではなく 200 00:10:52,000 --> 00:10:56,000 世界のどこかで 女性が家族を養う為 穀物を製粉するのに 201 00:10:56,000 --> 00:10:59,000 毎日2-3時間を使う状況がある ということを認識すること 202 00:10:59,000 --> 00:11:02,000 世界のどこかでは 先進的な建築材というのは 203 00:11:02,000 --> 00:11:05,000 手作りセメントでできた天井用タイル を意味することを認識すること 204 00:11:05,000 --> 00:11:08,000 そして世界のどこかでは 毎日10時間労働をしても 205 00:11:08,000 --> 00:11:11,000 たった月60ドルしか稼げない 現実があることを認識することです 206 00:11:12,000 --> 00:11:20,000 つまり 水を汲むのに女性や子供が 年間400億時間使っている現実があります 207 00:11:20,000 --> 00:11:24,000 言い換えると カリフォルニア州 に住むすべての就労者が 208 00:11:24,000 --> 00:11:28,000 一年間水汲みしかしないのに 等しい時間です 209 00:11:28,000 --> 00:11:33,000 もし この会場がインドだとしたら 210 00:11:33,000 --> 00:11:36,000 3人しか車を持てない状況であり 211 00:11:36,000 --> 00:11:37,000 この会場がアフガニスタンだとしたら 212 00:11:37,000 --> 00:11:41,000 一人しかインターネットの使い方 を知らない世界であり 213 00:11:41,000 --> 00:11:46,000 この会場がザンビアだとすれば 300人が農家で 214 00:11:46,000 --> 00:11:49,000 100人がエイズ感染者です 215 00:11:49,000 --> 00:11:53,000 そしてこの会場の半分以上の方が 1日1ドル以下で生活しています 216 00:11:53,000 --> 00:11:58,000 こうした本質的な問題こそ "解決策"が必要なんです 217 00:11:58,000 --> 00:12:03,000 こうした問題に気づき 目を向けられるよう エンジニアや 218 00:12:03,000 --> 00:12:07,000 デザイナー ビジネスマン 起業家達 を教育する必要があります 219 00:12:07,000 --> 00:12:10,000 まさに私たちが見つけなければ いけない解決策です 220 00:12:10,000 --> 00:12:15,000 個人的に 特筆すべき分野と して考えているのは 221 00:12:15,000 --> 00:12:21,000 ひとつがマイクロファイナンスと 小規模事業の促進のための技術革新 222 00:12:21,000 --> 00:12:25,000 そうすることで貧困層の人々が 今ある困難な状況から 223 00:12:25,000 --> 00:12:27,000 抜け出すことができる筈ですが 現実はできていません 224 00:12:27,000 --> 00:12:31,000 彼らはこれまで通りの伝統的な籠編みや 養鶏などに従事したままです 225 00:12:31,000 --> 00:12:34,000 しかし今や小規模で始められる 226 00:12:34,000 --> 00:12:36,000 新しい技術と商品があります 227 00:12:36,000 --> 00:12:41,000 私達の次の目標は 貧しい農家のために農作物に 228 00:12:41,000 --> 00:12:44,000 付加価値をつける技術を 作り出すことです 229 00:12:44,000 --> 00:12:47,000 我々自身 基本に立ち返り 戦略の見直しをすべきです 230 00:12:47,000 --> 00:12:51,000 農家に高等教育を与えることで 231 00:12:51,000 --> 00:12:53,000 農家以外の職業に就いてもらう ことを目指すのではなく 232 00:12:53,000 --> 00:12:56,000 貧しいままの農家にならないように 武装すべきです 233 00:12:56,000 --> 00:12:59,000 これを効率的に展開できる方法 を編み出すべきです 234 00:12:59,000 --> 00:13:02,000 こうした貧しい地域で暮らす人々に対し 235 00:13:02,000 --> 00:13:05,000 適切な資源と道具を提供し 彼ら自身のチカラで 236 00:13:05,000 --> 00:13:08,000 問題解決しなければなりません それが最良の解決策なのです 237 00:13:08,000 --> 00:13:10,000 私達が外部から支援することで 彼らの問題解決をしてはなりません 238 00:13:10,000 --> 00:13:15,000 このような未来像をつくるべく いま共に動かなければいけません 239 00:13:15,000 --> 00:13:17,000 ご清聴 ありがとうございました 240 00:13:17,000 --> 00:13:26,000 (拍手) 241 00:13:26,000 --> 00:13:29,000 クリス・アンダーソン:えーと他に、他に誰か質問がある方がいないか確認する間に、 242 00:13:29,000 --> 00:13:32,000 従事された他のプロジェクトに関してもお話を伺えますか? 243 00:13:32,000 --> 00:13:34,000 エイミー・スミス:他のプロジェクトといえば、 244 00:13:34,000 --> 00:13:37,000 低コストでの水質検査の調査方法の開発です。 245 00:13:37,000 --> 00:13:40,000 そうすることで、ある社会の人々が自分自身でシステムを管理できるようになり、 246 00:13:40,000 --> 00:13:43,000 いつそれらが起動しているかやどのように処理されるかも知ることができます。 247 00:13:43,000 --> 00:13:45,000 私たちは低コストでの水質管理システムも調査しています。 248 00:13:45,000 --> 00:13:49,000 1つの本当に注目すべき点は太陽による水の殺菌です。 249 00:13:49,000 --> 00:13:52,000 そしてその殺菌力の改善です。 250 00:13:52,000 --> 00:13:56,000 CA:規模を拡大するうえでの問題点はありますか? 251 00:13:56,000 --> 00:13:59,000 企業家や投資家を見つける必要がありますか? 252 00:13:59,000 --> 00:14:04,000 また規模を拡大する上で何が必要でしょうか? 253 00:14:04,000 --> 00:14:07,000 AS:そうですね、多くの人がプロジェクトの前進に力を注いでいます。 254 00:14:07,000 --> 00:14:10,000 規模の拡大は困難なものです。 255 00:14:10,000 --> 00:14:12,000 求めている人々は収入もなく分断化された人々です。 256 00:14:12,000 --> 00:14:16,000 ですので物事を進めるためにアメリカ方式では 257 00:14:16,000 --> 00:14:18,000 通じません。 258 00:14:18,000 --> 00:14:21,000 またスタッフがとてもすくないんです。実は私だけなんです。 259 00:14:21,000 --> 00:14:22,000 (笑い) 260 00:14:22,000 --> 00:14:25,000 ですので、私ができることとして、学生への働きかけをおこなっています。 261 00:14:25,000 --> 00:14:27,000 年間30人もの学生が現地へ行き、 262 00:14:27,000 --> 00:14:29,000 実行し前へ進もうとしています。 263 00:14:29,000 --> 00:14:33,000 長期的な面でも行動をしております。 264 00:14:33,000 --> 00:14:37,000 2,3年で解決するとはおもっていません。 265 00:14:37,000 --> 00:14:39,000 5年先、10年先をみていなければなりません。 266 00:14:39,000 --> 00:14:43,000 このようなビジョンがあれば、前へ進んでいけると考えております。