WEBVTT 00:00:20.786 --> 00:00:25.472 皆さんに こちらの5脚の椅子を紹介します 00:00:25.472 --> 00:00:30.244 今日の話の主役はこれらの椅子なのです 00:00:30.974 --> 00:00:34.680 この椅子は私たちが毎瞬 どんな振る舞いや態度を 00:00:34.680 --> 00:00:37.193 身の回りの世界に示しているかについて 00:00:37.193 --> 00:00:42.742 特別なメッセージを伝えてくれるのです 00:00:43.737 --> 00:00:45.740 さて どういうことか説明するために 00:00:45.740 --> 00:00:48.826 私の実生活で起きたことをお話しましょう 00:00:48.826 --> 00:00:52.392 私は大切な人ともっと絆を深めたいと 考えていました 00:00:52.392 --> 00:00:54.393 その大切な相手とは 00:00:54.393 --> 00:00:58.252 私のパートナーの 20歳になる娘でした 00:00:58.512 --> 00:00:59.755 そこで私は 00:00:59.755 --> 00:01:02.926 2人で女子会をしようと思いついたんです 00:01:02.926 --> 00:01:07.000 その特別な場所として選んだのは 00:01:07.390 --> 00:01:09.650 ミラノのブルーノートジャズクラブ 00:01:10.120 --> 00:01:14.052 その晩の演奏はマンハッタントランスファー 00:01:14.052 --> 00:01:15.402 私のお気に入りのバンドのライブでした 00:01:15.402 --> 00:01:18.294 音楽も雰囲気もすばらしく 00:01:18.294 --> 00:01:20.001 会話も弾んで 00:01:20.001 --> 00:01:21.795 私はハッピーな気分 00:01:24.475 --> 00:01:27.263 私 ベビーブーム世代で音楽好きなんですが 00:01:28.508 --> 00:01:31.445 そこで思ったの 彼女も楽しんでくれてるかしら? 00:01:31.445 --> 00:01:34.519 それで彼女の方を見てみると 00:01:35.653 --> 00:01:38.823 何を見たと思います? 00:01:39.893 --> 00:01:41.824 彼女 iPhoneをいじってました 00:01:43.234 --> 00:01:45.816 さてどうしましょう 00:01:45.816 --> 00:01:47.295 いくつか選択肢がありました 00:01:48.075 --> 00:01:49.194 最初の選択肢 00:01:52.904 --> 00:01:56.117 ちょっと 何してるのよ! 00:01:56.117 --> 00:01:57.319 iPhone触ってるなんて 00:01:57.319 --> 00:01:59.274 私がお金と時間をつかって 00:01:59.274 --> 00:02:02.346 連れてきてあげたっていうのに どういうつもり? 00:02:02.346 --> 00:02:04.399 2分目を離した隙に 00:02:04.399 --> 00:02:05.969 スマホいじりですって? 00:02:05.969 --> 00:02:08.566 この世代の子ってどうなってるの? 00:02:08.566 --> 00:02:11.528 集中力がショウジョウバエ並みね! 00:02:11.528 --> 00:02:14.098 まったく 00:02:14.098 --> 00:02:15.718 (ため息) 00:02:18.088 --> 00:02:19.867 2番目の選択肢 00:02:23.807 --> 00:02:25.557 間違いだったわ 00:02:25.557 --> 00:02:27.076 (笑) 00:02:27.076 --> 00:02:28.779 連れてこなきゃよかった 00:02:28.779 --> 00:02:32.997 退屈してるみたいだし 音楽に興味ないんだわ 00:02:32.997 --> 00:02:36.549 彼女を連れて来ようなんて 私ったら何を考えてたのかしら 00:02:36.549 --> 00:02:39.567 これってベビーブーム世代の音楽だし 00:02:40.177 --> 00:02:43.459 私のこと恐竜時代の生き残りだと思ってるわね 00:02:44.249 --> 00:02:45.652 ああ、神様! 00:02:46.622 --> 00:02:49.258 3番目の選択肢 00:02:52.638 --> 00:02:54.918 慌てないで 00:02:54.918 --> 00:02:57.489 10数えて 深呼吸 00:02:58.249 --> 00:03:00.559 急いで結論に走らないこと 00:03:00.559 --> 00:03:02.869 彼女がスマホで何をしてるか わからないんだから 00:03:02.869 --> 00:03:05.310 リラックスして 落ち着いて 00:03:06.710 --> 00:03:08.151 もう一杯飲もう 00:03:08.151 --> 00:03:10.527 (笑) 00:03:11.277 --> 00:03:13.031 4番目の選択肢 00:03:14.991 --> 00:03:17.498 私にとって大事なのは 00:03:17.498 --> 00:03:20.880 今夜 彼女と一緒に時間を過ごすこと 00:03:20.880 --> 00:03:24.711 彼女が心を開いてくれることを願っているの 00:03:24.711 --> 00:03:27.051 彼女がくつろいでくれること 00:03:27.051 --> 00:03:30.622 私は心を開いているし 彼女もそうしてくれることが大事なの 00:03:31.332 --> 00:03:33.210 そうなることを願っているの 00:03:33.210 --> 00:03:34.602 心から 00:03:36.382 --> 00:03:38.462 5番目の選択肢 00:03:43.832 --> 00:03:45.867 彼女が大事にしているのは何だろう? 00:03:45.867 --> 00:03:48.642 彼女の世界でいま何が起こっているのかしら? 00:03:49.412 --> 00:03:50.838 彼女にとって大切なことは? 00:03:50.838 --> 00:03:53.042 彼女と心からつながり合いたいと思ってる 00:03:53.042 --> 00:03:54.562 そのために何が必要かしら? 00:03:55.212 --> 00:03:56.432 (ため息) 00:03:56.432 --> 00:03:59.812 さて 私はこの問いの答えを見つけるのに 苦労していました 00:03:59.812 --> 00:04:04.056 するとその瞬間 彼女は振り向いて言ったのです 00:04:05.183 --> 00:04:08.112 「ルイーズ! ブルーノートジャズクラブは 00:04:08.112 --> 00:04:09.922 ヨーロッパでは ここだけって知ってました?」 00:04:09.922 --> 00:04:13.142 「NYに1店舗 日本に2店舗」 00:04:13.142 --> 00:04:15.011 「そしてミラノに1店舗!」 00:04:15.011 --> 00:04:17.484 「すごくない?ここイタリアにあるなんて!」 00:04:17.484 --> 00:04:21.186 「あとマンハッタントランスファーを検索 してみたんだけど」 00:04:21.186 --> 00:04:24.942 「40年も一緒に演奏しているんですって」 00:04:24.942 --> 00:04:26.511 「スゴイ!」 00:04:27.421 --> 00:04:30.044 そしてまた彼女はこうして 00:04:30.604 --> 00:04:34.614 フェイスブックへの投稿を見せてくれました 00:04:34.614 --> 00:04:37.752 「ミラノのブルーノートでルイーズと 00:04:38.603 --> 00:04:43.373 マンハッタントランスファーのライブ 最高!」 00:04:46.223 --> 00:04:49.102 危ない所でした 00:04:49.102 --> 00:04:51.194 私はこの夜を台無しにしてしまう所でした 00:04:51.194 --> 00:04:55.513 この椅子から彼女に批判的な目を 向けてたかもしれない 00:04:56.243 --> 00:04:59.883 すると彼女はこう思ったかもしれない 00:04:59.883 --> 00:05:04.092 「ルイーズは 私をコントロールしようとしてる 00:05:04.092 --> 00:05:05.794 難しい人だわ 00:05:05.794 --> 00:05:08.115 一緒にいても安心できない」 00:05:08.115 --> 00:05:10.505 それこそ私が望んでいないことでした 00:05:10.505 --> 00:05:13.648 でも実際には 彼女は心から楽しんでいて 00:05:13.648 --> 00:05:14.702 まさにその場を 00:05:14.702 --> 00:05:19.247 デジタルでマルチタスキングしながら 「現実を拡張して」いたのです 00:05:19.247 --> 00:05:21.394 私はあともう少しで 00:05:21.394 --> 00:05:25.333 この素晴らしい時間を壊してしまう所でした 00:05:26.413 --> 00:05:29.395 私たちの身には 常に これと同じことが起きているのです 00:05:29.395 --> 00:05:34.152 私たちは毎瞬 物事について どんな態度を示すかを常に選択しているのです 00:05:34.796 --> 00:05:38.375 その選択は私たちの会話や人間関係 00:05:38.375 --> 00:05:41.405 そして生活の質全般に 00:05:41.405 --> 00:05:43.980 直接的なインパクトを 00:05:43.980 --> 00:05:46.985 与えるのです 00:05:47.625 --> 00:05:52.815 では 現実に即した場面で 00:05:52.815 --> 00:05:55.065 どうすればもっと自覚的に振る舞えるのか 00:05:55.065 --> 00:05:57.061 学校では教えてくません 00:05:57.061 --> 00:06:00.579 どのような態度で自覚的に振る舞うかなんて 00:06:00.579 --> 00:06:02.274 どうすればいいのでしょう? 00:06:02.274 --> 00:06:05.532 この5脚の椅子のアイデアは 00:06:05.532 --> 00:06:11.836 9日間の非暴力コミュニケーションのコースを 受講したときにやってきました 00:06:11.836 --> 00:06:16.325 創設者の故 M.ローゼンバーグ氏は 00:06:16.325 --> 00:06:19.327 世界平和に多大な貢献をした人物です 00:06:19.327 --> 00:06:21.867 コースを受けた後 私の人生は変わりました 00:06:21.867 --> 00:06:24.537 私はこれが私たちの職場に必要な 00:06:24.537 --> 00:06:28.347 メッセージだと感じたのです NOTE Paragraph 00:06:28.347 --> 00:06:30.797 私は職場では ほとんどの時間を 00:06:30.797 --> 00:06:35.182 コーチ、ファシリテーター そして トレーナーとして関わってきましたが 00:06:35.717 --> 00:06:41.646 職場では時として多くの問題行動が起こります 00:06:41.646 --> 00:06:44.277 時として非常に有害な行動も目にします 00:06:44.667 --> 00:06:49.691 そこで助けとなるのが5脚の椅子のアイデア 00:06:49.691 --> 00:06:53.559 私たちの人生のすべての瞬間に 行っていることの速度を落とし 00:06:53.559 --> 00:06:55.332 生活の中で何が起きているか 見つめるのを助けてくれます 00:06:55.933 --> 00:06:57.655 さて ここからさらに詳しく 00:06:57.655 --> 00:07:02.294 5脚の椅子を見ていきましょう 00:07:02.294 --> 00:07:03.833 赤い椅子 00:07:08.323 --> 00:07:11.017 ジャッカルの椅子 00:07:11.017 --> 00:07:16.607 ジャッカルはとてもズル賢く 目ざとい動物です 00:07:16.607 --> 00:07:19.419 彼らはいつも攻撃の機会を狙っています 00:07:20.119 --> 00:07:25.778 私たちが誤った行動をとりがちなのが この椅子にいる時なのです 00:07:26.375 --> 00:07:33.030 ここで私たちは他人を責め 愚痴を言い 罰を与え ゴシップを流したりします 00:07:33.469 --> 00:07:37.798 でもこの椅子に座ってする最高のゲームは 人の善悪をジャッジすること 00:07:38.478 --> 00:07:43.178 それを証明するために ちょっとした メンタルダイエットをしてみましょう 00:07:43.751 --> 00:07:49.214 一時間 誰かと過ごしてみて 00:07:49.801 --> 00:07:53.629 その間 ただの1度もその人の事を 判断せずにいられるか 00:07:53.629 --> 00:07:55.366 観察して欲しいのです 00:07:56.139 --> 00:07:57.682 自分を観察してみてください 00:07:57.682 --> 00:08:00.439 誰かが部屋に入ってくると 私たちはすぐに 何やら彼やら 00:08:01.199 --> 00:08:03.995 「好き」「 嫌い」「 興味ナシ」 00:08:04.425 --> 00:08:07.010 相手のことを何にも知らないのに! 00:08:07.010 --> 00:08:08.994 そうです 00:08:09.964 --> 00:08:11.442 このジャッジする椅子で 00:08:11.442 --> 00:08:14.507 やってしまいがちな別のゲームは 00:08:14.507 --> 00:08:17.164 「正しいのは私」ゲーム 00:08:17.164 --> 00:08:19.680 かつて私はよくこのゲームをやっていました 00:08:19.680 --> 00:08:22.330 兄が意見してくれるまでずっと 00:08:22.330 --> 00:08:25.602 母に対して行っていました 彼女は何でも大げさに言うんです 00:08:25.602 --> 00:08:27.668 例えばこんな感じ 00:08:27.668 --> 00:08:31.095 「ええ 家族の集まりに 30人も来たのよ」とか 00:08:32.010 --> 00:08:33.712 それを訂正するのが私の仕事 00:08:33.712 --> 00:08:37.532 「いいえ お母さん 30人じゃなくて13人でしょ」 00:08:38.172 --> 00:08:41.241 警官役ってわけ 00:08:42.541 --> 00:08:44.561 兄は私の腕に触れ こう言いました 00:08:44.561 --> 00:08:49.836 「大したことじゃないだろ」 でも私とすれば 00:08:49.836 --> 00:08:53.272 「大したことじゃないですって? 間違ってるのよ!」 00:08:53.272 --> 00:08:55.603 「お母さんのために直してあげてるの」 00:08:57.549 --> 00:09:00.414 彼は再び私に触れて言いました 00:09:00.414 --> 00:09:03.352 「お母さんと良い関係でいたいのかい?」 00:09:03.352 --> 00:09:06.043 「それとも自分の正しさを 押し通したいのかい」 00:09:08.192 --> 00:09:09.923 大きな教訓でした 00:09:09.923 --> 00:09:10.935 それからは 00:09:10.935 --> 00:09:16.362 母の誇張癖を大らかさだと 受けとめるようになりました 00:09:17.682 --> 00:09:20.478 そう この椅子に座ると 00:09:20.478 --> 00:09:23.381 他人の間違いばかりに 00:09:23.381 --> 00:09:24.984 目を向けてしまうのです 00:09:24.984 --> 00:09:27.282 マザー=テレサは言われました 00:09:27.282 --> 00:09:32.473 「もしあなたが人を裁けば 彼らを愛する 時間が無くなる」と 00:09:34.334 --> 00:09:37.019 次に紹介するのは ハリネズミの椅子 00:09:37.019 --> 00:09:38.019 黄色い椅子 00:09:38.019 --> 00:09:40.103 さてハリネズミの椅子では 00:09:40.103 --> 00:09:43.127 私たちは自分がとても弱い存在だと感じます 00:09:43.127 --> 00:09:49.243 縮こまって外の邪悪な世界から 身を守ろうとするのです 00:09:49.652 --> 00:09:54.459 そして自分を容赦なく責めます 00:09:54.459 --> 00:09:59.152 赤い椅子で行ったジャッジを自分の方に 向けるのです 00:09:59.612 --> 00:10:02.216 「私ってバカだわ」 00:10:02.216 --> 00:10:05.314 「自分には出来ない」「誰も認めてくれない」 00:10:05.714 --> 00:10:07.403 そしてこんな恐れもあります 00:10:07.403 --> 00:10:14.068 拒絶される恐れ がっかりしたり 失敗する恐れ 00:10:14.493 --> 00:10:16.214 そして被害者の役を演じるのです 00:10:16.214 --> 00:10:20.515 「誰も私をかまってくれない」 「誰も私を愛してくれない」 00:10:21.425 --> 00:10:23.004 また実際 00:10:23.004 --> 00:10:27.105 企業研修で経営陣にこのような質問をしますが 00:10:27.105 --> 00:10:29.749 「この椅子の中でご自身に当てはまるのは どれでしょう」 00:10:30.699 --> 00:10:33.695 ほとんど誰もこの椅子に座りません 00:10:33.695 --> 00:10:37.732 なぜなら誰も自分の弱さを 認めたくないからです 00:10:37.732 --> 00:10:39.396 それには勇気が必要です 00:10:39.396 --> 00:10:43.144 しかし私たちは皆 自信の無さに悩んでいるのです 00:10:43.144 --> 00:10:46.224 この自信の無さにどう向き合えばいいのか? 00:10:47.214 --> 00:10:49.195 あきらめて屈する? 00:10:50.005 --> 00:10:51.491 それともNoと言う? 00:10:51.491 --> 00:10:53.647 私はここに成長の糧を見つけたい 00:10:54.387 --> 00:10:57.114 クリシュナムルティは 素晴らしい言葉を残しています 00:10:57.114 --> 00:11:00.214 「最も高い知性のかたちとは 00:11:00.214 --> 00:11:04.803 自分自身を 裁かずに見つめる能力である」と 00:11:05.993 --> 00:11:08.585 さて次の椅子は 00:11:10.845 --> 00:11:13.515 ミーアキャットの椅子 00:11:13.515 --> 00:11:16.226 ご存知でしょうか ミーアキャットは 00:11:16.226 --> 00:11:20.758 イタリアには数が多くありませんが すごい動物ですよ 00:11:20.758 --> 00:11:22.787 見張り当番になると 00:11:22.787 --> 00:11:26.246 1時間ずっとこんなふうに 00:11:26.246 --> 00:11:29.886 動かないで頭だけキョロキョロ 00:11:29.886 --> 00:11:31.678 ものすごい用心深さで 00:11:31.678 --> 00:11:34.965 私たちがこの椅子にいる時 こんなことが起こります 00:11:34.965 --> 00:11:37.327 気持ちを静め 00:11:37.327 --> 00:11:40.236 すみずみに意識を配り 動き回るのをやめ 00:11:40.236 --> 00:11:43.098 深呼吸し 自覚的でいます 00:11:43.098 --> 00:11:47.436 これは「WAIT(待つ)」椅子 W-A-I-T 00:11:48.006 --> 00:11:52.488 自分が何を考えているか どんな言葉を自分に向けているか 00:11:53.129 --> 00:11:55.608 これは好奇心の椅子 00:11:55.608 --> 00:12:00.206 もし誰かが怒っていたら 「頭を冷やして 大人になりなよ」と言う代わりに 00:12:00.557 --> 00:12:03.936 「なぜあの人は怒っているんだろう?」と 00:12:03.936 --> 00:12:05.858 関心を向けるのです 00:12:05.858 --> 00:12:07.882 この椅子で思い起こすのは 00:12:09.312 --> 00:12:10.622 ニーチェの言葉 00:12:10.622 --> 00:12:12.818 この椅子のために引用するのは 00:12:12.818 --> 00:12:17.068 「あなたにはあなたの道が 私には私の道がある」 00:12:17.068 --> 00:12:21.831 「正しい道 唯一の道というのは 存在しない」 00:12:22.648 --> 00:12:24.719 ここで私たちは選択肢を持つのです 00:12:26.259 --> 00:12:29.157 赤い錠剤か それとも青い錠剤か 00:12:29.157 --> 00:12:31.517 この椅子は引き扉を示してくれ 00:12:31.517 --> 00:12:35.132 ここで私たちはふさわしい選択を行えば 00:12:35.132 --> 00:12:38.544 うまく行く生き方へと移行するのです 00:12:39.634 --> 00:12:41.023 次の椅子 00:12:41.813 --> 00:12:44.518 ここで私たちは探究の世界へ入ります 00:12:44.518 --> 00:12:46.337 なぜ探究かって? 00:12:46.337 --> 00:12:49.987 自分を詳細に探り始めるから 00:12:49.987 --> 00:12:51.815 シャーロック=ホームズのように 00:12:51.815 --> 00:12:56.443 虫メガネを手に 自分の振る舞いに 目を向けるのです 00:12:56.443 --> 00:13:00.128 これは美しい椅子 なぜなら私たちは自覚的になり 00:13:00.132 --> 00:13:02.517 自分が誰であるか 何を欲しているかを知っていて 00:13:02.517 --> 00:13:06.160 何処へ向かっているかを知り 本心を述べることを恐れません 00:13:06.160 --> 00:13:08.856 しかし同時に境界線も作ります 00:13:08.856 --> 00:13:10.976 この椅子の中で自立します 00:13:10.976 --> 00:13:12.642 そしてとても力強くなり 00:13:12.642 --> 00:13:14.449 その力を無駄にしません 00:13:14.569 --> 00:13:16.501 ジャッカルの椅子では 力を無駄にしてしまいます 00:13:16.501 --> 00:13:19.947 ここはイルカの椅子で 私たちは成長し 自由になります 00:13:19.947 --> 00:13:22.091 全力が出せるようになり 00:13:22.091 --> 00:13:25.880 攻撃的にならずに自己主張できるのです 00:13:26.530 --> 00:13:32.024 アリストテレスは「自分を知ることは すべての知恵の始まりである」と言いました 00:13:32.024 --> 00:13:35.334 ここに生涯いることは可能です 00:13:35.334 --> 00:13:36.901 なぜイルカかって? 00:13:36.901 --> 00:13:41.872 とても素晴らしい生き物だからです 00:13:41.872 --> 00:13:46.031 遊び好きで賢く コミュニケ―ションに 秀でています 00:13:46.031 --> 00:13:47.471 人間が最高の状態にある時 00:13:47.471 --> 00:13:52.150 イルカのことを思い浮かべます 00:13:53.661 --> 00:13:55.672 さて 次の椅子は 00:14:01.872 --> 00:14:05.230 キリンの椅子です 00:14:06.330 --> 00:14:08.183 とても美しい椅子 00:14:09.043 --> 00:14:10.759 しかし とても難しい 00:14:10.759 --> 00:14:13.332 ご存知かもしれませんが 00:14:13.332 --> 00:14:19.613 キリンは陸上の動物の中で 最も大きい心臓を持っています 00:14:19.613 --> 00:14:21.123 これくらいの大きさ 00:14:21.123 --> 00:14:24.067 大きなハートの持ち主であるだけでなく 00:14:24.067 --> 00:14:27.032 とても長い首を持っています 00:14:27.532 --> 00:14:29.831 ですから 非常に遠くまで見渡せます 00:14:30.261 --> 00:14:33.420 この椅子に座るとき 00:14:33.420 --> 00:14:38.653 私たちは共感 思いやり そして理解を示すのです 00:14:39.374 --> 00:14:43.514 そして自分のエゴは後回しにして 00:14:44.214 --> 00:14:46.224 人々に耳を傾けます 00:14:46.224 --> 00:14:50.531 目の前で抱きしめ 大切にします 00:14:52.527 --> 00:14:56.612 相手の立場になって理解するというのは 00:14:56.612 --> 00:14:59.280 偉大な思いやりの行為です 00:15:00.710 --> 00:15:02.903 かつて アブラハム・リンカーンは言いました 00:15:02.903 --> 00:15:07.282 「私はあの男が気に入らない だから 彼をもっとよく知らなければいけない」と 00:15:08.752 --> 00:15:11.724 この椅子は私たちに誘いかけます 00:15:12.504 --> 00:15:14.754 他者の視点に関心を向け 00:15:14.754 --> 00:15:17.484 彼らの現実を尊重し 00:15:17.484 --> 00:15:20.134 多様性を受け入れ 00:15:20.134 --> 00:15:22.475 寛容であるようにと 00:15:23.445 --> 00:15:28.324 そしてここで最も重要なのは 「私の目の前にいる人は 00:15:28.324 --> 00:15:30.927 どんなことを大切に思っているのだろう」と 自問してみること 00:15:30.927 --> 00:15:36.375 その目的は 何があろうと 繋がりを保とうとすること 00:15:37.365 --> 00:15:39.306 これらが椅子の意図することなのです 00:15:40.386 --> 00:15:42.772 では これをどのように日常生活に 当てはめればよいのでしょう 00:15:42.772 --> 00:15:45.766 想像してみてください 00:15:46.366 --> 00:15:49.232 会社に出勤して プレゼンテーションをしたとします 00:15:49.232 --> 00:15:50.743 とてもうまく行って 00:15:50.743 --> 00:15:54.106 イルカの椅子で「サイコ―!」 「ファンタスティック!」 00:15:54.106 --> 00:15:58.030 それから会議に出席すると色々と うまく行かなくて 00:15:58.030 --> 00:16:00.956 これらの椅子に座りこんでしまいます 00:16:00.956 --> 00:16:06.266 私たちの日々のチャレンジはバランスを 見つけること 00:16:06.776 --> 00:16:09.987 キリンの椅子とジャッカルの椅子の間で 00:16:09.987 --> 00:16:13.001 ジャッカルの椅子にいる時の人生は あまりハッピーではありません 00:16:14.645 --> 00:16:16.818 でもイルカやキリンの椅子にいる時には 00:16:16.818 --> 00:16:18.886 より理性的でオープンでいられます 00:16:18.886 --> 00:16:21.825 より賢く 思慮深くいられるのです 00:16:27.075 --> 00:16:30.517 初めて読んだ時に深い感銘を受けた 言葉があります 00:16:30.517 --> 00:16:35.377 ヴィクトール・フランクルの 「夜と霧」にある言葉 00:16:35.377 --> 00:16:39.876 「全てを奪われても たったひとつ奪うことが できないものがある 00:16:40.409 --> 00:16:43.279 それはどのような環境にいても 自分の心構えを選ぶ という 00:16:43.279 --> 00:16:48.340 最後の 人間としての自由である」 00:16:49.200 --> 00:16:51.236 とても力強い言葉です 00:16:51.236 --> 00:16:55.217 だから次に 子供をたたきたくなった時 00:16:55.937 --> 00:16:58.229 伴侶と口論になった時 00:16:58.229 --> 00:17:01.135 仕事で 誰かをこらしめてやりたくなった時 00:17:01.135 --> 00:17:03.518 ミーアキャットの椅子で考えてみて下さい 00:17:04.678 --> 00:17:08.757 しかし もし今までの習慣で 00:17:08.757 --> 00:17:10.739 ジャッカルの椅子で反応してしまったら 00:17:11.729 --> 00:17:15.397 勇気を出して「ごめんなさい」と 言えるでしょうか? 00:17:15.397 --> 00:17:17.850 そして再びやり直そうと思えますか? 00:17:18.820 --> 00:17:23.802 私からのお願いはこの椅子を あなたの家庭に持ち帰り 00:17:24.842 --> 00:17:27.189 試してみて自分のものにすることです 00:17:27.189 --> 00:17:30.017 子供たちに教えて下さい 彼らはすぐに分かります 00:17:30.017 --> 00:17:32.715 職場の会議室にも置いてみて 00:17:32.715 --> 00:17:35.090 会議がどう変わるか見てみてください 00:17:35.570 --> 00:17:40.984 そしてもし次に 誰かがあなたの赤いボタンを押したら 00:17:41.938 --> 00:17:47.839 こう自分に言い聞かせてみて 「5つの椅子 5つの選択」と 00:17:49.899 --> 00:17:55.121 私たちの家庭 職場 そしてこの世界を 00:17:55.121 --> 00:17:59.402 より良くすると 約束できますか? 00:18:00.192 --> 00:18:02.992 1つの行いから 1つづつ 00:18:04.372 --> 00:18:05.658 ありがとうございました 00:18:05.658 --> 00:18:08.437 (拍手)