第二次世界大戦後は、欧州のほとんどの部分が破壊され、 ソ連とアメリカの間で緊張が高まりました。 次の世界の超大国には 核攻撃を開始でき、また大陸間弾道弾による 敵の核攻撃から 自国を守る能力が必要でした。 北米では、最も敵の攻撃に弱い部分は 北極越えの攻撃が行われる地域でした。 このため、1959年にアメリカとカナダの 共同プロジェクトが開始されました。 これがNORAD、つまり 北アメリカ航空宇宙防衛司令部です。 重要な半自動式 地上防衛環境です。 北米全域に展開した 100機以上の長距離レーダーによる 自動システムでした。 これらレーダーは、コンピュータ搭載のレーダー基地に 接続され、電話線や無線で 追跡データを送信します。 これらのレーダー情報は、 コロラド州のシャイアン山の 地下深くに建設された 一次警戒センターに送られます。 この装置同士の通信の応用で コンピュータから自動送信され処理された情報を元に、 オペレータはコンマ1秒単位の 決定を下すことができます。 このオンラインというアイデアはその後急速に普及しました。 大学ではコンピュータネットワークの 可能性を理解して このアイデアを発展させました。 コンピュータ通信ネットワークが特別なのは、 重要メンバーである作業者を どこか1カ所に集めるのではなく、 地理的に分散できることです。 作業者は直接会わなくても、作業対象の 情報ベースを通じて常時 接触を保っているのです。 そして、この能力が、何らかの知的作業の結果を伴う ほとんどあらゆる事柄を 計画、組織、実行する方法を 大きく変化させています。 すべてを電子的に処理する モードに入り、 身元証明がマシンに挿入する カードのようなものになると 誰かが他人の銀行口座を 今すぐ乗っ取ってしまうことも ありえます。 すべてのチェックが必要ですが、 それにはネットワークが必要です。 送金業務は、セキュリティを保つため 暗号化が必要なネットワークの 利用方法の1つですが、インターネットが拡大し 世界中の大勢の人が参加すると、 新たな問題が発生してきました。 それは、暗号化には2人の当事者が 最初に秘密の乱数を共有する 必要があることです。 これを「鍵」と呼びます。 では、互いに会ったことがない 2人の人たちは、どうやって秘密の共有鍵に 関して合意できるでしょう。 常に盗聴しているイブに鍵を盗まれないように しなくてはいけません。 1976年にディフィとヘルマンは、 これを行う素晴らしい方法を考案しました。 まず色を使って、この手法を 説明しましょう。 アリスとボブは、イブに知られずに、 どうやって秘密の色について 合意できるでしょうか? この手法は2つの事実に基づきます。 まず、2つの色を混ぜることで 簡単に第三の色を作れることです そして2つ目は、混色した色があっても、 元の色を再発見するために、混色した色を分離するのは とても困難だということです。 これが「錠」の基本原理です。 ある方向の手順は簡単で、逆方向の手順は困難であること。 これを一方向関数と呼ばれます。 ここで、解法は次のようになります。 最初に、ふたりは最初のある色について合意します。 たとえば黄色です。これは秘密ではありません。 次にアリスとボブはそれぞれランダムに 秘密の色を選んで、公開している黄色に その色を混色して、自分たちの秘密の色を 分からなくしてしまいます。 そしてアリスは秘密の色は隠したまま、 混色した色をボブに送ります。 またボブも自分の秘密の色は隠したまま、 自分が混色した色をアリスに送ります。 さて、ここからが、この手法の核心部分です。 アリスとボブは、相手方が作った混色に 相手方が作った混色に 自分の秘密の色を加えて、 共有の秘密の色を作ります。 イブには、この色が分かりません。 なぜなら、イブにはアリスやボブの 秘密の色をどちらも 知らないからです。 これが大事なところです。 さて、数字で同じことを行うには、 数値による手順が必要です。 一方向には簡単で、 逆方向には難しいという手順です。