WEBVTT 00:00:08.034 --> 00:00:13.314 悪戯好きの神 ロキはトールの屈強な拳の中で 困惑しながら もがいていました 00:00:13.314 --> 00:00:17.924 その前の夜 残りの神々が眠っている間に ロキはトールの妻 シフに忍び寄り 00:00:17.924 --> 00:00:21.228 彼女の美しい髪を切り落としました 00:00:21.228 --> 00:00:23.378 その時は ちょっとしたイタズラと 思っていましたが 00:00:23.378 --> 00:00:28.038 今にもトールがロキのあらゆる骨を 粉々にしようとしていました 00:00:28.038 --> 00:00:31.258 ロキはどうにかして髪を元に戻す方法を 考えなければなりません 00:00:31.258 --> 00:00:36.738 でも一体 誰がシフの夏の小麦畑の様な 美しい金色の髪を元に戻せるのでしょうか? NOTE Paragraph 00:00:36.738 --> 00:00:40.938 あの小人達だ!― あの伝説的な職人達なら 何でも作り出せるだろう 00:00:40.938 --> 00:00:45.328 ロキは山奥にある小人達の王国に 急いで向かいながら 00:00:45.328 --> 00:00:49.418 たどり着くまでの間にも どうやって彼の頼みを小人達に 00:00:49.418 --> 00:00:52.638 引き受けさせようかと 悪巧みをしていました 00:00:52.638 --> 00:00:57.768 そしてロキは2つの家族を敵対させるのが 最善策であると考えました 00:00:57.768 --> 00:01:01.098 まず ロキはイーヴァルディの 凄腕の息子達を訪れ 00:01:01.098 --> 00:01:05.704 彼らのライバルである ブロックとエイトリ兄弟が 00:01:05.704 --> 00:01:09.274 「我らこそ世界一の鍛冶屋だ」 と言い張り 00:01:09.274 --> 00:01:12.484 それを証明するために 彼らが戦いを 挑もうとしていることを伝えました 00:01:12.484 --> 00:01:17.064 戦いのルールはそれぞれの家族が 神々のために3つの贈り物を作ることでした 00:01:17.064 --> 00:01:20.954 イーヴァルディの息子達に伝えた贈り物には 金色の髪も含まれていました NOTE Paragraph 00:01:20.954 --> 00:01:25.144 ロキは次に ブロックとエイトリ兄弟を訪れ 全く同じ話をしました 00:01:25.144 --> 00:01:29.204 ただ今回は イーヴァルディの息子達が 戦いを挑んでいると付け加えました 00:01:29.204 --> 00:01:32.774 しかし ブロックとエイトリは そう簡単には騙されず 00:01:32.774 --> 00:01:38.794 ロキが自分の頭を賭けに差出すのなら 参加しても良いと言いました 00:01:38.794 --> 00:01:45.594 そうなるとブロックとエイトリが勝てば ロキは頭を失ってしまいます NOTE Paragraph 00:01:45.594 --> 00:01:50.234 ロキは断ることもできなかったので どうにかして身を守るために 00:01:50.234 --> 00:01:54.244 イーヴァルディの息子達を勝たせる方法を 考えなければなりません 00:01:54.244 --> 00:01:56.654 そしてどちらの小人達も 仕事に取り掛かりました 00:01:56.654 --> 00:02:02.114 宝物を台無しにしないために エイトリはブロックにふいごで 00:02:02.114 --> 00:02:04.274 何があっても仕事を続けるように 伝えました 00:02:04.274 --> 00:02:07.554 するとすぐに妙なハエが 部屋の中に飛んできて 00:02:07.554 --> 00:02:12.304 鍛冶場の炉に豚革の一片を置くと ハエがブロックの手を刺しました 00:02:12.304 --> 00:02:13.954 それでもブロックは怯みません 00:02:13.954 --> 00:02:18.574 次にエイトリが金の塊の作業をしていた時に ハエがブロックの首に噛み付きました 00:02:18.574 --> 00:02:20.114 それでもブロックは作業を続けます 00:02:20.114 --> 00:02:24.094 最後にエイトリが鉄の部品を 釜の中に入れた時 00:02:24.094 --> 00:02:30.444 ついにハエがブロックのまぶたの上に 飛び乗ると 出来るだけ強く噛み付きました 00:02:30.444 --> 00:02:34.854 そしてほんの一瞬だけの間だけ ブロックはふいごから手を離してしまいました NOTE Paragraph 00:02:34.854 --> 00:02:39.314 それが全てでした 最後の贈り物を十分に 炉の中に入れられなかったのです 00:02:39.332 --> 00:02:44.332 ロキは元の姿に戻り 彼らの失敗を大喜びして 00:02:44.332 --> 00:02:48.632 小人達に付き添い 神々に宝物を贈呈しました NOTE Paragraph 00:02:48.632 --> 00:02:52.512 初めにロキが イーヴァルディの息子達の宝物として 00:02:52.512 --> 00:02:56.422 金色の髪はシフの頭に くくりつけられると 伸び続け 00:02:56.422 --> 00:02:59.602 シフは今までに増して美しく輝きました 00:02:59.602 --> 00:03:01.622 次に主神である オーディンのためには 00:03:01.622 --> 00:03:05.672 どんな物でも突き通すことのできる 実に見事な矛が贈られました 00:03:05.672 --> 00:03:07.983 最後に豊穣の神 フレイに贈られたのは 00:03:07.983 --> 00:03:13.313 広げると巨大な船になる 小さな生地でした NOTE Paragraph 00:03:13.313 --> 00:03:17.433 そしてブロックが エイトリと共に作った 宝物を贈呈しました 00:03:17.433 --> 00:03:20.793 フレイには空を横切って どんな馬よりも速く 00:03:20.793 --> 00:03:25.573 フレイの二輪戦車を引くことのできる 金色の剛毛の猪が贈られ 00:03:25.573 --> 00:03:30.503 オーディンには夜が9度訪れるごとに 同じものをさらに8個作ることができる 00:03:30.503 --> 00:03:32.563 黄金の腕輪が贈られました 00:03:32.563 --> 00:03:35.713 そしてトールにはミョルニルという ハンマーが贈られました 00:03:35.713 --> 00:03:39.763 ミョルニルの柄は明らかに短く ロキは 明らかな欠陥だと思い ほくそ笑みました 00:03:39.763 --> 00:03:43.163 しかしその時 ブロックが ハンマーが持つ力を披露したのです 00:03:43.163 --> 00:03:46.463 ミョルニルは決して砕け散ることがなく 投げれば 的を外さず 00:03:46.463 --> 00:03:50.433 しかも 必ずトールの手に 戻ってくるというものです 00:03:50.433 --> 00:03:55.713 短い柄にも関わらず 全ての神がこれこそ 最も素晴らしい贈り物だと賛同しました NOTE Paragraph 00:03:55.713 --> 00:04:00.953 ロキは賭けのことを思い出し逃げようとするも 真っ先にトールに捕まえられました 00:04:00.967 --> 00:04:03.847 しかし 小人達が手を下す前に 00:04:03.847 --> 00:04:09.057 ずる賢いロキはリストには自分の頭だけで 首を取ることは書かれていないと指摘したため 00:04:09.057 --> 00:04:10.937 頭を切り落とすことは できなかったのです 00:04:10.941 --> 00:04:15.941 全員がその通りだと悔しそうに認めましたが ブロックは最後に笑みを浮かべていました 00:04:15.941 --> 00:04:20.161 エイトリの千枚通しを手に取って ロキの唇に突き通し 00:04:20.161 --> 00:04:22.351 喋れないように口を縫い付けました 00:04:22.351 --> 00:04:27.071 こうして悪戯好きの神はもはや 悪巧みができなくなったのでした 00:04:27.071 --> 00:04:30.141 けれども 神々の力をもってしても 予期できないことがあるのです 00:04:30.141 --> 00:04:33.541 ロキの偽りが神々に 素晴らしい宝物を授け 00:04:33.541 --> 00:04:37.611 今でも知られ続けているハンマーを トールに与えることになったということを