WEBVTT 00:00:14.752 --> 00:00:17.834 通常 宇宙飛行士の訓練には 丸一年かかります 00:00:17.834 --> 00:00:20.023 訓練科目には 00:00:20.023 --> 00:00:21.005 天文学 00:00:21.005 --> 00:00:21.992 天体物理学 00:00:21.992 --> 00:00:23.298 飛行生理学 00:00:23.298 --> 00:00:24.968 軌道計画術 00:00:24.968 --> 00:00:26.487 軌道管理術などがあります 00:00:26.487 --> 00:00:30.764 また 宇宙飛行士の基本訓練に サバイバル訓練も欠かせません 00:00:30.764 --> 00:00:31.855 ジェミニ計画の時代は 00:00:31.855 --> 00:00:34.769 緊急時に軌道を離脱した場合 00:00:34.769 --> 00:00:37.439 宇宙船の降下地点は予測できませんでした 00:00:37.439 --> 00:00:40.159 そのため砂漠や水上 00:00:40.159 --> 00:00:41.149 そのため砂漠や水上 00:00:41.149 --> 00:00:44.195 ジャングルでのサバイバル訓練をしました 00:00:44.195 --> 00:00:46.080 蛇を料理して食べる方法を学んだり 00:00:46.080 --> 00:00:48.366 その他色々ためになることや 00:00:48.366 --> 00:00:50.244 砂漠で水を得る方法なども学びました 00:00:50.244 --> 00:00:52.952 1年半の基礎訓練の後 00:00:52.952 --> 00:00:54.664 宇宙飛行士として登録されましたが 00:00:54.664 --> 00:00:57.333 飛行士の数の方が 直ぐに乗務できる飛行士の数より 00:00:57.333 --> 00:00:58.658 かなり多かったので 00:00:58.658 --> 00:01:01.378 他の任務を与えられました 00:01:01.378 --> 00:01:03.589 暇を持て余さないためと 00:01:03.589 --> 00:01:06.264 訓練の延長としての仕事です 00:01:06.264 --> 00:01:08.843 私を含む5人が 月面モジュールの担当となり 00:01:08.843 --> 00:01:13.188 モジュールの製造現場にいるのが 00:01:13.188 --> 00:01:15.184 我々の仕事だったので 00:01:15.184 --> 00:01:17.059 我々はそこで多くの時間を過ごしました 00:01:17.059 --> 00:01:19.852 実際に6機目のモジュールに乗って 00:01:19.852 --> 00:01:22.293 月に行った人たちよりも 00:01:22.293 --> 00:01:24.631 私の方が多くそこで寝起きしたはずです 00:01:24.631 --> 00:01:28.532 次に私はアポロ8号の支援クルーになりました 00:01:28.532 --> 00:01:31.249 アポロ8号は 月に行って帰ってきましたが 00:01:31.249 --> 00:01:33.458 月面には着陸しなかったミッションです 00:01:33.458 --> 00:01:35.205 8号は 月の裏側で 00:01:35.205 --> 00:01:37.289 逆噴射をして減速し 00:01:37.289 --> 00:01:38.134 逆噴射をして減速し 00:01:38.134 --> 00:01:40.792 月の軌道に 乗ることになっていました 00:01:40.792 --> 00:01:42.795 8号が月の裏側にいる間は 00:01:42.795 --> 00:01:44.504 我々は緊張して待つしかありません 00:01:44.504 --> 00:01:47.839 もし月の裏側から予定より早く出てくれば 00:01:47.839 --> 00:01:51.268 逆噴射が足りず 00:01:51.268 --> 00:01:52.352 減速が不十分で 00:01:52.352 --> 00:01:54.182 宇宙にはじき出されてしまい 00:01:54.182 --> 00:01:55.806 軌道には乗れないということです 00:01:55.806 --> 00:01:57.852 もし8号が少し遅く出てきたら 00:01:57.852 --> 00:01:59.521 反対に 逆噴射のし過ぎで 00:01:59.521 --> 00:02:00.898 軌道に乗れず 00:02:00.898 --> 00:02:04.858 次第に高度が下がり 月面に衝突することを意味します 00:02:04.858 --> 00:02:07.081 もちろん月着陸船を失ったら 00:02:07.081 --> 00:02:09.452 これは 大失敗なので 00:02:09.452 --> 00:02:11.160 だから8号が 00:02:11.160 --> 00:02:13.534 ぴったりのタイミングで 月の裏側から出てきたとき 00:02:13.534 --> 00:02:15.900 我々がどんなにほっとしたか 00:02:15.900 --> 00:02:17.242 わかるでしょう! 00:02:17.242 --> 00:02:20.832 次に私はアポロ12号で再び支援クルーとなりました 00:02:20.832 --> 00:02:23.335 アポロ12号はロケット発射の際 00:02:23.335 --> 00:02:25.126 落雷の直撃を受けました 00:02:25.126 --> 00:02:26.293 近くの雷雨で 00:02:26.293 --> 00:02:28.173 稲妻が起こり 00:02:28.173 --> 00:02:30.594 宇宙船のてっぺんを直撃しました 00:02:30.594 --> 00:02:33.263 電流は船内を伝わり 00:02:33.263 --> 00:02:34.318 ブースターを通り 00:02:34.318 --> 00:02:35.895 排気ガスを伝わって 00:02:35.895 --> 00:02:38.774 発射台から地面に到達しました 00:02:38.774 --> 00:02:41.349 そのため電気系統に問題が生じ 00:02:41.349 --> 00:02:44.023 全てのコンピューターが 使えなくなりました 00:02:44.023 --> 00:02:45.500 中にいる人を想像してみて下さい 00:02:45.500 --> 00:02:48.450 突然 電気が全て消えたのです 00:02:48.450 --> 00:02:49.464 バッテリーが復活して 00:02:49.464 --> 00:02:51.343 電力が戻ったとき 00:02:51.343 --> 00:02:53.699 宇宙船内の全ての警告灯 00:02:53.699 --> 00:02:56.044 注意灯は点滅して 00:02:56.044 --> 00:02:58.871 警報 サイレン ブザー 00:02:58.871 --> 00:03:00.396 あらゆるものが 00:03:00.396 --> 00:03:02.422 同時に鳴り響いたのです 00:03:02.422 --> 00:03:03.877 飛行士達は何が起こったのか 00:03:03.877 --> 00:03:05.419 わかりませんでした 00:03:05.419 --> 00:03:06.671 無事 軌道に乗ってから 00:03:06.671 --> 00:03:10.172 全システムをテストし 全て正常に動いているようでした 00:03:10.172 --> 00:03:11.550 全システムをテストし 全て正常に動いているようでした 00:03:11.550 --> 00:03:13.299 そろそろ自分の番だと思っていると 00:03:13.299 --> 00:03:15.763 私に任務が回ってきました 00:03:15.763 --> 00:03:16.729 実飛行の任務です 00:03:16.729 --> 00:03:20.436 アポロ16号の予備クルーに任命され 00:03:20.436 --> 00:03:23.991 アポロ19号のメインクルーになるはずでした 00:03:23.991 --> 00:03:26.530 ところが訓練が始まって数週間目に 00:03:26.530 --> 00:03:27.996 突然NASAは発表しました 00:03:27.996 --> 00:03:31.946 アポロ18、19、20号の計画を 中止するというのです 00:03:31.946 --> 00:03:33.281 アメリカはベトナム戦争の真っ只中で 00:03:33.281 --> 00:03:34.991 予算が不足していたのです 00:03:34.991 --> 00:03:36.950 非常にがっかりした3人の飛行士の 00:03:36.950 --> 00:03:40.245 落ち込んだ様子は想像できるでしょう 00:03:40.245 --> 00:03:42.895 何しろ私達は月へいけなくなったのですから 00:03:42.895 --> 00:03:47.544 数週間後 トム・スタフォード 00:03:47.544 --> 00:03:49.878 当時の上官宇宙飛行士から電話がありました 00:03:49.878 --> 00:03:52.383 オフィスに呼ばれ 行ってみると 00:03:52.383 --> 00:03:52.921 オフィスに呼ばれ 行ってみると 00:03:52.921 --> 00:03:54.533 月に行くチャンスを失って 00:03:54.533 --> 00:03:57.012 非常に残念だったと言い こう続けました 00:03:57.012 --> 00:03:59.556 「君にもう1つの任務がある 00:03:59.556 --> 00:04:01.814 船長になってほしい 00:04:01.814 --> 00:04:05.999 スカイラブ計画の3度目で 最後のミッションの船長だ」 00:04:05.999 --> 00:04:08.365 そして彼は聞きました 「できると思うかい?」 00:04:08.365 --> 00:04:09.861 私は即答しました 「もちろんです!」 00:04:09.861 --> 00:04:10.789 でも実はその時 00:04:10.789 --> 00:04:15.365 ある種の不安を感じました 00:04:15.365 --> 00:04:16.406 私は新人飛行士で 00:04:16.406 --> 00:04:19.734 普通 新人は船長には任命されず 00:04:19.734 --> 00:04:22.454 最低1回の実飛行経験が 必要だからです 00:04:22.454 --> 00:04:24.296 でも その仕事を任され 00:04:24.296 --> 00:04:26.043 とても驚きました 00:04:26.043 --> 00:04:32.888 新人が船長になったのは ジェミニ8号の ニール・アームストロング以来だったからです