WEBVTT 00:00:07.308 --> 00:00:11.711 (拍手) おはようございます 00:00:12.065 --> 00:00:14.687 なぜ ウーマノミクスなのでしょうか? 00:00:14.687 --> 00:00:17.758 遡ること1999年に 私は『ウーマノミクス』の題で 00:00:17.758 --> 00:00:21.459 研究レポートを 書くことにしました 00:00:21.459 --> 00:00:25.723 というのも その時も 今でも確信していますが 00:00:25.723 --> 00:00:32.723 多種多様な日本の 構造的な課題へのいくつかの解決策は 00:00:32.723 --> 00:00:36.463 目の前に存在していると 確信していたからです 00:00:36.463 --> 00:00:38.609 それは人口の半分です 00:00:38.609 --> 00:00:41.306 多様な構造的な課題とは 何でしょうか? 00:00:41.306 --> 00:00:45.887 1つ目 そして最も大きな課題は 人口動態です 00:00:45.887 --> 00:00:48.829 この種の統計は 皆さんもよくご存知だと思いますが 00:00:48.829 --> 00:00:52.423 万一ご存知でない場合のために 振り返らせてください 00:00:52.423 --> 00:00:56.927 みなさんも生きていらっしゃるであろう 2055年頃までに 00:00:56.927 --> 00:01:00.556 この列島では 総人口が 00:01:00.556 --> 00:01:03.556 3分の1減少してしまいます 00:01:04.306 --> 00:01:06.337 その頃には ご覧のように 00:01:06.337 --> 00:01:09.973 老人の人口の割合が 00:01:09.973 --> 00:01:14.846 20%から40%超へと倍増します 00:01:15.446 --> 00:01:17.915 この統計は 恐ろしいものですよね 00:01:18.475 --> 00:01:20.615 人口動態の変化はすさまじく 00:01:20.646 --> 00:01:26.305 OECD諸国の中で 子供の数よりペットの数の方が多いのは 00:01:26.305 --> 00:01:31.880 日本だけなのはご存知ですか? (笑) 00:01:31.880 --> 00:01:33.741 でっち上げじゃないですよ 00:01:33.741 --> 00:01:36.117 きちんと調べ上げたものです 00:01:36.117 --> 00:01:38.600 続いて 人口動態について 世界と比べてみます 00:01:38.600 --> 00:01:40.472 これは人口に占める割合で 00:01:40.472 --> 00:01:44.041 労働人口の割合です もちろん赤線で示されているのが日本です 00:01:44.041 --> 00:01:47.679 もちろん 先進国すべてで 人口動態が課題になっていますが 00:01:47.679 --> 00:01:52.283 見て分かるように 日本は 労働人口の比率が縮小しており 00:01:52.283 --> 00:01:56.121 他のどの国よりも 速いペースで進んでいます 00:01:56.121 --> 00:01:58.691 では どんな答えや解決策が あるでしょうか? 00:01:58.691 --> 00:02:02.223 基本的には 私が知る限り 3つの策しかありません 00:02:02.223 --> 00:02:04.695 1つ目 出生率を上げる 00:02:04.695 --> 00:02:07.833 2つ目 移民に関する法律を変える 00:02:07.833 --> 00:02:12.888 3つ目 もう一度言いますと 人口の半分を効率的に使う 00:02:12.888 --> 00:02:17.275 1つ目については 政府が 何とかしようとしましたが 00:02:17.275 --> 00:02:20.746 不幸にも 多くの若い日本人― この会場に居る人の多くも 00:02:20.746 --> 00:02:22.723 そうかもしれませんが 00:02:22.723 --> 00:02:28.639 結婚は不要だ と結論を出しています (マイクは必要ですけどね) 00:02:30.059 --> 00:02:35.306 そして 結婚していない人の割合が 上昇しているのだから 00:02:35.306 --> 00:02:38.472 もちろん 出生率を上げるのは ちょっと難しいですよね? 00:02:38.472 --> 00:02:40.499 2つ目は移民 00:02:40.499 --> 00:02:43.167 私は個人的には 法改正は不可避だと考えますが 00:02:43.167 --> 00:02:46.437 改正にはもう少し時間が かかりそうだと考えています 00:02:46.437 --> 00:02:48.272 そうなると 3つ目しか 00:02:48.272 --> 00:02:51.389 実行可能で短期的にできる 解決策は残されていません 00:02:51.389 --> 00:02:52.807 良いニュースと 00:02:52.807 --> 00:02:55.224 悪いニュースがあります 00:02:55.224 --> 00:02:59.889 まずは良いニュースからです 日本の女性の労働力率は 00:02:59.889 --> 00:03:05.389 現在 働いている女性は 史上最高の60%に達しています 00:03:05.389 --> 00:03:07.926 私がレポートを書いた 12年前からすれば 00:03:07.926 --> 00:03:10.996 進歩があって 本当に良かったと思っています 00:03:10.996 --> 00:03:14.889 しかしながら 悪いニュースは 世界と比較した場合 00:03:14.889 --> 00:03:16.835 これが日本の順位です 00:03:16.835 --> 00:03:19.889 殆どの他の先進国よりも ずっと低いのです 00:03:19.889 --> 00:03:22.306 特にスカンジナビアなどの国々では 00:03:22.306 --> 00:03:25.177 労働力率が80%近くにもなっています 00:03:26.077 --> 00:03:27.806 何が問題なのでしょうか? 00:03:27.806 --> 00:03:31.850 1つ目の問題は 日本独特の現象で 00:03:31.850 --> 00:03:34.118 「M字カーブ」と呼んでいます 00:03:34.118 --> 00:03:35.786 どんな現象でしょうか? 00:03:35.786 --> 00:03:37.421 このグラフを見ると 00:03:37.421 --> 00:03:40.413 まぁ 遅い時間になってきて ちょっと読みにくいでしょうが 00:03:40.413 --> 00:03:43.194 見てみてくださいね これは簡単に言えば 00:03:43.194 --> 00:03:46.566 横軸に 年齢 年齢層 が 書いてあって 00:03:46.566 --> 00:03:49.131 縦軸に 働いている女性の 割合が書かれています 00:03:49.131 --> 00:03:50.870 現在 どんな社会でも 00:03:50.870 --> 00:03:54.640 学校を出たら 労働を始めて 00:03:54.640 --> 00:03:57.963 退職するまで 労働し続けるのが典型的です 00:03:58.043 --> 00:04:02.579 多くの経済システムでは このように丘のようなカーブになります 00:04:02.579 --> 00:04:05.162 しかし日本では この「谷」のようになっています 00:04:05.162 --> 00:04:07.750 谷が20代後半と 00:04:07.750 --> 00:04:10.688 40代後半の間にあるのです 00:04:10.688 --> 00:04:13.056 さて 観客の皆様 考えてみてください 00:04:13.056 --> 00:04:16.329 働いている方々に聞きます 00:04:16.329 --> 00:04:19.889 20代後半から40代後半という期間は 00:04:19.889 --> 00:04:23.889 どんな人のキャリアにとっても 最も生産性が上がる期間ではないですか? 00:04:23.889 --> 00:04:26.771 でも日本の女性の場合には この期間はほとんど 00:04:26.771 --> 00:04:30.305 MIA つまり 行方不明です 00:04:31.155 --> 00:04:33.223 より大きな問題の1つは もちろん 00:04:33.223 --> 00:04:34.612 みなさんがご存知のように 00:04:34.612 --> 00:04:37.319 M 字カーブのせいです 原因の1つは 00:04:37.319 --> 00:04:39.806 日本では 多くの母親は 働かないからです 00:04:39.806 --> 00:04:43.306 実に 70%の日本の母親は 00:04:43.306 --> 00:04:47.139 最初の子供を産むと 仕事を辞めてしまいます 00:04:47.689 --> 00:04:49.594 国際的に見ると 00:04:49.594 --> 00:04:52.363 6歳以下の子を持つ母親の場合 00:04:52.363 --> 00:04:55.582 3分の1程度しか働いていません 00:04:55.582 --> 00:05:02.120 この割合がスウェーデンでは80%近くで アメリカなら60%です 00:05:02.839 --> 00:05:05.388 なぜ 働く女性が 少ないのでしょうか? 00:05:05.388 --> 00:05:06.723 4つの理由があります 00:05:06.723 --> 00:05:09.279 保育施設と託児所 税金の構造 00:05:09.279 --> 00:05:11.782 労働多様性への注力度合 そして移民です 00:05:11.782 --> 00:05:14.251 でも まずは1つ目と3つ目を 話します 00:05:14.251 --> 00:05:17.921 この分野は非常に頻繁に 議論になります 00:05:17.921 --> 00:05:20.123 日本でウーマノミクスを 実現するには 00:05:20.123 --> 00:05:22.388 託児所が本当に 足りないのです 00:05:22.388 --> 00:05:25.429 もちろん 日本政府も 00:05:25.429 --> 00:05:28.389 関連施設を増やしています ただ 現実には 00:05:28.389 --> 00:05:32.056 日本では 3歳以下の子供が 00:05:32.056 --> 00:05:34.871 託児所に預けられている割合は 00:05:34.871 --> 00:05:37.306 現在28%です 00:05:37.306 --> 00:05:42.180 これがフランスでは43%で デンマークでは60%を超えています 00:05:42.180 --> 00:05:47.473 これは託児所や 家庭の外での育児ですが 00:05:47.473 --> 00:05:49.587 家庭内ではどんな状況でしょうか? 00:05:50.927 --> 00:05:53.556 私の夫が現状を知って 笑い出してしまいました 00:05:53.556 --> 00:05:57.494 これは政府の調査結果ですが 00:05:57.494 --> 00:05:58.556 各国の父親― 00:05:58.556 --> 00:06:04.100 スウェーデン ノルウェー アメリカ ドイツの父親が 00:06:04.100 --> 00:06:07.305 育児と家事に費やした 平均時間は 00:06:07.305 --> 00:06:10.556 1日3時間を超えています 00:06:10.556 --> 00:06:13.724 日本では 1日1時間です 00:06:13.724 --> 00:06:16.181 さらに日本の棒グラフの 赤い部分を見てみると 00:06:16.181 --> 00:06:19.517 育児については 15分となっています 00:06:19.517 --> 00:06:22.806 さて 男性の方 少し考えてみましょう 15分です 00:06:23.716 --> 00:06:26.357 これは私の想像ですが 恐らくお風呂に入るのに 00:06:26.357 --> 00:06:28.806 みなさん15分以上は かけていますよね 00:06:28.806 --> 00:06:31.428 毎日15分以上は テレビを見ているでしょう? 00:06:31.428 --> 00:06:33.665 隠さずに真実を明らかにしましょう 00:06:33.665 --> 00:06:38.503 このように 家庭でも 共同作業や助け合いに 00:06:38.503 --> 00:06:41.056 大きな問題があります 00:06:41.056 --> 00:06:43.389 次に 焦点を誤った 労働多様性です 00:06:43.389 --> 00:06:46.110 私はこれを 大問題と考えています 00:06:46.110 --> 00:06:48.778 過去5年で 先進国の多くでは 00:06:48.778 --> 00:06:51.282 具体的な進捗が見られました 00:06:51.282 --> 00:06:54.185 変化は必ずしも ボトムアップで起こるものではなく 00:06:54.185 --> 00:06:57.253 多くの場合には トップダウンで 起こす必要があります 00:06:57.253 --> 00:07:00.625 社会に変化を起こすには トップの位置に 00:07:00.625 --> 00:07:03.260 変化が起こせる人を 起用する必要があります 00:07:03.260 --> 00:07:07.832 日本の女性管理職の割合は いまだに9%です 00:07:07.832 --> 00:07:11.703 これは5年前の割合と 全く一緒です 00:07:11.703 --> 00:07:14.806 他の国では 35から50%です 00:07:14.806 --> 00:07:18.669 ロールモデルとなる人が もっと必要なのです 00:07:19.259 --> 00:07:23.914 面白いことに およそ25年前に 実は日本政府は 00:07:23.914 --> 00:07:29.787 雇用機会均等法を 成立させています 00:07:30.337 --> 00:07:35.723 それにも関わらず 現在日本の女性の平均収入は 00:07:35.723 --> 00:07:39.931 未だに男性の収入の 3分の2程度しかありません 00:07:39.931 --> 00:07:41.723 このグラフで分かるように 00:07:41.723 --> 00:07:48.339 ジェンダーによる賃金の差は 日本に限らず いたるところにあります 00:07:49.119 --> 00:07:52.222 考えれば簡単に分かります 私が日本の女性だとして 00:07:52.222 --> 00:07:56.947 いかに一生懸命働いて どれだけの努力をしたとしても 00:07:56.947 --> 00:08:01.085 給与や昇進の面で 常に冷遇されることが分かっています 00:08:01.085 --> 00:08:05.189 私はどうしたら良いでしょう? 00:08:05.189 --> 00:08:08.693 働き続けようなんて思わないですよ そうでしょう? 00:08:08.693 --> 00:08:13.163 だから 私から見ると 均等法は表面上は法律ではありますが 00:08:13.163 --> 00:08:16.836 本来行われるべきように 施行されていないのです 00:08:17.566 --> 00:08:21.004 私がウーマノミクスの講演をすると 多くの人がこう尋ねます 00:08:21.004 --> 00:08:23.040 「でも 本当に重要なの?」 00:08:23.040 --> 00:08:27.109 統計によれば重要だということが 明確に示されていると私は考えています 00:08:27.109 --> 00:08:29.139 というのも 00:08:29.139 --> 00:08:34.686 労働多様性を推進する明確な実現策を 採用している企業を見ればわかります 00:08:34.686 --> 00:08:37.972 実例として 働く母親を支援するプログラムや 00:08:37.972 --> 00:08:44.495 客観的評価基準が確実に 使われるようにするプログラムなどがあります 00:08:44.495 --> 00:08:48.666 これらの施策を行っている 赤の棒グラフの企業の平均利益率が 00:08:48.666 --> 00:08:52.638 施策を行っていない青の棒グラフで示した 企業よりも高いことがわかります 00:08:52.638 --> 00:08:57.040 でも1つ言っておきますと 日本でウーマノミクスの話をして 00:08:57.040 --> 00:09:00.972 私が遭遇する最も困る障壁は この質問です 00:09:00.972 --> 00:09:04.615 「でも 松井さん もしレポートが正しくて 00:09:04.615 --> 00:09:08.751 社会で日本の女性が もっと働くようになったとしたら 00:09:08.751 --> 00:09:15.860 既に最低レベルの日本の出生率を さらに下げることになりませんか?」 00:09:15.860 --> 00:09:18.973 これと同じことを 聞いたことのある方は? 00:09:18.973 --> 00:09:21.724 そう ほとんどの人が 聞いたことがありますよね 00:09:21.724 --> 00:09:27.473 「非常に良いレポートではありますが 経験的に事実と異なりますね」と言われます 00:09:27.473 --> 00:09:29.439 このグラフを見てください 00:09:29.439 --> 00:09:33.376 単純なグラフです 縦軸を出生率として 00:09:33.376 --> 00:09:37.473 横軸を女性の労働参加率として グラフにしました 00:09:37.473 --> 00:09:40.306 それぞれの点は見ずに 赤線を見てください 00:09:40.306 --> 00:09:43.021 右肩上がりです 言い換えると 00:09:43.021 --> 00:09:45.556 その国の女性の 労働参加率が高くなるほど 00:09:45.556 --> 00:09:49.360 出生率が高いのです 低いなんてことはありません 00:09:49.360 --> 00:09:53.497 スウェーデン アメリカ イギリス フランス オーストラリアを見てください 00:09:53.497 --> 00:09:58.138 私やこの統計が信じられないという 日本人の方もこの会場におられるでしょうが 00:09:58.138 --> 00:10:00.671 これは日本でも 当てはまることです 00:10:00.671 --> 00:10:03.806 これは47都道府県を グラフにしたものです 00:10:03.806 --> 00:10:07.513 全く同じ関係です 00:10:07.513 --> 00:10:13.416 沖縄 福井 長野では女性の労働参加率が 比較的高い一方で 00:10:13.416 --> 00:10:15.752 比較的高い出生率となっています 00:10:15.752 --> 00:10:20.258 では ウーマノミクスを実現できた場合 何が良くなるでしょうか? 00:10:20.258 --> 00:10:22.723 夢物語のようですが 少しの間お付き合いください 00:10:22.723 --> 00:10:26.389 もし 日本で女性労働参加率を 上げることができたら 00:10:26.389 --> 00:10:30.889 ここでは日本男性の80%に匹敵する 60%と仮定しましょう 00:10:30.889 --> 00:10:34.771 これはその時の GDP の潜在的上昇率です 00:10:34.771 --> 00:10:40.610 15%です! 日本のGDP の水準を 15%も上昇させます 00:10:40.610 --> 00:10:43.779 この効果なら実施する 十分な価値があると私は考えます 00:10:43.779 --> 00:10:46.223 では結局何をすべきでしょうか 4つあります 00:10:46.223 --> 00:10:49.020 1つ目 モノの見方を変えましょう 00:10:49.020 --> 00:10:52.639 ウーマノミクスを含めて労働多様性は 任意参加の活動ではだめです 00:10:52.639 --> 00:10:56.806 長期的な経済成長を可能にするための 00:10:56.806 --> 00:11:01.388 企業戦略の現実的な核である必要があります 00:11:01.388 --> 00:11:07.170 2つ目は柔軟性の高い勤務や 客観的な評価を行うことです 00:11:07.170 --> 00:11:10.557 多くの人が女性のための柔軟な勤務を 主張していますが 00:11:10.557 --> 00:11:14.473 考えてください 結婚しない日本の女性が増えると 00:11:14.473 --> 00:11:17.849 これは同時に 多くの独身男性が増えることであり 00:11:18.779 --> 00:11:22.556 さらにこれが一人っ子であれば 結果的には彼らの年老いた両親を 00:11:22.556 --> 00:11:24.806 介護する必要が生じます 違いますか? 00:11:25.666 --> 00:11:27.523 彼らも休暇をとる必要が出てきますし 00:11:27.523 --> 00:11:29.594 より柔軟な勤務形態が 必要になります 00:11:29.594 --> 00:11:31.723 だから ジェンダーの問題ではありません 00:11:31.723 --> 00:11:35.598 柔軟な勤務形態は 男女 両方のためのものなのです 00:11:35.598 --> 00:11:40.504 3つ目は保育 託児所 移民法の規制緩和です 00:11:40.504 --> 00:11:44.441 日本は1,000人の看護師を フィリピンとインドネシアから 00:11:44.441 --> 00:11:47.724 迎える政府間合意を結んでいます 素晴らしいことです 00:11:47.724 --> 00:11:51.081 でも もし3年以上滞在したい場合には どうなると思います? 00:11:51.081 --> 00:11:56.087 日本に留まってビザを延長するためには 日本語で行われる日本の国家資格試験を受け 00:11:56.087 --> 00:11:58.722 合格する必要があります 00:11:58.722 --> 00:12:05.095 昨年2月には 257人の看護師が試験を受け 3人が合格しました 00:12:05.095 --> 00:12:09.501 もし 看護師に来てもらおうと思うなら こんなにハードルを高くしてはダメです 00:12:09.501 --> 00:12:13.003 最後は 変化を起こすのに十分な数の ロールモデルとなる女性です 00:12:13.003 --> 00:12:17.889 これは非常に重要です 実は私自身 昔はクオータ制や 00:12:17.889 --> 00:12:21.078 優遇措置には大反対していました 00:12:21.078 --> 00:12:23.889 私の考えは 進化するようになりました 00:12:23.889 --> 00:12:29.020 ノルウェー政府は 2004年に クオータ制を法的に採用しました 00:12:29.020 --> 00:12:32.190 この法律は ノルウェーの 上場株式会社全てが 00:12:32.190 --> 00:12:35.693 取締役会に最低でも40%の女性役員を 置くべきというものでした 00:12:35.693 --> 00:12:38.594 あなたがノルウェーの ビジネス界にいたとしたら 00:12:38.594 --> 00:12:41.973 その時「できっこないよ!」 と言ったことでしょう 00:12:41.973 --> 00:12:45.306 「わが社の役員席数を 埋めるだけの能力を持った 00:12:45.306 --> 00:12:48.304 ノルウェー女性がいない 実現しない」 00:12:48.304 --> 00:12:51.274 どうなったと思います? 1年が過ぎ 00:12:51.274 --> 00:12:55.245 2年が過ぎ 今ではほとんどの企業で 00:12:55.245 --> 00:12:58.306 法的クオータの40%が 満たされました 00:12:58.306 --> 00:13:01.138 なぜです? 実は十分な数の女性がいたからです 00:13:01.138 --> 00:13:03.286 姿を消していた女性たちが 突如現れ 00:13:03.286 --> 00:13:05.473 他の人たちに引き上げられて 00:13:05.473 --> 00:13:08.090 今では意思決定の重要な地位に 就いているのです 00:13:08.090 --> 00:13:10.972 こんなことも 不可能ではないということです 00:13:10.972 --> 00:13:14.098 そして特に日本では 現在かなり遅れていることを考えると 00:13:14.098 --> 00:13:16.800 企業における女性役員数を増やすには 00:13:16.800 --> 00:13:19.003 それ以上の推進策を 取る必要があります 00:13:19.003 --> 00:13:22.672 最後に この会場の女性たちには― 00:13:22.672 --> 00:13:24.442 多くの女性がいることは素晴らしいことです 00:13:24.442 --> 00:13:27.639 もし今日の私のトークの内容を 全く覚えていなくても 00:13:27.639 --> 00:13:32.683 1つだけ覚えてください 女性の出世の壁 ガラスの天井などないのだと 00:13:32.683 --> 00:13:36.388 あるのは分厚い男たちの壁だけです 00:13:36.388 --> 00:13:39.273 どうもありがとうございます 00:13:39.273 --> 00:13:41.171 (拍手)