1
00:00:00,500 --> 00:00:03,940
一般的に
有糸分裂について話すとき

2
00:00:03,940 --> 00:00:08,310
二倍体細胞のことを指す

3
00:00:08,310 --> 00:00:10,670
二倍体細胞っていうのは

4
00:00:10,670 --> 00:00:13,780
2N本の染色体をもつ細胞

5
00:00:13,780 --> 00:00:15,950
これが核で

6
00:00:15,950 --> 00:00:17,410
これが細胞全体

7
00:00:17,410 --> 00:00:19,960
この細胞が
２個の二倍体細胞になる

8
00:00:19,960 --> 00:00:23,590
それぞれが

9
00:00:23,590 --> 00:00:29,710
２Ｎ本の染色体をもった

10
00:00:29,710 --> 00:00:30,640
２個の細胞になる

11
00:00:30,640 --> 00:00:33,400
有糸分裂（Mitosis）とは

12
00:00:33,400 --> 00:00:34,580
このことを指すわけだ

13
00:00:34,580 --> 00:00:37,850
だけど
もう少し正確に定義したい

14
00:00:37,850 --> 00:00:42,120
有糸分裂期（Ｍ期）は
あるプロセスだけを指すんだ

15
00:00:42,120 --> 00:00:45,350
遺伝子物質や核の複製おける
特定のプロセス

16
00:00:45,350 --> 00:00:50,180
別の細胞を描いてみようか

17
00:00:50,180 --> 00:00:54,300
この青い細胞には
核が２個ある

18
00:00:54,300 --> 00:00:57,770
染色体を、２セットもってる

19
00:00:57,770 --> 00:00:59,040
この細胞は

20
00:00:59,040 --> 00:01:01,870
有糸分裂を、終えたところなんだ

21
00:01:01,870 --> 00:01:05,030
まだ、細胞質分裂は起きてない

22
00:01:05,030 --> 00:01:07,730
あとで話すけど

23
00:01:07,730 --> 00:01:12,430
細胞質分裂期には、細胞質が分裂して

24
00:01:12,430 --> 00:01:13,490
別々の２個の細胞になる

25
00:01:13,490 --> 00:01:17,160
念のため言っとくけど

26
00:01:17,160 --> 00:01:21,630
細胞質は、核の外側の物質

27
00:01:21,630 --> 00:01:23,590
それについては、あとで説明する

28
00:01:23,590 --> 00:01:25,680
ともかく、日常的な言葉の使い方だと

29
00:01:25,680 --> 00:01:26,670
これが有糸分裂

30
00:01:26,670 --> 00:01:28,860
だけど、こだわる先生だったら

31
00:01:28,860 --> 00:01:31,730
下の青で描いたのが
有糸分裂だ

32
00:01:31,730 --> 00:01:35,030
核分裂
つまり核が複製されて

33
00:01:35,030 --> 00:01:37,460
２個の、別々の核になるってこと

34
00:01:37,460 --> 00:01:42,820
ここから、細胞質分裂に進んで

35
00:01:42,820 --> 00:01:45,930
細胞質が、２つに分かれる

36
00:01:45,930 --> 00:01:51,250
それじゃ、有糸分裂のメカニズムにいこう

37
00:01:51,250 --> 00:01:55,150
有糸分裂に、きわめて必要な第一段階は

38
00:01:55,150 --> 00:01:58,920
有糸分裂とは関係なく

39
00:01:58,920 --> 00:02:02,883
細胞の生活のなかで、起きている

40
00:02:02,883 --> 00:02:07,570
間期に、起きているんだ

41
00:02:07,570 --> 00:02:10,449
間期は、有糸分裂期とは違うからね

42
00:02:10,449 --> 00:02:14,810
間期は
細胞が生きている時期

43
00:02:14,810 --> 00:02:17,730
新しい細胞を作ろう

44
00:02:17,730 --> 00:02:20,460
緑で描くよ

45
00:02:20,460 --> 00:02:22,430
新しい細胞だ

46
00:02:22,430 --> 00:02:24,780
これが核

47
00:02:24,780 --> 00:02:29,630
２Ｎ本の染色体をもち、この細胞が成長する

48
00:02:29,630 --> 00:02:32,790
栄養分を、外から取り込んで

49
00:02:32,790 --> 00:02:37,660
タンパク質を作ったり、いろいろやって
少し成長する

50
00:02:37,660 --> 00:02:42,610
今のところ、染色体は一揃いある

51
00:02:42,610 --> 00:02:46,080
細胞の一生の、ある時期

52
00:02:46,080 --> 00:02:49,220
間期の、この段階には

53
00:02:49,220 --> 00:02:52,460
生物の授業ではやらないかもしれないけど

54
00:02:52,460 --> 00:02:53,070
名前がついてる

55
00:02:53,070 --> 00:02:56,650
Ｇ１期（Gap1期／あいだの意味）といって

56
00:02:56,650 --> 00:02:58,380
細胞が、ただ成長してる時期

57
00:02:58,380 --> 00:03:00,840
物質を蓄積して、大きくなっていく

58
00:03:00,840 --> 00:03:05,990
そして、染色体が

59
00:03:05,990 --> 00:03:06,770
複製される

60
00:03:06,770 --> 00:03:09,760
染色体は、まだ２Ｎ本のままだ

61
00:03:09,760 --> 00:03:11,390
じゃ、詳しく見てみよう

62
00:03:11,390 --> 00:03:12,160
ここに描くよ

63
00:03:12,160 --> 00:03:16,490
間期のなかの
Ｓ期（Synthesis期／合成の意味）

64
00:03:16,490 --> 00:03:19,190
Ｓ期は複製の

65
00:03:19,190 --> 00:03:19,430
時期

66
00:03:19,430 --> 00:03:22,340
もう一度いうけど、まだ有糸分裂期じゃない

67
00:03:22,340 --> 00:03:28,910
Ｓ期は、染色体の複製

68
00:03:28,910 --> 00:03:34,770
Ｓ期の核を、くわしく見てみよう

69
00:03:34,770 --> 00:03:38,230
染色体を２本もつ生物を、考えてみる

70
00:03:38,230 --> 00:03:40,940
染色体が２本

71
00:03:40,940 --> 00:03:45,210
Ｓ期の、初期の段階

72
00:03:45,210 --> 00:03:48,060
染色体を描くよ

73
00:03:48,060 --> 00:03:49,300
こうやって描くと、複製がわかりやすい

74
00:03:49,300 --> 00:03:54,010
ここにあるのが染色体

75
00:03:54,010 --> 00:03:57,400
こっちも染色体

76
00:03:57,400 --> 00:04:01,180
Ｓ期に、この染色体が複製される

77
00:04:01,180 --> 00:04:02,430
ここに核を描くよ

78
00:04:02,430 --> 00:04:05,740
核の部分を拡大
染色体は、１Ｎ本

79
00:04:05,740 --> 00:04:10,050
この細胞では、２本の染色体で一揃いだ

80
00:04:10,050 --> 00:04:16,010
Ｓ期のあいだに、染色体は複製される

81
00:04:16,010 --> 00:04:21,269
緑のやつは、複製されて

82
00:04:21,269 --> 00:04:24,220
緑のコピーを作る

83
00:04:24,220 --> 00:04:26,380
セントロメアの部分でつながるんだったね

84
00:04:26,380 --> 00:04:30,360
コピーされたやつは、染色分体っていう

85
00:04:30,360 --> 00:04:33,350
赤いほうも、同じようにするよ

86
00:04:33,350 --> 00:04:38,260
染色分体が２本
それぞれの染色体に、１本ずつ

87
00:04:38,260 --> 00:04:41,170
染色分体は４本
染色体２本が、染色分体２本ずつになった

88
00:04:41,170 --> 00:04:45,120
でもまだ、染色体は２本だからね

89
00:04:45,120 --> 00:04:47,000
ここが、セントロメア

90
00:04:47,000 --> 00:04:52,410
この現象は、Ｓ期に起こって

91
00:04:52,410 --> 00:04:53,710
細胞は、また成長をつづける

92
00:04:53,710 --> 00:04:59,160
ずいぶん大きくなった

93
00:04:59,160 --> 00:05:02,720
さらに成長する

94
00:05:02,720 --> 00:05:05,930
この現象は、Ｇ２期に起こって

95
00:05:05,930 --> 00:05:09,380
細胞は、また成長をつづける

96
00:05:09,380 --> 00:05:12,400
実は、細胞には別の部分がある

97
00:05:12,400 --> 00:05:13,900
まだ話していないから

98
00:05:13,900 --> 00:05:14,800
ちょっと話すよ

99
00:05:14,800 --> 00:05:17,580
ものすごく重要というわけじゃないけど

100
00:05:17,580 --> 00:05:19,010
中心体のことを、知っておこう

101
00:05:19,010 --> 00:05:21,530
あとで細胞が分割するときに
とても重要になるからね

102
00:05:21,530 --> 00:05:25,170
中心体も、複製される

103
00:05:25,170 --> 00:05:27,270
じゃあ

104
00:05:27,270 --> 00:05:29,860
小さい中心体を描くよ

105
00:05:29,860 --> 00:05:31,940
中心体の中には、中心小体がある

106
00:05:31,940 --> 00:05:33,820
よくわからなくてもいいけど

107
00:05:33,820 --> 00:05:36,370
このシリンダー状のやつ

108
00:05:36,370 --> 00:05:38,560
ここで、言っときたいのは

109
00:05:38,560 --> 00:05:41,710
中心小体や中心体と
セントロメアを混同しないこと

110
00:05:41,710 --> 00:05:44,690
セントロメアは

111
00:05:44,690 --> 00:05:46,760
２本の染色分体が
くっつく場所だ

112
00:05:46,760 --> 00:05:51,640
大変だけど、このプロセスでは

113
00:05:51,640 --> 00:05:53,520
いろんなことに、似た名前がついてる

114
00:05:53,520 --> 00:05:55,590
細胞の部位の名前も、似てるし

115
00:05:55,590 --> 00:05:57,320
これが中心体で、じきに絵の中に入ってくる

116
00:05:57,320 --> 00:05:59,720
今は、核の外にあって

117
00:05:59,720 --> 00:06:05,260
やっぱり、複製される

118
00:06:05,260 --> 00:06:08,280
間期に、複製されるんだ

119
00:06:08,280 --> 00:06:11,100
１つはもう描いたから、全部で２つ

120
00:06:11,100 --> 00:06:13,530
もちろん、２つとも中に中心小体がある

121
00:06:13,530 --> 00:06:15,930
だけど、あまり詳しく説明しない

122
00:06:15,930 --> 00:06:17,020
今はね

123
00:06:17,020 --> 00:06:20,460
ともかく、間期に起きることだ

124
00:06:20,460 --> 00:06:23,280
これが、細胞のおおよその一生であり

125
00:06:23,280 --> 00:06:24,420
成長過程でもある

126
00:06:24,420 --> 00:06:26,200
ここで、ちょっと言っておくけど

127
00:06:26,200 --> 00:06:29,310
ＤＮＡをあらわすとき、染色体を描いたね

128
00:06:29,310 --> 00:06:32,140
だけど、実際には

129
00:06:32,140 --> 00:06:34,760
間期には、ＤＮＡはこんな風に見えない

130
00:06:34,760 --> 00:06:37,930
ＤＮＡは

131
00:06:37,930 --> 00:06:40,580
染色質（クロマチン）の状態だ

132
00:06:40,580 --> 00:06:43,670
こんなに、ねじれてるわけじゃない

133
00:06:43,670 --> 00:06:46,050
こうやって描くのは

134
00:06:46,050 --> 00:06:51,920
複製されるのが、見えやすいから

135
00:06:51,920 --> 00:06:53,980
この緑の染色体は
全部ほどけていて

136
00:06:53,980 --> 00:06:56,330
顕微鏡で観察したら、見えにくい

137
00:06:56,330 --> 00:06:59,470
染色質の状態って、そういうものだ

138
00:06:59,470 --> 00:07:02,370
染色質が

139
00:07:02,370 --> 00:07:06,050
染色体に、変わるところを考えてみよう

140
00:07:06,050 --> 00:07:09,270
染色質ってのは
ＤＮＡとタンパク質のかたまりだ

141
00:07:09,270 --> 00:07:11,610
ＤＮＡは、多少包みこまれてる

142
00:07:11,610 --> 00:07:14,990
タンパク質も、ここにある

143
00:07:14,990 --> 00:07:16,560
顕微鏡で見ると

144
00:07:16,560 --> 00:07:19,210
染色質は
ＤＮＡとタンパク質の、ぼんやりしたかたまりだ

145
00:07:19,210 --> 00:07:22,090
赤いほうも同じ

146
00:07:22,090 --> 00:07:24,010
ＤＮＡは

147
00:07:24,010 --> 00:07:25,080
こんな感じだなんだ

148
00:07:25,080 --> 00:07:29,150
ＤＮＡは
周りにむかって開放されていなけりゃならない

149
00:07:29,150 --> 00:07:33,960
ｍＲＮＡや、他の助っ人タンパク質たちと

150
00:07:33,960 --> 00:07:34,790
作用しあうためにね

151
00:07:34,790 --> 00:07:37,260
複製されるためにも

152
00:07:37,260 --> 00:07:39,360
こんなふうに、ほどけてないとね

153
00:07:39,360 --> 00:07:41,600
あとで、固くねじれることになる

154
00:07:41,600 --> 00:07:44,630
緑のＤＮＡを描くよ

155
00:07:44,630 --> 00:07:47,080
これが複製されて、別の緑のになる

156
00:07:47,080 --> 00:07:49,010
あとから、ある部分でくっつくことになる

157
00:07:49,010 --> 00:07:51,260
赤いのも、別の赤いのに複製される

158
00:07:51,260 --> 00:07:53,440
２本は、ある部分でくっつくんだけど

159
00:07:53,440 --> 00:07:54,680
まだ、はっきりしてない

160
00:07:54,680 --> 00:07:57,060
どんなことが起きているか、わかるように描いてみた

161
00:07:57,060 --> 00:07:58,320
実際は、こういうことなんだ

162
00:07:58,320 --> 00:07:59,870
これが、染色質の状態

163
00:07:59,870 --> 00:08:03,070
染色質

164
00:08:03,070 --> 00:08:06,930
さあ、いよいよ有糸分裂だ

165
00:08:06,930 --> 00:08:09,060
有糸分裂の、第一段階は、とても大事だ

166
00:08:09,060 --> 00:08:12,420
描いてみよう

167
00:08:12,420 --> 00:08:17,200
細胞を、緑で描くよ

168
00:08:17,200 --> 00:08:20,790
細胞と比べて
核の大きさを、少し大きめに描こう

169
00:08:20,790 --> 00:08:23,470
今は、核の中で

170
00:08:23,470 --> 00:08:25,820
たくさんのことが、起きているからね

171
00:08:25,820 --> 00:08:28,890
有糸分裂の第一段階は、前期

172
00:08:28,890 --> 00:08:37,559
前期

173
00:08:37,559 --> 00:08:40,809
これは、勝手につけられたような名前だな

174
00:08:40,809 --> 00:08:41,890
顕微鏡で、観察した人が

175
00:08:41,890 --> 00:08:45,380
核が分割するときに、いつも起こるプロセスだ

176
00:08:45,380 --> 00:08:48,100
前期と、名づけようと思ったんだね

177
00:08:48,100 --> 00:08:55,210
前期で、起きることは

178
00:08:55,210 --> 00:08:58,050
染色質が、こんな状態になる

179
00:08:58,050 --> 00:09:02,330
さっき言ったように、前期には

180
00:09:02,330 --> 00:09:04,750
ＤＮＡが
みんな分かれてほどけている状態だ

181
00:09:04,750 --> 00:09:08,220
こっちでは、ねじれ始めてる

182
00:09:08,220 --> 00:09:09,940
複製が終わってることを、思い出してくれ

183
00:09:09,940 --> 00:09:10,480
複製済み

184
00:09:10,480 --> 00:09:13,990
複製は
有糸分裂が始まる前に、すでに終わってる

185
00:09:13,990 --> 00:09:16,840
ここに、染色体を描いてと、、

186
00:09:16,840 --> 00:09:18,400
ここに、もう１本。

187
00:09:18,400 --> 00:09:21,740
染色体は
２本の姉妹染色分体をもってる

188
00:09:21,740 --> 00:09:24,270
いずれは、引き離されるよ

189
00:09:24,270 --> 00:09:30,000
前期のあいだには

190
00:09:30,000 --> 00:09:35,060
前に言った、セントロメアが現れる

191
00:09:35,060 --> 00:09:40,380
ここにある中心体は

192
00:09:40,380 --> 00:09:44,060
これから
微小管の形成に関わっていく

193
00:09:44,060 --> 00:09:46,770
この棒状というか、ロープ状のものは

194
00:09:46,770 --> 00:09:50,890
細胞が分割するときに
ものを動かす大事な働きに関わってくる

195
00:09:50,890 --> 00:09:52,160
こういう一連の現象は、すごいね

196
00:09:52,160 --> 00:09:54,630
きみらは細胞のことを

197
00:09:54,630 --> 00:09:56,090
すごく単純なものだと、思ってるだろ

198
00:09:56,090 --> 00:10:01,940
生命のなかにある
最も基本的な構造がこれなんだけど

199
00:10:01,940 --> 00:10:05,750
こんなに複雑なメカニズムが
いたるところにあって

200
00:10:05,750 --> 00:10:07,360
たくさんのことが、まだ理解されていない

201
00:10:07,360 --> 00:10:09,820
ぼくたちは、観察することはできるけど

202
00:10:09,820 --> 00:10:14,140
原子やタンパク質レベルで、何が起こって

203
00:10:14,140 --> 00:10:17,720
ものごとを進行させているか
わかってるわけじゃない

204
00:10:17,720 --> 00:10:18,760
こんなにも、計画的にね

205
00:10:18,760 --> 00:10:21,480
まだ、研究中の領域なんだ

206
00:10:21,480 --> 00:10:23,520
わかっている部分もあれば、わからない部分もある

207
00:10:23,520 --> 00:10:26,910
ここに、２つの中心体があるね

208
00:10:26,910 --> 00:10:30,970
微小管の形成に、かかわる

209
00:10:30,970 --> 00:10:32,740
微小管は、文字どおり微小構造のものだ

210
00:10:32,740 --> 00:10:40,310
中心体は、チューブかロープのように見える

211
00:10:40,310 --> 00:10:44,230
こうやって、前期が進行していく

212
00:10:44,230 --> 00:10:45,720
ええと

213
00:10:45,720 --> 00:10:47,955
ここでは、複製という言葉を使いたくないな

214
00:10:47,955 --> 00:10:49,030
まぎらわしいからね

215
00:10:49,030 --> 00:10:49,950
これを消しちゃえ

216
00:10:49,950 --> 00:10:51,775
複製って言い方は

217
00:10:51,775 --> 00:10:54,460
やめる

218
00:10:54,460 --> 00:10:58,690
前期が、進行すると

219
00:10:58,690 --> 00:10:59,430
核膜は、消滅する

220
00:10:59,430 --> 00:11:01,435
描きなおそうか

221
00:11:01,435 --> 00:11:03,855
前に描いたのをコピーして

222
00:11:03,855 --> 00:11:06,820
こっちにもってくる

223
00:11:06,820 --> 00:11:08,536
さあ、これだ

224
00:11:08,536 --> 00:11:15,760
前期が、進行すると

225
00:11:15,760 --> 00:11:18,790
核膜が、分解をはじめる

226
00:11:18,790 --> 00:11:24,400
分解をはじめてるね

227
00:11:24,400 --> 00:11:29,330
ここにある微小管が伸びて

228
00:11:29,330 --> 00:11:29,840
セントロメアに

229
00:11:29,840 --> 00:11:31,290
くっつく

230
00:11:31,290 --> 00:11:34,230
これが、前期に起こることだ

231
00:11:34,230 --> 00:11:37,790
前期

232
00:11:37,790 --> 00:11:40,430
これは、みんな前期に起きる

233
00:11:40,430 --> 00:11:43,390
前期の後半だ

234
00:11:43,390 --> 00:11:44,820
前期後期といったり

235
00:11:44,820 --> 00:11:52,070
前中期といったりする

236
00:11:52,070 --> 00:11:54,140
まちがえた

237
00:11:54,140 --> 00:11:55,390
これでいい

238
00:11:55,390 --> 00:11:57,745
前中期は

239
00:11:57,745 --> 00:12:00,890
有糸分裂とは、別の時期なんだ

240
00:12:00,890 --> 00:12:02,700
ぼくが学校で習ったときには

241
00:12:02,700 --> 00:12:04,180
前中期なんてなかった

242
00:12:04,180 --> 00:12:06,620
全部を、前期といったからね

243
00:12:06,620 --> 00:12:09,620
前期の終わりには

244
00:12:09,620 --> 00:12:13,220
つまり、前中期の終わりまでには

245
00:12:13,220 --> 00:12:15,510
全体の様子は、こうなる

246
00:12:15,510 --> 00:12:17,390
細胞全体がこれ

247
00:12:17,390 --> 00:12:20,460
核膜は、分解して

248
00:12:20,460 --> 00:12:21,980
もう、存在していない

249
00:12:21,980 --> 00:12:24,380
ただし
核膜を構成していたタンパク質は、まだここにある

250
00:12:24,380 --> 00:12:26,350
またあとで、使われるんだ

251
00:12:26,350 --> 00:12:29,840
この細胞には、２本の染色体がある

252
00:12:29,840 --> 00:12:32,800
ヒトの場合は、４６本だね

253
00:12:32,800 --> 00:12:35,320
２本の染色体は
姉妹染色分体で構成されている

254
00:12:35,320 --> 00:12:41,050
染色体１本が
姉妹染色分体２本でできてる

255
00:12:41,050 --> 00:12:42,190
染色体が２本

256
00:12:42,190 --> 00:12:46,900
セントロメアも、ここにある

257
00:12:46,900 --> 00:12:55,160
中心体は

258
00:12:55,160 --> 00:12:59,930
さっきまで核があった、両はしに移動する

259
00:12:59,930 --> 00:13:03,370
それから、この微小管が
いろんな方向に伸びる

260
00:13:03,370 --> 00:13:06,740
微小管には、２つの働きがあって

261
00:13:06,740 --> 00:13:08,270
この場面では

262
00:13:08,270 --> 00:13:10,470
２つの中心体を、押し分ける

263
00:13:10,470 --> 00:13:12,370
微小管のあるものは

264
00:13:12,370 --> 00:13:13,880
この中心体から伸びて

265
00:13:13,880 --> 00:13:15,760
あるものは、別の中心体から伸び

266
00:13:15,760 --> 00:13:17,120
あるものは、２つの中心体をつなげる

267
00:13:17,120 --> 00:13:20,900
微小管は

268
00:13:20,900 --> 00:13:23,210
このチューブ状またはロープ状のやつで

269
00:13:23,210 --> 00:13:31,340
染色体上の、セントロメアにくっつくのもある

270
00:13:31,340 --> 00:13:34,610
くっつく部分は

271
00:13:34,610 --> 00:13:36,570
タンパク質でできた、動原体だ

272
00:13:36,570 --> 00:13:39,160
これが、動原体

273
00:13:39,160 --> 00:13:41,040
動原体

274
00:13:41,040 --> 00:13:42,430
タンパク質構造で

275
00:13:42,430 --> 00:13:43,940
とても面白いものなんだ

276
00:13:43,940 --> 00:13:46,980
微小管が、動原体にどうやってくっつくかは

277
00:13:46,980 --> 00:13:49,350
まだ、研究段階で不明

278
00:13:49,350 --> 00:13:53,740
あとで出てくるけど

279
00:13:53,740 --> 00:13:58,400
微小管が
２本の姉妹染色分体を、引き離す場所が

280
00:13:58,400 --> 00:14:02,670
動原体だからね

281
00:14:02,670 --> 00:14:03,530
動原体の働きは

282
00:14:03,530 --> 00:14:04,720
よくわかっていない

283
00:14:04,720 --> 00:14:09,080
実際に起こることが、観察されているだけだ

284
00:14:09,080 --> 00:14:14,020
前期がおわると

285
00:14:14,020 --> 00:14:17,190
細胞は、染色体が一列に並んだことを確かめる

286
00:14:17,190 --> 00:14:19,270
ここに、並んでいるように見えるけど

287
00:14:19,270 --> 00:14:22,760
実際には、中期に起こる

288
00:14:22,760 --> 00:14:24,090
中期は、つぎの段階

289
00:14:24,090 --> 00:14:26,040
最初が、前期

290
00:14:26,040 --> 00:14:29,280
今は、中期

291
00:14:29,280 --> 00:14:32,680
中期には、染色体が一列に並ぶ

292
00:14:32,680 --> 00:14:35,300
全部の染色体が、細胞の中央に並ぶ

293
00:14:35,300 --> 00:14:42,430
ここに、赤い染色体

294
00:14:42,430 --> 00:14:45,660
緑のは、ここ

295
00:14:45,660 --> 00:14:49,960
中心体もある

296
00:14:49,960 --> 00:14:51,570
紡錘体微小管が、ここから伸びる

297
00:14:51,570 --> 00:14:54,250
動原体微小管は

298
00:14:54,250 --> 00:14:59,200
染色体上の

299
00:14:59,200 --> 00:15:00,470
セントロメアにくっつく

300
00:15:00,470 --> 00:15:01,910
まぎらわしいね

301
00:15:01,910 --> 00:15:05,850
中心体は

302
00:15:05,850 --> 00:15:08,070
微小管の動きを、指揮するものだ

303
00:15:08,070 --> 00:15:11,880
微小構造の、中心小体は

304
00:15:11,880 --> 00:15:14,850
缶のような形をして、中心体の中にある

305
00:15:14,850 --> 00:15:19,050
セントロメアは、染色体の中央の部分で

306
00:15:19,050 --> 00:15:22,170
２本の染色分体が
くっつく場所だ

307
00:15:22,170 --> 00:15:25,850
これが姉妹染色分体

308
00:15:25,850 --> 00:15:28,250
もう１本の姉妹染色分体と
セントロメアでくっつく

309
00:15:28,250 --> 00:15:30,180
これが、中期

310
00:15:30,180 --> 00:15:33,100
簡単だろ

311
00:15:33,100 --> 00:15:36,310
こうやって一列に並ぶのが、中期

312
00:15:36,310 --> 00:15:38,220
何かの規則性があるけど

313
00:15:38,220 --> 00:15:39,770
進行がここまで進んでいることを

314
00:15:39,770 --> 00:15:40,740
細胞は、どうやって知るのだろう

315
00:15:40,740 --> 00:15:42,240
全てが一列に並んで、くっついていることを

316
00:15:42,240 --> 00:15:46,000
どうやって、知るんだろう

317
00:15:46,000 --> 00:15:48,970
何かの、伝達メカニズムがはたらいて

318
00:15:48,970 --> 00:15:52,110
動原体タンパク質のひとつが
ちゃんとロープにくっつかなかったら

319
00:15:52,110 --> 00:15:56,130
有糸分裂が進行しないように

320
00:15:56,130 --> 00:15:56,950
シグナルが送られる

321
00:15:56,950 --> 00:15:59,200
非常に、複雑なプロセスだ

322
00:15:59,200 --> 00:16:01,540
４６本の染色体と、細胞まるごとがあって

323
00:16:01,540 --> 00:16:05,630
細胞中のこういうものを、うまく動かすことを想像してみろよ

324
00:16:05,630 --> 00:16:08,080
なんにも頼らずにだ

325
00:16:08,080 --> 00:16:08,800
コンピュータにも

326
00:16:08,800 --> 00:16:14,360
実際には、化学的プロセスや

327
00:16:14,360 --> 00:16:15,910
熱学的プロセスによって、管理されている

328
00:16:15,910 --> 00:16:23,130
精巧かつ手際よく、ものごとが進行して

329
00:16:23,130 --> 00:16:26,690
自発的に、正しくチェックされ

330
00:16:26,690 --> 00:16:29,780
バランスをとりつつ、進行する

331
00:16:29,780 --> 00:16:32,210
ほぼ全工程で、まちがったことは起きない
すごいね

332
00:16:32,210 --> 00:16:36,270
中期のあとは
中身が半分に分かれる

333
00:16:36,270 --> 00:16:37,520
この段階が

334
00:16:37,520 --> 00:16:42,570
後期だ

335
00:16:42,570 --> 00:16:45,760
後期って書くよ

336
00:16:45,760 --> 00:16:48,250
細胞の色を、変えよう

337
00:16:48,250 --> 00:16:50,280
こいつらが、半分に分かれる

338
00:16:50,280 --> 00:16:53,490
半分に、分かれたら

339
00:16:53,490 --> 00:16:54,520
今度は、引っ張られる

340
00:16:54,520 --> 00:16:57,150
緑で描こう

341
00:16:57,150 --> 00:17:00,540
おっと、まちがえた

342
00:17:00,540 --> 00:17:03,410
1本の姉妹染色分体が
あっちに引っ張られて

343
00:17:03,410 --> 00:17:05,660
もう1本は、こっちに引っ張られる

344
00:17:05,660 --> 00:17:08,520
赤いのも同じ

345
00:17:08,520 --> 00:17:10,000
こっちに、引っ張られて

346
00:17:10,000 --> 00:17:11,780
あっちに、引っ張られる

347
00:17:11,780 --> 00:17:15,630
中心体は、ここにある

348
00:17:15,630 --> 00:17:19,040
動原体に、つながってるね

349
00:17:19,040 --> 00:17:21,119
ここで、引っ張っている

350
00:17:21,119 --> 00:17:23,890
微小管のなかには

351
00:17:23,890 --> 00:17:25,650
染色体に、つながっていないのもある

352
00:17:25,650 --> 00:17:29,260
２つの中心体を、引き離して

353
00:17:29,260 --> 00:17:32,570
全部が、細胞の両端に行くようにするんだ

354
00:17:32,570 --> 00:17:37,960
２本の染色分体が
離れたとたんに

355
00:17:37,960 --> 00:17:40,140
（ＤＮＡのところで少し話したけど、）

356
00:17:40,140 --> 00:17:44,120
つまり、この現象が起きたとたん

357
00:17:44,120 --> 00:17:47,030
染色体という名称になる

358
00:17:47,030 --> 00:17:49,960
さあ、細胞が元通りになった

359
00:17:49,960 --> 00:17:50,750
さっきはここ

360
00:17:50,750 --> 00:17:51,770
こっちにあった２本の染色体が

361
00:17:51,770 --> 00:17:53,900
今は、４本の染色体になった

362
00:17:53,900 --> 00:17:56,210
染色分体が
姉妹染色分体と離れた時点で

363
00:17:56,210 --> 00:17:59,590
これは、姉妹染色体だ

364
00:17:59,590 --> 00:18:01,100
名前が変わるだけだけど

365
00:18:01,100 --> 00:18:02,740
さっきはこうだったけど、今はこう

366
00:18:02,740 --> 00:18:04,510
さっきまで、くっついてたけど

367
00:18:04,510 --> 00:18:06,390
今は、くっついてない

368
00:18:06,390 --> 00:18:08,930
別個の存在だ

369
00:18:08,930 --> 00:18:10,590
もうじき終わりだよ

370
00:18:10,590 --> 00:18:11,960
最後のステージが、終期

371
00:18:11,960 --> 00:18:16,350
終期

372
00:18:16,350 --> 00:18:19,900
細胞を、少し変えて描いてみる

373
00:18:19,900 --> 00:18:22,650
なぜかというと
物事が同時進行で起きるからだ

374
00:18:22,650 --> 00:18:24,720
終期の大半でね

375
00:18:24,720 --> 00:18:26,910
終期は

376
00:18:26,910 --> 00:18:28,520
細胞を90°回転させよう

377
00:18:28,520 --> 00:18:30,800
これが中心体

378
00:18:30,800 --> 00:18:32,930
もうひとつの中心体は、ここ

379
00:18:32,930 --> 00:18:34,640
ここで

380
00:18:34,640 --> 00:18:37,670
中心体が、ＤＮＡを引き寄せる

381
00:18:37,670 --> 00:18:43,000
こっちの中心体は
この染色体のコピーを引き寄せて

382
00:18:43,000 --> 00:18:45,130
つぎに、べつの染色体のコピーを引き寄せた

383
00:18:45,130 --> 00:18:46,730
こっちの中心体も、同じことをする

384
00:18:46,730 --> 00:18:50,370
中心体が、それぞれのコピーを
１本ずつ引っ張ってきた

385
00:18:50,370 --> 00:18:54,060
色を変えよう

386
00:18:54,060 --> 00:18:57,190
ここに描くよ

387
00:18:57,190 --> 00:19:01,200
そして、細胞の両端で

388
00:19:01,200 --> 00:19:01,980
核膜形成がはじまる

389
00:19:01,980 --> 00:19:04,660
核膜が

390
00:19:04,660 --> 00:19:06,760
形成される

391
00:19:06,760 --> 00:19:09,310
終期のおわりには

392
00:19:09,310 --> 00:19:13,880
有糸分裂が、完了

393
00:19:13,880 --> 00:19:17,110
これで、元の核２個と

394
00:19:17,110 --> 00:19:21,300
そのなかの遺伝物質が
複製された

395
00:19:21,300 --> 00:19:24,430
終期が、進行している最中に

396
00:19:24,430 --> 00:19:27,440
細胞質分裂（サイトキネシス）が
起きて

397
00:19:27,440 --> 00:19:31,260
分裂溝が、形成される

398
00:19:31,260 --> 00:19:33,570
終期には

399
00:19:33,570 --> 00:19:37,720
微小管が、ここにあるいろんなものを

400
00:19:37,720 --> 00:19:42,166
細胞の両端の細胞質のところまで
押し分けるから

401
00:19:42,166 --> 00:19:45,270
細胞がつぶれて

402
00:19:45,270 --> 00:19:46,860
長細く見える

403
00:19:46,860 --> 00:19:49,440
それから、分裂溝が形成される

404
00:19:49,440 --> 00:19:51,310
この小さいくぼみだ

405
00:19:51,310 --> 00:19:54,520
有糸分裂終期の最後には

406
00:19:54,520 --> 00:19:58,340
この細胞質分裂のプロセスがあって

407
00:19:58,340 --> 00:20:01,900
分裂溝が、さらに深くなると

408
00:20:01,900 --> 00:20:04,730
細胞質が割れて
２個の別々の細胞になる

409
00:20:04,730 --> 00:20:08,560
これが、細胞質分裂

410
00:20:08,560 --> 00:20:13,450
有糸分裂の一部じゃなくて
終期に起こる

411
00:20:13,450 --> 00:20:16,950
有糸分裂の最後には

412
00:20:16,950 --> 00:20:18,770
２個の完全に同一の細胞が
できるわけだ

413
00:20:18,770 --> 00:20:22,800
２個の細胞ができたら

414
00:20:22,800 --> 00:20:25,140
それぞれが、間期に入る

415
00:20:25,140 --> 00:20:27,840
この細胞は

416
00:20:27,840 --> 00:20:30,780
つぎのＧ１期に、入りそうだ

417
00:20:30,780 --> 00:20:34,650
ある時期になったら
２個とも複製を開始する

418
00:20:34,650 --> 00:20:36,500
それがＳ期。
そしてＧ２期に入って

419
00:20:36,500 --> 00:20:41,280
また、有糸分裂を繰り返す