0:00:00.500,0:00:03.940 一般的に[br]有糸分裂について話すとき 0:00:03.940,0:00:08.310 二倍体細胞のことを指す 0:00:08.310,0:00:10.670 二倍体細胞っていうのは 0:00:10.670,0:00:13.780 2N本の染色体をもつ細胞 0:00:13.780,0:00:15.950 これが核で 0:00:15.950,0:00:17.410 これが細胞全体 0:00:17.410,0:00:19.960 この細胞が[br]2個の二倍体細胞になる 0:00:19.960,0:00:23.590 それぞれが 0:00:23.590,0:00:29.710 2N本の染色体をもった 0:00:29.710,0:00:30.640 2個の細胞になる 0:00:30.640,0:00:33.400 有糸分裂(Mitosis)とは 0:00:33.400,0:00:34.580 このことを指すわけだ 0:00:34.580,0:00:37.850 だけど[br]もう少し正確に定義したい 0:00:37.850,0:00:42.120 有糸分裂期(M期)は[br]あるプロセスだけを指すんだ 0:00:42.120,0:00:45.350 遺伝子物質や核の複製おける[br]特定のプロセス 0:00:45.350,0:00:50.180 別の細胞を描いてみようか 0:00:50.180,0:00:54.300 この青い細胞には[br]核が2個ある 0:00:54.300,0:00:57.770 染色体を、2セットもってる 0:00:57.770,0:00:59.040 この細胞は 0:00:59.040,0:01:01.870 有糸分裂を、終えたところなんだ 0:01:01.870,0:01:05.030 まだ、細胞質分裂は起きてない 0:01:05.030,0:01:07.730 あとで話すけど 0:01:07.730,0:01:12.430 細胞質分裂期には、細胞質が分裂して 0:01:12.430,0:01:13.490 別々の2個の細胞になる 0:01:13.490,0:01:17.160 念のため言っとくけど 0:01:17.160,0:01:21.630 細胞質は、核の外側の物質 0:01:21.630,0:01:23.590 それについては、あとで説明する 0:01:23.590,0:01:25.680 ともかく、日常的な言葉の使い方だと 0:01:25.680,0:01:26.670 これが有糸分裂 0:01:26.670,0:01:28.860 だけど、こだわる先生だったら 0:01:28.860,0:01:31.730 下の青で描いたのが[br]有糸分裂だ 0:01:31.730,0:01:35.030 核分裂[br]つまり核が複製されて 0:01:35.030,0:01:37.460 2個の、別々の核になるってこと 0:01:37.460,0:01:42.820 ここから、細胞質分裂に進んで 0:01:42.820,0:01:45.930 細胞質が、2つに分かれる 0:01:45.930,0:01:51.250 それじゃ、有糸分裂のメカニズムにいこう 0:01:51.250,0:01:55.150 有糸分裂に、きわめて必要な第一段階は 0:01:55.150,0:01:58.920 有糸分裂とは関係なく 0:01:58.920,0:02:02.883 細胞の生活のなかで、起きている 0:02:02.883,0:02:07.570 間期に、起きているんだ 0:02:07.570,0:02:10.449 間期は、有糸分裂期とは違うからね 0:02:10.449,0:02:14.810 間期は[br]細胞が生きている時期 0:02:14.810,0:02:17.730 新しい細胞を作ろう 0:02:17.730,0:02:20.460 緑で描くよ 0:02:20.460,0:02:22.430 新しい細胞だ 0:02:22.430,0:02:24.780 これが核 0:02:24.780,0:02:29.630 2N本の染色体をもち、この細胞が成長する 0:02:29.630,0:02:32.790 栄養分を、外から取り込んで 0:02:32.790,0:02:37.660 タンパク質を作ったり、いろいろやって[br]少し成長する 0:02:37.660,0:02:42.610 今のところ、染色体は一揃いある 0:02:42.610,0:02:46.080 細胞の一生の、ある時期 0:02:46.080,0:02:49.220 間期の、この段階には 0:02:49.220,0:02:52.460 生物の授業ではやらないかもしれないけど 0:02:52.460,0:02:53.070 名前がついてる 0:02:53.070,0:02:56.650 G1期(Gap1期/あいだの意味)といって 0:02:56.650,0:02:58.380 細胞が、ただ成長してる時期 0:02:58.380,0:03:00.840 物質を蓄積して、大きくなっていく 0:03:00.840,0:03:05.990 そして、染色体が 0:03:05.990,0:03:06.770 複製される 0:03:06.770,0:03:09.760 染色体は、まだ2N本のままだ 0:03:09.760,0:03:11.390 じゃ、詳しく見てみよう 0:03:11.390,0:03:12.160 ここに描くよ 0:03:12.160,0:03:16.490 間期のなかの[br]S期(Synthesis期/合成の意味) 0:03:16.490,0:03:19.190 S期は複製の 0:03:19.190,0:03:19.430 時期 0:03:19.430,0:03:22.340 もう一度いうけど、まだ有糸分裂期じゃない 0:03:22.340,0:03:28.910 S期は、染色体の複製 0:03:28.910,0:03:34.770 S期の核を、くわしく見てみよう 0:03:34.770,0:03:38.230 染色体を2本もつ生物を、考えてみる 0:03:38.230,0:03:40.940 染色体が2本 0:03:40.940,0:03:45.210 S期の、初期の段階 0:03:45.210,0:03:48.060 染色体を描くよ 0:03:48.060,0:03:49.300 こうやって描くと、複製がわかりやすい 0:03:49.300,0:03:54.010 ここにあるのが染色体 0:03:54.010,0:03:57.400 こっちも染色体 0:03:57.400,0:04:01.180 S期に、この染色体が複製される 0:04:01.180,0:04:02.430 ここに核を描くよ 0:04:02.430,0:04:05.740 核の部分を拡大[br]染色体は、1N本 0:04:05.740,0:04:10.050 この細胞では、2本の染色体で一揃いだ 0:04:10.050,0:04:16.010 S期のあいだに、染色体は複製される 0:04:16.010,0:04:21.269 緑のやつは、複製されて 0:04:21.269,0:04:24.220 緑のコピーを作る 0:04:24.220,0:04:26.380 セントロメアの部分でつながるんだったね 0:04:26.380,0:04:30.360 コピーされたやつは、染色分体っていう 0:04:30.360,0:04:33.350 赤いほうも、同じようにするよ 0:04:33.350,0:04:38.260 染色分体が2本[br]それぞれの染色体に、1本ずつ 0:04:38.260,0:04:41.170 染色分体は4本[br]染色体2本が、染色分体2本ずつになった 0:04:41.170,0:04:45.120 でもまだ、染色体は2本だからね 0:04:45.120,0:04:47.000 ここが、セントロメア 0:04:47.000,0:04:52.410 この現象は、S期に起こって 0:04:52.410,0:04:53.710 細胞は、また成長をつづける 0:04:53.710,0:04:59.160 ずいぶん大きくなった 0:04:59.160,0:05:02.720 さらに成長する 0:05:02.720,0:05:05.930 この現象は、G2期に起こって 0:05:05.930,0:05:09.380 細胞は、また成長をつづける 0:05:09.380,0:05:12.400 実は、細胞には別の部分がある 0:05:12.400,0:05:13.900 まだ話していないから 0:05:13.900,0:05:14.800 ちょっと話すよ 0:05:14.800,0:05:17.580 ものすごく重要というわけじゃないけど 0:05:17.580,0:05:19.010 中心体のことを、知っておこう 0:05:19.010,0:05:21.530 あとで細胞が分割するときに[br]とても重要になるからね 0:05:21.530,0:05:25.170 中心体も、複製される 0:05:25.170,0:05:27.270 じゃあ 0:05:27.270,0:05:29.860 小さい中心体を描くよ 0:05:29.860,0:05:31.940 中心体の中には、中心小体がある 0:05:31.940,0:05:33.820 よくわからなくてもいいけど 0:05:33.820,0:05:36.370 このシリンダー状のやつ 0:05:36.370,0:05:38.560 ここで、言っときたいのは 0:05:38.560,0:05:41.710 中心小体や中心体と[br]セントロメアを混同しないこと 0:05:41.710,0:05:44.690 セントロメアは 0:05:44.690,0:05:46.760 2本の染色分体が[br]くっつく場所だ 0:05:46.760,0:05:51.640 大変だけど、このプロセスでは 0:05:51.640,0:05:53.520 いろんなことに、似た名前がついてる 0:05:53.520,0:05:55.590 細胞の部位の名前も、似てるし 0:05:55.590,0:05:57.320 これが中心体で、じきに絵の中に入ってくる 0:05:57.320,0:05:59.720 今は、核の外にあって 0:05:59.720,0:06:05.260 やっぱり、複製される 0:06:05.260,0:06:08.280 間期に、複製されるんだ 0:06:08.280,0:06:11.100 1つはもう描いたから、全部で2つ 0:06:11.100,0:06:13.530 もちろん、2つとも中に中心小体がある 0:06:13.530,0:06:15.930 だけど、あまり詳しく説明しない 0:06:15.930,0:06:17.020 今はね 0:06:17.020,0:06:20.460 ともかく、間期に起きることだ 0:06:20.460,0:06:23.280 これが、細胞のおおよその一生であり 0:06:23.280,0:06:24.420 成長過程でもある 0:06:24.420,0:06:26.200 ここで、ちょっと言っておくけど 0:06:26.200,0:06:29.310 DNAをあらわすとき、染色体を描いたね 0:06:29.310,0:06:32.140 だけど、実際には 0:06:32.140,0:06:34.760 間期には、DNAはこんな風に見えない 0:06:34.760,0:06:37.930 DNAは 0:06:37.930,0:06:40.580 染色質(クロマチン)の状態だ 0:06:40.580,0:06:43.670 こんなに、ねじれてるわけじゃない 0:06:43.670,0:06:46.050 こうやって描くのは 0:06:46.050,0:06:51.920 複製されるのが、見えやすいから 0:06:51.920,0:06:53.980 この緑の染色体は[br]全部ほどけていて 0:06:53.980,0:06:56.330 顕微鏡で観察したら、見えにくい 0:06:56.330,0:06:59.470 染色質の状態って、そういうものだ 0:06:59.470,0:07:02.370 染色質が 0:07:02.370,0:07:06.050 染色体に、変わるところを考えてみよう 0:07:06.050,0:07:09.270 染色質ってのは[br]DNAとタンパク質のかたまりだ 0:07:09.270,0:07:11.610 DNAは、多少包みこまれてる 0:07:11.610,0:07:14.990 タンパク質も、ここにある 0:07:14.990,0:07:16.560 顕微鏡で見ると 0:07:16.560,0:07:19.210 染色質は[br]DNAとタンパク質の、ぼんやりしたかたまりだ 0:07:19.210,0:07:22.090 赤いほうも同じ 0:07:22.090,0:07:24.010 DNAは 0:07:24.010,0:07:25.080 こんな感じだなんだ 0:07:25.080,0:07:29.150 DNAは[br]周りにむかって開放されていなけりゃならない 0:07:29.150,0:07:33.960 mRNAや、他の助っ人タンパク質たちと 0:07:33.960,0:07:34.790 作用しあうためにね 0:07:34.790,0:07:37.260 複製されるためにも 0:07:37.260,0:07:39.360 こんなふうに、ほどけてないとね 0:07:39.360,0:07:41.600 あとで、固くねじれることになる 0:07:41.600,0:07:44.630 緑のDNAを描くよ 0:07:44.630,0:07:47.080 これが複製されて、別の緑のになる 0:07:47.080,0:07:49.010 あとから、ある部分でくっつくことになる 0:07:49.010,0:07:51.260 赤いのも、別の赤いのに複製される 0:07:51.260,0:07:53.440 2本は、ある部分でくっつくんだけど 0:07:53.440,0:07:54.680 まだ、はっきりしてない 0:07:54.680,0:07:57.060 どんなことが起きているか、わかるように描いてみた 0:07:57.060,0:07:58.320 実際は、こういうことなんだ 0:07:58.320,0:07:59.870 これが、染色質の状態 0:07:59.870,0:08:03.070 染色質 0:08:03.070,0:08:06.930 さあ、いよいよ有糸分裂だ 0:08:06.930,0:08:09.060 有糸分裂の、第一段階は、とても大事だ 0:08:09.060,0:08:12.420 描いてみよう 0:08:12.420,0:08:17.200 細胞を、緑で描くよ 0:08:17.200,0:08:20.790 細胞と比べて[br]核の大きさを、少し大きめに描こう 0:08:20.790,0:08:23.470 今は、核の中で 0:08:23.470,0:08:25.820 たくさんのことが、起きているからね 0:08:25.820,0:08:28.890 有糸分裂の第一段階は、前期 0:08:28.890,0:08:37.559 前期 0:08:37.559,0:08:40.809 これは、勝手につけられたような名前だな 0:08:40.809,0:08:41.890 顕微鏡で、観察した人が 0:08:41.890,0:08:45.380 核が分割するときに、いつも起こるプロセスだ 0:08:45.380,0:08:48.100 前期と、名づけようと思ったんだね 0:08:48.100,0:08:55.210 前期で、起きることは 0:08:55.210,0:08:58.050 染色質が、こんな状態になる 0:08:58.050,0:09:02.330 さっき言ったように、前期には 0:09:02.330,0:09:04.750 DNAが[br]みんな分かれてほどけている状態だ 0:09:04.750,0:09:08.220 こっちでは、ねじれ始めてる 0:09:08.220,0:09:09.940 複製が終わってることを、思い出してくれ 0:09:09.940,0:09:10.480 複製済み 0:09:10.480,0:09:13.990 複製は[br]有糸分裂が始まる前に、すでに終わってる 0:09:13.990,0:09:16.840 ここに、染色体を描いてと、、 0:09:16.840,0:09:18.400 ここに、もう1本。 0:09:18.400,0:09:21.740 染色体は[br]2本の姉妹染色分体をもってる 0:09:21.740,0:09:24.270 いずれは、引き離されるよ 0:09:24.270,0:09:30.000 前期のあいだには 0:09:30.000,0:09:35.060 前に言った、セントロメアが現れる 0:09:35.060,0:09:40.380 ここにある中心体は 0:09:40.380,0:09:44.060 これから[br]微小管の形成に関わっていく 0:09:44.060,0:09:46.770 この棒状というか、ロープ状のものは 0:09:46.770,0:09:50.890 細胞が分割するときに[br]ものを動かす大事な働きに関わってくる 0:09:50.890,0:09:52.160 こういう一連の現象は、すごいね 0:09:52.160,0:09:54.630 きみらは細胞のことを 0:09:54.630,0:09:56.090 すごく単純なものだと、思ってるだろ 0:09:56.090,0:10:01.940 生命のなかにある[br]最も基本的な構造がこれなんだけど 0:10:01.940,0:10:05.750 こんなに複雑なメカニズムが[br]いたるところにあって 0:10:05.750,0:10:07.360 たくさんのことが、まだ理解されていない 0:10:07.360,0:10:09.820 ぼくたちは、観察することはできるけど 0:10:09.820,0:10:14.140 原子やタンパク質レベルで、何が起こって 0:10:14.140,0:10:17.720 ものごとを進行させているか[br]わかってるわけじゃない 0:10:17.720,0:10:18.760 こんなにも、計画的にね 0:10:18.760,0:10:21.480 まだ、研究中の領域なんだ 0:10:21.480,0:10:23.520 わかっている部分もあれば、わからない部分もある 0:10:23.520,0:10:26.910 ここに、2つの中心体があるね 0:10:26.910,0:10:30.970 微小管の形成に、かかわる 0:10:30.970,0:10:32.740 微小管は、文字どおり微小構造のものだ 0:10:32.740,0:10:40.310 中心体は、チューブかロープのように見える 0:10:40.310,0:10:44.230 こうやって、前期が進行していく 0:10:44.230,0:10:45.720 ええと 0:10:45.720,0:10:47.955 ここでは、複製という言葉を使いたくないな 0:10:47.955,0:10:49.030 まぎらわしいからね 0:10:49.030,0:10:49.950 これを消しちゃえ 0:10:49.950,0:10:51.775 複製って言い方は 0:10:51.775,0:10:54.460 やめる 0:10:54.460,0:10:58.690 前期が、進行すると 0:10:58.690,0:10:59.430 核膜は、消滅する 0:10:59.430,0:11:01.435 描きなおそうか 0:11:01.435,0:11:03.855 前に描いたのをコピーして 0:11:03.855,0:11:06.820 こっちにもってくる 0:11:06.820,0:11:08.536 さあ、これだ 0:11:08.536,0:11:15.760 前期が、進行すると 0:11:15.760,0:11:18.790 核膜が、分解をはじめる 0:11:18.790,0:11:24.400 分解をはじめてるね 0:11:24.400,0:11:29.330 ここにある微小管が伸びて 0:11:29.330,0:11:29.840 セントロメアに 0:11:29.840,0:11:31.290 くっつく 0:11:31.290,0:11:34.230 これが、前期に起こることだ 0:11:34.230,0:11:37.790 前期 0:11:37.790,0:11:40.430 これは、みんな前期に起きる 0:11:40.430,0:11:43.390 前期の後半だ 0:11:43.390,0:11:44.820 前期後期といったり 0:11:44.820,0:11:52.070 前中期といったりする 0:11:52.070,0:11:54.140 まちがえた 0:11:54.140,0:11:55.390 これでいい 0:11:55.390,0:11:57.745 前中期は 0:11:57.745,0:12:00.890 有糸分裂とは、別の時期なんだ 0:12:00.890,0:12:02.700 ぼくが学校で習ったときには 0:12:02.700,0:12:04.180 前中期なんてなかった 0:12:04.180,0:12:06.620 全部を、前期といったからね 0:12:06.620,0:12:09.620 前期の終わりには 0:12:09.620,0:12:13.220 つまり、前中期の終わりまでには 0:12:13.220,0:12:15.510 全体の様子は、こうなる 0:12:15.510,0:12:17.390 細胞全体がこれ 0:12:17.390,0:12:20.460 核膜は、分解して 0:12:20.460,0:12:21.980 もう、存在していない 0:12:21.980,0:12:24.380 ただし[br]核膜を構成していたタンパク質は、まだここにある 0:12:24.380,0:12:26.350 またあとで、使われるんだ 0:12:26.350,0:12:29.840 この細胞には、2本の染色体がある 0:12:29.840,0:12:32.800 ヒトの場合は、46本だね 0:12:32.800,0:12:35.320 2本の染色体は[br]姉妹染色分体で構成されている 0:12:35.320,0:12:41.050 染色体1本が[br]姉妹染色分体2本でできてる 0:12:41.050,0:12:42.190 染色体が2本 0:12:42.190,0:12:46.900 セントロメアも、ここにある 0:12:46.900,0:12:55.160 中心体は 0:12:55.160,0:12:59.930 さっきまで核があった、両はしに移動する 0:12:59.930,0:13:03.370 それから、この微小管が[br]いろんな方向に伸びる 0:13:03.370,0:13:06.740 微小管には、2つの働きがあって 0:13:06.740,0:13:08.270 この場面では 0:13:08.270,0:13:10.470 2つの中心体を、押し分ける 0:13:10.470,0:13:12.370 微小管のあるものは 0:13:12.370,0:13:13.880 この中心体から伸びて 0:13:13.880,0:13:15.760 あるものは、別の中心体から伸び 0:13:15.760,0:13:17.120 あるものは、2つの中心体をつなげる 0:13:17.120,0:13:20.900 微小管は 0:13:20.900,0:13:23.210 このチューブ状またはロープ状のやつで 0:13:23.210,0:13:31.340 染色体上の、セントロメアにくっつくのもある 0:13:31.340,0:13:34.610 くっつく部分は 0:13:34.610,0:13:36.570 タンパク質でできた、動原体だ 0:13:36.570,0:13:39.160 これが、動原体 0:13:39.160,0:13:41.040 動原体 0:13:41.040,0:13:42.430 タンパク質構造で 0:13:42.430,0:13:43.940 とても面白いものなんだ 0:13:43.940,0:13:46.980 微小管が、動原体にどうやってくっつくかは 0:13:46.980,0:13:49.350 まだ、研究段階で不明 0:13:49.350,0:13:53.740 あとで出てくるけど 0:13:53.740,0:13:58.400 微小管が[br]2本の姉妹染色分体を、引き離す場所が 0:13:58.400,0:14:02.670 動原体だからね 0:14:02.670,0:14:03.530 動原体の働きは 0:14:03.530,0:14:04.720 よくわかっていない 0:14:04.720,0:14:09.080 実際に起こることが、観察されているだけだ 0:14:09.080,0:14:14.020 前期がおわると 0:14:14.020,0:14:17.190 細胞は、染色体が一列に並んだことを確かめる 0:14:17.190,0:14:19.270 ここに、並んでいるように見えるけど 0:14:19.270,0:14:22.760 実際には、中期に起こる 0:14:22.760,0:14:24.090 中期は、つぎの段階 0:14:24.090,0:14:26.040 最初が、前期 0:14:26.040,0:14:29.280 今は、中期 0:14:29.280,0:14:32.680 中期には、染色体が一列に並ぶ 0:14:32.680,0:14:35.300 全部の染色体が、細胞の中央に並ぶ 0:14:35.300,0:14:42.430 ここに、赤い染色体 0:14:42.430,0:14:45.660 緑のは、ここ 0:14:45.660,0:14:49.960 中心体もある 0:14:49.960,0:14:51.570 紡錘体微小管が、ここから伸びる 0:14:51.570,0:14:54.250 動原体微小管は 0:14:54.250,0:14:59.200 染色体上の 0:14:59.200,0:15:00.470 セントロメアにくっつく 0:15:00.470,0:15:01.910 まぎらわしいね 0:15:01.910,0:15:05.850 中心体は 0:15:05.850,0:15:08.070 微小管の動きを、指揮するものだ 0:15:08.070,0:15:11.880 微小構造の、中心小体は 0:15:11.880,0:15:14.850 缶のような形をして、中心体の中にある 0:15:14.850,0:15:19.050 セントロメアは、染色体の中央の部分で 0:15:19.050,0:15:22.170 2本の染色分体が[br]くっつく場所だ 0:15:22.170,0:15:25.850 これが姉妹染色分体 0:15:25.850,0:15:28.250 もう1本の姉妹染色分体と[br]セントロメアでくっつく 0:15:28.250,0:15:30.180 これが、中期 0:15:30.180,0:15:33.100 簡単だろ 0:15:33.100,0:15:36.310 こうやって一列に並ぶのが、中期 0:15:36.310,0:15:38.220 何かの規則性があるけど 0:15:38.220,0:15:39.770 進行がここまで進んでいることを 0:15:39.770,0:15:40.740 細胞は、どうやって知るのだろう 0:15:40.740,0:15:42.240 全てが一列に並んで、くっついていることを 0:15:42.240,0:15:46.000 どうやって、知るんだろう 0:15:46.000,0:15:48.970 何かの、伝達メカニズムがはたらいて 0:15:48.970,0:15:52.110 動原体タンパク質のひとつが[br]ちゃんとロープにくっつかなかったら 0:15:52.110,0:15:56.130 有糸分裂が進行しないように 0:15:56.130,0:15:56.950 シグナルが送られる 0:15:56.950,0:15:59.200 非常に、複雑なプロセスだ 0:15:59.200,0:16:01.540 46本の染色体と、細胞まるごとがあって 0:16:01.540,0:16:05.630 細胞中のこういうものを、うまく動かすことを想像してみろよ 0:16:05.630,0:16:08.080 なんにも頼らずにだ 0:16:08.080,0:16:08.800 コンピュータにも 0:16:08.800,0:16:14.360 実際には、化学的プロセスや 0:16:14.360,0:16:15.910 熱学的プロセスによって、管理されている 0:16:15.910,0:16:23.130 精巧かつ手際よく、ものごとが進行して 0:16:23.130,0:16:26.690 自発的に、正しくチェックされ 0:16:26.690,0:16:29.780 バランスをとりつつ、進行する 0:16:29.780,0:16:32.210 ほぼ全工程で、まちがったことは起きない[br]すごいね 0:16:32.210,0:16:36.270 中期のあとは[br]中身が半分に分かれる 0:16:36.270,0:16:37.520 この段階が 0:16:37.520,0:16:42.570 後期だ 0:16:42.570,0:16:45.760 後期って書くよ 0:16:45.760,0:16:48.250 細胞の色を、変えよう 0:16:48.250,0:16:50.280 こいつらが、半分に分かれる 0:16:50.280,0:16:53.490 半分に、分かれたら 0:16:53.490,0:16:54.520 今度は、引っ張られる 0:16:54.520,0:16:57.150 緑で描こう 0:16:57.150,0:17:00.540 おっと、まちがえた 0:17:00.540,0:17:03.410 1本の姉妹染色分体が[br]あっちに引っ張られて 0:17:03.410,0:17:05.660 もう1本は、こっちに引っ張られる 0:17:05.660,0:17:08.520 赤いのも同じ 0:17:08.520,0:17:10.000 こっちに、引っ張られて 0:17:10.000,0:17:11.780 あっちに、引っ張られる 0:17:11.780,0:17:15.630 中心体は、ここにある 0:17:15.630,0:17:19.040 動原体に、つながってるね 0:17:19.040,0:17:21.119 ここで、引っ張っている 0:17:21.119,0:17:23.890 微小管のなかには 0:17:23.890,0:17:25.650 染色体に、つながっていないのもある 0:17:25.650,0:17:29.260 2つの中心体を、引き離して 0:17:29.260,0:17:32.570 全部が、細胞の両端に行くようにするんだ 0:17:32.570,0:17:37.960 2本の染色分体が[br]離れたとたんに 0:17:37.960,0:17:40.140 (DNAのところで少し話したけど、) 0:17:40.140,0:17:44.120 つまり、この現象が起きたとたん 0:17:44.120,0:17:47.030 染色体という名称になる 0:17:47.030,0:17:49.960 さあ、細胞が元通りになった 0:17:49.960,0:17:50.750 さっきはここ 0:17:50.750,0:17:51.770 こっちにあった2本の染色体が 0:17:51.770,0:17:53.900 今は、4本の染色体になった 0:17:53.900,0:17:56.210 染色分体が[br]姉妹染色分体と離れた時点で 0:17:56.210,0:17:59.590 これは、姉妹染色体だ 0:17:59.590,0:18:01.100 名前が変わるだけだけど 0:18:01.100,0:18:02.740 さっきはこうだったけど、今はこう 0:18:02.740,0:18:04.510 さっきまで、くっついてたけど 0:18:04.510,0:18:06.390 今は、くっついてない 0:18:06.390,0:18:08.930 別個の存在だ 0:18:08.930,0:18:10.590 もうじき終わりだよ 0:18:10.590,0:18:11.960 最後のステージが、終期 0:18:11.960,0:18:16.350 終期 0:18:16.350,0:18:19.900 細胞を、少し変えて描いてみる 0:18:19.900,0:18:22.650 なぜかというと[br]物事が同時進行で起きるからだ 0:18:22.650,0:18:24.720 終期の大半でね 0:18:24.720,0:18:26.910 終期は 0:18:26.910,0:18:28.520 細胞を90°回転させよう 0:18:28.520,0:18:30.800 これが中心体 0:18:30.800,0:18:32.930 もうひとつの中心体は、ここ 0:18:32.930,0:18:34.640 ここで 0:18:34.640,0:18:37.670 中心体が、DNAを引き寄せる 0:18:37.670,0:18:43.000 こっちの中心体は[br]この染色体のコピーを引き寄せて 0:18:43.000,0:18:45.130 つぎに、べつの染色体のコピーを引き寄せた 0:18:45.130,0:18:46.730 こっちの中心体も、同じことをする 0:18:46.730,0:18:50.370 中心体が、それぞれのコピーを[br]1本ずつ引っ張ってきた 0:18:50.370,0:18:54.060 色を変えよう 0:18:54.060,0:18:57.190 ここに描くよ 0:18:57.190,0:19:01.200 そして、細胞の両端で 0:19:01.200,0:19:01.980 核膜形成がはじまる 0:19:01.980,0:19:04.660 核膜が 0:19:04.660,0:19:06.760 形成される 0:19:06.760,0:19:09.310 終期のおわりには 0:19:09.310,0:19:13.880 有糸分裂が、完了 0:19:13.880,0:19:17.110 これで、元の核2個と 0:19:17.110,0:19:21.300 そのなかの遺伝物質が[br]複製された 0:19:21.300,0:19:24.430 終期が、進行している最中に 0:19:24.430,0:19:27.440 細胞質分裂(サイトキネシス)が[br]起きて 0:19:27.440,0:19:31.260 分裂溝が、形成される 0:19:31.260,0:19:33.570 終期には 0:19:33.570,0:19:37.720 微小管が、ここにあるいろんなものを 0:19:37.720,0:19:42.166 細胞の両端の細胞質のところまで[br]押し分けるから 0:19:42.166,0:19:45.270 細胞がつぶれて 0:19:45.270,0:19:46.860 長細く見える 0:19:46.860,0:19:49.440 それから、分裂溝が形成される 0:19:49.440,0:19:51.310 この小さいくぼみだ 0:19:51.310,0:19:54.520 有糸分裂終期の最後には 0:19:54.520,0:19:58.340 この細胞質分裂のプロセスがあって 0:19:58.340,0:20:01.900 分裂溝が、さらに深くなると 0:20:01.900,0:20:04.730 細胞質が割れて[br]2個の別々の細胞になる 0:20:04.730,0:20:08.560 これが、細胞質分裂 0:20:08.560,0:20:13.450 有糸分裂の一部じゃなくて[br]終期に起こる 0:20:13.450,0:20:16.950 有糸分裂の最後には 0:20:16.950,0:20:18.770 2個の完全に同一の細胞が[br]できるわけだ 0:20:18.770,0:20:22.800 2個の細胞ができたら 0:20:22.800,0:20:25.140 それぞれが、間期に入る 0:20:25.140,0:20:27.840 この細胞は 0:20:27.840,0:20:30.780 つぎのG1期に、入りそうだ 0:20:30.780,0:20:34.650 ある時期になったら[br]2個とも複製を開始する 0:20:34.650,0:20:36.500 それがS期。[br]そしてG2期に入って 0:20:36.500,0:20:41.280 また、有糸分裂を繰り返す