WEBVTT

00:00:08.754 --> 00:00:13.444
その職業には 権力、富、名声が伴い

00:00:13.444 --> 00:00:16.244
しかも その地位は
ほぼ完全に保証されます

00:00:16.244 --> 00:00:18.485
その職を得るための方法はただ１つ

00:00:18.485 --> 00:00:21.874
合衆国最高裁判所の判事に
任命されることです

00:00:21.874 --> 00:00:24.494
あなたがアメリカ合衆国における
司法権の最高機関である

00:00:24.494 --> 00:00:27.204
合衆国最高裁判所の判事になりたいなら

NOTE Paragraph

00:00:27.204 --> 00:00:29.334
３つのことをクリアしなければなりません

00:00:29.334 --> 00:00:32.395
まずアメリカ大統領の指名を受けること

00:00:32.395 --> 00:00:35.455
次に上院がそれに同意し

00:00:35.455 --> 00:00:39.944
そして大統領から
正式に任命されることです

00:00:39.944 --> 00:00:43.554
合衆国憲法には
いかなる資格も ―

00:00:43.554 --> 00:00:47.025
つまり年齢制限、学歴、職業や

00:00:47.025 --> 00:00:50.216
生まれながらに米国籍であるといったことが
明記されていないので

00:00:50.216 --> 00:00:54.145
大統領は誰でも任命することができます

00:00:54.145 --> 00:00:57.305
前例として６人の判事は外国で生まれ

00:00:57.305 --> 00:00:59.855
少なくとも１人は
高校を卒業していませんでした

00:00:59.855 --> 00:01:04.375
また 32歳の若さで
判事に任命されたものもいました

00:01:04.375 --> 00:01:09.815
多くの場合 大統領は政治的思想が自分と
幅広く共通する人物を任命するので

00:01:09.815 --> 00:01:11.785
大統領がリベラル派であれば

00:01:11.785 --> 00:01:14.493
リベラルな人物が判事に任命されます

00:01:14.493 --> 00:01:18.376
もちろん いつも大統領の意に
沿うとは限りません

00:01:18.376 --> 00:01:21.396
例えば 共和党の
アイゼンハワー大統領が

00:01:21.396 --> 00:01:24.285
アール・ウォーレン氏を
最高裁判所長官に任命したとき

00:01:24.285 --> 00:01:27.616
アイゼンハワー大統領は保守的な判決を
行うことを期待していましたが

00:01:27.616 --> 00:01:31.342
ウォーレン長官の判決は例を見ない程

00:01:31.342 --> 00:01:32.976
リベラルなものであり

00:01:32.976 --> 00:01:35.106
大統領は当時の任命について

00:01:35.106 --> 00:01:39.256
「最大の愚行であった」と
後に語っています

00:01:39.256 --> 00:01:42.196
最高裁判事の任命には

00:01:42.196 --> 00:01:47.155
経験や忠誠心 人種や性別といったことも
考慮されます

00:01:47.155 --> 00:01:49.236
納税記録や地域団体への寄付金額など

00:01:49.236 --> 00:01:53.127
細部に渡る身辺調査も行われます

00:01:53.127 --> 00:01:55.186
大統領が裁判官候補と面談し

00:01:55.186 --> 00:01:57.406
正式に指名すると

00:01:57.406 --> 00:02:01.417
伝統的に 上院の院内総務からの要請で
上院司法委員会が候補者に

00:02:01.417 --> 00:02:04.106
ヒアリングを行います

00:02:04.106 --> 00:02:06.316
ヒアリング期間は
候補者の選択に対する―

00:02:06.316 --> 00:02:08.766
議論が白熱すると
長期間にわたることもありますが

00:02:08.766 --> 00:02:13.127
ニクソン政権以来 ヒアリング期間は
平均で60日となっています

00:02:13.127 --> 00:02:16.796
候補者は 関係があれば
過去の法的記録や

00:02:16.796 --> 00:02:19.226
評決を行うにあたり主だった事項に対する
立ち位置について

00:02:19.226 --> 00:02:21.246
面談を受けます
（指名承認聴聞会）

00:02:21.246 --> 00:02:23.718
さらに最近では 委員会は
候補者の好ましくない秘密や

NOTE Paragraph

00:02:23.718 --> 00:02:28.656
不謹慎な行動がなかったかを
探し出そうとします

00:02:28.656 --> 00:02:32.627
上院司法委員会は候補者に対する
肯定的または否定的な意見書を

00:02:32.627 --> 00:02:35.518
上院本会議に
送ることについて投票します

00:02:35.518 --> 00:02:40.648
しばしば 政治的背景が考慮され
また 推薦を全く出さないこともあります

00:02:40.648 --> 00:02:43.357
否決されたケースのほとんどは

00:02:43.357 --> 00:02:47.148
上院の多数党が 大統領の属する政党と
異なるときに起きました

00:02:47.148 --> 00:02:50.028
承認は単純に多数決で決定されますが
票が割れた場合ー

00:02:50.028 --> 00:02:53.297
副大統領が決定票を握ります

00:02:53.297 --> 00:02:54.547
そして上院の同意を得ると

00:02:54.547 --> 00:02:57.034
大統領は書面による任命を行い

00:02:57.034 --> 00:02:59.568
これで任命された者は
憲法および司法上の―

00:02:59.568 --> 00:03:02.963
宣誓を行うための
最終手続きを行うことができます

00:03:02.963 --> 00:03:03.963
宣誓では

00:03:03.963 --> 00:03:08.030
最高裁判事は
特定の人々に偏らずに裁判を行い

00:03:08.030 --> 00:03:10.669
貧しいものにも 富むものにも
公平に扱い

00:03:10.669 --> 00:03:15.918
誠実かつ公正に判決を下し

00:03:15.918 --> 00:03:19.113
最高裁判事としての職務を
全うすることを厳粛に誓います

00:03:19.113 --> 00:03:20.773
判事としての任期は

00:03:20.773 --> 00:03:25.371
辞職や退職 弾劾による罷免を除いて
終身です

00:03:25.371 --> 00:03:28.713
これまでに112人の判事が
任命されましたが

00:03:28.713 --> 00:03:33.868
弾劾で罷免された例はありません

00:03:33.868 --> 00:03:37.959
判事の職務の１つは
いかなる政党が政権を握っても

00:03:37.959 --> 00:03:40.300
全国民の基本的人権を
守ることです

00:03:40.300 --> 00:03:43.399
この責務に対する測り知れない
影響を考えれば

00:03:43.399 --> 00:03:47.398
最高裁判事に期待されることは

00:03:47.398 --> 00:03:49.419
カウフマン判事の言葉を借りれば

00:03:49.419 --> 00:03:51.339
「美徳の手本―

00:03:51.339 --> 00:03:53.000
知性の巨匠となり

00:03:53.000 --> 00:03:56.190
法の執行の魔術師となれ」

00:03:56.190 --> 00:04:00.563
勿論 最高裁の全ての判事が
判事としての鏡となっている訳ではありません

00:04:00.563 --> 00:04:03.740
各々の判事は
判決や意見という遺産を後世に残し

00:04:03.740 --> 00:04:07.200
これらは究極の裁判官ともいえる
時間と歴史によって

00:04:07.200 --> 00:04:09.203
熟慮をもって評定されるのです