WEBVTT 00:00:05.960 --> 00:00:10.480 [ジェニー・ホルツァー 書くこととその困難] 00:00:15.889 --> 00:00:18.269 書く活動を再び行うかどうかはわかりません 00:00:21.380 --> 00:00:24.279 その理由の一つには 私は最も恐ろしいことについて 00:00:24.279 --> 00:00:26.439 書いてしまいがちだからです 00:00:26.439 --> 00:00:29.539 うまくいくという困難だけではなく 00:00:30.539 --> 00:00:35.599 完成させるまで 題材に寄り添う困難もあるのです 00:00:39.860 --> 00:00:41.960 こういった題材について書くときは 00:00:41.960 --> 00:00:43.980 感情的に携わる必要があります 00:00:43.980 --> 00:00:47.140 よって疲弊してしまうこともあります 00:00:57.280 --> 00:01:00.079 勾留者たちの身に何が起きたのか 00:01:00.079 --> 00:01:03.679 そしていまも何が起きているのか 調べることは困難です 00:01:03.679 --> 00:01:05.880 しかし私は弱音を吐きたくありません 00:01:05.880 --> 00:01:08.060 勾留者であることのほうが苦痛なのですから 00:01:17.890 --> 00:01:20.670 私は"価値"という言葉からは 距離を置いています 00:01:22.740 --> 00:01:25.360 最近は価値について話すことに ためらいを感じます 00:01:27.200 --> 00:01:30.259 なぜなら価値について 語られるときはいつも 00:01:30.259 --> 00:01:34.539 誰かが退けられ "投獄"されるからです 00:01:39.340 --> 00:01:43.580 しかし恐怖と残酷な行いが減ること― 00:01:43.590 --> 00:01:45.170 それを強く望みます 00:01:46.160 --> 00:01:49.670 そして私にもごく普通に 共感する気持ちがあると考えたいのです 00:01:58.220 --> 00:02:03.020 私は演劇の役者とは正反対です 00:02:04.240 --> 00:02:06.630 なぜなら決して舞台には立たないからです 00:02:07.320 --> 00:02:10.330 鑑賞者がいてほしいという意味で 00:02:10.330 --> 00:02:12.200 私の作品は 劇場のようなものかもしれません 00:02:14.200 --> 00:02:17.790 私自身が作品の中で 匿名であるのには理由があります 00:02:21.569 --> 00:02:26.029 完全に自分の姿を消し去りたいのです