みなさん...
みなさん ご静聴を
テーブルスピーチがなければ
誕生日祝いは完全でない
やめろ ジェリー
それで早速ですが
ビル・ストックトンを祝して
ジェリー 座れよ
彼は 今日一歳年をとり
21才以上だと認めており
この20年という短期間に
我々や子供たち 孫達すら
診てきたのです
誰の孫?
実際
この部屋の誰一人 一、二度
先生のお陰になっていない者は
いないでしょう
夜毎の
金槌の音は?
それも被っています
そうそう 先生の防空壕だ
それも許すしかないでしょう
先生の予見であろうとも
我々皆にとって頭痛の種でしたが
コンクリート車やら
夜の槌音やら
その他のこともです
その方がいい
とにかく
先生の誕生日だとー
グレースが言った時ー
皆が準備することにー
したのです
何かあるとわかってたよ
ちがうでしょ
-いや わかってた
先生 少し個人的にですが
こう結論したい
そこがスピーチの一番いい
ところだろうな
先生 あなたは皆に愛されてる
医療歴史上で最高では
ないかもしれない...
その通りだ
...だがアメリカ全州で
あなたほど
患者に評価されー
愛され 尊敬されてる人はいません
黒鞄を提げた医者として
私達の先生が一番です
いいぞ!
けしからん奴だ
まず私の嫌いな
このサプライズパーティ
次にこのやたら
感傷的なスピーチときた
恥を知るべきだぞ
いいと思ったんだがな ビル
別室でコーヒーを飲みましょう
父さん 父さん!
うん ポール どうした?
テレビの画面が消えちゃって
変なお知らせがあったよ
待って 皆 待って
シー!
何だって ポール?
アナウンサーがラジオの
コーネルラッド局を聞く様にって
ほんとにそう聞いたのか?
間違いないよ そう言ってた
コーネルラッド局と言った後
全部消えちゃった
ワシントンから直接の
お知らせでした
"繰り返します:
"4分前 大統領は次の
声明を出しました
"引用します:
「東部標準時午後11時4分
「遠距離早期警戒線と
「弾道ミサイル早期警戒線は
「レーダーで南東に向かうー
「未確認飛行物体を発見
「現在のところこの物体の性質は
確認できていませんが
「当面安全の為
「警戒警報が発令されています
「民間防衛当局は
「防空壕の用意があれば
すぐそこに行くよう要請しています
「防空壕がなければー
-行きましょう マーティ
時間を使って
「食糧 水 医薬品などを
「家の中心部に移動してください
「窓やドアを閉め切ってください
"繰り返します:
「自宅にいる場合
「用意してある防空壕か
地下室に行ってください
これから皆さんが観るのは
悪夢です
正夢を表しているのではない
起こる必要はない
善良な人は皆
絶対そうならないことを
熱心に祈っています
しかし この場所
この瞬間に それは起こるのです
ここはTゾーンですから
「シェルター」
できるだけ詰めてくれ グレース
私は下のエアフィルターを
調べるよ
残りはあとで取りにこよう
もういつでも停電に
なりそうだ
ビル あまり水が出てこないわ
落ち着いて 落ち着いて
香水だと思うんだ
一瓶100ドルだ
多分一時間もしたら
それより高くなるだろう
他には 父さん?
缶詰は全部下ろしたか?
うん 全部
貯蔵室の果物は?
それも運び入れたよ
私の寝室へ行って
鞄を取ってきて
それも運んでくれ
本なんかはどうする?
ポール! お父さんは鞄をと
言ったでしょ
時間はあるよ グレース
たっぷりある
本も必要になるね
いつまでいることになるか
分からない
電球は?
電球はどこにおいてある?
この食器棚の一番上に
あ ないわ
きらしたの
昨日買うつもりだったのに
セールがあって...
まあ 私馬鹿みたいに
話してるわ
あと時間はどのくらい?
分からないよ グレース
ラジオによると 最初の警報から
15分から
30分だそうだ
15分?
私はただ適当に言ってるだけだ
はっきりは分からない
誰にも分からないだろうよ
さあ水を溜めて
ビル?!
もう水が出ないわ
どうってことないよ
もう十分あるだろう
ビンを運んでくれ グレース
ポールと私は残りを
持って行く
二人はここにいろ
私は残りの水を持ってくる
いや ちょっと待てよ
うっかりしてた
ポール 車庫に小さな
工具セットがあるんだ
とってきてくれ
-分かった
水をとってこよう
グレース
なあ 爆弾だとしても
近くに落ちるとは限らない
落ちなければ...
でも落ちた場合
NYから40マイルしか離れてないし
NYに落ちるのよ
分かってるじゃない
だから私達もそうよ
全面的にね-
毒も 放射能も
滅茶苦茶になる
そうなるのよ
私達は防空壕の中だよ グレース
ツキがあれば
生き残れるんだ
二週間分の食料と水がある-
うまく使えばもっと
もつかもしれない
それでどうなるの?
それで?
ジリスみたいにここから這い出して
上の瓦礫を爪先歩きする?
瓦礫と廃墟と
友達の死体の間を?
ああ ビル
なぜ生き延びる必要があるの?
それが何になるの?
死んだ方が
簡単で早くて
マシじゃ...
道具があったよ
他にここから持ってく物は?
グレース あれが生き残る
理由だよ
あれが理由だ
瓦礫を継ぐだけかもしれんが
まだ12歳だ
たった12なんだよ グレース
さあ
"こちらコーネルラド
緊急放送局です"
ポール
道具持って来たよ
よし そこに置いてくれ
残りの水をとってくるよ
"チャンネルはそのままで”
"先程のお知らせを
繰り返します..."
どうしてる?
順調だよ ジェリー
水を溜めてる
君もやった方がいいぞ
120リットル溜めたら
水が止まった
君は家に帰って防空壕に
入った方がいい-
地下室に-
そして私なら
窓をふさぐよ
木材はある...?
家には地下室がないんだよ
現代建築の利点とやらで
ブロックで唯一の
新築の家だ
何でも揃ってる-
電気の洗濯室すらある
現代科学の粋を集めたいい家だ
今こっちに向かってる
それがなければな
ジェリー さあ帰って
マーサと子供達をここへ
連れてきていいか?
ここへ?
私達は向こうでいいカモで-
何も守るものがないんだ
ああ ジェリー
うちの地下室を使っていい
地下室?
防空壕はどうなんだ?
生き延びられるのは
そこだけだ!
狭くて無理だ ジェリー
そこは広さも物も十分じゃない
3人用に作られてるんだ
食料や水を持ってくるよ
立ったまま眠る
ビル 助けてくれ
私の家族を生かしてくれ
あんたの物は使わないから
空気はどうする?
10m四方の部屋だ
3人分の空気ろ過器しかない
空気をもってくるか?
チャンスをくれよ
-だめだ だめだめ
48時間でいい その後出ていく
あのドアを閉め
ロックしたら
閉めたままだ ジェリー
放射能や他の何でも
防がねばならない
気の毒だが ジェリー
神にかけて 気の毒に思うが
あれは私の家族の為に
作ったんだ
私の家族は? どうしたらいい?
黒こげになる間
ただ玄関で座ってるのか?
知らないよ
今は自分の家族の
心配をするしかない
私が手をこまねいて
妻子が悶え死ぬのを
見てると思うか?
そんなことはしない
分かるか?
ビル そうはしないぞ!
済まない 許してくれ
ずっと言ってきたろ
ジェリー 君達みんなにな
準備しろ 防空壕を作れって
カードパーティや
バーベキューを忘れろ
週2、3時間でいい筈だ
それらを忘れ 最悪のことが
あり得ると
認めろとな
だが君達は耳を貸そうと
しなかった
誰も聴きたがらなかった
-頼む ビル...
防空壕を作るのはどんな時代に
生きてるか認めることだったのに
君達の誰もそれに
立ち向かう勇気がなかった
それで今もっと悪いことに
向かうことになったんだ
だから神が君達を
守ってくれるように祈るよ
私の手には負えない
私にはどうしようもない
神しか無い
神に頼むしか
彼らはもう防空壕の中よ
マーティ そう言ったでしょ
彼は中に閉じこもったよ
私達を入れてもらおう
地下室の半分は窓もないし
窓を塞ぐ物もない
それに地下室じゃだめだ
私は助けられないよ マーティ
彼は下にいる?
-ああ そうだ
防空壕に?
-そうそう
ビル ビル...
ビル マーティだ
子供がいるんだ
マーティ!
ビル!
ビル 入れてくれ
マーティ お願い
戻って私達を連れてって... お願い!
ビル- ビル マーティだ
入れてくれ
マーティ できればそうするよ
分かるか?
本当だ
だめなんだ
ビル 頼むよ
頼む ビル
マーティだ
無理だ マーティ
そこにいて頼まないでくれ
できないんだ!
できないし入れる気はない!
じゃ君を申し訳なく思うよ ビル
本当に
君は生き延びるだろう
だが両手は血にまみれるんだ
君は医者だろ!
人を助ける仕事じゃないか!
いつの話だ...
全く
マーティ!
帰れ!
聞こえるか?
帰るんだ マーティ !
マーティ!
そうして彼は目の前で
ドアを閉めたんだ
戻って!
-だめだ
ジェリー もう一度頼んで
-行こう
ジェリー もう一度頼むのよ!
もう一度頼んで!
お願い ここに来たくないわ
フランク 帰りましょう!
時間がない!
無駄だよ フランク
誰も入れてくれない
どうする?
どうするか教えてやろう
地下室を一つ見つけて
それに作業するんだ
皆のものを運ぶ
水や全てを
そんなの不公平よ!
彼は防空壕で
全く安全なのに
私達の子供は爆弾が落ちるのを
じっと待つなんて!
彼の地下室に下りて行き
あのドアをぶち破ろう!
フランク 待て フランク!
フランク ちょっと待て!
あの防空壕に皆は入れないよ
やろうとするだけでも
正気じゃない
一家族を選んだらどうだ
くじ引きを?
それでどうなる?
言ってるだろ
彼は誰も入れないんだ
皆で行って
町中が彼に反対だと
言うんだ それはできるだろ
それで何になる?
言ってるだろ
ドアを破ったとしても
皆は防空壕に入りきらない
理由もなく皆を
殺すことになるんだ
子供の一人でも助かったら
立派な理由だわ
ジェリー 君が誰よりも
よく彼を知ってる
君は彼の親友だ
もう一回行ってくれ
彼と話して頼んでくれ
一家族を選ぶよう言ってくれ
くじ引きか何かするんだ
一家族...
自分の家族のことか?
そうだ
3月の赤ん坊がいるんだ
あなたの赤ん坊が
うちの子達より大事なの?
そうは言ってない
誰が一番生きる
価値があるかで...
口論するなら
黙れ ワイス
落ち着け
-放せ!
こういうもんさ
外国人がここに
越して来るとな-
図々しく 欲深い
アメリカ人もどき!
このゴミ頭の馬鹿め!
-マーティ やめて!
一体どうしたんだ?
ワイス
あなたはリストの最後よ!
このままじゃ
殺し合いになるぞ!
...マーティ
...マーティ お願い
防空壕に行って
頼んで, , お願い
もう頼んだよ
無駄だよ!
サーチライトだ
行ってみよう
新しいニュースは?
何も
ここで何をしてるんだ?
医者はあの防空壕に
閉じこもってるんだ
僕がどうするかわかるか?
下へ行って彼にドアを
開けさせてやる
君達がどう思おうが
どうでもいい
それしかないんだ!
フランクの言う通りだ
さあ やろう
いや ちょっと待て!
マーサ 子供達を
キッチンに
ビル!
ビル・ストックトン!
近所の皆がドアの外に
いて
生き残りたがってる
ドアを開けて話をしろ
何人そこに入れるか
教えろ
そのまま閉め切っていたら
ドアを打ち壊して入るぞ!
ビル 聞こえるか?
ジェリーだ
こっちはほんとにやる気だ
こっちも本気だ
もうさっき言ったろ ジェリー
時間の無駄だ
貴重な時間を他のことに使え
生き残る方法を考えろ
何か破壊槌を持ってこないか?
ああ ベネット街に
行けばいい
フィル・クラインの地下室で
重いパイプを見たことがある
だめだめ- それじゃ彼も
加わるぞ
彼を助けることはない
だめだ- そうすりゃ-
防空壕があると
みんなに知られたら-
僕達は群集と
取り組むことになるぞ
見知らぬ連中とだ
彼らに来る権利はないわ
ここは私達の町で
私達の防空壕よ
私達の防空壕か
じゃ隣町は
別の国なんだな
地場産業を大事にせよか
ばかめ 正気じゃない
君達みんな
-あなたは生きたくないんでしょ
どうでもいいんでしょ!
生きたい- ほんとだよ
僕も朝日が昇るのを見たい
だが暴徒に脳はない
君達が証明してる!
破壊槌をとってこよう
クラインには
黙ってろと言うんだ
ちょっと待てよ
僕はジェリーに賛成だ
よく考えてみるべきだ
僕の考えでは...
-誰も...
誰もお前の意見なんか
聞いちゃいない
上ではっきり言った筈だ
そうだがジェリーは...
僕の考えではまず
お前を追い出すことだ
マーティ!
さあその破壊槌を持ってきて
そのドアをぶち破ろう
チャンスはやったぞ
ストックトン いいか!
チャンスはやったぞ!
さあ, , 早く
ビル...
なんて人達なの
あの人達...
あれが隣人だ
友達だ
20年ともに暮らし
つきあってきたんだ
さあ ポール
この家具を立てて
守りを固め
ドアから入れないように
しよう
早く そこから入れよう
ほら 上に
上にやって
それっ!
開いたぞ!
下に置け!
"こちらコーネルラッド
"チャンネルをそのままに
重大なニュースをお聞きください
"只今大統領の発表があり
"先程の未確認物体は
"衛星であると確認されました
"繰り返します:敵国の
ミサイルは接近していません
"繰り返します:敵国の
ミサイルは接近していません
"物体は衛星と判明しました
"害はありません
危険はありません
"非常事態は正式に
解除されました
"危険はありません
"繰り返します:敵国攻撃はありません"
よかった
マーティ?
マーティ?
そのう...
僕はどうかしてたんだ
分かってくれるよね?
僕は正気じゃなかった
君に言ったことは
本気じゃなかった
僕達は... 僕達皆
とても怖く 混乱して...
無理もない だろ?
その 分かってくれるだろ
皆少しカッカしていたんだ
マーティは根に持たないよ
フランク
ビルもそうだろよ
私達のことを恨まないさ
壊したのを弁償するよ ビル
すぐ金を集めよう
皆で... パーティをしよう
明日の夜とか
大祝いだ
そういうことにしよう
それはいいね-パーティか
万事平常に戻るよな
平常に?
どうかな
何が平常か分からない
昔は分かっていた筈だが
もう分からない
さっきも言ったが
損傷は払うよ ビル
損傷?
どうかな
君達の一人でも分かって
いるのかな
本当の損傷は何かを
損傷の一つは
平常の時の
私達の本性が分かったことだ
一皮むけば
私達がどんな人間か
私達みんなだ
むき出しの野獣だ
生き残ることに価値をおき
ただその為に 隣人に
爪をたて殺すんだ
今夜は爆弾が落ちないで済んだ
だが
私達は壊されなかったろうか
落ちなくてもな
教訓もメッセージも
予言もありません
ただ事実を述べただけです
文明が生き延びる為には
人間が文明的なままの
必要があります
Tゾーンで今夜は論理の
小練習をお送りしました