モンテ・クリスト伯
1814年 フランス皇帝ナポレオンは
エルバ島に追放され
英軍は 彼を救う企てを恐れ
無害だろうと絶望的だろうと...
...上陸する誰をも撃っていた
バカめ
上陸許可を得るまで
船長を後ろへ
一瞬 見捨てられるかと思ったよ
フェルナン・モンデゴは危機のとき
友を捨てないさ
だが エドモン この航海の
モレル氏の代理として
正式に言うと
二等航海士の君は越権行為だぞ
正式には 俺が被った
医者にみせなければ
彼は死ぬだろ?
分かってる
ただ俺はしらふでは無理だ
ああ
英国竜騎兵だ
おおい!
ダンテス よせ
- 少し不注意だろ?
- 誰かと話さないと
分かってるが-
僕達はフランスの船乗りだ!
- 治療を!
- やめろ
- 平和に来てる
- 来いよ 早く
悪気はない!
エドモン!
早く! 登れ!
あぶない!
フェルナン!
よし 君もとうとうあてたぞ
グレイプール少尉
血の渇きで
この愚か者を殺したいなら
ぜひとも撃ちたまえ
だが私の工作員ではないと
知っての上だ
さあ素性を言うか
撃たれろ
僕はエドモン・ダンテスです
商船ファラオンの二等航海士で
マルセーユに帰るところです
これは船主代理の
フェルナン・モンデゴで
モンデゴ伯の息子です
船長が脳炎にかかったので
助けを求めて来たのです
昏睡が本当なら
刺されても感じないな?
ひっかくだけ
エドモン!
- グレイプール少尉!
- 僕達は信用して来た!
- 負傷した部下の分だ
- 傷ついた誇りの分もだろ
多事な夜だったな
僕があの兵たちを撃たなかったら
今頃君はバラバラで岸に転がってるぞ
- 僕のせいで皆が死ぬところだった
- そうだ
だが... 生き残ってる
ちょうだいな ワインのボトル
- ウヒョー!
ちょうだいな ワインのボトル
モンデゴ 王は君に
君の友でいるのは
常に冒険だ
- そうだろ
だが冒険者達が友と
限らないのは残念だ
何?
将来もこうとは限らないよな?
- 何の話だ?
- 何でもない 飲み干せ
僕達はナポレオンのワインを
飲んでる
1806年をもっとうまい
と思うだろうな
ダンテス君
君がまだ起きてる間...
君と話ができるかな
そのチェスの駒の何が
重要なのかね?
ただ子供時代から
やってきたことです
どちらかが勝利した時はいつも
時の王を
- 時の王?
- はい
人生で我々は皆
王か歩兵だ
船長の命を救おうとする
君に感動してるよ
僕の船長で...友ですから
誠実な友は滅多にいない
実はそんなことを話したいのだ
マルセーユの旧友に感傷的な
手紙を書いたのだが
イギリス人に見られたくない
彼等は開封する習慣があるからね
君が渡してくれないか
僕には無理-
一人の老兵からもう一人への
ただの手紙で
全く無害だ
だがもっと大事なのは
それは私の医者を使った代価だ
では同意します
結構
クラリオンさんに渡して
くれたまえ
- 名前を覚えられるか?
- クラリオンさん どこに?
彼の方が君を見つける
この手紙のことは
誰にも知られたくない
向こうの遊び仲間にすらもだ
いいかね?
僕は約束を守る男です
そうだな-そう信じてる
何の用だった?
ああ ただのフランスのニュースだ
出帆の時だ
船長は30分前に死んだ
確かか?
私と同じ位戦場をくぐったら
死を感じる筈だ
マルシャン 王と歩兵だ
皇帝と... 愚か者
マルセーユ
下手回し!
速くして
モレル海運
ダングラール 何があった?
レノー船長が死んで
エドモン・ダンテスが
私の命令に背いた
私の部屋で報告をしろ
- エドモン 君もだ
- モレルさん 僕に用事なんですか?
行け
メルセデス
- エドモンはどこ?
- 僕も君に会えて嬉しいね
ちょっとのすれ違いだったね
暫くかかるかも
もめそうだ
岩場で会うってさ おいで
ダンテスに上陸するなと言ったんだ
本当か?
全責任を認めます
当然だ
全部彼の考えでした
君がそう考えるべきだった
上陸しても船長は
助かりませんでした
- 私は商品を守っていた
- 自分をだろ...
階級の陰に隠れ 乗船したままでな
エドモン・ダンテス
君を新船長にする
私を格下げするのか?
格下げはない
君は一等航海士のままだ
ダンテス船長のもとでね
尤も 別の職を選ぶなら別だが
ところで若いご婦人がいる...
このニュースを聞きたかろうね
- 有難うございます
モレルさん?
- 船が今エルバから戻ったね
- そうです
もしかして誰かそこに上陸したかね?
上陸したが彼等は今はここに
いません
どうも
- 誰が彼等を訪ねてきたと?
- クラリオンだ
名はクラリオンだ
- 僕を愛してくれ
- 諦めないの?
- 彼は知らなくていい
- 私が知ってるわ
僕もだ
- 僕達の小さな秘密になる
- 秘密は信じないわ
エドモンに秘密がないと思う?
あるんだ 訊いてごらん
フェルナン
あなたの欲しいものは知ってる
- そう?
子供の頃 エドモンは誕生日に笛を
あなたはポニーを貰ったでしょ?
エドモンの方が笛で嬉しがって
いたのをあなたはとても怒ってた
私はあなたの次の笛にならないわ
彼が妻をめとれるまで
どれ位あると思う?
二年 二年だけよ
その時に彼は船長資格をとって
結婚できるの
僕だったら二年も待てないね
特に君のような花嫁ならね
おおい!
- 彼が来たわ
- やあ!
メルセデス!
とても寂しかったわ
もうそれも終わりだ
- トラブルなの?
- いや 僕は船長だ おいで
モレルさんが僕に
ファラオン号をくれた
エドモン!
王を僕に
君の人生は恵まれてるな
来て
- それでも君が一番だ
- 分かってる
早く!
やめなさい 禿げるわよ
隠し事ある?
隠し事? いや
なぜ?
何でも訊いて 答えるよ
もう二年待たなくていい
指輪を買えたらすぐ結婚ー
- 指輪は要らないわ
これが私の指輪よ
何があろうと
決してはずさないわ
ずっと
やあ お若い友よ
一緒に飲むか?
モンデゴ 教えてくれ
あの正義面のエドモン・
ダンテスと...
どうして友達になったんだ?
やつが友達だと言ってるのさ
だが生意気にも僕に
隠し事をしてる
どんな隠し事?
ファラオン号の新船長に
みんな父さんのお陰だよ
この幸せな時がひとえに...
二人の長く素晴らしい生活に
なりますように
- どっちがエドモン・ダンテスだ?
-僕だ
エドモン・ ダンテス
マルセイユ判事の命令の下 逮捕する
- 逮捕?
- 何の容疑で?
それは部外秘だ 連れていけ
説明してくれ 説明を!
戻るから 大丈夫 父さん
何かの間違いだ
何てこった
どうもお前は裏切り者に見えないな
裏切り者?
よく聞け
お前の命がかかってるのだからな
エルバにいた時ナポレオンと
個人的に接触したか?
エルバ はい 僕は
僕達はそうでした
モンデゴ伯の息子フェルナンと
ほぼずっと一緒でした
- フェルナンを知ってますか?
- 最近の知人だ
では彼が裏づけるでしょう
だが「ほぼずっと」と言ったが
マルセーユの友達に手紙を渡すよう
頼まれた時は別ですが
一等航海士ダングラールに
告発されたのは...
その裏切りの通信文を
受けたことだ
- 何ですって?
- 手紙を届けたか?
いいえ 誰かが僕を
見つける手筈でした
まだ上着に入っています ほら
- 読んだか?
- いいえ 僕は読めません
これはナポレオンの
工作員への手紙だ
エルバ島の英軍の海岸巡回の
時と場所が書いてある
母の墓に誓って
知りませんでした
彼は中身は無害だと
いや 無知なのはお前だ
愚かで無知だ
こんな非難はお前に
浴びせる最悪のものだろう
幸いに 私が中断したので
何の害もない
お前がこの世でどう生き残るか
知らないが
裏切り者ではないな
行ってよろしい
有難うございます
待て 誰に渡すことになっていた?
クラリオンさん
何だって もう一度名を?
クラリオンさん
この名を他の人に言ったか?
モンデゴとか誰かに?
いいえ モンデゴは手紙のことは
何も知りません
これはとても危険な情報だ
こんな時代には
注意し過ぎることはない
- そうじゃないか?
- はい
気疲れさせたね
お詫びとして
馬車で送らせよう
今ここに着いたね
それじゃ
ヴィルフォールさん?
ヴィルフォールさん?
ヴィルフォールさん!
ドー ドー!
どこに連れていく?
これは間違いだ
僕は帰宅を許されてる
今後お前の家は
シャトー・ディフ監獄だ
そんな! まさか!
おい!
撃て!
馬だ! おいかけろ!
フェルナン!
フェルナン!
- 何か?
- いい こっちにいる フェルナン!
反逆罪で逮捕された
やっと逃げてきた
エルバでナポレオンから
手紙を預かった
彼との約束で君に言わなかった
ただの旧友への手紙の筈だった
だが奴は嘘をついていた!
嘘だった
工作員に向けたものだった
なぜか当局に知られた
どうしよう
憲兵が馬で追ってきてる
よし 手立てを考えよう
君を傷つけてないといいが
君のお父さんが助けてくれるかと
父はパリで 重病だ
- 憲兵はどの位に迫ってる?
- 数分だ
- 金は要る?
- ああ 有難う
- 銃はあるか?
- 勿論ない
よし
やめろ フェルナン
こんな時間はない
ナポレオンが手紙を
渡すのを見たよ
君だったのか?
僕だけじゃないさ
ダングラーの考えだった
なぜ先に僕のところに来なかった?
なぜ隠していた?
友達だった筈だ
ナポレオンとの約束だと言ったろ
彼は嘘をついたのだ!
知ってるよ 手紙を読んだ
君は読んだー
なぜこんなことを?
複雑だね
複雑
ばかをやるな
- 邪魔するな
- 逃がさないぞ エドモン
窓から離れろ
手を切るぞ!
なぜだ? 一体なぜ?
お前が事務員の息子だからだ!
お前を妬まない筈だからだ
- ここだ!
- こっちだ!
- 捕まえろ!
- 待て
待った
良き日の記念だ
さあ来い!
将来必ずしもこうじゃないと
言ったろ エドモン
父上!
どこにいる?
書斎に
今度は何をしたの?
父上 よく聞いてくれ
僕は新体制の役人
主任判事だ
自分の父親が
反逆事に関わるのは困る!
あのな
結局 反逆は日付の問題だ
皇帝が戻ったら
私は愛国者で お前は反逆者だ
お黙りよ この老いぼれ
そんな時代は終わったの
ナポレオンはもう
皇帝でも何でもない
こんな狂気に染まり続けたら
家族全員の...
逮捕か破滅になるのが落ちよ
あなたの馬鹿げた同情心の
せいでね
少なくとも同情心はある
頼むよ バレンティナ中噂だ...
家族としてうちの運命は
もつれていると
- それが分かってる筈だ
- 分かる?
わしは老いぼれだ
だから分からんね
失礼するよ
シャトー・ディフ
早く行け
さっさと行け
ようこそ ダンテス
シャトー・ディフ監獄長の
A・ドルレアックだ
きっと何度も聞いてるでしょうが
僕は無実だ
皆そう言うだろうが
僕は本当に無実だ
- 無実
- はい
分かってるとも
- 嘲っているんですか?
- 違う
君が無実だとよく知ってる
ここに来る他の理由があるか?
君が真に有罪なら
拘禁する監獄が100もある
だがシャトーディフは
恥じる者を入れる所だ
では君の居住区をみようか?
"神は私に正義を与える"
人は常に何かしようとする
暦をつけるとか
だがやがて興味を失うか死ぬ
窓がある 私に残されるのは
見苦しい壁だけだが
故に 囚人に日付が分かるよう
別の方法を考えてやった
毎年 収監記念日に
囚人を傷めつける
普通は単純な鞭打ちだ
だが初日は 君の場合 今日だが
特別なことをしたい
"神よ なぜ私を?"と
君が今考えてるなら
答は 神は何も関係ないのだ
いいかね?
実際 今の時期
フランスに神はいない
神は全てに関係してるし
どこにもいて全てを見てる
よかろう
取引をしよう
君が神に助けを求めたら
私は神が現れるのを止める
ヴィルフォールさん
聞いた?
- ナポレオンがエルバから逃げた!
- 何?
ここから100マイルに上陸した
パリに行軍してる!
書類全部を詰めろ
バカ事務員に帳簿を見つけさせろ!
-エドモン・ダンテスの請願に
-今はだめだ!
ダンテス?
私はモンデゴ伯の息子
フェルナン モンデゴです
エドモン ダンテスの無実を
誓いに来ました
雇い主のモレルさん
父親 婚約者メルセデスです
エドモン ダンテスは
大反逆罪の容疑だ
- なのに彼の味方を?
- 勿論です
ダンテスに殺人の
容疑もあるとしたら?
- 殺人?
- エドモンはそんなことをしない
ダンテスはナポレオンから
工作員への手紙を運んだ
逮捕しようとしたら
彼は私の部下を殺した
いいえ 彼を知っていたら
あり得ないと分かる筈です
お願いです
この反逆の証拠は?
それは政府のことだ
お願いです
どこにいるか教えて
私には無理だ
王の役人に渡したのだから
苦しみは分かる
だがエドモン ダンテスは
忘れた方がいい
お嬢さん 特に君はね
こちらの友人の慰めを
受けるがいい...
この不幸な事件からも
為になることがあろう
では他にも仕事があるので
失礼する
息子は反逆者じゃない!
僕が説得してみよう
- フェルナンに任せよう
- あり得ない
エドモンのことはずっと諦めないよ
ご親切は忘れないわ
いつまでも頼っていい
罪の脚色は有難いが
それにしても 殺人とは?
簡単なことだ
君がダンテスの手紙の件を
通報した時は
裏切る理由が分からなかったが
今あの美しい婚約者を見て
よく分かった
なぜそこまで協調的なのか?
まあ座れ モンデゴ
戻れ!
戻ってくれ!
何の罪だ?
僕は無実だ!
"E・ダンテスは処刑されたことを
ここに連絡します"
"ヴィルフォール"
記念日だ ダンテス
また来年
本当に四年か デリウス?
ダントンかな? 何て名だっけ?
侵入して済まないが
壁の外に向かって
掘ってると思っていた
英語を話すか?
イタリア語は?
私はアベ・ファリアだ
この牢に11年いる
このトンネル掘りに...
5年かけてる
ここの壁の石は...
72,519個ある
それを何度も数えた
だが名をつけたか?
昔は私も君と同じだった
だがそれも過ぎる
絶対だ 約束する
君の肩にのせてくれないか?
下ろして
もう下ろしてくれ
この11年空を見てなかった
有難う
神よ ありがとう
神父 ここで神の話はするな
彫ってるのは?
かすんでる 神が私の心から
かすんだのと同じだ
とって代わったのは?
これを持て
ついてきて
多分復讐を考えるのは...
この七年君を生かす神の目的に...
沿うのだろう
- 何の目的に?
- 脱獄だ
そら着いた
脱獄の話だが
ああ
可能性は二つだけだ
壁の外に出て
最終的に海へ
ただ-方角を間違えた
勿論 二人いれば
反対の方角に掘れる
二人一緒にやれば
勿論 開通まで...
8年だ
君は他にやることがあるのか?
差し迫った約束が?
手伝ってくれたら...お返しに
金で買えないものをやるよ
自由を?
いや 自由は奪われる
よく分かってるようにな
知っている知識全部を与えよう
たとえば 経済 数学 哲学
-科学を教えよう
- 読み書きを?
勿論
いつ始める?
やったぞ
消灯
始めよう さあ
スロットは日に2回開く
トイレバケツに一回だ
そこに土を隠すんだ
よこせ
もう一回は夕方 皿に
消灯
神父 皿を
ありがとう
その中間は見つかる心配がなく
作業できる
"だから 無視 されてるのは...
我々に 都合良い"
よろしい
ではナポレオン軍にいたのか
当時は大変な夢を見ていた
だが ある夜...
わしの隊は ゲリラの一団を
追い詰めたが
彼等は避難所を求め
教会に走りこんだ
教会を焼き払えと...
わしは命令を受けた...
彼等を中に入れたままでだ
やったのか?
永遠の恥だが やった
わしはやった
なぜこの牢に?
翌日わしは脱走した...
悔悟と神に身を...
捧げようと
わしは 非常に裕福な...
エンリケ・スパダ伯爵の
私設秘書として働いた
スパダは高潔な人だった
悲しくも 二年後 彼は死んだ
無限の財宝を
隠してあるという噂があった
- その二週間後 わしは逮捕された
- なぜ?
ナポレオンはスパダの財宝を
欲しかった
彼はその場所を知らない
わしを信じなかった
それで思い出させようと
わしをここに入れた
そうして ここにいた
神だけをー
相手にして...
やがて神が君を送ってきた
神はその宝同様 本当じゃない
まあな
- あっ! 早く 捕まえろ
計算しろ
一日に2,500立方センチの
石と土を...
365日では
年に3.5メートルに等しい
12フィートは 一月で1フィート
週に3インチだ
イタリア語で
3.5メートル
明かりを無駄にするな
あなたは兵士だった
だから武器を知ってる筈だ
教えてくれ
でなきゃ一人で掘れ
君はわしにきわどいことを
強いる
これは馬鹿げてる
強い方の剣士が必ずしも
勝たない
大事なのは速度だ!
手の速度
頭の速度
滴に手を通せ...
濡れずに
こうだ
いつまで続ければいい?
わしはトンネルに行く
かわしだ 上に
こうだ
学習時間だ
経済学の定義
商品の生産・ 分配・消費を
扱う科学
翻訳
まず掘る 金はあと
有難う
クリスマスおめでとう エドモン
一ヶ月かけるか かかる
よし 誰と戦うのだ?
ダングラール? モンデゴ?
誰だと思う?
よろしい! 良過ぎる
ニュートンの第三法則がある
どの作用にも反作用がある...
物理では... 人間にも
つまり私の復讐心はダングラールと
モンデゴの作用への反作用だ
起きろ 起きろ
わしが座る
ヴィルフォールは 君が無実だと
言ったすぐ後 再逮捕した...
行ってよろしい
その通りだ
ではなぜそんな芝居をしたのだ...
君を放免する気を変える
理由がなければ?
- 考えろ エドモン
- 考えてる
- 何があった?
- 彼は訊いたー
この手紙を誰に渡すか
ナポレオンに聞いたか?
- 答えた
- クラリオンさんだ
それだけか?
- そうだ 彼は手紙を燃やし
帰っていいと言ったのだ
そうか
彼は手紙を... 燃やした
そうだ
主任判事が反逆計画の
証拠を燃やすとは...
おかしいな...
そうしてクラリオンの陰謀との
つながりを...
知ってる唯一の男を...
幽閉するとは
- 彼は誰かを守っていたのだ
-ああ
-親しい友達か?
- いや違う
ヴィルフォールのような政治家は
そんな友達を除いた筈だ
クラリオンは親戚かも
多分近い親戚ー
そんな!
ヴィルフォールの父は
ナポレオン軍の大佐だった
ヴィルフォールはクラリオンを
守っていたんじゃない
自分を守っていたんだ
ナポレオンが手紙を渡すのを見たと
嘘をついたダングラール
ヴィルフォールに告げたモンデゴ
ヴィルフォール自らが
僕をここに送った
でかした エドモン でかした
おお なんと
おお
エドモン 明かりだ 早く
頼む ああ
これは何だ? 見ろ
見ろ! 植物の根だ
植物の根があれば
あと数ヶ月先なだけだ
そうだ でかした 神父
僕のノミをとってくる
よしよし
神父!
後生だから 続けろ
- 続けろ!
肺が...破裂した
- 喋るな
- いいか
あまり時間がない
あれらの本の下に
緩い岩がある
あるものを持ってきて
早く 早く
開けて
スパダの財宝の在り処を...
知らないと言ったが 嘘だった
嘘?
私は神父で聖人じゃない
そこの
イタリア海岸の沖の島に
- モンテ・クリスト?
- そうだ
頭を- 使え
- 手がかりをたどれ
- トンネルは閉じ 脱獄できない
掘り続けろ
逃げたら 財宝を良いことに使え
良いことだけに
いや 必ず復讐に使う
最後の授業だ
罪を-
罪を犯すな...
服役する罪を犯すな
神は"復讐するは我にあり"と
僕は神を信じない
それは問題じゃない
神はお前を信じてる
神父?
皿を出せ
食事だ
あ
大変だ
- 彼はいつも起きてる
12年間で初めて「有難う」と
言わなかったな
- 死んでる
- どうして?
ベッドから落ちたんだろ?
- 少し汚いな?
- みんなそうだ
じゃ袋詰めしよう...
それからドルレアックに
一、二、三
ドルレアックを連れてこよう
なぜ鍵を?
彼はどこへも行かないのに
さあな 癖だな
さよなら 神父
あなたはもう自由だ
僕は永久に自由になれないが
じゃ神父はとうとう
聖ペテロのもとか
運んで
- 埋葬しよう
- いいか?
そうだ
- 止まるな
- 早く 一日中暇じゃない
まあ実は あるだがな
俺にはー
有り余る時間がある!
早く
さあ
ドルレアックさん!
天なる父よ 主のみもとに
卑しき僕の...
遺骸をお送りします
その名が何であろうと
うんざりだ
ドルレアックさん!
地図を持ってたのか?
いいや
どこにそのー
やめろ!
ドルレアックさん!
三の後でって?
三でとか 三の前で投げる?
- 三の後でだ
- 一... 二...
- ドルレアックさん!
- さ-
- だめだ ドルレアックさん!
- 一...
- 二...
- 崖下に投げないで!.
- ああ!
- 三!
俺達もう少し良くやれたのにな
ありがとう 神父
有難う
つまり
名を訊くところだが
そのボロ服を見...
2マイル先が
シャトー・ディフだから
意味がないな
俺はルイジ・ヴァンパで
密輸と泥棒をしてる
ここに来たのは仲間の一人を
生き埋めにする為だ...
盗んだ金を独り占めしようと
しやがった...
仲間と分け合わずにな
面白いことに奴の味方もいて...
許してやれと言いやがる
勿論 そうは行かない
それじゃ全体への示しがつかない
667
01:01:36,020 --> 01:01:41,420
- そこへうまくお前が来た
- どういうことだ?
お前がヤコポに慈悲を示す
方法になるのだ
向こうに縛られてる
蛆虫が見えるな
弱っているようでもない
皆はまた特別な楽しみを見る
どうやるのだ?
俺達はお前とヤコポが死ぬまで
戦うのを見る
ヤコポが勝てば
彼をまた迎え入れる
お前が勝てばヤコポに生きる
チャンスをやる
たとえ彼がそうしなくても
お前が船で彼の代わりになれる
俺が勝って 密輸が嫌なら?
俺達はお前の喉をかき切って
手が足りなくなる
密輸は俺の生活になり...
喜んで蛆虫を殺すよ
ところでヤコポはナイフ戦の達人だ
あんたは現実を知らないよ
ヤコポを放してナイフを渡せ
では見物といくか
立て 蛆虫
- がんばれ それ!
生きたいなら びくとも動くな
ヴァンパさん
ヤコポを生かしてくれ
彼は生き埋めにされそうになり
もう十分苦しんだ
楽しみをみたがった連中は
見た
ヤコポの命乞いをした連中は
納得するし
俺とヤコポを生かせば
腕の立つ船乗りと戦闘員が
もう一人儲かるぞ
いいとも
- 彼の名は?
- 悪運が強いぞ ヤコポ!
名前? ザターラと呼ぼう
- 怖そうな名だ
- 流木という意味だ
祖先の霊に誓って
気分がすぐれなくとも
永久にあんたの僕だ
分かってる
3ヵ月後
後ろに目がある奴だな
マルセイユを見たことがない?
故郷だった
だが一緒に上陸しない
- こっちだ!
- なあ ザターラ
何があったにしろ
船に残っても解決できないぞ
行け 解決はお前次第だ
"私達は王か歩兵だ"と
言った男がいる
うん 誰が言った?
ナポレオン・ボナパルトだ
ボナパルト?
ザターラ お前の話ときたら
いつか 君を探しに来る
人は常に良友が必要だ
そうだな
ダングラール 何があった?
レノー船長が死にE・ダンテスが
私の命令に背いた
「ダングラール海運」
ザターラ 大丈夫か?
何もかも変わった
二人だけで乗る位の
ボートを買ってくれ
戻るのを待て
一人で訪ねる所がある
モレルさんのお宅か?
祖父は体調が悪い
良くても夜11時の客には
会いません
E・ダンテスを探してる人に...
例外を認めて貰えないか
夜遅くすみません
老人は眠らない
さあさ座って
ジュリアン シェリー酒を
で ザターラさん
エドモンの友達でしたか?
- モレルさん?
- はい?
あなたも... エドモンをご存知?
息子みたいに
彼の家族はどこに?
残念ながら父親は首吊りした...
エドモンの反逆のことを知った後だ
そうか
なるほど
この...反逆だがー
- 告発したのは誰?
- 分からん
エドモンを逮捕した
ヴィルフォールは
主任検事の職についてすぐ...
パリへ行った
彼の父親が惨く
殺されたショックも...
出立を早めたのだろう
妙な時代だった
あなたも辛い時に
遭ったようですね
エドモンの死後
私は嫌な奴と提携したよ
私の船長の一人とね
ある日ダングラールは私を
追い出した
私の運命はエドモンに比べれば
何でもない
あなたの運も変わるだろう
僕はエドモンの婚約者を探すよ
モンデゴ伯爵夫人のことか?
- 伯爵夫人?
- そうだ
エドモンが逮捕された一ヵ月後
メルセデスは彼の親友と結婚した
- フェルナンと
- そうだ
フェルナンは父と兄が
戦争で死んだ後
モンデゴ伯爵になった
今はパリに住んでる
モンデゴ伯爵夫妻だ
大丈夫か?
ええ もうお暇します
- 役に立てなくてすまない
- とんでもない
知りたいことは分かりました
エドモン・ダンテスは死んだ
ザターラ 褒めてくれ
スループ帆船は買えなかったが
良い小船を見つけた
安く手に入れたよ ザターラ?
モンテ・クリスト島
屋根のない大洞窟
アベ→象
ウヒョー!
ザターラ もう船に積めない
下にあと8回分はある!
分からないのか?
あなたは聞いたこともないほど
裕福なんだ
問題が何であれ もう終わった
何を買いたい?
復讐だ
復讐ね 誰に?
ダングラール ヴィルフォール
フェルナンとメルセデス
分かった
そいつらを殺してから
宝を使う
いや 彼等の弱点を調べる
ただ殺したらいい
俺がやる
パリに出かけ-- バンバンバン!
一週間内に戻るから
宝を使おう
その計画のどこが悪い?
ただ殺すのでは足りない
私と同じ苦しみを味わせるのだ
彼等に世界を見させ
私が取られたように
大切な所有物全てを
彼等から取るのだ
じゃザターラより良い名になる
必要がある
では伯爵になろう
パリ
こんにちは
あなたの美しい家を買いに
来ました
図々しい!
鞭打ちをくれてやろう!
浮浪者め 犬をけしかける前に
敷地から出ていけ
ありがとう
みなさん
ここにモンテ・クリスト伯を
紹介できるのは
大きな光栄です
とても綺麗
こんばんは みなさん
伯爵 紹介いたします 夫の
主任検事ヴィルフォールです
お招き有難うございます
こちらこそ出席くださり
名誉に存じます
今夜はどうぞお楽しみください
彼の何を知ってる?
よくは知らない
彼等はどこだ?
確かに招待したか?
はい 閣下
モンデゴ伯爵はもう寝たと
今分かった
明朝欠かせない約束があるとか
早起きだね
ツールヴィル子爵は死んだの?
胸の左に心臓がある限りは
死んだろうね
神よ 彼を安らかに
彼はただ家名を守っただけなのに
彼には大いに役立ったね
彼の妻と俺は愛し合って
幸せだった
君は何も知らず幸せだった
それが子爵が英雄的に名誉を
守ろうとしたせいで
君は苦痛を味わい
- 彼の妻は破滅 彼は死んだ
- いい気にならないで
私は幸せでも無知でもなかった
ツールヴィル夫人の前の
過去3人の女を知っていたわ
屈辱を味わせて済まないね
パリにいる俺は貞節に無縁だ
もう隠すのは失敗したのだから
見せ掛けはもう意味がないね
実際それは...解放された気分だ
そうじゃないか?
彼の財政は?
他のカジノで金を失ってる
イカサマされてもいないのに
彼の海運業は調べたか?
数年前自分の船を
銀行ローンにしてる
- ダングラールを使ってない
- 明日までにその銀行を所有しろ
他の海運会社にモンデゴに
近寄るなと
彼がダングラールに
這い寄らざるを得なくしろ
全部とれとディーラーに指示を
分かってほしい
綿の大委託販売が送られる予定だ
渡り次第船の支払いをする
そうするにはその船が必要なのだ
残念ながら銀行はこれ以上
延ばせない
積荷は他の方法を探すように
ダングラール海運
これはこれは
モンデゴ伯爵
ここにどんなご用でしょうか?
ここ何年も私を避けていたのでは
君の欠点を見過ごす覚悟だ
私達の取引を再開しようかと
この頃事業がうまくないのか?
ザターラ?
ヤコポ
ベッドから落ちたのか?
13年石の上だった後で
ベッドでは眠れない
何それ 痛む?
ここに来た訳は?
モンデゴに息子がいる
- アルベールが話したいと
- あとで!
彼の相続を守ろうとしてると
伝えろ
彼もあなたみたいに
散財すると心配?
魚屋の娘から引き上げた時
君の文句を聞いた覚えがない
これを終わらせ出かけるのだ
よろしいかしら
パリに愛人がたくさんいるけど
息子は一人だけでしょ
入れ アルベール
- 手短に 頼む
- そうします
謝肉祭中の二週間
友人がローマに行く
- 僕も一緒に行きたい
- ローマ?
- 付添もなく? たった15歳よ
- ほぼ16歳だ
誕生日プレゼントとして
- 面倒を起こさないから
- だめよ
勿論いいさ
家が静かで平穏になる
ローマだ!
アルベール! アルベール!
お嬢さん?
ずっとは隠れられないよ
お嬢さん?
誰だ なぜこうする?
悪漢さ 金の為だ
金ならチョッキにある
もうない
それに興味があるのは
お前の金じゃない
モンデゴ伯爵の一人息子だろ?
身代金か?
手紙を出してくたばれ
そう簡単だといいがな
手紙が届くまで二週間だ
それからもう殺したの何のと
際限なく続く
いや 手紙だけではだめだ
お前の指輪も送ればいいかな
そうだ 指輪に家紋がついてる
指ごと送る?
よく聞け 害虫
僕はモンデゴ伯フェルナンの
息子アルベールだ
僕をネタに笑うのは最後だ
- 好きにしろ!
- では ぺポン ナイフを
縄を切れ
それともお前達の死体を
切り刻むか
今だ!
ついてこい 出口が分かるか?
そこで待ってろ
- どんなにお礼をー
- 話はあとだ
皆 よくやった
有難う
アルベール
怪我はないか?
あなたは命の恩人です
大変な目に遭ったね
君は大した若者だ
明日朝食に私の屋敷に来たまえ
いいかね?
はい
お名前を伺っても?
今は君の友人
明日は君のもてなし役
まもなく礼式が私達の間に入る
モンテ・クリスト伯だ
彼は応接間にいる
彼は地下道で勇気を示した
彼は目的への手段だ
はい 閣下
どうぞ
アルベール 入って ささ
こっちに
- 大変な夜だったね
- はい
大変な冒険でした
若いときは何事も冒険だ
分からないことが一つ
なぜ僕の誘拐が分かったんです?
私には伝手が沢山ある
中には評判の悪いものもある
滞在する町で注目すべき何事も
伝わるよう金をはずんでる
伯爵の息子の誘拐は
注目すべきことだ
でもなぜ自分の命を危険にして
僕を救う?
仲間の貴族の息子だ
それ位当然だ
君の性格では
君も同じことをした筈だ
父君は君を誇るだろうね
是非パリの両親に会ってください
じかに両親のお礼を
残念ながら無理だ
ほら 事業がね
是非 名誉の問題ですから
-ヤコポ?
- はい 閣下?
スパダのことだが--
どうなってる?
- 今でも 金は--
- 積荷は?
あ す-すみません
積荷は運送中でー
マルセイユに向かっています
- 着くのは?
- あと三週間かかります
三週間? パリでの訪問時間が
十分過ぎる位だ
- よかろう
- よかった
- あなたはちょうど間にあう
- 何に?
- 誕生日おめでとう
- ありがとう
モンテ・クリスト伯爵
伯爵!
- アルベール
- ようこそ 父上!
モンテ・クリスト伯爵を
紹介します
- よろしく
- こちらこそ モンデゴ伯爵
お会いするのがずっと
楽しみでした
名誉に存じます
息子を救っていただき...
恩義を感じております
妻を紹介します
メルセデスです
宜しく 伯爵夫人
息子と私にしてくださったことに...
母親として
心からお礼申し上げます
あなたを決して忘れません
とんでもない
大したことじゃなかった
一月もしないうち
私の名なぞ忘れるでしょう
奥様を盗んでよろしいか?
- えっ?
- ワルツに
勿論どうぞ
素晴らしい方だね?
- どうしました?
- 何でもありません
あなたを見ると
昔の人を思い出します
とても大事だった人を
光栄ですね
その方はどうなりました?
死にました
だが私はその人ではない
ヴィルフォールご夫妻
なぜ二人がここに?
ヴィルフォール検事
- なぜここに?
- おや ヴィルフォール夫妻!
会いに来てくださり
とても嬉しい
お手紙をいただいて
とても楽しみでした
有難う
ちょっとご主人と私を
失礼させてください
あなたは法解釈が
うまいそうですね
お手伝い願いたいことがあって
失礼
フェルナン フェルナン!
乾杯を!
今は無理だ 大事な用がある
お客様も
アルベールも待ってるわ
君がやれ
きっとすばらしいぞ
あなたは父親よ!
それ位できるでしょ
彼はあなたを尊敬してるでしょ
じゃ いなくても許すだろう
でも--
表向き会わない筈では
モンテ・クリスト伯を
逃せるか?
そうだな
- 彼の何を知ってる?
- 外国人
裕福
君の息子を助けたそうだな
- なぜ君に相談を?
- 君に言う必要があるか?
息子がローマから戻って
言うには M・クリストは
積荷を待ってるそうだ
"金"と"スパダ"という語も...
聞こえたと
- フム
- まさか--
M・クリストはスパダの財宝を
見つけたんだ
一時間前 マルセイユから
来る積荷の厄介な調査をー
.
避ける方法を訊いてきた
- フム
- 逮捕もできるが
それはやめろ
積荷のことは安心させろ
君の考えはどう--
格好の知り合いがある
君が税関を通してやるが
積荷は一晩港に
置くしかないと言え
俺がそれをとって俺の
ブウションの屋敷に運ぶ
翌日そこで落ち合おう
70%貰うぞ
50%だけだ
よし
みなさん
主人は仕事で手が空かないので
私に任され--
皆さんに紹介を...
モンテ・クリスト伯です
図々しくも伯爵にお願いし...
誕生日の乾杯の
音頭をとらせて頂きます
私が是非にとお願いし
ホストが寛大にも
私のように無作法な
お客の便宜の為に...
父親の権利を...
放棄してくださった
ああ
アルベール君は
ローマで私が助けたのを...
非常に大切にしてきました
私がカタコンベに着いた時
犯人がアルベールを縛り
誘拐の証拠として
指を切り落として父親に送ると...
脅していました
まあ!
これに際し彼が答えたのは...
`"勝手にしろ"でした
若き友よ 人生は嵐だ
一瞬日を浴びるが
次の瞬間岩に叩きつけられる
君を大の男にするものは...
嵐が来た時 君がどうするかだ
ローマでしたように
嵐を見つめ 叫ぶことだ
"勝手にしろ...
こっちもやるから"と
その時運命は我々と同じに
君を知る
男としてのアルベール・モンデゴを
ヤァ!
エドモン あなたは処刑されたと
ヴィルフォールが
- そう?
- ああ
- あなたは勘違いしてる
モンデゴ館へ戻せ -いや!
-あなたの評判を考えてるのです
- お願い エドモン
- どうでもいいのー
- 私はエドモンじゃない
やめて! やめて! やめて!
あなたは誰なの?
霊魂?
私を苦しめに送られた幽霊?
そのエドモンだが
愛していたのか?
ええ
どの位の間?
生涯ずっと
彼の死後 伯爵と
結婚するまでの期間は?
ひどいわ
あなたの家に着きましたよ
あなたの言う通りね
エドモンの筈がない
ほらね ご自身で仰った
エドモン・ダンテスは死んだのだ
お休みなさい
お休みなさい 伯爵夫人
私のことに出過ぎた真似を
しようものなら
私達が出会った日の仕事を
片付けるぞ
分かるか?
- あんたは狂ってる
- 狂ってる?
敵はすっかり罠にはまってるんだ
無視するとはどうかしてる
あんたには財産と
愛してくれる女性がいる
金と女をうけとり
人生を生きろ
この計画をやめ
勝ち取ったものをうけろ
- できない
- なぜだ?
俺はまだ僕だ ザターラ
誓いを立てた あんたを守る
たとえそれがあんた自身から
守ることでもだ
さあ家まで乗せていこう
歩いて帰る
二つの箱は俺達の分け前用に
ファラオン号に
モンデゴにばれやしない
さあ 乗船しろ
- P・ダングラールか?
- そうだが?
お前に商船の品泥棒の嫌疑がある
ばかな
簡単に分かることだ
お前の船を捜索する
モンデゴ伯爵がはめたな
だが彼のせいで縛り首にならないぞ
お前は誰だ?
モンテ・クリスト伯だが
友人はエドモン・ダンテスと呼ぶ
ダンテス?
話せるうちに彼を下ろせ
おう やめろ
それじゃ多過ぎる
親愛なるヴィルフォール
少し一緒にいていいかな
閣下 思いがけなかった
積荷のことでじかに
礼を言いたい
ああそれね 全部手筈を
整えておいたよ
もう問題はないと約束できる
よかった これが長く
実りある関係の始まりだろう
そう言えば
一つ訊いていいか?
勿論だ 何でも訊いてくれ
ただ知りたかったのだが
16年前 なぜモンデゴ夫人に...
エドモン・ダンテスは処刑されたと?
訳が分からない
一体何の話だ?
全く簡単な質問だ
どうしてそれを知ってる?
蒸気は--
もう十分だ
フー! ダンテスはナポレオンの
手紙を受けていた
- 明らかに反逆だった
- だが彼は渡さなかった
それを知ってて牢に送るだけでも
悪いことだが 言う--
何故この偏屈な議論を
吹っかけるのか分からない
自問してみると
"E・ダンテスが死んだ"と
メルセデスに言う事で...
我が友ヴィルフォールに
何の得があったか?
答は...全く何の得もない
君が言う通り 何もない
だから何故--
だが昔馴染みの 今は
フランスの主任判事が
この嘘で何も得なければ
誰が得する?
ここは熱すぎるし
君は服を着たままだ
- 二人とも出る時だ
- その恩恵を受けるのは...
フェルナン モンデゴ伯爵だろう
この審問が我々の仕事と
何の関係があるのだ?
今話すところだ
座れ モンデゴ
私は野心的男だ
ナポレオン支持者をあげることで...
この野心を前進させてきた
だがナポレオンが逃亡し
何と言うか
脇腹に棘がささってる
以前はただの苛立ちで
今は致命的な可能性がある
- 同様に致命的になる
- 問題が問題なだけに...
私自身は対応できない
それで君に提案がある
君の父の具合は?
残念ながら生きてる
我々は同じ不幸だ
覚えてるか?
なぜドアに鍵が?
すぐにこの部屋から出せ
お前は私の友人なんかじゃない
お前の父親はナポレオンの
忠実な支持者だったな?
多分エルバ脱出計画に
関わっていた筈だ
まもなく皇帝が着くぞ!
君のように野心的公務員には
不都合な親だ
だが彼は死んだ
突然都合よく殺された
やはり16年前だ
ナポレオン皇帝
犯人は捕まらなかった
君はどれだけ熱心に探した?
証拠も目撃者もない
ただの理屈だ
ただの推理だ
いや モンデゴ伯爵がいる
モンデゴの息子 何故だ?
お前の息子に勇気がないからだ
引き金を引いたのはモンデゴだ!
彼が白状するもんか!
その通り 彼は吐かないだろう
だが今お前が吐いた
ヴィルフォール
殺人共謀で逮捕する
覚えてるか?
ダンテス?
紳士に対する厚遇だ
そう簡単にさせるとは
思わなかっただろ?
ヤー!
エドモン?
馬車の中で話は済んだ筈だが
私もそう思っていた
あとで気づいたの...
あなたが"ダンテス"と言ったと
私が言ってなかった名を
何の用だ?
あなたから自由になりたいの
あなたが私から自由なように
二、三答えてくれたら
永久に消えるわ
訊いてくれ
あなたはどこにいたの?
シャトーディフに13年...
他のあらゆる場所に
シャトーディフに13年
苦しかった?
もういいか?
私は頭がいっぱいだ
- その後何があったの?
- いろいろだ
- 何故私のところに来なかった?
- なぜ待たなかった?
私を裏切った男と結婚した--
あの夜岩場で言ったでしょ?
決して指から外さないと
ずっと外してないわ
- なぜ?
- 知ってる筈よ
私を愛してるなら
私から憎しみを奪うな
私にはそれしかない
諦めて エドモン 忘れて
どんな邪な計画を抱いてるか
知らないわ
どんな意図でこの16年
お互い抜きで暮らすよう...
私達に求められたかも知らない
- でも神は私達に新しい始まりを--
- 神だと?
神の手をはたかないで
私は神を逃れられないのか?
そうよ 神はどこにでもいるの
キスにでも
奥様?
伯爵はどこ?
午後にお会いなさりたいと
-彼に会う?
- はい
あなたの息子さん共々
国を出ると
ご自宅に送らせますので...
そこで私をお待ち下さい
- そうして--
- 有難う!
- ええ ですが--
- 帰って荷造りしないと
ええ ええ 奥様--
- 伯爵はどこ?
- 二階です
どうしたの?
破産だ
負債全部が取立てられてる
- それに逮捕もされる
- 何の罪で?
海賊行為 汚職 殺人
- それ全部をしたの?
- そうだ
話してる時じゃない
憲兵が向かってきてる
だから急いで荷造りしろ
私は一緒に行かないわ フェルナン
お前は私の妻だ
私達の手配をしてある
私達は良い世話を受けられる
さあ私の息子を探して来い
- あなたの息子じゃないわ
- 何だって?
アルベール・モンデゴはエドモン・
ダンテスの息子よ
エドモンが連れ去られた後
なぜ私が急いで結婚したと思う?
早まった
お前はどうかしてるな
あれは死んだ反逆者の
私生児か
いつも期待外れだったよ
さよなら メルセデス
楽しませて貰った時もあったよ
私は一度も楽しくなかったわ
どうしたことだ?
モンテ・クリスト
王を君に フェルナン
エドモン?
だが どう--
どうして逃げたか?
苦労してだ
この時をどう計画したか?
楽しくだ
じゃメルセデスをとったのか?
他の全部もだ...
命は別だが
なぜこうする?
複雑だ
私から盗んだ人生の
復讐と言っておこう
剣を習ったんだな
なぜ私の友と称した?
私達は友達だった エドモン
私を地獄に送ったろ!
なぜだ?
復讐すればいい
だがお前が流す血は高貴だ
お前の体には流れない血だ
お前は伯爵じゃない!
お前にはその血がない
- 父に触れたら殺してやる
- 説明させてくれ
道でヴィルフォール夫人から
説明は聞いた
モンテ・クリスト伯がいかに
信じやすい間抜けを利用しー
僕達の生活に
入り込んだか聞いた
- アルベール 話をきいてくれ
- きくもんか!
父上 バカな僕を許してくれ
お前は裏切られたのだ
勿論 許す
あなたは友達だった
尊敬していた
これには君の知らない
過去があるのだ
彼は母を愛したのに
私が選ばれた
- 今彼女を盗む気だ
- 嘘だ 邪魔するな!
仕方なくば殺すぞ
もうやめない
- 僕もだ
- よかろう
やめて!
アルベール
どこへ行ったか説明してる
手紙を見たわ
でも今度は私が説明するわ
あなたの本当の素性を
あなたはエドモン・ダンテスの
息子なの
モンテ・クリスト伯と知ってる
人の息子よ
本当らしいぞ
お前は 母親が昔も今も
娼婦だという...
生きてる証拠だ
彼と--
それも何の役にも立たなかったな?
フェルナン お願い もう止めて
もうたくさんだ
行け それを慈悲と呼べ
慈悲だ フェルナン
弾は一発しかない
私を止めるにはもっと必要だぞ
では最大に傷つける場所を
狙うだけだ
そんな!
母上! 母上!
ああ 私は何てことをしたのだ
ヤコポ!
ヤー!
ザターラ またしても
神は目の片隅から
あんたを見てるのだ
彼女は死なない
エドモン!
エドモン!
出て行かないで やめて
エドモン 行かないで
やれ やめるな
ザターラ
終わらせろ
神父さえ分かってくれる
-エドモン!
-行かないで
母上を頼む
お前に全部 俺に何もない
世界で生きられない
お前の慈悲はどうした?
私は伯爵であって聖人ではない
シャトー ディフ 3ヵ月後
神父 あなたの言うとおりだった
これを約束しよう 君と...
神に:
復讐に使われた全ては...
これからは善に使うと
だから安らかに眠れ 友よ
それで ザターラ
つらい?
いや
いつか壊す気でここを買った
だが今したいことはただ一つ...
この島を胸にして去ることだ
帰ろう
"神は私に正義を与える"