WEBVTT

00:00:05.711 --> 00:00:09.620
1999年10月31日
アメリカでは ハロウィンの日

00:00:09.620 --> 00:00:13.538
僕の家族は イギリスの小さなアパートから 
ロサンゼルスへ引っ越してきました

00:00:13.538 --> 00:00:17.529
その頃は 両親と兄と姉の 
わずか４人家族でしたが

00:00:17.529 --> 00:00:20.451
１年と３日後 
僕が生まれました

00:00:20.451 --> 00:00:23.713
僕が少し変だとは
すぐには 分からなかったと思いますが

00:00:23.713 --> 00:00:27.073
４歳になる頃には 僕の注意力のなさは
顕著になっていました

00:00:27.073 --> 00:00:30.522
無視しているみたいに
呼ばれても 返事をしませんでした

00:00:30.522 --> 00:00:33.642
母は 耳が聞こえないのかと心配し

00:00:33.642 --> 00:00:37.393
400ドルもかかる 手の込んだ
聴力検査をしたそうです

00:00:37.393 --> 00:00:42.292
検査の結果は 全く問題なかった為 
しばらくその話題で もちきりでした

00:00:42.292 --> 00:00:45.635
何に対しても ひと時も 
集中できないことや

00:00:45.635 --> 00:00:47.392
忘れっぽさや

00:00:47.392 --> 00:00:52.462
片づけが苦手なことと言ったら 
全くどうにもなりませんでした

00:00:52.462 --> 00:00:54.012
いつも 鉛筆をなくすし

00:00:54.012 --> 00:00:56.393
宿題をやっても 
提出したためしはありません

00:00:56.393 --> 00:01:00.058
いつも上着を学校に忘れ たいてい
見つかることはありませんでした

00:01:00.058 --> 00:01:04.273
じっと座っていられず
座っていたとしても 喋りっぱなし

00:01:04.273 --> 00:01:07.655
あまりに喋ってばかりいたので 
たとえ喋っていなくても

00:01:07.655 --> 00:01:12.232
学校の先生に 静かにするように 
注意されるほどでした

00:01:12.232 --> 00:01:16.733
小学３年生のとき 担任が僕を 
クラスメイトから引き離して

00:01:16.733 --> 00:01:19.805
お喋りをやめさせようと 
教室の隅の席に追いやりました

00:01:19.805 --> 00:01:22.864
すると僕は 教室の中を 
叫びながら歩くようになりました

00:01:22.864 --> 00:01:26.244
悪夢でした

00:01:26.244 --> 00:01:29.445
３年生の間 ずっと 
宿題は忘れっぱなしでした

00:01:29.445 --> 00:01:31.490
いつも クラスで一番です

00:01:31.490 --> 00:01:33.914
４年生になり 
転機が訪れました

00:01:33.914 --> 00:01:36.892
母は教師になって 働いていましたが 
そのときに

00:01:36.892 --> 00:01:41.016
ADHDと診断された生徒達を 
教えることになったのです

00:01:41.016 --> 00:01:44.712
母は この生徒達に とても 
親近感を覚える気がしました

00:01:44.712 --> 00:01:48.065
彼らの抱える問題は 
僕のものと同じだったのです

00:01:48.065 --> 00:01:50.216
４年生の春

00:01:50.216 --> 00:01:53.738
僕はセラピストのもとへ行くと 
ADHDだと診断されました

00:01:53.738 --> 00:01:56.458
その特徴を簡単に言うと 
次の３つです

00:01:56.458 --> 00:01:57.418
衝動性

00:01:57.418 --> 00:01:58.928
多動性

00:01:58.928 --> 00:02:00.548
そして 不注意

00:02:00.548 --> 00:02:04.247
衝動性―そうです これによって 
心に浮かんだことを何でも

00:02:04.247 --> 00:02:05.609
口に出してしまったのです

00:02:05.609 --> 00:02:07.898
多動性 ―僕はいつも
貧乏ゆすりをしていました

00:02:07.898 --> 00:02:11.279
周りの人たちは 当然 
イライラしたでしょう

00:02:11.279 --> 00:02:14.706
不注意―これは表現が良くないと
思いますが

00:02:14.706 --> 00:02:18.550
実際に 僕の脳では 
本当に気になるものが出て来るまで

00:02:18.550 --> 00:02:21.299
次から次へと 急速に
注意が移ろうのです

00:02:21.299 --> 00:02:22.630
熱中しやすいですが

00:02:22.630 --> 00:02:25.456
飽きっぽかったのかもしれません

00:02:25.456 --> 00:02:28.290
これは 忘れっぽいことにも 
関係しています

00:02:28.290 --> 00:02:31.579
注意が向いている時は
ちゃんと覚えられますが

00:02:31.579 --> 00:02:34.124
そうでないときが
しょっちゅうです

00:02:34.124 --> 00:02:37.180
そんな経験を
たくさんしてきました

00:02:37.180 --> 00:02:41.480
スポーツも色々やってみました
特に野球は ひどかった

00:02:41.480 --> 00:02:44.800
ADHDの子供が 球場で 
じっとしている訳が ありません

00:02:44.800 --> 00:02:46.239
ロボット工作もやってみました

00:02:46.239 --> 00:02:50.241
いくつか作ってみましたが
全て大失敗でした

00:02:50.241 --> 00:02:53.010
絵を描くのが得意なので
マンガにも挑戦しました

00:02:53.010 --> 00:02:57.679
色の塗り方を 知りたかったんですが
一度もやらず すぐに興味は失せました

00:02:57.679 --> 00:03:00.031
プログラミングにも
挑戦しましたが

00:03:00.031 --> 00:03:02.439
その日のうちに
飽きてしまいました

00:03:02.439 --> 00:03:05.938
つまり 次から次に
興味が 移ってしまうのです

00:03:05.938 --> 00:03:07.960
これらの症状を治め

00:03:07.960 --> 00:03:11.281
子育てにおいて 両親の名誉を
保つことができるように

00:03:11.281 --> 00:03:14.120
僕は薬を飲み始めました

00:03:14.120 --> 00:03:17.761
たぶん これが僕の人生で
一番衝撃的な出来事です

00:03:17.761 --> 00:03:20.360
はじめは とても効果的で

00:03:20.360 --> 00:03:24.061
５年生の時
僕は優等生になりました

00:03:24.061 --> 00:03:25.642
課題を終わらせただけでなく

00:03:25.642 --> 00:03:28.792
早くやれたし 友達の課題も
手伝いました

00:03:28.792 --> 00:03:32.443
他の生徒が まだやっているのを横目に
遊びまわっていました

00:03:32.443 --> 00:03:34.363
一番おもしろかったのは

00:03:34.363 --> 00:03:37.182
僕を隅の席に座らせた 
３年生の時の担任の先生が

00:03:37.182 --> 00:03:39.403
５年生でも 担任だったことです

00:03:39.403 --> 00:03:44.915
ものすごく混乱したでしょうね

00:03:44.915 --> 00:03:46.613
これは６年生まで続きました

00:03:46.613 --> 00:03:47.663
整理整頓ができ

00:03:47.663 --> 00:03:48.924
宿題もできたし

00:03:48.924 --> 00:03:49.993
成績も最高

00:03:49.993 --> 00:03:51.693
全てがうまくいっていました

00:03:51.693 --> 00:03:54.383
しかし 中学１年生になると

00:03:54.383 --> 00:03:56.775
薬の量が増えました

00:03:56.775 --> 00:03:58.815
中学年になると
プレッシャーが増えるから

00:03:58.815 --> 00:04:01.115
対処しなければならないと
思われたのです

00:04:01.115 --> 00:04:03.784
皮肉なことに 中学校で味わった
本当のプレッシャーとは

00:04:03.784 --> 00:04:05.667
友人関係だったのです

00:04:05.667 --> 00:04:09.415
薬の増量には
ダメージが伴いました

00:04:09.415 --> 00:04:11.835
突然 みんなと
うまくいかなくなったのです

00:04:11.835 --> 00:04:14.505
僕は ひとりになりました

00:04:14.505 --> 00:04:16.715
ADHDは自分の一部だと 
思っています

00:04:16.715 --> 00:04:20.704
そうでなければ 死ぬまでずっと
ADHDと生きていくことはできません

00:04:20.704 --> 00:04:22.918
でも 薬の増量は
それを許しませんでした

00:04:22.918 --> 00:04:25.776
最悪だったのは 服薬中に 
食欲が無くなったことです

00:04:25.776 --> 00:04:31.216
僕はとても痩せっぽちで 母はいつも
食事をさせようとしていました

00:04:31.216 --> 00:04:35.778
毎日 弁当を作ってくれましたが
毎日 ゴミ箱行きでした

00:04:35.778 --> 00:04:38.546
服薬中は 食べ物に
全く興味が湧かないと

00:04:38.546 --> 00:04:40.626
母に伝えたとき

00:04:40.626 --> 00:04:45.746
返事はこんな感じでした 
「つべこべ言わずに食べなさい」

00:04:45.746 --> 00:04:48.896
他に言えることが
無かったのでしょう

00:04:48.896 --> 00:04:50.916
それで 僕は薬を

00:04:50.916 --> 00:04:55.167
飲んだり飲まなかったりしました
もちろん バレていたと思います

00:04:55.167 --> 00:04:56.938
参考までに ロサンゼルスには

00:04:56.938 --> 00:04:59.586
アイスホッケーチームの
ロサンゼルス・キングスがあります

00:04:59.586 --> 00:05:02.637
彼らの試合を見に行き 
とても興奮しました

00:05:02.637 --> 00:05:06.309
何かが起こるたびに立ちあがり
跳び上がって応援しました

00:05:06.309 --> 00:05:09.910
ダンスカムが こちらを向いた時
それに映りたくて

00:05:09.910 --> 00:05:12.383
シャツを脱いで 
頭の上で振り回しました

00:05:12.383 --> 00:05:17.103
もちろん 映りましたよ


00:05:17.103 --> 00:05:19.153
その次に試合を見に行ったとき

00:05:19.153 --> 00:05:23.673
宿題に集中する為に
薬を飲んだばかりだったので

00:05:23.673 --> 00:05:29.574
ダンスもしなかったし
得点した時に 少し立っただけでした

00:05:29.574 --> 00:05:31.475
一緒に行った友達は 
がっかりしていました

00:05:31.475 --> 00:05:35.153
前回のような エネルギッシュな
僕の姿を見たかったのです

00:05:35.153 --> 00:05:38.234
服薬によって 
そんなことが できなくなりました

00:05:38.234 --> 00:05:41.875
僕はなんだか 未熟で
下らない人間になった気がしました

00:05:41.875 --> 00:05:45.194
先生達は これを 
完璧な行動だというでしょう

00:05:45.194 --> 00:05:49.586
静かに座り 
誰にも迷惑をかけない

00:05:49.586 --> 00:05:54.588
これは 多くのADHDの子供が直面する
重要な問題です

00:05:54.588 --> 00:05:57.998
良い成績が簡単に取れる代わりに 
自分の一部を失うか

00:05:57.998 --> 00:06:01.829
ありのままでいられるけれど 
成績表が散々になるかのどちらかで

00:06:01.829 --> 00:06:05.288
普段の行動を理解し難い人が 
現われるでしょう

00:06:05.288 --> 00:06:09.451
一旦服薬を完全にストップすると 
地獄の苦しみです

00:06:09.451 --> 00:06:12.297
成績は がた落ちで

00:06:12.297 --> 00:06:14.998
だんだん 友達を怒らせるように
なりました

00:06:14.998 --> 00:06:19.748
障害を知っている友達や家族は 
からかおうとしてくれました

00:06:19.748 --> 00:06:22.709
言い訳を言えるように 
してくれていたんでしょうが

00:06:22.709 --> 00:06:25.220
本当に ひどかったです

00:06:25.220 --> 00:06:30.547
僕は失敗したとき 障害のせいではなく 
自分の過ちのせいにしたい

00:06:30.547 --> 00:06:33.266
そうしなければ きっと 
すごく落ち込んでしまう

00:06:33.266 --> 00:06:37.221
普通じゃないから 
片付けられないみたいに―

00:06:37.221 --> 00:06:40.338
これは まだ
中２の時のことですが

00:06:40.338 --> 00:06:45.060
６年生の時とは
全然違っていました

00:06:45.060 --> 00:06:47.331
僕は本当に頭が良かったのかとか

00:06:47.331 --> 00:06:49.780
薬でただ幻覚を見ていたのかと
思うようになりました

00:06:49.780 --> 00:06:54.320
自我は粉々になり 
何より 自分自身に対して怒り

00:06:54.320 --> 00:06:57.852
やるせない気持ちでいました

00:06:57.852 --> 00:06:59.591
もう 自分を信じられず

00:06:59.591 --> 00:07:02.351
今まで出来たと思っていたどれも 
信じられなくなりました

00:07:02.351 --> 00:07:04.542
高校に入学した時

00:07:04.542 --> 00:07:07.235
やる気に満ちた同級生と違って
僕には希望なんかなくて

00:07:07.235 --> 00:07:09.532
扉を開ける前に 既に
打ちのめされていました

00:07:09.532 --> 00:07:13.672
僕にとって 全ての始まりは
あの時の 薬の増量でした

00:07:13.672 --> 00:07:15.060
誤解しないでほしいんですが

00:07:15.060 --> 00:07:19.351
長く服薬を続けている人達に比べれば 
僕は まだましな方ですし

00:07:19.351 --> 00:07:22.552
服薬していても ほとんどの人は 
全く普通に暮らしています

00:07:22.552 --> 00:07:25.792
夏休みになると 薬の離脱症状で 
苦しむ子供が出てきます

00:07:25.792 --> 00:07:27.123
ひどいときには

00:07:27.123 --> 00:07:28.722
悪寒がします

00:07:28.722 --> 00:07:33.198
薬を飲んだ後 ２日間も
眠れなくなった少年がいます

00:07:33.198 --> 00:07:37.712
こんな話も 聞きました
母の勤務先にいた子供は

00:07:37.712 --> 00:07:42.983
初めて薬を飲んだ時
自殺願望に襲われたそうです

00:07:42.983 --> 00:07:44.774
こんなことが あってはいけません

00:07:44.774 --> 00:07:47.526
ADHDの人たちは 
この障害とつきあっていくために

00:07:47.526 --> 00:07:49.763
自分について 
知るべきことが沢山あり

00:07:49.763 --> 00:07:51.203
それは 長い道のりなのです

00:07:51.203 --> 00:07:52.683
今 僕が見てきた限りでは

00:07:52.683 --> 00:07:56.644
服薬が 唯一の解決策だと
思われていて

00:07:56.644 --> 00:07:58.164
もし効果が出なければ

00:07:58.164 --> 00:08:00.913
自分で 策を探さねばなりません

00:08:00.913 --> 00:08:06.064
もちろん ほとんどの人にとって 
薬は効果的だと思います

00:08:06.064 --> 00:08:09.133
生活に支障をきたすような
副作用はなく

00:08:09.133 --> 00:08:11.742
やるべきことが 
できるようになります

00:08:11.742 --> 00:08:13.715
でも 全ての人が そうとは限りません

00:08:13.715 --> 00:08:14.546
ストレスや

00:08:14.546 --> 00:08:15.475
プレッシャー

00:08:15.475 --> 00:08:17.336
ADHDによって起こるイライラは

00:08:17.336 --> 00:08:20.976
本人だけでなく 周囲の人たちの
問題でもあるでしょう

00:08:20.976 --> 00:08:22.155
それは辛いことです

00:08:22.155 --> 00:08:24.615
スウェーデンの研究者が

00:08:24.615 --> 00:08:26.696
自国のデータベースで

00:08:26.696 --> 00:08:32.366
ADHDの人とそうでない人の 
自殺率を調べた所

00:08:32.366 --> 00:08:36.627
ADHDの人の方が 10倍の自殺率
というのは 単なる偶然ではありません

00:08:36.627 --> 00:08:41.306
0.02％に対して0.2%です

00:08:41.306 --> 00:08:46.495
ADHDでない人の
自殺未遂率は 1.3％で

00:08:46.495 --> 00:08:52.967
ADHDの人は 9.4％ 
ほぼ10人に１人です

00:08:52.967 --> 00:08:56.965
ADHD患者が家族にいる場合も
同様のリスクがあります

00:08:56.965 --> 00:09:01.288
先程も述べたように
ADHDではない人の自殺率は0.02％

00:09:01.288 --> 00:09:05.486
それに対して
ADHD患者の両親の自殺率は 0.7％

00:09:05.486 --> 00:09:10.837
兄弟姉妹の自殺率は 0.2％です

00:09:10.837 --> 00:09:13.587
統計の数は上下しますが

00:09:13.587 --> 00:09:16.968
薬物治療が 全てのADHD患者に
有効なんてことは ありません

00:09:16.968 --> 00:09:21.149
もちろん 多くのADHD患者にとって
薬は効果がありますが

00:09:21.149 --> 00:09:24.418
お金に余裕が無い人や
理由が何であれ 薬が助けにならない人には

00:09:24.418 --> 00:09:28.259
深刻な問題が残されたままに
なってしまいます

00:09:28.259 --> 00:09:32.238
自分が混乱すると 愛する人が
ストレスを受けると分かっていても

00:09:32.238 --> 00:09:34.378
混乱するのを止められないのです

00:09:34.378 --> 00:09:37.866
こんなことが どれくらいあるか
知ったら 驚くでしょう

00:09:37.866 --> 00:09:44.154
アメリカでは 成人人口の４％が 
ADHDだと 推定されています

00:09:44.154 --> 00:09:48.963
子供の場合 CDCによると
その数は 11％にのぼります

00:09:48.963 --> 00:09:51.061
それはアメリカ国内だけの数で

00:09:51.061 --> 00:09:53.433
既に 数百万人もの患者が
いることになります

00:09:53.433 --> 00:09:59.202
この会場にも ADHDとそれによるストレスと
戦っている人達がいるはずです

00:09:59.202 --> 00:10:00.943
僕のような人達が―

00:10:00.943 --> 00:10:03.672
そこで 僕の場合ですが

00:10:03.672 --> 00:10:08.473
ADHDと共に生き 幸せでいる唯一の方法は
ADHDを克服することでした

00:10:08.473 --> 00:10:12.222
僕はADHDに縛られているわけじゃないと
証明したかった

00:10:12.222 --> 00:10:17.352
それで ２年生の時
すごく落ち込んで入学した翌年に

00:10:17.352 --> 00:10:21.764
他の人にだけじゃなく 僕自身に対しても
証明したいと思いました

00:10:21.764 --> 00:10:23.064
僕は賢く

00:10:23.064 --> 00:10:24.964
目標の成績も取れるし

00:10:24.964 --> 00:10:28.310
活動にも 積極的に参加し
かつ 宿題もできると 証明したかった

00:10:28.310 --> 00:10:30.485
そして僕は 目標の成績を取り

00:10:30.485 --> 00:10:32.195
活動にも 参加しました

00:10:32.195 --> 00:10:33.346
赤十字での活動です

00:10:33.346 --> 00:10:37.364
ボランティアは 今までの活動の中で
最も充実したものの ひとつです

00:10:37.364 --> 00:10:40.904
僕は 自分に合ったやり方を
見つけました

00:10:40.904 --> 00:10:45.185
片付けも 必要なだけやります
ちょうど良く 適当に

00:10:45.185 --> 00:10:49.065
また 重要な事を見逃した時のために 
授業のパターンを見つけておくことも

00:10:49.065 --> 00:10:51.044
僕にとっては 大事なことです

00:10:51.044 --> 00:10:53.892
物事に対しての 一般的な意見も
持つようにしています

00:10:53.892 --> 00:10:57.744
また 注意がどうしても 
散漫になるときや

00:10:57.744 --> 00:11:00.145
あまり興味が持てない
授業のときのために

00:11:00.145 --> 00:11:02.755
同じクラスに 友人を持つことは
すごく大事なことです

00:11:02.755 --> 00:11:07.487
未だに 何の指示が与えられたのか 
宿題が何だったかを 常に尋ねています

00:11:07.487 --> 00:11:10.437
僕にとっては 一仕事ですが

00:11:10.437 --> 00:11:14.356
やるだけの価値はあります
おかげで やりたいことができるのですから

00:11:14.356 --> 00:11:17.426
つまり 折り合いをつける
ということです

00:11:17.426 --> 00:11:20.034
これで 僕は
薬をやめることができました

00:11:20.034 --> 00:11:23.449
よくあるADHDの人の成功例とは
ちょっと違うと思います

00:11:23.449 --> 00:11:28.846
僕は今 学校に行っています
そこでの僕が 本当の僕です

00:11:28.846 --> 00:11:30.066
先生をイライラさせるし

00:11:30.066 --> 00:11:31.477
課題にも苦労します

00:11:31.477 --> 00:11:33.166
しかし 前より幸せです

00:11:33.166 --> 00:11:34.877
自分自身を信頼しているからです

00:11:34.877 --> 00:11:39.698
薬を飲まなくても 
先生の監視がなくても それは可能です

00:11:39.698 --> 00:11:41.936
薬が効こうが効くまいが

00:11:41.936 --> 00:11:45.086
ADHDの人たちは 
自分達に効果があるものを探し

00:11:45.086 --> 00:11:47.598
必要なサポートを得て

00:11:47.598 --> 00:11:50.264
自己信頼感を保つ必要が
あるのです

00:11:50.264 --> 00:11:53.196
ADHDは 常に勝ち取られるべき 
戦いではありません

00:11:53.196 --> 00:11:55.661
ほんの少しの理解があれば

00:11:55.661 --> 00:11:57.476
多くの人を助けられるものなのです

00:11:57.476 --> 00:11:58.366
ありがとうございました