[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:05.71,0:00:09.62,Default,,0000,0000,0000,,1999年10月31日\Nアメリカでは ハロウィンの日 Dialogue: 0,0:00:09.62,0:00:13.54,Default,,0000,0000,0000,,僕の家族は イギリスの小さなアパートから \Nロサンゼルスへ引っ越してきました Dialogue: 0,0:00:13.54,0:00:17.53,Default,,0000,0000,0000,,その頃は 両親と兄と姉の \Nわずか4人家族でしたが Dialogue: 0,0:00:17.53,0:00:20.45,Default,,0000,0000,0000,,1年と3日後 \N僕が生まれました Dialogue: 0,0:00:20.45,0:00:23.71,Default,,0000,0000,0000,,僕が少し変だとは\Nすぐには 分からなかったと思いますが Dialogue: 0,0:00:23.71,0:00:27.07,Default,,0000,0000,0000,,4歳になる頃には 僕の注意力のなさは\N顕著になっていました Dialogue: 0,0:00:27.07,0:00:30.52,Default,,0000,0000,0000,,無視しているみたいに\N呼ばれても 返事をしませんでした Dialogue: 0,0:00:30.52,0:00:33.64,Default,,0000,0000,0000,,母は 耳が聞こえないのかと心配し Dialogue: 0,0:00:33.64,0:00:37.39,Default,,0000,0000,0000,,400ドルもかかる 手の込んだ\N聴力検査をしたそうです Dialogue: 0,0:00:37.39,0:00:42.29,Default,,0000,0000,0000,,検査の結果は 全く問題なかった為 \Nしばらくその話題で もちきりでした Dialogue: 0,0:00:42.29,0:00:45.64,Default,,0000,0000,0000,,何に対しても ひと時も \N集中できないことや Dialogue: 0,0:00:45.64,0:00:47.39,Default,,0000,0000,0000,,忘れっぽさや Dialogue: 0,0:00:47.39,0:00:52.46,Default,,0000,0000,0000,,片づけが苦手なことと言ったら \N全くどうにもなりませんでした Dialogue: 0,0:00:52.46,0:00:54.01,Default,,0000,0000,0000,,いつも 鉛筆をなくすし Dialogue: 0,0:00:54.01,0:00:56.39,Default,,0000,0000,0000,,宿題をやっても \N提出したためしはありません Dialogue: 0,0:00:56.39,0:01:00.06,Default,,0000,0000,0000,,いつも上着を学校に忘れ たいてい\N見つかることはありませんでした Dialogue: 0,0:01:00.06,0:01:04.27,Default,,0000,0000,0000,,じっと座っていられず\N座っていたとしても 喋りっぱなし Dialogue: 0,0:01:04.27,0:01:07.66,Default,,0000,0000,0000,,あまりに喋ってばかりいたので \Nたとえ喋っていなくても Dialogue: 0,0:01:07.66,0:01:12.23,Default,,0000,0000,0000,,学校の先生に 静かにするように \N注意されるほどでした Dialogue: 0,0:01:12.23,0:01:16.73,Default,,0000,0000,0000,,小学3年生のとき 担任が僕を \Nクラスメイトから引き離して Dialogue: 0,0:01:16.73,0:01:19.80,Default,,0000,0000,0000,,お喋りをやめさせようと \N教室の隅の席に追いやりました Dialogue: 0,0:01:19.80,0:01:22.86,Default,,0000,0000,0000,,すると僕は 教室の中を \N叫びながら歩くようになりました Dialogue: 0,0:01:22.86,0:01:26.24,Default,,0000,0000,0000,,悪夢でした Dialogue: 0,0:01:26.24,0:01:29.44,Default,,0000,0000,0000,,3年生の間 ずっと \N宿題は忘れっぱなしでした Dialogue: 0,0:01:29.44,0:01:31.49,Default,,0000,0000,0000,,いつも クラスで一番です Dialogue: 0,0:01:31.49,0:01:33.91,Default,,0000,0000,0000,,4年生になり \N転機が訪れました Dialogue: 0,0:01:33.91,0:01:36.89,Default,,0000,0000,0000,,母は教師になって 働いていましたが \Nそのときに Dialogue: 0,0:01:36.89,0:01:41.02,Default,,0000,0000,0000,,ADHDと診断された生徒達を \N教えることになったのです Dialogue: 0,0:01:41.02,0:01:44.71,Default,,0000,0000,0000,,母は この生徒達に とても \N親近感を覚える気がしました Dialogue: 0,0:01:44.71,0:01:48.06,Default,,0000,0000,0000,,彼らの抱える問題は \N僕のものと同じだったのです Dialogue: 0,0:01:48.06,0:01:50.22,Default,,0000,0000,0000,,4年生の春 Dialogue: 0,0:01:50.22,0:01:53.74,Default,,0000,0000,0000,,僕はセラピストのもとへ行くと \NADHDだと診断されました Dialogue: 0,0:01:53.74,0:01:56.46,Default,,0000,0000,0000,,その特徴を簡単に言うと \N次の3つです Dialogue: 0,0:01:56.46,0:01:57.42,Default,,0000,0000,0000,,衝動性 Dialogue: 0,0:01:57.42,0:01:58.93,Default,,0000,0000,0000,,多動性 Dialogue: 0,0:01:58.93,0:02:00.55,Default,,0000,0000,0000,,そして 不注意 Dialogue: 0,0:02:00.55,0:02:04.25,Default,,0000,0000,0000,,衝動性―そうです これによって \N心に浮かんだことを何でも Dialogue: 0,0:02:04.25,0:02:05.61,Default,,0000,0000,0000,,口に出してしまったのです Dialogue: 0,0:02:05.61,0:02:07.90,Default,,0000,0000,0000,,多動性 ―僕はいつも\N貧乏ゆすりをしていました Dialogue: 0,0:02:07.90,0:02:11.28,Default,,0000,0000,0000,,周りの人たちは 当然 \Nイライラしたでしょう Dialogue: 0,0:02:11.28,0:02:14.71,Default,,0000,0000,0000,,不注意―これは表現が良くないと\N思いますが Dialogue: 0,0:02:14.71,0:02:18.55,Default,,0000,0000,0000,,実際に 僕の脳では \N本当に気になるものが出て来るまで Dialogue: 0,0:02:18.55,0:02:21.30,Default,,0000,0000,0000,,次から次へと 急速に\N注意が移ろうのです Dialogue: 0,0:02:21.30,0:02:22.63,Default,,0000,0000,0000,,熱中しやすいですが Dialogue: 0,0:02:22.63,0:02:25.46,Default,,0000,0000,0000,,飽きっぽかったのかもしれません Dialogue: 0,0:02:25.46,0:02:28.29,Default,,0000,0000,0000,,これは 忘れっぽいことにも \N関係しています Dialogue: 0,0:02:28.29,0:02:31.58,Default,,0000,0000,0000,,注意が向いている時は\Nちゃんと覚えられますが Dialogue: 0,0:02:31.58,0:02:34.12,Default,,0000,0000,0000,,そうでないときが\Nしょっちゅうです Dialogue: 0,0:02:34.12,0:02:37.18,Default,,0000,0000,0000,,そんな経験を\Nたくさんしてきました Dialogue: 0,0:02:37.18,0:02:41.48,Default,,0000,0000,0000,,スポーツも色々やってみました\N特に野球は ひどかった Dialogue: 0,0:02:41.48,0:02:44.80,Default,,0000,0000,0000,,ADHDの子供が 球場で \Nじっとしている訳が ありません Dialogue: 0,0:02:44.80,0:02:46.24,Default,,0000,0000,0000,,ロボット工作もやってみました Dialogue: 0,0:02:46.24,0:02:50.24,Default,,0000,0000,0000,,いくつか作ってみましたが\N全て大失敗でした Dialogue: 0,0:02:50.24,0:02:53.01,Default,,0000,0000,0000,,絵を描くのが得意なので\Nマンガにも挑戦しました Dialogue: 0,0:02:53.01,0:02:57.68,Default,,0000,0000,0000,,色の塗り方を 知りたかったんですが\N一度もやらず すぐに興味は失せました Dialogue: 0,0:02:57.68,0:03:00.03,Default,,0000,0000,0000,,プログラミングにも\N挑戦しましたが Dialogue: 0,0:03:00.03,0:03:02.44,Default,,0000,0000,0000,,その日のうちに\N飽きてしまいました Dialogue: 0,0:03:02.44,0:03:05.94,Default,,0000,0000,0000,,つまり 次から次に\N興味が 移ってしまうのです Dialogue: 0,0:03:05.94,0:03:07.96,Default,,0000,0000,0000,,これらの症状を治め Dialogue: 0,0:03:07.96,0:03:11.28,Default,,0000,0000,0000,,子育てにおいて 両親の名誉を\N保つことができるように Dialogue: 0,0:03:11.28,0:03:14.12,Default,,0000,0000,0000,,僕は薬を飲み始めました Dialogue: 0,0:03:14.12,0:03:17.76,Default,,0000,0000,0000,,たぶん これが僕の人生で\N一番衝撃的な出来事です Dialogue: 0,0:03:17.76,0:03:20.36,Default,,0000,0000,0000,,はじめは とても効果的で Dialogue: 0,0:03:20.36,0:03:24.06,Default,,0000,0000,0000,,5年生の時\N僕は優等生になりました Dialogue: 0,0:03:24.06,0:03:25.64,Default,,0000,0000,0000,,課題を終わらせただけでなく Dialogue: 0,0:03:25.64,0:03:28.79,Default,,0000,0000,0000,,早くやれたし 友達の課題も\N手伝いました Dialogue: 0,0:03:28.79,0:03:32.44,Default,,0000,0000,0000,,他の生徒が まだやっているのを横目に\N遊びまわっていました Dialogue: 0,0:03:32.44,0:03:34.36,Default,,0000,0000,0000,,一番おもしろかったのは Dialogue: 0,0:03:34.36,0:03:37.18,Default,,0000,0000,0000,,僕を隅の席に座らせた \N3年生の時の担任の先生が Dialogue: 0,0:03:37.18,0:03:39.40,Default,,0000,0000,0000,,5年生でも 担任だったことです Dialogue: 0,0:03:39.40,0:03:44.92,Default,,0000,0000,0000,,ものすごく混乱したでしょうね Dialogue: 0,0:03:44.92,0:03:46.61,Default,,0000,0000,0000,,これは6年生まで続きました Dialogue: 0,0:03:46.61,0:03:47.66,Default,,0000,0000,0000,,整理整頓ができ Dialogue: 0,0:03:47.66,0:03:48.92,Default,,0000,0000,0000,,宿題もできたし Dialogue: 0,0:03:48.92,0:03:49.99,Default,,0000,0000,0000,,成績も最高 Dialogue: 0,0:03:49.99,0:03:51.69,Default,,0000,0000,0000,,全てがうまくいっていました Dialogue: 0,0:03:51.69,0:03:54.38,Default,,0000,0000,0000,,しかし 中学1年生になると Dialogue: 0,0:03:54.38,0:03:56.78,Default,,0000,0000,0000,,薬の量が増えました Dialogue: 0,0:03:56.78,0:03:58.82,Default,,0000,0000,0000,,中学年になると\Nプレッシャーが増えるから Dialogue: 0,0:03:58.82,0:04:01.12,Default,,0000,0000,0000,,対処しなければならないと\N思われたのです Dialogue: 0,0:04:01.12,0:04:03.78,Default,,0000,0000,0000,,皮肉なことに 中学校で味わった\N本当のプレッシャーとは Dialogue: 0,0:04:03.78,0:04:05.67,Default,,0000,0000,0000,,友人関係だったのです Dialogue: 0,0:04:05.67,0:04:09.42,Default,,0000,0000,0000,,薬の増量には\Nダメージが伴いました Dialogue: 0,0:04:09.42,0:04:11.84,Default,,0000,0000,0000,,突然 みんなと\Nうまくいかなくなったのです Dialogue: 0,0:04:11.84,0:04:14.50,Default,,0000,0000,0000,,僕は ひとりになりました Dialogue: 0,0:04:14.50,0:04:16.72,Default,,0000,0000,0000,,ADHDは自分の一部だと \N思っています Dialogue: 0,0:04:16.72,0:04:20.70,Default,,0000,0000,0000,,そうでなければ 死ぬまでずっと\NADHDと生きていくことはできません Dialogue: 0,0:04:20.70,0:04:22.92,Default,,0000,0000,0000,,でも 薬の増量は\Nそれを許しませんでした Dialogue: 0,0:04:22.92,0:04:25.78,Default,,0000,0000,0000,,最悪だったのは 服薬中に \N食欲が無くなったことです Dialogue: 0,0:04:25.78,0:04:31.22,Default,,0000,0000,0000,,僕はとても痩せっぽちで 母はいつも\N食事をさせようとしていました Dialogue: 0,0:04:31.22,0:04:35.78,Default,,0000,0000,0000,,毎日 弁当を作ってくれましたが\N毎日 ゴミ箱行きでした Dialogue: 0,0:04:35.78,0:04:38.55,Default,,0000,0000,0000,,服薬中は 食べ物に\N全く興味が湧かないと Dialogue: 0,0:04:38.55,0:04:40.63,Default,,0000,0000,0000,,母に伝えたとき Dialogue: 0,0:04:40.63,0:04:45.75,Default,,0000,0000,0000,,返事はこんな感じでした \N「つべこべ言わずに食べなさい」 Dialogue: 0,0:04:45.75,0:04:48.90,Default,,0000,0000,0000,,他に言えることが\N無かったのでしょう Dialogue: 0,0:04:48.90,0:04:50.92,Default,,0000,0000,0000,,それで 僕は薬を Dialogue: 0,0:04:50.92,0:04:55.17,Default,,0000,0000,0000,,飲んだり飲まなかったりしました\Nもちろん バレていたと思います Dialogue: 0,0:04:55.17,0:04:56.94,Default,,0000,0000,0000,,参考までに ロサンゼルスには Dialogue: 0,0:04:56.94,0:04:59.59,Default,,0000,0000,0000,,アイスホッケーチームの\Nロサンゼルス・キングスがあります Dialogue: 0,0:04:59.59,0:05:02.64,Default,,0000,0000,0000,,彼らの試合を見に行き \Nとても興奮しました Dialogue: 0,0:05:02.64,0:05:06.31,Default,,0000,0000,0000,,何かが起こるたびに立ちあがり\N跳び上がって応援しました Dialogue: 0,0:05:06.31,0:05:09.91,Default,,0000,0000,0000,,ダンスカムが こちらを向いた時\Nそれに映りたくて Dialogue: 0,0:05:09.91,0:05:12.38,Default,,0000,0000,0000,,シャツを脱いで \N頭の上で振り回しました Dialogue: 0,0:05:12.38,0:05:17.10,Default,,0000,0000,0000,,もちろん 映りましたよ\N Dialogue: 0,0:05:17.10,0:05:19.15,Default,,0000,0000,0000,,その次に試合を見に行ったとき Dialogue: 0,0:05:19.15,0:05:23.67,Default,,0000,0000,0000,,宿題に集中する為に\N薬を飲んだばかりだったので Dialogue: 0,0:05:23.67,0:05:29.57,Default,,0000,0000,0000,,ダンスもしなかったし\N得点した時に 少し立っただけでした Dialogue: 0,0:05:29.57,0:05:31.48,Default,,0000,0000,0000,,一緒に行った友達は \Nがっかりしていました Dialogue: 0,0:05:31.48,0:05:35.15,Default,,0000,0000,0000,,前回のような エネルギッシュな\N僕の姿を見たかったのです Dialogue: 0,0:05:35.15,0:05:38.23,Default,,0000,0000,0000,,服薬によって \Nそんなことが できなくなりました Dialogue: 0,0:05:38.23,0:05:41.88,Default,,0000,0000,0000,,僕はなんだか 未熟で\N下らない人間になった気がしました Dialogue: 0,0:05:41.88,0:05:45.19,Default,,0000,0000,0000,,先生達は これを \N完璧な行動だというでしょう Dialogue: 0,0:05:45.19,0:05:49.59,Default,,0000,0000,0000,,静かに座り \N誰にも迷惑をかけない Dialogue: 0,0:05:49.59,0:05:54.59,Default,,0000,0000,0000,,これは 多くのADHDの子供が直面する\N重要な問題です Dialogue: 0,0:05:54.59,0:05:57.100,Default,,0000,0000,0000,,良い成績が簡単に取れる代わりに \N自分の一部を失うか Dialogue: 0,0:05:57.100,0:06:01.83,Default,,0000,0000,0000,,ありのままでいられるけれど \N成績表が散々になるかのどちらかで Dialogue: 0,0:06:01.83,0:06:05.29,Default,,0000,0000,0000,,普段の行動を理解し難い人が \N現われるでしょう Dialogue: 0,0:06:05.29,0:06:09.45,Default,,0000,0000,0000,,一旦服薬を完全にストップすると \N地獄の苦しみです Dialogue: 0,0:06:09.45,0:06:12.30,Default,,0000,0000,0000,,成績は がた落ちで Dialogue: 0,0:06:12.30,0:06:14.100,Default,,0000,0000,0000,,だんだん 友達を怒らせるように\Nなりました Dialogue: 0,0:06:14.100,0:06:19.75,Default,,0000,0000,0000,,障害を知っている友達や家族は \Nからかおうとしてくれました Dialogue: 0,0:06:19.75,0:06:22.71,Default,,0000,0000,0000,,言い訳を言えるように \Nしてくれていたんでしょうが Dialogue: 0,0:06:22.71,0:06:25.22,Default,,0000,0000,0000,,本当に ひどかったです Dialogue: 0,0:06:25.22,0:06:30.55,Default,,0000,0000,0000,,僕は失敗したとき 障害のせいではなく \N自分の過ちのせいにしたい Dialogue: 0,0:06:30.55,0:06:33.27,Default,,0000,0000,0000,,そうしなければ きっと \Nすごく落ち込んでしまう Dialogue: 0,0:06:33.27,0:06:37.22,Default,,0000,0000,0000,,普通じゃないから \N片付けられないみたいに― Dialogue: 0,0:06:37.22,0:06:40.34,Default,,0000,0000,0000,,これは まだ\N中2の時のことですが Dialogue: 0,0:06:40.34,0:06:45.06,Default,,0000,0000,0000,,6年生の時とは\N全然違っていました Dialogue: 0,0:06:45.06,0:06:47.33,Default,,0000,0000,0000,,僕は本当に頭が良かったのかとか Dialogue: 0,0:06:47.33,0:06:49.78,Default,,0000,0000,0000,,薬でただ幻覚を見ていたのかと\N思うようになりました Dialogue: 0,0:06:49.78,0:06:54.32,Default,,0000,0000,0000,,自我は粉々になり \N何より 自分自身に対して怒り Dialogue: 0,0:06:54.32,0:06:57.85,Default,,0000,0000,0000,,やるせない気持ちでいました Dialogue: 0,0:06:57.85,0:06:59.59,Default,,0000,0000,0000,,もう 自分を信じられず Dialogue: 0,0:06:59.59,0:07:02.35,Default,,0000,0000,0000,,今まで出来たと思っていたどれも \N信じられなくなりました Dialogue: 0,0:07:02.35,0:07:04.54,Default,,0000,0000,0000,,高校に入学した時 Dialogue: 0,0:07:04.54,0:07:07.24,Default,,0000,0000,0000,,やる気に満ちた同級生と違って\N僕には希望なんかなくて Dialogue: 0,0:07:07.24,0:07:09.53,Default,,0000,0000,0000,,扉を開ける前に 既に\N打ちのめされていました Dialogue: 0,0:07:09.53,0:07:13.67,Default,,0000,0000,0000,,僕にとって 全ての始まりは\Nあの時の 薬の増量でした Dialogue: 0,0:07:13.67,0:07:15.06,Default,,0000,0000,0000,,誤解しないでほしいんですが Dialogue: 0,0:07:15.06,0:07:19.35,Default,,0000,0000,0000,,長く服薬を続けている人達に比べれば \N僕は まだましな方ですし Dialogue: 0,0:07:19.35,0:07:22.55,Default,,0000,0000,0000,,服薬していても ほとんどの人は \N全く普通に暮らしています Dialogue: 0,0:07:22.55,0:07:25.79,Default,,0000,0000,0000,,夏休みになると 薬の離脱症状で \N苦しむ子供が出てきます Dialogue: 0,0:07:25.79,0:07:27.12,Default,,0000,0000,0000,,ひどいときには Dialogue: 0,0:07:27.12,0:07:28.72,Default,,0000,0000,0000,,悪寒がします Dialogue: 0,0:07:28.72,0:07:33.20,Default,,0000,0000,0000,,薬を飲んだ後 2日間も\N眠れなくなった少年がいます Dialogue: 0,0:07:33.20,0:07:37.71,Default,,0000,0000,0000,,こんな話も 聞きました\N母の勤務先にいた子供は Dialogue: 0,0:07:37.71,0:07:42.98,Default,,0000,0000,0000,,初めて薬を飲んだ時\N自殺願望に襲われたそうです Dialogue: 0,0:07:42.98,0:07:44.77,Default,,0000,0000,0000,,こんなことが あってはいけません Dialogue: 0,0:07:44.77,0:07:47.53,Default,,0000,0000,0000,,ADHDの人たちは \Nこの障害とつきあっていくために Dialogue: 0,0:07:47.53,0:07:49.76,Default,,0000,0000,0000,,自分について \N知るべきことが沢山あり Dialogue: 0,0:07:49.76,0:07:51.20,Default,,0000,0000,0000,,それは 長い道のりなのです Dialogue: 0,0:07:51.20,0:07:52.68,Default,,0000,0000,0000,,今 僕が見てきた限りでは Dialogue: 0,0:07:52.68,0:07:56.64,Default,,0000,0000,0000,,服薬が 唯一の解決策だと\N思われていて Dialogue: 0,0:07:56.64,0:07:58.16,Default,,0000,0000,0000,,もし効果が出なければ Dialogue: 0,0:07:58.16,0:08:00.91,Default,,0000,0000,0000,,自分で 策を探さねばなりません Dialogue: 0,0:08:00.91,0:08:06.06,Default,,0000,0000,0000,,もちろん ほとんどの人にとって \N薬は効果的だと思います Dialogue: 0,0:08:06.06,0:08:09.13,Default,,0000,0000,0000,,生活に支障をきたすような\N副作用はなく Dialogue: 0,0:08:09.13,0:08:11.74,Default,,0000,0000,0000,,やるべきことが \Nできるようになります Dialogue: 0,0:08:11.74,0:08:13.72,Default,,0000,0000,0000,,でも 全ての人が そうとは限りません Dialogue: 0,0:08:13.72,0:08:14.55,Default,,0000,0000,0000,,ストレスや Dialogue: 0,0:08:14.55,0:08:15.48,Default,,0000,0000,0000,,プレッシャー Dialogue: 0,0:08:15.48,0:08:17.34,Default,,0000,0000,0000,,ADHDによって起こるイライラは Dialogue: 0,0:08:17.34,0:08:20.98,Default,,0000,0000,0000,,本人だけでなく 周囲の人たちの\N問題でもあるでしょう Dialogue: 0,0:08:20.98,0:08:22.16,Default,,0000,0000,0000,,それは辛いことです Dialogue: 0,0:08:22.16,0:08:24.62,Default,,0000,0000,0000,,スウェーデンの研究者が Dialogue: 0,0:08:24.62,0:08:26.70,Default,,0000,0000,0000,,自国のデータベースで Dialogue: 0,0:08:26.70,0:08:32.37,Default,,0000,0000,0000,,ADHDの人とそうでない人の \N自殺率を調べた所 Dialogue: 0,0:08:32.37,0:08:36.63,Default,,0000,0000,0000,,ADHDの人の方が 10倍の自殺率\Nというのは 単なる偶然ではありません Dialogue: 0,0:08:36.63,0:08:41.31,Default,,0000,0000,0000,,0.02%に対して0.2%です Dialogue: 0,0:08:41.31,0:08:46.50,Default,,0000,0000,0000,,ADHDでない人の\N自殺未遂率は 1.3%で Dialogue: 0,0:08:46.50,0:08:52.97,Default,,0000,0000,0000,,ADHDの人は 9.4% \Nほぼ10人に1人です Dialogue: 0,0:08:52.97,0:08:56.96,Default,,0000,0000,0000,,ADHD患者が家族にいる場合も\N同様のリスクがあります Dialogue: 0,0:08:56.96,0:09:01.29,Default,,0000,0000,0000,,先程も述べたように\NADHDではない人の自殺率は0.02% Dialogue: 0,0:09:01.29,0:09:05.49,Default,,0000,0000,0000,,それに対して\NADHD患者の両親の自殺率は 0.7% Dialogue: 0,0:09:05.49,0:09:10.84,Default,,0000,0000,0000,,兄弟姉妹の自殺率は 0.2%です Dialogue: 0,0:09:10.84,0:09:13.59,Default,,0000,0000,0000,,統計の数は上下しますが Dialogue: 0,0:09:13.59,0:09:16.97,Default,,0000,0000,0000,,薬物治療が 全てのADHD患者に\N有効なんてことは ありません Dialogue: 0,0:09:16.97,0:09:21.15,Default,,0000,0000,0000,,もちろん 多くのADHD患者にとって\N薬は効果がありますが Dialogue: 0,0:09:21.15,0:09:24.42,Default,,0000,0000,0000,,お金に余裕が無い人や\N理由が何であれ 薬が助けにならない人には Dialogue: 0,0:09:24.42,0:09:28.26,Default,,0000,0000,0000,,深刻な問題が残されたままに\Nなってしまいます Dialogue: 0,0:09:28.26,0:09:32.24,Default,,0000,0000,0000,,自分が混乱すると 愛する人が\Nストレスを受けると分かっていても Dialogue: 0,0:09:32.24,0:09:34.38,Default,,0000,0000,0000,,混乱するのを止められないのです Dialogue: 0,0:09:34.38,0:09:37.87,Default,,0000,0000,0000,,こんなことが どれくらいあるか\N知ったら 驚くでしょう Dialogue: 0,0:09:37.87,0:09:44.15,Default,,0000,0000,0000,,アメリカでは 成人人口の4%が \NADHDだと 推定されています Dialogue: 0,0:09:44.15,0:09:48.96,Default,,0000,0000,0000,,子供の場合 CDCによると\Nその数は 11%にのぼります Dialogue: 0,0:09:48.96,0:09:51.06,Default,,0000,0000,0000,,それはアメリカ国内だけの数で Dialogue: 0,0:09:51.06,0:09:53.43,Default,,0000,0000,0000,,既に 数百万人もの患者が\Nいることになります Dialogue: 0,0:09:53.43,0:09:59.20,Default,,0000,0000,0000,,この会場にも ADHDとそれによるストレスと\N戦っている人達がいるはずです Dialogue: 0,0:09:59.20,0:10:00.94,Default,,0000,0000,0000,,僕のような人達が― Dialogue: 0,0:10:00.94,0:10:03.67,Default,,0000,0000,0000,,そこで 僕の場合ですが Dialogue: 0,0:10:03.67,0:10:08.47,Default,,0000,0000,0000,,ADHDと共に生き 幸せでいる唯一の方法は\NADHDを克服することでした Dialogue: 0,0:10:08.47,0:10:12.22,Default,,0000,0000,0000,,僕はADHDに縛られているわけじゃないと\N証明したかった Dialogue: 0,0:10:12.22,0:10:17.35,Default,,0000,0000,0000,,それで 2年生の時\Nすごく落ち込んで入学した翌年に Dialogue: 0,0:10:17.35,0:10:21.76,Default,,0000,0000,0000,,他の人にだけじゃなく 僕自身に対しても\N証明したいと思いました Dialogue: 0,0:10:21.76,0:10:23.06,Default,,0000,0000,0000,,僕は賢く Dialogue: 0,0:10:23.06,0:10:24.96,Default,,0000,0000,0000,,目標の成績も取れるし Dialogue: 0,0:10:24.96,0:10:28.31,Default,,0000,0000,0000,,活動にも 積極的に参加し\Nかつ 宿題もできると 証明したかった Dialogue: 0,0:10:28.31,0:10:30.48,Default,,0000,0000,0000,,そして僕は 目標の成績を取り Dialogue: 0,0:10:30.48,0:10:32.20,Default,,0000,0000,0000,,活動にも 参加しました Dialogue: 0,0:10:32.20,0:10:33.35,Default,,0000,0000,0000,,赤十字での活動です Dialogue: 0,0:10:33.35,0:10:37.36,Default,,0000,0000,0000,,ボランティアは 今までの活動の中で\N最も充実したものの ひとつです Dialogue: 0,0:10:37.36,0:10:40.90,Default,,0000,0000,0000,,僕は 自分に合ったやり方を\N見つけました Dialogue: 0,0:10:40.90,0:10:45.18,Default,,0000,0000,0000,,片付けも 必要なだけやります\Nちょうど良く 適当に Dialogue: 0,0:10:45.18,0:10:49.06,Default,,0000,0000,0000,,また 重要な事を見逃した時のために \N授業のパターンを見つけておくことも Dialogue: 0,0:10:49.06,0:10:51.04,Default,,0000,0000,0000,,僕にとっては 大事なことです Dialogue: 0,0:10:51.04,0:10:53.89,Default,,0000,0000,0000,,物事に対しての 一般的な意見も\N持つようにしています Dialogue: 0,0:10:53.89,0:10:57.74,Default,,0000,0000,0000,,また 注意がどうしても \N散漫になるときや Dialogue: 0,0:10:57.74,0:11:00.14,Default,,0000,0000,0000,,あまり興味が持てない\N授業のときのために Dialogue: 0,0:11:00.14,0:11:02.76,Default,,0000,0000,0000,,同じクラスに 友人を持つことは\Nすごく大事なことです Dialogue: 0,0:11:02.76,0:11:07.49,Default,,0000,0000,0000,,未だに 何の指示が与えられたのか \N宿題が何だったかを 常に尋ねています Dialogue: 0,0:11:07.49,0:11:10.44,Default,,0000,0000,0000,,僕にとっては 一仕事ですが Dialogue: 0,0:11:10.44,0:11:14.36,Default,,0000,0000,0000,,やるだけの価値はあります\Nおかげで やりたいことができるのですから Dialogue: 0,0:11:14.36,0:11:17.43,Default,,0000,0000,0000,,つまり 折り合いをつける\Nということです Dialogue: 0,0:11:17.43,0:11:20.03,Default,,0000,0000,0000,,これで 僕は\N薬をやめることができました Dialogue: 0,0:11:20.03,0:11:23.45,Default,,0000,0000,0000,,よくあるADHDの人の成功例とは\Nちょっと違うと思います Dialogue: 0,0:11:23.45,0:11:28.85,Default,,0000,0000,0000,,僕は今 学校に行っています\Nそこでの僕が 本当の僕です Dialogue: 0,0:11:28.85,0:11:30.07,Default,,0000,0000,0000,,先生をイライラさせるし Dialogue: 0,0:11:30.07,0:11:31.48,Default,,0000,0000,0000,,課題にも苦労します Dialogue: 0,0:11:31.48,0:11:33.17,Default,,0000,0000,0000,,しかし 前より幸せです Dialogue: 0,0:11:33.17,0:11:34.88,Default,,0000,0000,0000,,自分自身を信頼しているからです Dialogue: 0,0:11:34.88,0:11:39.70,Default,,0000,0000,0000,,薬を飲まなくても \N先生の監視がなくても それは可能です Dialogue: 0,0:11:39.70,0:11:41.94,Default,,0000,0000,0000,,薬が効こうが効くまいが Dialogue: 0,0:11:41.94,0:11:45.09,Default,,0000,0000,0000,,ADHDの人たちは \N自分達に効果があるものを探し Dialogue: 0,0:11:45.09,0:11:47.60,Default,,0000,0000,0000,,必要なサポートを得て Dialogue: 0,0:11:47.60,0:11:50.26,Default,,0000,0000,0000,,自己信頼感を保つ必要が\Nあるのです Dialogue: 0,0:11:50.26,0:11:53.20,Default,,0000,0000,0000,,ADHDは 常に勝ち取られるべき \N戦いではありません Dialogue: 0,0:11:53.20,0:11:55.66,Default,,0000,0000,0000,,ほんの少しの理解があれば Dialogue: 0,0:11:55.66,0:11:57.48,Default,,0000,0000,0000,,多くの人を助けられるものなのです Dialogue: 0,0:11:57.48,0:11:58.37,Default,,0000,0000,0000,,ありがとうございました\N