オリーブ油は100%脂肪です
それ以外
何も含まれていません
一方ホットケーキミックスの
脂肪分はせいぜい11%です
なのにオリーブ油は体に良くて
ホットケーキは体に悪い
何故でしょう?
体重やコレステロール
心臓病を患うリスクに
大きく影響を及ぼすのは
脂肪の摂取量ではなく
摂取する脂肪の種類の方なのです
摂取する脂肪の種類の方なのです
でもちょっと待って下さい
脂肪とは何なのでしょう?
脂が多いサーモンに
ズームインしましょう
内臓を抜けて
細胞組織を抜けて
細胞を覗くと
細胞組織を抜けて
細胞を覗くと
私達が脂肪と呼んでいるものは
トリグリセライドと言う
分子であることが分かります
しかも皆同じではありません
例をあげます
左側の3つの炭素は
グリセロールです
これは他の分子を一つにまとめている
背骨のようなものです
右側にある3つの長い鎖は
脂肪酸です
そしてこの鎖の構造の
微妙な違いが
脂肪の性質を決めます
固体か液体か
すぐ酸化するかどうか
そして一番大事な
体にいいのか悪いのか
では違いを見ていきましょう
一つは長さです
脂肪酸は長かったり
短かったりします
もう一つ大事な違いは
炭素原子の結合の仕方です
脂肪酸の中には単結合のみの
ものがあります
一方単結合も二重結合もある
脂肪もあります
単結合のみの脂肪酸は
飽和脂肪酸と呼ばれています
二重結合が一つ以上あるものは
不飽和脂肪酸と
呼ばれています
不飽和脂肪酸の大半は
体にいい脂肪です
一方飽和脂肪酸は摂りすぎると
体に悪い脂肪です
飽和脂肪酸については
「以上」という感じですが
不飽和脂肪酸の話は
まだ続きます
これら分子の二重結合は
変わった性質があります
動かないのです
つまり二重結合の形は
2種類あるということです
一つはこんな感じ
水素が二つとも同じ側にあり
炭素も二つとも同じ側にある形
二つ目はこうです
水素と炭素が
二重結合を挟んで対峙しています
この二つの分子は
全く同じ元素からできているのですが
物質としては全く異なっています
そして私達の体内でも
全く違う働きをします
左側のはシスと言います
きっと聞いたことのない言葉でしょう
右側はトランスと呼ばれています
トランス脂肪酸は聞いたことが
あるのではないでしょうか
トランス脂肪酸は
酸化しませんし
揚げ物を作る時も
他の油より安定しています
また食感を変えられます
これは他の油ではできません
またトランス脂肪酸は
理論上は
不飽和脂肪酸の一種なのですが
飽和脂肪酸以上に
体に悪いのです
飽和脂肪酸以上に
体に悪いのです
そんなのおかしいと
思うかもしれません
ですが紙の上に描かれる
分子の形は体にとって
意味がありません
分子がどこにはまって
どこに はまらないのか
どこを通るのかなど
3次元の構造が大事なのです
では食品がトランス脂肪酸を
含むかどうかは
どう見分ければいいのでしょう
唯一確実な方法は
成分表に
「半硬化油」と書かれているか
どうかです
栄養表示や広告に
だまされてはいけません
食品医薬品局は一食当たり
最大0.5グラムまでなら
製品にトランス脂肪酸が
使用されていても
「0」と表示することを
許可しているのです
しかし一食の量に確固とした
決まりがあるわけではありません
つまり「半硬化油」という表示に
頼るしかありません
何故ならトランス脂肪酸は
不飽和脂肪酸を
半硬化処理して作るからです
では先ほどのオリーブ油と
ホットケーキミックスに話を戻しましょう
オリーブ油は100%脂肪です
ホットケーキの脂肪分は
たったの11%です
ですがオリーブ油は
殆どが不飽和脂肪酸で
トランス脂肪酸は
一切含まれていません
一方ホットケーキミックスに含まれる
脂肪の大半が飽和か
トランス脂肪酸です
ですからホットケーキミックスと比べて
オリーブ油には
10倍の脂肪が含まれますが
体にいいのです
そしてホットケーキミックスは
体に悪い
別にホットケーキミックスだけが
悪いわけじゃありません
このような脂肪含有率の
食品はたくさんあります
要は
摂取する脂肪の量ではなく
種類が大事なのです
そして体にいい脂肪か
そうでないかを決めるのは
脂肪の形なのです