WEBVTT 00:00:00.657 --> 00:00:03.159 数年前から バイオ燃料の 開発にあたり 00:00:03.159 --> 00:00:05.887 ある可能性を追求してきました 00:00:05.887 --> 00:00:10.589 化石燃料に対して競争力のある 規模のものを 00:00:10.589 --> 00:00:14.273 食糧生産に必要な水 肥料や土地を奪わずに 00:00:14.273 --> 00:00:16.711 開発できないかというものです NOTE Paragraph 00:00:16.711 --> 00:00:18.241 これがその解決案です 00:00:18.241 --> 00:00:19.849 容器を作って海面下に浮かべ 00:00:19.849 --> 00:00:22.127 それを排水と 油分を生産する 00:00:22.127 --> 00:00:25.255 微細藻類で満たす考えです 00:00:25.255 --> 00:00:27.415 柔軟性のある素材で作るので 00:00:27.415 --> 00:00:29.487 波の影響を受けて動きます 00:00:29.487 --> 00:00:31.527 もちろん微細藻類の成長には 00:00:31.527 --> 00:00:33.847 太陽光を使い 00:00:33.847 --> 00:00:36.058 藻類は二酸化炭素を吸収してくれながら 00:00:36.058 --> 00:00:38.423 増殖し 酸素を放出します 00:00:38.423 --> 00:00:42.087 微細藻類は周辺の水に熱を放出する 00:00:42.087 --> 00:00:44.879 容器の中で増えるので 00:00:44.879 --> 00:00:47.143 これを収穫して バイオ燃料や化粧品 00:00:47.143 --> 00:00:49.823 肥料や飼料として使えます 00:00:49.823 --> 00:00:52.663 当然 培養には 広い面積を要するので 00:00:52.663 --> 00:00:55.215 漁師や船舶等との利害関係も 00:00:55.215 --> 00:00:59.407 考えなくてはいけませんが 00:00:59.407 --> 00:01:01.670 将来の燃料事情を思うと 00:01:01.670 --> 00:01:03.872 代替となる液体燃料を得ることが 00:01:03.872 --> 00:01:06.351 大変重要であることは事実です NOTE Paragraph 00:01:06.351 --> 00:01:09.032 では なぜ微細藻類を使うのでしょうか? 00:01:09.032 --> 00:01:12.719 このグラフはバイオ燃料の生産に使える 00:01:12.719 --> 00:01:16.571 様々なタイプの穀物を表しています 00:01:16.571 --> 00:01:19.134 大豆は1ヘクタールあたり 年間5百リットル程の 00:01:19.134 --> 00:01:21.451 バイオ燃料を生産できます 00:01:21.451 --> 00:01:26.508 他にもヒマワリやカノーラ ジャトロファやヤシなど色々ありますが 00:01:26.508 --> 00:01:31.002 一際高い値を示しているのが微細藻類です 00:01:31.002 --> 00:01:33.533 大豆の年間5百リットルに比べて 00:01:33.533 --> 00:01:36.325 微細藻類は1ヘクタールあたり 00:01:36.325 --> 00:01:39.677 年間2万から5万リットル以上もの 燃料を生産できます NOTE Paragraph 00:01:39.677 --> 00:01:42.941 では 微細藻類とは何でしょうか? 00:01:42.941 --> 00:01:45.389 マイクロ・スケール つまりとても小さい 00:01:45.389 --> 00:01:48.357 単細胞生物で ヒトの髪の毛と比べると 00:01:48.357 --> 00:01:50.667 この様に見えます 00:01:50.667 --> 00:01:53.493 この小さな生物は大昔から 00:01:53.493 --> 00:01:55.533 何千もの種類が 00:01:55.533 --> 00:01:57.757 生息しています 00:01:57.757 --> 00:02:00.781 中には 地球上のどの植物よりも 速く増え 00:02:00.781 --> 00:02:03.973 先ほどお見せしたような 多量の油分を生産するものもあります NOTE Paragraph 00:02:03.973 --> 00:02:07.261 ではなぜ このシステムを 海上に作るのでしょうか 00:02:07.261 --> 00:02:10.109 海上で行う大きな理由は 00:02:10.109 --> 00:02:14.705 沿岸の都市を見ると分かるように 他に良い場所がないからです 00:02:14.705 --> 00:02:17.504 藻の栽培に排水を使うわけですが 00:02:17.504 --> 00:02:19.415 よく見てみると 00:02:19.415 --> 00:02:22.984 排水処理場は 街の中に組み込まれています 00:02:22.984 --> 00:02:26.667 サンフランシスコの地下には 00:02:26.667 --> 00:02:29.322 約1400Km に及ぶ下水管があり 00:02:29.322 --> 00:02:33.298 沖に排水を放出しています 00:02:33.298 --> 00:02:37.210 世界中 都市によって 排水処理の仕方は違い 00:02:37.210 --> 00:02:39.578 排水を浄化する都市もあれば 00:02:39.578 --> 00:02:41.224 垂れ流しにする都市もあります 00:02:41.224 --> 00:02:43.882 しかしどの排水も 00:02:43.882 --> 00:02:46.842 微細藻類の育成に使えます 00:02:46.842 --> 00:02:48.507 これはシステムの想像図です 00:02:48.507 --> 00:02:50.609 「海上藻類養殖用膜質容器」の 00:02:50.609 --> 00:02:55.040 頭文字を取って OMEGAと名付けました 00:02:55.040 --> 00:02:57.592 NASAはこういう洒落た 略語が好きなんです NOTE Paragraph 00:02:57.592 --> 00:03:00.435 どのように機能するのでしょうか? 00:03:00.435 --> 00:03:04.155 先ほど少し説明しましたが まず 排水と二酸化炭素を 00:03:04.155 --> 00:03:07.202 浮遊容器に入れます 00:03:07.202 --> 00:03:10.843 排水が藻類の育成に 必要な栄養を供給する一方 00:03:10.843 --> 00:03:13.561 藻類は本来なら 温室効果ガスとなるはずだった 00:03:13.561 --> 00:03:16.171 二酸化炭素を吸収します 00:03:16.171 --> 00:03:18.499 もちろん 太陽のエネルギーも使って増殖し 00:03:18.499 --> 00:03:21.050 海面の波のエネルギーが 00:03:21.050 --> 00:03:23.354 藻類を撹拌します また 周りの水温によって 00:03:23.354 --> 00:03:25.914 温度は制御されます 00:03:25.914 --> 00:03:29.268 この藻類が酸素を放出するのは すでに述べましたが 00:03:29.268 --> 00:03:32.556 バイオ燃料や肥料 食料や藻独特の副産物など 00:03:32.556 --> 00:03:35.997 有益なものも生み出します NOTE Paragraph 00:03:35.997 --> 00:03:39.414 このシステムは環境に害が 広がらないよう設計されています 00:03:39.414 --> 00:03:41.540 モジュールとなって分かれているので 00:03:41.540 --> 00:03:43.734 例えばその一つに雷が落ちたりして 00:03:43.734 --> 00:03:45.933 穴が空き 中身が漏れたとしましょう 00:03:45.933 --> 00:03:48.542 漏れ出す排水は 元来そのまま 00:03:48.542 --> 00:03:50.930 排出されていた排水ですし 00:03:50.930 --> 00:03:53.178 藻類は 漏れても自然分解されます 00:03:53.178 --> 00:03:54.264 排水中で生育する藻類は 00:03:54.264 --> 00:03:57.333 淡水生物なので海水の中では 00:03:57.333 --> 00:03:59.130 生息できないのです 00:03:59.130 --> 00:04:01.290 ここで使用している プラスチックは 00:04:01.290 --> 00:04:03.922 よくあるもので 研究で良い成果を得ており 00:04:03.922 --> 00:04:08.773 壊れたモジュールは修理して 再利用できます NOTE Paragraph 00:04:08.773 --> 00:04:12.345 またこのシステムを使って 00:04:12.345 --> 00:04:14.822 もっと いろいろ出来るかもしれません 00:04:14.822 --> 00:04:17.656 水 特に淡水については 将来 00:04:17.656 --> 00:04:20.022 問題も予測されていますが 00:04:20.022 --> 00:04:21.859 私たちは排水を再生する解決策にも 00:04:21.859 --> 00:04:24.381 取り組んでいます NOTE Paragraph 00:04:24.381 --> 00:04:27.173 また 構造自体を考えると 00:04:27.173 --> 00:04:30.224 海に生息するものの棲家になり 00:04:30.224 --> 00:04:33.467 表面が海草や他の海洋生物で覆われ 00:04:33.467 --> 00:04:35.961 優れた海洋生物の生息場と機能して 00:04:35.961 --> 00:04:39.948 生物多様性を促進するのに 00:04:39.948 --> 00:04:41.611 役立ちます 00:04:41.611 --> 00:04:43.611 最後に 海中構造物なので 00:04:43.611 --> 00:04:46.513 水産養殖という面からも 00:04:46.513 --> 00:04:50.267 貢献できるのです NOTE Paragraph 00:04:50.267 --> 00:04:51.856 皆さんこう思うかもしれません 00:04:51.856 --> 00:04:56.427 「良さそうなアイデアだけど 本当に上手くいくのかな?」と 00:04:56.427 --> 00:05:00.242 実はカリフォルニア州サンタクルーズにある 00:05:00.242 --> 00:05:03.404 州の魚類鳥獣保護局内に研究室を設置し 00:05:03.404 --> 00:05:06.453 そこにある巨大な海水タンクで 00:05:06.453 --> 00:05:08.176 試験実験を行っています 00:05:08.176 --> 00:05:10.798 またサンフランシスコに3つある 00:05:10.798 --> 00:05:13.629 下水処理場のうちの1つでも 00:05:13.629 --> 00:05:16.125 試験実験を行っています 00:05:16.125 --> 00:05:19.429 そしてこの構造物の 00:05:19.429 --> 00:05:22.133 海洋環境への影響を調べるために 00:05:22.133 --> 00:05:25.790 モントレー湾にモスランディング海洋研究室という 00:05:25.790 --> 00:05:28.253 フィールド調査場を設置しました 00:05:28.253 --> 00:05:30.613 そこでこの構造物が海洋生物に 00:05:30.613 --> 00:05:35.459 どのような影響を与えるかを調べました NOTE Paragraph 00:05:35.459 --> 00:05:38.549 サンタクルーズの研究室が スカンクワークス(新技術開発の場)で 00:05:38.549 --> 00:05:41.447 そこで私たちは藻類を育て 00:05:41.447 --> 00:05:44.112 プラスチック溶接やツールを構築を行い 00:05:44.112 --> 00:05:45.635 たくさんの失敗を重ね 00:05:45.635 --> 00:05:47.566 エジソンではありませんが 00:05:47.566 --> 00:05:51.016 「システムが機能しない10000もの方法」を学びました 00:05:51.016 --> 00:05:55.262 現在は排水内で藻類を育ててますし 00:05:55.262 --> 00:05:58.694 藻類の生態を調べる ツールも構築したので 00:05:58.694 --> 00:06:00.416 藻類の成長の様子や 00:06:00.416 --> 00:06:03.118 藻類の好きな環境_そして 00:06:03.118 --> 00:06:07.020 強く 繁殖力のある培養株の 研究をしています 00:06:07.020 --> 00:06:10.109 さて 我々の開発した機能の中でも 一番重要なのが 00:06:10.109 --> 00:06:12.837 フォトバイオリアクター(PBR)でした 00:06:12.837 --> 00:06:14.180 これは安価なプラスティック製の 水面に浮かぶ構造物で 00:06:14.180 --> 00:06:17.605 これは安価なプラスティック製の 水面に浮かぶ構造物で 00:06:17.605 --> 00:06:20.262 藻類類の養殖をする所です いろいろなデザインを試し 00:06:20.262 --> 00:06:23.391 殆どは失敗でしたが 00:06:23.391 --> 00:06:25.726 113 リットルの規模で成功したモデルを 00:06:25.726 --> 00:06:28.013 1700 リットル用に拡大して サンフランシスコに設置しました 00:06:28.013 --> 00:06:31.629 1700 リットル用に拡大して サンフランシスコに設置しました NOTE Paragraph 00:06:31.629 --> 00:06:33.823 システムがどう機能するかお見せしましょう 00:06:33.823 --> 00:06:37.535 基本的に排水と 好みの藻類を入れ 00:06:37.535 --> 00:06:40.241 そしてこの浮遊構造物の中を循環させます 00:06:40.241 --> 00:06:42.973 この管状の柔軟な プラスチック構造物です 00:06:42.973 --> 00:06:44.466 この管状の柔軟な プラスチック構造物です 00:06:44.466 --> 00:06:47.178 もちろん太陽光も外面に当たり 00:06:47.178 --> 00:06:49.583 藻類は栄養を吸収し増殖します NOTE Paragraph 00:06:49.583 --> 00:06:52.005 でも これでは頭にビニール袋を かぶせたようなものです 00:06:52.005 --> 00:06:55.247 藻類は人間と違って 二酸化炭素による窒息死はしませんが 00:06:55.262 --> 00:06:56.101 藻類は人間と違って 二酸化炭素による窒息死はしませんが 00:06:56.101 --> 00:06:58.760 自ら生成する酸素によって窒息するのです 00:06:58.760 --> 00:07:00.936 窒息とは ちょっと違いますが 酸素は問題です 00:07:00.936 --> 00:07:04.040 また二酸化炭素も使い切ってしまいます 00:07:04.040 --> 00:07:06.472 なので次の問題は酸素を取り除くことで 00:07:06.472 --> 00:07:09.701 それをこのコラム(円柱)を立てて行いました 00:07:09.701 --> 00:07:11.178 コラムは一部の水を循環させ 00:07:11.178 --> 00:07:14.548 水が戻る前に炭酸ガスの 気泡を含ませ 00:07:14.548 --> 00:07:17.000 二酸化炭素を戻します 00:07:17.000 --> 00:07:18.704 これはプロトタイプで このタイプのコラムの最初の試みです 00:07:18.704 --> 00:07:22.502 これはプロトタイプで このタイプのコラムの最初の試みです 00:07:22.502 --> 00:07:24.942 サンフランシスコではより大きいコラムを 00:07:24.942 --> 00:07:26.570 システムに実装しています NOTE Paragraph 00:07:26.570 --> 00:07:29.968 このコラムには 実は他にも 素晴らしい機能があって 00:07:29.968 --> 00:07:33.085 増えた藻類がコラムに沈殿し 00:07:33.085 --> 00:07:36.659 藻類バイオマスが集めやすくなるので 00:07:36.659 --> 00:07:39.626 収穫が容易に行えるのです 00:07:39.626 --> 00:07:42.401 私たちはコラムの下部にたまった藻類を取り除き 00:07:42.401 --> 00:07:44.969 それから表面に藻を浮かせて 00:07:44.969 --> 00:07:48.792 ネットでそれをすくい取る手順によって 00:07:48.792 --> 00:07:52.688 簡単に収穫することができるのです NOTE Paragraph 00:07:52.688 --> 00:07:56.325 私たちは海洋環境へのこのシステムの影響も 00:07:56.325 --> 00:07:59.256 調査したいと思っており 00:07:59.256 --> 00:08:02.736 お話ししたようにフィールド調査場を 00:08:02.736 --> 00:08:04.976 モスランディング海洋研究室に立ち上げました 00:08:04.976 --> 00:08:07.816 そこではこのシステムは 外面が藻類に覆われてしまい 00:08:07.816 --> 00:08:10.728 洗浄する仕組みが必要となりました 00:08:10.728 --> 00:08:13.136 また 海鳥や海の哺乳動物と 00:08:13.136 --> 00:08:16.073 どう影響しあうかも調べました 00:08:16.073 --> 00:08:19.096 このようにラッコも この構造物に 非常に興味を示し 00:08:19.096 --> 00:08:22.200 時々やってきては 浮かぶウォーターベッドの上を 00:08:22.200 --> 00:08:25.088 横切っていきます なのでラッコを訓練し 00:08:25.088 --> 00:08:27.177 システム外面の清掃を 00:08:27.177 --> 00:08:29.584 将来やってもらおうかと思ってます NOTE Paragraph 00:08:29.584 --> 00:08:30.905 ここでやってきた事は 00:08:30.905 --> 00:08:32.677 4つの分野にまたがっています 00:08:32.677 --> 00:08:35.560 まずこのシステムの 生物学的な研究では 00:08:35.560 --> 00:08:37.728 藻類の成長についてだけでなく 00:08:37.728 --> 00:08:41.377 何が藻類を食べたり 殺したりするかも 調べました 00:08:41.377 --> 00:08:43.556 エンジニアリングの分野では 00:08:43.556 --> 00:08:45.849 構造物を作るために何が必要か 00:08:45.849 --> 00:08:48.552 小規模にとどまらず いずれ求められる 00:08:48.552 --> 00:08:51.868 大規模なシステム構築も合わせて 考えてきました 00:08:51.868 --> 00:08:55.068 また鳥や海洋哺乳類の お話もしましたが 00:08:55.068 --> 00:08:57.597 このシステムの 環境への影響も調べました 00:08:57.597 --> 00:09:00.748 そして更に 経済にも目を向けています 00:09:00.748 --> 00:09:02.395 ここで言う経済とは 00:09:02.395 --> 00:09:05.500 このシステム稼働に どのくらいエネルギーが必要か? 00:09:05.500 --> 00:09:06.922 稼働を続けるために 00:09:06.922 --> 00:09:08.503 投入したエネルギー以上を 00:09:08.503 --> 00:09:10.516 システムから得られるかということです 00:09:10.516 --> 00:09:12.262 運用コストはどうか 00:09:12.262 --> 00:09:14.320 資本にどれだけコストがかかるか 00:09:14.320 --> 00:09:18.478 それから全体の経済構造はどうかなどです NOTE Paragraph 00:09:18.478 --> 00:09:21.196 はっきり言って これは難しい問題です 00:09:21.196 --> 00:09:23.756 実際システムを作るには 00:09:23.756 --> 00:09:27.348 4つの分野すべてに 課題がたくさん残っています 00:09:27.348 --> 00:09:30.268 今日は時間がありませんので 00:09:30.268 --> 00:09:33.770 このシステムの完成イメージを お見せしましょう 00:09:33.770 --> 00:09:36.450 世界どこかにある 静かな入り江に作るとこうなります 00:09:36.450 --> 00:09:39.634 世界どこかにある 静かな入り江に作るとこうなります 00:09:39.634 --> 00:09:42.402 イメージ後方には 排水処理施設や 00:09:42.402 --> 00:09:45.275 二酸化炭素排出源が見えます 00:09:45.275 --> 00:09:48.010 でも経済的なことを考えると 00:09:48.010 --> 00:09:51.082 これだけでは難しいことが分かります 00:09:51.082 --> 00:09:55.652 このシステムを 排水処理や炭素隔離の 00:09:55.652 --> 00:09:59.380 手段と考えたり 太陽電池パネルや 00:09:59.380 --> 00:10:02.860 波エネルギー 風力エネルギーといった 00:10:02.860 --> 00:10:04.131 このような様々なものと 00:10:04.131 --> 00:10:07.172 統合していく必要があります 00:10:07.172 --> 00:10:11.819 水産養殖を加えることもできます 00:10:11.819 --> 00:10:14.747 システムの下で貝の養殖を行い 00:10:14.747 --> 00:10:16.841 ムラサキガイかホタテを育てたり 00:10:16.841 --> 00:10:19.833 カキなど 高値な食品を 00:10:19.833 --> 00:10:22.671 生産する事も考えられます 00:10:22.671 --> 00:10:25.441 これらをシステムの牽引力として 00:10:25.441 --> 00:10:28.755 次第に規模を拡大すれば 00:10:28.755 --> 00:10:34.556 究極的に競争力のある燃料源 とすることが出来るかもしれません NOTE Paragraph 00:10:34.556 --> 00:10:37.253 ここで必ず疑問となるのが 00:10:37.253 --> 00:10:40.597 最近の海を漂う プラスチックの問題です 00:10:40.597 --> 00:10:43.586 そこで「ゆりかごからゆりかごへ」 (資源の再利用)を考えています 00:10:43.586 --> 00:10:46.303 私たちが海洋環境で必要とする 00:10:46.303 --> 00:10:49.044 大量のプラスチックをどうするかが問題です 00:10:49.044 --> 00:10:50.562 ご存じかもしれませんがカリフォルニアでは 00:10:50.562 --> 00:10:53.324 ご存じかもしれませんがカリフォルニアでは 00:10:53.324 --> 00:10:56.669 膨大な量のプラスチック・シートが 耕地の表面を覆うために使われています 00:10:56.669 --> 00:10:59.893 これらは土壌表層の上で 00:10:59.893 --> 00:11:02.644 小さな温室の役目をし 00:11:02.644 --> 00:11:05.902 土壌を暖め植物の生長を促します 00:11:05.902 --> 00:11:08.445 また雑草を抑制し 00:11:08.445 --> 00:11:12.037 水の利用効果を高めます 00:11:12.037 --> 00:11:14.350 OMEGAシステムも 同種の評価を得られ 00:11:14.350 --> 00:11:17.429 また海洋環境で 使用済みのプラスチックを 00:11:17.429 --> 00:11:20.118 農地で使えたりしたら良いと 思っています 00:11:20.118 --> 00:11:22.671 農地で使えたりしたら良いと 思っています NOTE Paragraph 00:11:22.671 --> 00:11:23.991 ではシステムが設置されると 00:11:23.991 --> 00:11:26.502 どの様な景色になるでしょうか? 00:11:26.502 --> 00:11:29.493 これはサンフランシスコ湾でのイメージです 00:11:29.493 --> 00:11:32.173 サンフランシスコの排水は 1日あたり2.4億リットルです 00:11:32.173 --> 00:11:34.933 5日分を貯めて使うシステムは 00:11:34.933 --> 00:11:37.302 12億リットルの容量が必要になります 00:11:37.302 --> 00:11:41.328 それには518ヘクタールの OMEGAモジュールを 00:11:41.328 --> 00:11:44.947 サンフランシスコ湾に浮かべることになります 00:11:44.947 --> 00:11:46.741 これは湾全体の表面積の 1%以下にあたります 00:11:46.741 --> 00:11:48.492 これは湾全体の表面積の 1%以下にあたります 00:11:48.492 --> 00:11:52.234 このシステムは1ヘクタールで年間 1.87万リットル生産するので 00:11:52.234 --> 00:11:55.230 全体での総量は750万リットル以上になり 00:11:55.230 --> 00:11:57.430 サンフランシスコで必要とされる ディーゼルの20%分が生産できます 00:11:57.430 --> 00:12:00.438 サンフランシスコで必要とされる ディーゼルの20%分が生産できます 00:12:00.438 --> 00:12:03.628 効率性に何も工夫を加えなかったとしてもです NOTE Paragraph 00:12:03.628 --> 00:12:06.598 では他の場所ではどうでしょう? 00:12:06.598 --> 00:12:09.498 多くの場所が考えられます 00:12:09.498 --> 00:12:11.550 もちろんサンフランシスコ湾は可能ですし 00:12:11.550 --> 00:12:13.366 他ではサンディエゴ湾 00:12:13.366 --> 00:12:16.279 モバイル湾やチェスピーク湾などもいいですね 00:12:16.279 --> 00:12:18.371 海面が上るにつれ 00:12:18.371 --> 00:12:22.278 新しい候補は増えますね(笑) NOTE Paragraph 00:12:22.278 --> 00:12:25.846 大切なのは このシステムは 00:12:25.846 --> 00:12:29.478 複数の活動を統合したシステムだということです 00:12:29.478 --> 00:12:32.088 バイオ燃料の生産は代替エネルギーと統合され 00:12:32.088 --> 00:12:34.890 また それが水産養殖とも 統合されているわけです NOTE Paragraph 00:12:34.890 --> 00:12:38.814 私は持続可能なバイオ燃料の 00:12:38.814 --> 00:12:44.460 革新的な生産の方法を 探求していたのですが 00:12:44.460 --> 00:12:47.708 その過程で サステナビリティ(持続可能性)に必要なのは 00:12:47.708 --> 00:12:54.985 イノベーションではなく 統合である事に気が付きました NOTE Paragraph 00:12:54.985 --> 00:12:58.415 長い目でものを見るとき 集団としての力や 00:12:58.415 --> 00:13:03.560 つながりによる創造性を信じています 00:13:03.560 --> 00:13:07.876 もし私たちが基本的にオープンであり 00:13:07.876 --> 00:13:10.078 誰に名誉が行くかなどに こだわらなければ 00:13:10.078 --> 00:13:13.808 そこには無限の可能性があると思います 00:13:13.808 --> 00:13:18.024 将来の問題に対する 持続可能なソリューションは 00:13:18.024 --> 00:13:20.424 いろいろな形で 00:13:20.424 --> 00:13:22.889 多数存在すると思います 00:13:22.889 --> 00:13:25.680 全ての可能性を考えることが必要です 00:13:25.680 --> 00:13:28.712 全て つまりアルファからOMEGAまでです 00:13:28.712 --> 00:13:31.592 ありがとうございました(拍手) 00:13:31.592 --> 00:13:36.942 (拍手) 00:13:37.347 --> 00:13:40.559 簡単な質問があります ジョナサン 00:13:40.559 --> 00:13:42.767 プロジェクトはNASA内部で続けられるのですか? 00:13:42.767 --> 00:13:46.732 それとも野心的なグリーンエネルギーファンドなどが 00:13:46.732 --> 00:13:50.808 続けていくには必要なのですか? 00:13:50.808 --> 00:13:52.111 NASAではそろそろ独立させ 00:13:52.111 --> 00:13:55.125 海上にプロジェクトを広げる段階に 00:13:55.125 --> 00:13:57.516 来ていますが 00:13:57.516 --> 00:13:59.743 アメリカ国内でやるには 問題がたくさんあります 00:13:59.743 --> 00:14:02.237 海上での展開には様々な制限があり 00:14:02.237 --> 00:14:03.751 許可収得にも時間がかかります 00:14:03.751 --> 00:14:06.549 現段階で 外部の協力が必要です 00:14:06.549 --> 00:14:08.853 私たちはこの技術を 00:14:08.853 --> 00:14:10.565 誰にでもオープンにしていますので 00:14:10.565 --> 00:14:12.841 興味がある方に実現して欲しいとも思ってます 00:14:12.841 --> 00:14:14.681 興味がある方に実現して欲しいとも思ってます 00:14:14.681 --> 00:14:17.158 面白いですね 特許を得るのではなく 技術を広めたいと 00:14:17.158 --> 00:14:18.833 面白いですね 特許を得るのではなく 技術を広めたいと 00:14:18.833 --> 00:14:19.596 そのとおりです 00:14:19.596 --> 00:14:21.487 分かりました ありがとうございました 00:14:21.487 --> 00:14:25.062 こちらこそ(拍手)