WEBVTT 00:00:00.169 --> 00:00:05.749 2008年、開発者 Derek Yu は 次に何を作れば良いか悩んでいた 00:00:05.839 --> 00:00:11.628 たぶん 2D アクションを作っただろうが どの試作品も上手くいかなかった 00:00:11.712 --> 00:00:14.097 それでローグライクを作ったのだろう 00:00:14.187 --> 00:00:17.926 ランダム生成されたダンジョンを 俯瞰視点で探索するゲームだ 00:00:18.006 --> 00:00:19.470 だがそれもダメだった 00:00:19.550 --> 00:00:24.673 彼の試作品は、それぞれのジャンルに 何か新規性を加えたようには見えなかった 00:00:24.763 --> 00:00:26.979 そして、その時ピンときた 00:00:27.069 --> 00:00:30.053 もし 2D アクションに 緊張感のあるジャンプと—— 00:00:30.137 --> 00:00:32.701 リアルタイム戦闘が あったらどうだろう? 00:00:32.791 --> 00:00:36.645 だがローグライクのように ランダム生成されたステージと 00:00:36.735 --> 00:00:38.880 危険なパーマデスがあったら… 00:00:38.970 --> 00:00:41.815 こうして『Spelunky』が誕生した 00:00:41.905 --> 00:00:45.751 いま 800 万本くらいのゲームに ローグライク要素があるぞ… 00:00:45.831 --> 00:00:49.333 僕らはゲームを「整った小さい箱」に 入れたがるのだ 00:00:49.414 --> 00:00:50.491 2D アクション 00:00:50.571 --> 00:00:51.828 FPS 00:00:51.908 --> 00:00:52.887 レーシングや 00:00:52.967 --> 00:00:53.948 パズルなど 00:00:54.028 --> 00:01:00.882 僕らはきれいに分類するために、仕組み、カメラ視点 ステージ構造、ルールなどを根拠にする 00:01:00.972 --> 00:01:04.990 だが素晴らしい作品が生まれるのは その境界線が曖昧になり 00:01:05.075 --> 00:01:07.921 ジャンルが混ざり合った時なのだ 00:01:08.001 --> 00:01:12.816 残念ながら、鍋にたくさん投入すれば 何か良いものが出来るわけではない 00:01:12.906 --> 00:01:16.564 混ぜ方を間違えると 悲惨な結果になりかねない 00:01:16.654 --> 00:01:22.865 そこでこの動画では、根本的に異なるジャンルを 上手く組み合わせる方法を見ていこう 00:01:22.945 --> 00:01:26.214 僕はマーク・ブラウン Game Maker’s Toolkit へようこそ 00:01:27.500 --> 00:01:32.084 ゲームのジャンルを組み合わせる方法は 3つあると思う 00:01:32.174 --> 00:01:35.642 まずは僕が「引き継ぎ方式」と 呼ぶものから始めよう 00:01:35.722 --> 00:01:40.487 at different times で様々なジャンルに切り替わるのだ 00:01:40.567 --> 00:01:45.269 『ペルソナ5』は、ダンジョンを探索する JRPG の時もあれば 00:01:45.359 --> 00:01:48.595 ノベルゲーム的な 生活シムの時もある 00:01:48.685 --> 00:01:55.074 『アンチャーテッド』は、銃撃戦、ジャンプアクション パズル、運転を短時間で繰り返す 00:01:55.164 --> 00:01:59.328 この方法の利点は ペース配分と多様性だ 00:01:59.408 --> 00:02:03.218 全く同じ種類の遊びが何時間も続くと 退屈なので 00:02:03.298 --> 00:02:07.075 ジャンルを混ぜれば プレイヤーは長く熱中し続ける 00:02:07.155 --> 00:02:11.345 また、遊びと物語の出来事を 一致させることもできる 00:02:11.425 --> 00:02:16.856 放課後の用事をしてるときに、緊迫した RPG 戦をやるのは支離滅裂だからだ 00:02:16.945 --> 00:02:22.426 一番の問題は、プレイヤーによっては 混ざったジャンルの全てが好きなわけではない★ 00:02:22.514 --> 00:02:26.678 『God of War』を買った理由が 狂気の超暴力的ボタン連打バトルなら 00:02:26.768 --> 00:02:31.129 テンポの遅いパズルは 完全に邪魔だと思うかもしれない 00:02:31.209 --> 00:02:33.331 とはいえ解決策はある 00:02:33.411 --> 00:02:38.848 『アンチャーテッド』にはパズルがあるが 脳みそが爆発するほど難しくはない 00:02:38.938 --> 00:02:45.247 このシリーズの第1ジャンルは戦闘なので ここが一番奥深くてやり甲斐がある 00:02:45.337 --> 00:02:49.139 第2ジャンルは ほぼ「お口直し」に近いので 00:02:49.228 --> 00:02:54.509 撃ちたいだけの人を困らせないように 超シンプルな形にしている 00:02:54.599 --> 00:02:58.114 さらに進めて、第2ジャンルを 省略可能にしてもいい 00:02:58.194 --> 00:03:02.254 『Shovel Knight: King of Cards』で 2D アクションに集中したい場合は 00:03:02.334 --> 00:03:04.911 カード対戦は省略できる 00:03:05.001 --> 00:03:08.944 『L.A. Noire』のマヌケな TPS で 失敗したら 00:03:09.034 --> 00:03:12.263 スキップして探偵パズルに 戻ってもいい 00:03:12.353 --> 00:03:18.435 『龍が如く0』では、チュートリアルの後は 不動産経営で悩む必要はない 00:03:18.525 --> 00:03:24.680 類似性が強いジャンルを選べば プレイヤーはどちらも楽しむ可能性が高い 00:03:24.770 --> 00:03:31.729 『XCOM』でターン制の戦術バトルが楽しめたら 戦略面も気に入ると仮定するのはそう無理なこじつけではない★ 00:03:31.829 --> 00:03:38.360 第1ジャンルで必要になる技能を考慮して 全く別の技能を突然求めないように注意してくれ 00:03:38.450 --> 00:03:41.669 ボス戦がリズムゲーム? 嘘だろ? 00:03:41.769 --> 00:03:46.947 もう1つの問題は、現在のステージにどう取り組むか 混乱してしまうことだ 00:03:47.037 --> 00:03:51.139 僕は『Untitled Magnet Game』の最初のデモ版で この問題に直面した 00:03:51.219 --> 00:03:56.046 僕は論理パズルと難しい 2D アクションの 両方を入れたかったが 00:03:56.136 --> 00:04:01.411 プレイヤーは頭脳と親指のどっちが必要になるのか 分かっていなかった 00:04:01.501 --> 00:04:05.804 解決策の1つは、この情報を 単純に伝えることだ 00:04:05.892 --> 00:04:10.945 『Grapple Dog』では、タイムアタックステージで 混乱することはないはずだ 00:04:11.035 --> 00:04:14.592 ドアには早送りアイコンがあり カウントダウンが表示され 00:04:14.682 --> 00:04:18.913 主人公のポーズは短距離走で 背景はレース旗…など 00:04:19.003 --> 00:04:23.764 もう1つの解決策は、状況ごとに プレイヤーの操作を変えたり 00:04:23.854 --> 00:04:26.700 間違った行動を罰したりすることだ 00:04:26.800 --> 00:04:31.241 『Batman: Arkham』作品では、ステルスの場面で 近接格闘しようとすると 00:04:31.333 --> 00:04:33.849 すぐに蜂の巣になってしまう 00:04:33.943 --> 00:04:37.557 最後の課題は ジャンルが互いに気を散らしたり 00:04:37.647 --> 00:04:41.220 プレイヤーの注意を奪ったり ゲームの流れを乱したりすることだ★ 00:04:41.315 --> 00:04:44.362 Sid Meier は『Covert Action』で これを発見した 00:04:44.455 --> 00:04:47.799 色々なミニゲームで 謎を解くゲームだ 00:04:47.889 --> 00:04:52.368 Meier によれば、プレイヤーは長く激しすぎる アクションシーンにハマってしまい 00:04:52.458 --> 00:04:56.290 他の世界から分離してる感じがした時 謎のことをすっかり忘れていたという★ 00:04:56.390 --> 00:05:00.049 「1つのミッションに実時間で 10 分くらい費やすでしょう」 00:05:00.139 --> 00:05:04.000 「そこから離れた頃には、ゲーム世界の出来事が 何も分からなくなっていたのです」 00:05:04.090 --> 00:05:08.780 1つの解決策は、各区分を短くすれば 必ずメインイベントに戻るようになる 00:05:08.870 --> 00:05:12.520 また、各ジャンルが 互いに影響し合うようにする 00:05:12.610 --> 00:05:18.678 『XCOM』では、基地の拡充が 戦術バトルの成功率に直接影響する 00:05:18.768 --> 00:05:23.030 そして戦場で下した決断は 基地にも反映される 00:05:23.120 --> 00:05:26.180 こうすれば、もう片方の側面を 忘れなくなる 00:05:26.273 --> 00:05:32.712 だが一番の解決策は、ゲームの中心的な焦点を考慮して 全ての要素が確実に同じ方向を目指すようにすることだ★ 00:05:32.802 --> 00:05:37.760 『ペルソナ5』では中心的な 友達との関係が全てだ 00:05:37.850 --> 00:05:43.852 このテーマは、日常生活シムでも JRPG バトルでも強く喚起されている 00:05:49.744 --> 00:05:54.252 ジャンルを組み合わせる2つ目の方法は 「プレイスタイル方式」だ 00:05:54.342 --> 00:06:00.533 これは色々なジャンルの技能やアクションを駆使して 複数の方法で攻略できることを指す 00:06:00.623 --> 00:06:06.398 『Deus Ex』は FPS、RPG、ステルスの 融合として設計されているので 00:06:06.488 --> 00:06:09.530 プレイヤーは好きな方法でプレイできる 00:06:09.620 --> 00:06:15.204 『Skyrim』では、魔法呪文、剣と盾 弓矢などでプレイできる 00:06:15.294 --> 00:06:19.719 この方式の利点は プレイヤーの選択と主体性だ 00:06:19.809 --> 00:06:23.822 一番好きなジャンルを選んで そのスタイルで遊べるのだ 00:06:23.912 --> 00:06:28.198 またジャンルを自由に変更できるので 多様性にも優れる 00:06:28.288 --> 00:06:31.912 ゲームを何回もプレイする理由にもなる 00:06:32.002 --> 00:06:38.026 問題は1つのことに徹底的に集中したタイトルと 比較されてしまうことだ 00:06:38.116 --> 00:06:41.700 『Deus Ex』は素晴らしいが その構成要素は—— 00:06:41.780 --> 00:06:46.744 『Half-Life』『Baldur's Gate』『Thief』などの 同時代のゲームと比べて見劣りする 00:06:46.834 --> 00:06:48.199 開発者の Warren Spector 曰く 00:06:48.279 --> 00:06:51.400 「もし個々のジャンルに基づいて 評価されたら」 00:06:51.490 --> 00:06:54.556 「私たちは破滅です 1つ1つは 微妙ですからね」 00:06:54.636 --> 00:06:59.666 だから重要なのは、プレイスタイルを 自分で選べる利点を説明することだ 00:06:59.756 --> 00:07:02.060 販売戦略や ゲーム内メッセージを使うのだ 00:07:02.150 --> 00:07:06.011 もう1つの問題は、複数のゲームを 並行して作るのも同然で 00:07:06.091 --> 00:07:08.954 リソースが 薄く広がってしまうことだ 00:07:09.034 --> 00:07:12.571 『Wolfenstein』の最新作には 3つのプレイスタイルがある 00:07:12.661 --> 00:07:15.205 暴力、戦術、ステルスだ 00:07:15.295 --> 00:07:19.909 だが Machine Games はステルスの開発に 時間をかけなかったことを認めており 00:07:20.005 --> 00:07:23.410 すぐに見つかる 面倒なスタイルになってしまった 00:07:23.490 --> 00:07:28.019 設計のもう1つの問題は 複数のプレイスタイルが提示された際に 00:07:28.112 --> 00:07:35.034 多くのプレイヤーは1つだけ選んで、最後まで固執し 他のスタイルを試さなくなってしまう点だ 00:07:35.125 --> 00:07:39.643 例えば『Dishonored』で敵に見つかった時 暴力的なスタイルに切り替えるのではく 00:07:39.733 --> 00:07:42.269 すぐにリセットしてしまう場合がある 00:07:42.359 --> 00:07:45.217 開発者は問題を悪化させてはダメだ 00:07:45.307 --> 00:07:51.418 あるスタイルの行為に対して そのスタイルに役立つ道具や能力を与えると… 00:07:51.514 --> 00:07:53.589 正のフィードバックループが起きてしまう 00:07:53.669 --> 00:07:58.403 代わりに、どんなアクションにも使える 汎用的なスキルポイントを与えるとか 00:07:58.496 --> 00:08:02.286 スキルを振り直して 別のビルドを試せるようにするといい 00:08:02.386 --> 00:08:05.957 色々なスタイルを試す動機を 与えることもできる 00:08:06.050 --> 00:08:12.690 『Hades』では1つの武器に固執したくなるが 武器を変えると報酬がもらえる 00:08:12.790 --> 00:08:17.534 また物語や状況を使って 色々なスタイルを可能にしてもいい 00:08:17.632 --> 00:08:21.592 『Dishonred』ではカオスシステムのせいで 殺しを止めたかもしれないが 00:08:21.682 --> 00:08:24.459 『Deathloop』に そんなシステムは存在しない 00:08:24.545 --> 00:08:31.327 朝になるたびに世界がリセットされるので 長期的な影響を気にせず別のことを試したら? 00:08:31.422 --> 00:08:36.401 だが望ましくないことは、別のスタイルを 強制的に選ばせるために 00:08:36.486 --> 00:08:39.203 あるスタイルを 突然禁止することだろう 00:08:39.298 --> 00:08:44.978 『Deus Ex:Human Revolution』では 殺人、不殺、両方できる 00:08:45.078 --> 00:08:48.809 だがボス戦では 戦闘を余儀なくされる 00:08:48.909 --> 00:08:52.033 戦闘用のスキルやアイテムを 持っていなくてもだ 00:08:52.133 --> 00:08:57.958 これは議論の争点になり、ディレクターズカット版では ボス戦は完全に再設計された 00:08:58.048 --> 00:09:04.580 解決策は、各プレイスタイルが有効で楽しくなるルートを どのステージでも確実に用意することだ 00:09:04.670 --> 00:09:10.755 次に、スタジオは全部のスタイルを徹底的にテストして 進行不能にならないか確認する必要がある 00:09:10.845 --> 00:09:15.972 「自由にプレイできる」と約束してしまうと 好きなやり方が突然禁止された時 00:09:16.072 --> 00:09:19.344 裏切られたと感じる プレイヤーも出てくるのだ 00:09:19.547 --> 00:09:23.899 「But I'll never forget this that's a promise.」 00:09:25.260 --> 00:09:29.788 最後に、3つ目の方法は 「融合方式」だ 00:09:29.888 --> 00:09:34.155 00:09:34.155 --> 00:09:35.830 00:09:35.830 --> 00:09:41.280 00:09:41.280 --> 00:09:45.110 00:09:45.110 --> 00:09:48.460 00:09:48.460 --> 00:09:51.770 00:09:51.770 --> 00:09:55.250 00:09:55.250 --> 00:09:59.520 00:09:59.520 --> 00:10:02.140 00:10:02.140 --> 00:10:04.958 00:10:04.958 --> 00:10:08.870 00:10:08.870 --> 00:10:13.550 00:10:13.550 --> 00:10:16.520 00:10:16.520 --> 00:10:19.615 00:10:19.615 --> 00:10:22.490 00:10:22.490 --> 00:10:25.844 00:10:25.844 --> 00:10:30.876 00:10:30.876 --> 00:10:33.670 00:10:33.670 --> 00:10:36.760 00:10:36.760 --> 00:10:39.600 00:10:39.600 --> 00:10:42.410 00:10:42.410 --> 00:10:48.820 00:10:48.820 --> 00:10:52.453 00:10:52.453 --> 00:10:58.400 00:10:58.400 --> 00:11:02.660 00:11:02.660 --> 00:11:08.530 00:11:08.530 --> 00:11:12.000 00:11:12.000 --> 00:11:14.600 00:11:14.600 --> 00:11:17.400 00:11:17.400 --> 00:11:21.190 00:11:21.190 --> 00:11:23.246 00:11:23.246 --> 00:11:25.882 00:11:25.882 --> 00:11:28.176 00:11:28.176 --> 00:11:29.940 00:11:29.940 --> 00:11:31.430 00:11:31.430 --> 00:11:34.290 00:11:34.290 --> 00:11:37.190 00:11:37.190 --> 00:11:40.990 00:11:40.990 --> 00:11:44.460 00:11:44.460 --> 00:11:47.740 00:11:47.740 --> 00:11:51.189 00:11:51.189 --> 00:11:53.800 00:11:53.800 --> 00:11:55.990 00:11:55.990 --> 00:11:58.915 00:11:58.915 --> 00:12:01.430 00:12:01.430 --> 00:12:05.180 00:12:05.180 --> 00:12:08.705 00:12:08.705 --> 00:12:12.843 00:12:12.843 --> 00:12:15.260 00:12:15.260 --> 00:12:19.070 00:12:22.540 --> 00:12:23.710 00:12:23.710 --> 00:12:27.490 00:12:27.490 --> 00:12:30.350 00:12:30.350 --> 00:12:33.610 00:12:33.610 --> 00:12:35.340 00:12:35.340 --> 00:12:37.270 00:12:37.270 --> 00:12:39.250 00:12:39.250 --> 00:12:40.590 00:12:40.590 --> 00:12:42.900 00:12:42.900 --> 00:12:44.975 00:12:44.975 --> 00:12:47.330 00:12:47.758 --> 00:12:48.930 00:12:48.930 --> 00:12:52.280 00:12:52.280 --> 00:12:55.205 00:12:55.205 --> 00:12:59.097 00:12:59.097 --> 00:13:02.610 00:13:02.610 --> 00:13:04.840 00:13:04.840 --> 00:13:06.890