0:00:00.000,0:00:02.000 今日お話しするのは 0:00:02.000,0:00:05.000 コラボ消費の登場についてです 0:00:05.000,0:00:07.000 まず コラボ消費とは何かを話しますが 0:00:07.000,0:00:10.000 この15分間で 皆様に信じて頂けると思います 0:00:10.000,0:00:12.000 これが根拠のないアイデアや 0:00:12.000,0:00:14.000 一時の流行ではなく 0:00:14.000,0:00:17.000 文化的・経済的な潮流であること 0:00:17.000,0:00:19.000 何を消費するかだけでなく、いかに消費するかに 0:00:19.000,0:00:21.000 ついての再発明であることをです 0:00:21.000,0:00:24.000 では、とっつきやすい問題から始めましょう 0:00:24.000,0:00:27.000 皆さんの中で 0:00:27.000,0:00:30.000 本、CD、DVD、ビデオが 0:00:30.000,0:00:32.000 家中に溢れていて 0:00:32.000,0:00:34.000 多分もう観ることはないのだけど 0:00:34.000,0:00:36.000 なかなか捨てることができない方は、どのくらい居るでしょうか? 0:00:37.000,0:00:39.000 ざっと見る限り 0:00:39.000,0:00:41.000 全員のようですね 0:00:41.000,0:00:43.000 私の家の棚にも 0:00:43.000,0:00:46.000 "24"シリーズのDVDボックスがあります 0:00:46.000,0:00:48.000 正確にはシーズン6です 0:00:48.000,0:00:51.000 3年くらい前にクリスマスプレゼントでもらったのだと思います 0:00:51.000,0:00:53.000 夫のクリスも、私も 0:00:53.000,0:00:55.000 このドラマを大変気に入っていますが 0:00:55.000,0:00:58.000 正直なところ、一度か二度見たら 0:00:58.000,0:01:00.000 もう見ることはないですよね 0:01:00.000,0:01:03.000 だって、ジャック・バウアーがどうテロリストに勝利するかを既に知っていますから 0:01:03.000,0:01:05.000 棚に置き去りになっています 0:01:05.000,0:01:07.000 陳腐化してしまった訳ですが 0:01:07.000,0:01:10.000 まだ、他の人には潜在的な価値が残っているはずです 0:01:10.000,0:01:13.000 告白しますが 0:01:13.000,0:01:15.000 私は以前ニューヨークに10年間住んでいて 0:01:15.000,0:01:18.000 「セックス・アンド・ザ・シティ」の大ファンです 0:01:18.000,0:01:20.000 来週、映画の続編が公開される前に 0:01:20.000,0:01:23.000 前作を見ておきたいと思っています 0:01:23.000,0:01:25.000 不要な"24"のDVDを 0:01:25.000,0:01:27.000 必要な「セックス・アンド・ザ・シティ」の DVDと 0:01:27.000,0:01:30.000 簡単に交換するには、どうすればいいでしょう? 0:01:30.000,0:01:32.000 もうお気づきだと思いますが 0:01:32.000,0:01:34.000 「スワップ取引」という分野が出現しています 0:01:34.000,0:01:37.000 スワップ取引を分かりやすくたとえると 0:01:37.000,0:01:39.000 不要になったメディアのための 0:01:39.000,0:01:41.000 オンラインの出会い系サービスです 0:01:41.000,0:01:43.000 インターネットを利用して、制限のないマーケットを作り 0:01:43.000,0:01:45.000 Aさんの持ち物と 0:01:45.000,0:01:47.000 Cさんが欲しい物の 0:01:47.000,0:01:49.000 マッチングをしています 0:01:49.000,0:01:51.000 二人がどこにいようと、取引は可能なのです 0:01:51.000,0:01:54.000 先週、こういったサイトの一つである 0:01:54.000,0:01:57.000 「Swaptree」という、その名の通りのサイトを訪れました 0:01:57.000,0:02:00.000 そこには 私の"24"とすぐに交換できる 0:02:00.000,0:02:02.000 59,300以上のアイテムが 0:02:02.000,0:02:05.000 登録されていました 0:02:05.000,0:02:07.000 そしてなんと 0:02:07.000,0:02:09.000 カリフォルニア州レシーダのrondoronさんが 0:02:09.000,0:02:11.000 「ほぼ新品」の「セックス・アンド・ザ・シティ」を 0:02:11.000,0:02:13.000 私の"24"と 0:02:13.000,0:02:16.000 交換したがっていたのです 0:02:16.000,0:02:18.000 言い換えれば、これは 0:02:18.000,0:02:20.000 Swaptreeが 0:02:20.000,0:02:22.000 私の厄介な問題であり 0:02:22.000,0:02:25.000 経済学者が「欲望の二重一致」と呼ぶ問題を 0:02:25.000,0:02:28.000 60秒ほどで解決してしまったということになります 0:02:28.000,0:02:31.000 更に驚くことに、その場でラベルの印刷もできるのです 0:02:31.000,0:02:33.000 アイテムの重さも分かっているのですから 0:02:33.000,0:02:35.000 Swaptreeのようなサイトの裏には 0:02:35.000,0:02:38.000 驚異的な技術がたくさん使われています 0:02:38.000,0:02:40.000 しかし、私の興味は技術にあるのではなく 0:02:40.000,0:02:43.000 スワップ取引そのものでもありません 0:02:43.000,0:02:45.000 私が興味を持ち、過去数年にわたって 0:02:45.000,0:02:47.000 調査を続けてきたのは 0:02:47.000,0:02:50.000 こういったシステムに本来備わっている 0:02:50.000,0:02:53.000 コラボレーションの行為と信頼のメカニズムです 0:02:53.000,0:02:55.000 よく考えてみると 0:02:55.000,0:02:58.000 数年前には、こういったアイデアは信じがたいものでした 0:02:58.000,0:03:01.000 全く見知らぬ人 0:03:01.000,0:03:03.000 本名すら知らない人と 0:03:03.000,0:03:06.000 お金を介さずに品物を交換するなんて 0:03:06.000,0:03:08.000 しかしSwaptreeでの取引の99%は 0:03:08.000,0:03:10.000 成功しています 0:03:10.000,0:03:12.000 1%がネガティブな評価となっていますが 0:03:12.000,0:03:14.000 時間通りに到着しなかった、など 0:03:14.000,0:03:17.000 些細な理由によるものです 0:03:17.000,0:03:20.000 さて、ここでは何が起こっているのでしょうか? 0:03:20.000,0:03:22.000 ビジネスそして文化的な側面に対して 0:03:22.000,0:03:25.000 大きな影響をもった強力な動きが 0:03:25.000,0:03:27.000 登場しているのです 0:03:27.000,0:03:29.000 つまり、テクノロジーが 0:03:29.000,0:03:31.000 見知らぬ人々同士が 0:03:31.000,0:03:33.000 信頼し合うことを可能にしています 0:03:33.000,0:03:35.000 我々は、今やグローバルビレッジに住んでおり 0:03:35.000,0:03:37.000 かつては対面で発生していた 0:03:37.000,0:03:40.000 繋がりを真似ることができるのです 0:03:40.000,0:03:42.000 そのスケールと方法は 0:03:42.000,0:03:44.000 以前は絶対に不可能なものでした 0:03:44.000,0:03:46.000 つまり、実際に起きているのは 0:03:46.000,0:03:48.000 ソーシャル・ネットワークとリアルタイム技術が 0:03:48.000,0:03:50.000 私たちを過去に連れ戻していることになります 0:03:50.000,0:03:52.000 物々交換・取引 0:03:52.000,0:03:54.000 交換・共有 0:03:54.000,0:03:56.000 こういったことを、ダイナミックで魅力的な形で 0:03:56.000,0:03:58.000 私たちは再発明しているのです 0:03:58.000,0:04:00.000 非常に興味深い点は、私たちが 0:04:00.000,0:04:03.000 この世界を分かち合うべく繋がりを作っていることです 0:04:03.000,0:04:05.000 住んでいる地域や学校 0:04:05.000,0:04:08.000 オフィスやFacebookのネットワークなどです 0:04:08.000,0:04:10.000 「私の物はあなたの物」という 0:04:10.000,0:04:12.000 経済を成立させています 0:04:12.000,0:04:14.000 交換マーケットの元祖ともいえる 0:04:14.000,0:04:16.000 eBayや 0:04:16.000,0:04:19.000 月額を支払って車を時間借りできる 0:04:19.000,0:04:22.000 「GoGet」のようなカーシェア会社や 0:04:22.000,0:04:25.000 「Zopa」のような個人間小口融資のプラットフォームまであります 0:04:25.000,0:04:27.000 「Zopa」では、ここにおられる方々のうち 0:04:27.000,0:04:29.000 $100を貸し出そうとする方を 0:04:29.000,0:04:32.000 世界の何処かにいる借り手とをマッチングします 0:04:32.000,0:04:35.000 私たちはヒッピーよりも 0:04:35.000,0:04:37.000 さらにヒップな方法で 0:04:37.000,0:04:40.000 再び共有と協力を行っているのだと思います 0:04:40.000,0:04:43.000 私は、この「うねり」をコラボ消費と名付けました 0:04:43.000,0:04:45.000 コラボ消費に関するその他のシステムについて 0:04:45.000,0:04:47.000 お話しする前に 0:04:47.000,0:04:49.000 本を書いたものなら誰もが尋ねられる 0:04:49.000,0:04:52.000 質問に対して、答えてみようと思います 0:04:52.000,0:04:55.000 「そのアイデアはどこから来たのか」という質問です 0:04:55.000,0:04:57.000 ある朝、起きたときに 0:04:57.000,0:05:00.000 「さぁ、コラボ消費について書こう」と言ったと 0:05:00.000,0:05:02.000 言いたいところですが、実際には一見ばらばらな 0:05:02.000,0:05:05.000 アイデアが複雑に絡んでいたのです 0:05:05.000,0:05:07.000 まずは、少し 0:05:07.000,0:05:09.000 私の頭の中にあるドットでできた 0:05:09.000,0:05:12.000 概念的な「花火」をご覧頂きたいと思います 0:05:13.000,0:05:15.000 まず最初に気づいたことは 0:05:15.000,0:05:17.000 いかに沢山の大きなコンセプトが誕生しているかということです 0:05:17.000,0:05:20.000 集合知からスマートモブまで 0:05:20.000,0:05:22.000 ある目的のためにグループをつくるのは 0:05:22.000,0:05:24.000 本当に簡単なことなのです 0:05:24.000,0:05:26.000 この「集合マニア」に関連した例が 0:05:26.000,0:05:28.000 世界中にあります 0:05:28.000,0:05:30.000 大統領選挙から 0:05:30.000,0:05:32.000 悪名高いWikipediaまで、数が集まることが力になるものなら 0:05:32.000,0:05:35.000 何でもこれに該当します 0:05:35.000,0:05:38.000 新しい言葉を覚えると 0:05:38.000,0:05:41.000 その言葉をあちこちで見つけるようになりますね 0:05:41.000,0:05:43.000 世界中の人たちが 0:05:43.000,0:05:45.000 受け身の消費者から 0:05:45.000,0:05:47.000 クリエータや非常に有用なコラボレーターへと 0:05:47.000,0:05:49.000 変わっていっていることに気づいたとき 0:05:49.000,0:05:52.000 この現象が、私にも起きたのです 0:05:52.000,0:05:54.000 インターネットが 0:05:54.000,0:05:56.000 仲介人を排除しているため 0:05:56.000,0:05:58.000 Tシャツのデザイナーでも、編み物をする人でも 0:05:58.000,0:06:00.000 誰もが個対個人で販売することで 0:06:00.000,0:06:02.000 生計を立てることができるようになりました 0:06:02.000,0:06:04.000 この「ピアツーピア革命」が 0:06:04.000,0:06:06.000 偏在的な存在となることにより 0:06:06.000,0:06:09.000 「共有」は驚異的な成長をしています 0:06:09.000,0:06:11.000 ここでお話しをしている間にも 0:06:11.000,0:06:14.000 毎分、25時間分の動画がYouTubeに 0:06:14.000,0:06:16.000 アップロードされていることを考えると 0:06:16.000,0:06:19.000 非常に楽しくなります 0:06:19.000,0:06:22.000 私が非常に興味深いと思うのは 0:06:22.000,0:06:24.000 こういった例というのが 0:06:24.000,0:06:26.000 私たちの霊長類の本能に刻み込まれている点です 0:06:26.000,0:06:28.000 つまり、我々は猿の一種であり 0:06:28.000,0:06:30.000 共有、 協力するように生まれ育っているのです 0:06:30.000,0:06:33.000 集団での狩りの時 0:06:33.000,0:06:35.000 皆で協力しての農作業をした時・・ 0:06:35.000,0:06:38.000 「ハイパー消費」というシステムが登場する以前から 0:06:38.000,0:06:41.000 何千年にもわたって、こうしてきたのです 0:06:41.000,0:06:43.000 そして、私たちがフェンスを作り 0:06:43.000,0:06:45.000 自分たちの小さな領土を作り出す以前はそうだったのです 0:06:45.000,0:06:47.000 しかし状況は変わっています 0:06:47.000,0:06:49.000 その理由の一つとして 0:06:49.000,0:06:52.000 デジタルネイティブ、つまりY世代があります 0:06:52.000,0:06:54.000 彼等はファイルやゲーム、それに知識を 0:06:54.000,0:06:56.000 共有して育ってきました 0:06:56.000,0:06:58.000 共有は、彼等にとって第二の本能なのです 0:06:58.000,0:07:01.000 私も含めてX世代というのは 0:07:01.000,0:07:04.000 「わたし文化」から「私たち文化」へと 0:07:04.000,0:07:06.000 変遷を促す歩兵のようなものです 0:07:06.000,0:07:08.000 共有が急速に成長している理由は 0:07:08.000,0:07:10.000 モバイルでの協力が可能になったことにあります 0:07:10.000,0:07:13.000 現在は「繋がりの時代」であり 0:07:13.000,0:07:16.000 手の中の小さなデバイスで 0:07:16.000,0:07:19.000 いつでも、リアルタイムに、誰でも見つけることができるのです 0:07:19.000,0:07:21.000 これらはすべて2008年末頃に 0:07:21.000,0:07:23.000 考えていたことです 0:07:23.000,0:07:26.000 そして、ご存じのように、とてつもない金融危機がありました 0:07:26.000,0:07:29.000 私が好きなコラムニストに、ニューヨークタイムズのトーマス・フリードマンがいますが 0:07:29.000,0:07:31.000 彼が痛烈なコメントをしました 0:07:31.000,0:07:34.000 「2008年は私たちが壁にぶち当たった年だ 0:07:34.000,0:07:37.000 母なる自然も市場も、どちらもが 0:07:37.000,0:07:39.000 "ここまで"と言った年なのだ」というコメントです 0:07:39.000,0:07:41.000 私たちは頭の中では 0:07:41.000,0:07:44.000 ハイパー消費に支えられた経済が 0:07:44.000,0:07:47.000 ネズミ講あるいは砂上の楼閣であることを理解しています 0:07:47.000,0:07:50.000 しかし、個々人ではこれにどう対応すべきか分かりません 0:07:50.000,0:07:53.000 ツイートの嵐のような状態です 0:07:53.000,0:07:55.000 4つの主な要因について 0:07:55.000,0:07:57.000 気がつくまで 0:07:57.000,0:07:59.000 ノイズが多くて、混乱していました 0:07:59.000,0:08:02.000 一つ目の要因は、コミュニティの重要性について再認識したこと 0:08:02.000,0:08:05.000 そして、友人や近隣の意味が根本から再定義されたことです 0:08:05.000,0:08:08.000 P2Pのソーシャル・ネットワークやリアルタイム技術の 0:08:08.000,0:08:10.000 急激な進歩によって 0:08:10.000,0:08:13.000 私たちの行動様式は根本から変わっています 0:08:13.000,0:08:16.000 三つ目は、未解決の環境問題に対する懸念です 0:08:16.000,0:08:18.000 四つ目は 0:08:18.000,0:08:20.000 消費行動を根底から 0:08:20.000,0:08:22.000 揺さぶった世界的な景気後退です 0:08:22.000,0:08:24.000 この4つの要因がお互いに 0:08:24.000,0:08:26.000 混ざり合い、影響して 0:08:26.000,0:08:28.000 大きなシフトを起こしているのです 0:08:28.000,0:08:30.000 ハイパー消費であらわされる 0:08:30.000,0:08:32.000 20世紀から 0:08:32.000,0:08:34.000 コラボ消費であらわされる 0:08:34.000,0:08:37.000 21世紀へのシフトです 0:08:37.000,0:08:40.000 私たちは、変曲点にさしかかっているのだと思います 0:08:40.000,0:08:42.000 FlickrやTwitterのようなサイトを通して 0:08:42.000,0:08:44.000 共有するという行動が 0:08:44.000,0:08:46.000 自然なものとして身についていることは 0:08:46.000,0:08:49.000 ネット以外の、私たちの日常生活にも適用されています 0:08:49.000,0:08:52.000 朝の通勤、洋服のデザイン 0:08:52.000,0:08:54.000 食べ物をつくる方法までも 0:08:54.000,0:08:57.000 私たちは再び消費と協力を行うようになっています 0:08:59.000,0:09:02.000 そこで、私は共著者のルー・ロジャースと 0:09:02.000,0:09:04.000 コラボ消費の世界の隅々から 0:09:04.000,0:09:06.000 何千もの例を集めました 0:09:06.000,0:09:08.000 規模、成熟度、目的においては 0:09:08.000,0:09:10.000 バラエティに富んでいましたが 0:09:10.000,0:09:12.000 それらを分類してみて分かったことは 0:09:12.000,0:09:15.000 明確に、三つのシステムに分類できるということです 0:09:15.000,0:09:18.000 一つ目は再配布市場です 0:09:18.000,0:09:21.000 Swaptreeが正にそうですが、再配布市場とは 0:09:21.000,0:09:23.000 使用済みの物を 0:09:23.000,0:09:25.000 もう必要でなくなった場所から 0:09:25.000,0:09:28.000 それを必要とするどこかへ、誰かに移動するものです 0:09:28.000,0:09:30.000 これは5番目のRとして考えられるようになっています 0:09:30.000,0:09:32.000 reduce 減らすこと, reuse 再使用, recycle リサイクル, repair 修理 0:09:32.000,0:09:34.000 そして redistribute 再配布 0:09:34.000,0:09:36.000 再配布によって製品寿命を延ばすことができ 0:09:36.000,0:09:38.000 ゴミを減らすことができるからです 0:09:38.000,0:09:41.000 二つ目は、コラボレーションをするライフスタイルです 0:09:41.000,0:09:43.000 お金や技術、時間といった資源を 0:09:43.000,0:09:46.000 共有すること 0:09:46.000,0:09:48.000 数年の内に 0:09:48.000,0:09:50.000 コーワーキング (共同での仕事)や 0:09:50.000,0:09:53.000 カウチサーフィンやタイムバンクと言った言葉が 0:09:53.000,0:09:56.000 日常の風景の一部となると予想しています 0:09:56.000,0:09:59.000 コラボレーションをするライフスタイルの例として 0:09:59.000,0:10:01.000 よく使っているのが、ランドシェア(土地の共有)です 0:10:01.000,0:10:03.000 これはイギリスのシステムで 0:10:03.000,0:10:05.000 裏庭に使っていないスペースがあるAさんと 0:10:05.000,0:10:08.000 その土地を使って何かを育てたいと思うBさんを 0:10:08.000,0:10:11.000 結びつけるものです 0:10:11.000,0:10:13.000 二人は、一緒に作物を育てます 0:10:13.000,0:10:16.000 あまりにもシンプルで素晴らしいアイデアで 0:10:16.000,0:10:19.000 これまで出てこなかったことが不思議です 0:10:19.000,0:10:21.000 三つ目のシステムは 0:10:21.000,0:10:23.000 製品サービスのシステムです 0:10:23.000,0:10:25.000 製品の効果のためにお金を払うものです 0:10:25.000,0:10:27.000 つまり、その製品を使用するにあたって 0:10:27.000,0:10:29.000 製品自体を所有する必要がないのです 0:10:29.000,0:10:32.000 このアイデアは 0:10:32.000,0:10:34.000 普段はあまり使わない製品に対しては 0:10:34.000,0:10:36.000 特に有用です 0:10:36.000,0:10:38.000 赤ちゃん用品にも 0:10:38.000,0:10:40.000 流行の洋服にもあてはまります 0:10:40.000,0:10:42.000 電力ドリルをお持ちの方はいらっしゃいますか? 0:10:42.000,0:10:44.000 つまり、所有しているわけですよね 0:10:44.000,0:10:47.000 電力ドリルは、その製品寿命の内 0:10:47.000,0:10:49.000 12分から13分ほどしか使用されません 0:10:49.000,0:10:51.000 (笑) 0:10:51.000,0:10:53.000 おかしなことですね 0:10:53.000,0:10:55.000 必要なのは、穴であってドリルではありません 0:10:55.000,0:10:57.000 (笑) 0:10:57.000,0:10:59.000 (拍手) 0:10:59.000,0:11:01.000 それでは、レンタルにしませんか? 0:11:01.000,0:11:03.000 さらには、自分のドリルを貸し出してもいいですよね 0:11:03.000,0:11:05.000 そうすればお金になるわけでして 0:11:05.000,0:11:08.000 こういったシステムが組み合わされることで 0:11:08.000,0:11:10.000 私たちは、ライフスタイルを犠牲にしたり 0:11:10.000,0:11:12.000 大切な自由を奪われることもなく 0:11:12.000,0:11:14.000 リソースを共有することができます 0:11:14.000,0:11:16.000 砂場でオモチャを仲良く使うように 0:11:16.000,0:11:18.000 といった類の話ではありません 0:11:20.000,0:11:22.000 そこで、コラボ消費がいかに強力なもので 0:11:22.000,0:11:24.000 我々の存在を変革するものなのか 0:11:24.000,0:11:26.000 ひとつ例をご紹介します 0:11:26.000,0:11:28.000 普通の自動車を維持するコストは 0:11:28.000,0:11:31.000 年間八千ドルです 0:11:31.000,0:11:33.000 しかし、その車は一日のうち 0:11:33.000,0:11:35.000 23時間は使われていないのです 0:11:35.000,0:11:37.000 これらの二つの事実を考えると 0:11:37.000,0:11:39.000 自動車を一台持たなければならないことが 0:11:39.000,0:11:42.000 少し馬鹿げたことのように思えます 0:11:42.000,0:11:44.000 ZipcarやGoGetのようなカーシェアリングの 0:11:44.000,0:11:46.000 会社はここに目をつけたのです 0:11:46.000,0:11:48.000 2009年 0:11:48.000,0:11:50.000 Zipcarは250人の参加者を 0:11:50.000,0:11:53.000 13の都市から募りました 0:11:53.000,0:11:55.000 自称 自動車中毒の人ばかりで 0:11:55.000,0:11:57.000 カーシェアリングの初心者でもありました 0:11:57.000,0:12:00.000 彼等に、車のキーを1ヶ月間 預けてもらったのです 0:12:00.000,0:12:02.000 その間、彼らは歩いたり自転車を使ったり 0:12:02.000,0:12:04.000 電車などの公共交通機関を 0:12:04.000,0:12:06.000 使わなければなりませんでした 0:12:06.000,0:12:08.000 どうしても必要な場合のみ、Zipcarのメンバーとして 0:12:08.000,0:12:10.000 車を利用することができました 0:12:10.000,0:12:13.000 たった一ヶ月のチャレンジでしたが 0:12:13.000,0:12:15.000 驚きの結果が得られました 0:12:15.000,0:12:17.000 運動量が増えたことで 0:12:17.000,0:12:20.000 体重が413ポンドも減少したのです 0:12:20.000,0:12:22.000 さらに面白いことに 0:12:22.000,0:12:24.000 250人の参加者のうち100人が 0:12:24.000,0:12:27.000 もうキーを返してもらう必要はない 0:12:27.000,0:12:30.000 と言ったのです 0:12:30.000,0:12:32.000 つまり、自動車中毒の人々が 0:12:32.000,0:12:34.000 車を所有したいという本能を無くしたのです 0:12:34.000,0:12:37.000 製品サービス自体は新しいものではありません 0:12:37.000,0:12:39.000 図書館やコインランドリーが該当します 0:12:39.000,0:12:41.000 しかし、テクノロジーによって 0:12:41.000,0:12:43.000 共有が摩擦もなく、楽しめるものになったため 0:12:43.000,0:12:45.000 そういったサービスも新しい時代に入りました 0:12:45.000,0:12:48.000 ニューヨークタイムズに素晴らしい記事がありました 0:12:48.000,0:12:50.000 「共有に対する所有とは 0:12:50.000,0:12:53.000 iPodに対する8トラックであり 0:12:53.000,0:12:56.000 太陽エネルギーに対する石炭である」 0:12:56.000,0:12:59.000 また、私たちの世代は 0:12:59.000,0:13:02.000 他のどの世代に比べて 0:13:02.000,0:13:04.000 欲しい物を所有することで満足を得ることが 0:13:04.000,0:13:06.000 非常に少なくなっていると思います 0:13:06.000,0:13:09.000 DVDが欲しいのではなく、中に入っている映画が観たいのです 0:13:09.000,0:13:11.000 不細工な留守番電話が欲しいのではなく 0:13:11.000,0:13:13.000 保存されているメッセージを聞きたいのです 0:13:13.000,0:13:16.000 CDが欲しいのではなく、中に入っている音楽が聴きたいのです 0:13:16.000,0:13:19.000 つまり、欲しいのは物ではなく 0:13:19.000,0:13:22.000 物がもたらしてくれる経験なのです 0:13:22.000,0:13:25.000 これが、「所有」に比べて「使用」が勝るという 0:13:25.000,0:13:27.000 シフトを推し進めているのです 0:13:27.000,0:13:30.000 ワイヤード誌のエディタであるケビン・ケリーも 0:13:30.000,0:13:33.000 「所有よりアクセスの方が良い」という点について語っています 0:13:33.000,0:13:35.000 所有するものが 0:13:35.000,0:13:37.000 クラウドに消え去ってしまうと 0:13:37.000,0:13:39.000 私の物、あなたの物、私たちの物 0:13:39.000,0:13:41.000 これらの境目が 0:13:41.000,0:13:43.000 ぼんやりとしたものに なってゆきます 0:13:43.000,0:13:45.000 いかにこの進歩が早いものであるか 0:13:45.000,0:13:48.000 例をご紹介したいと思います 0:13:48.000,0:13:51.000 8年間のスパンでのお話しです 0:13:51.000,0:13:54.000 かつては、私たちは自動車を所有していましたが 0:13:54.000,0:13:57.000 都合に合わせ自動車を利用できる共用プラットフォームである 0:13:57.000,0:14:00.000 ZipcarやGoGetのようなカーシェアの会社を利用したり 0:14:00.000,0:14:03.000 個人対個人のレンタルを利用するようになりました 0:14:03.000,0:14:06.000 この新しいシステムでは、使っていない23時間に対して 0:14:06.000,0:14:09.000 自動車を近隣の人に貸し出すことで 0:14:09.000,0:14:11.000 お金を得ることができます 0:14:11.000,0:14:13.000 もちろん、こういったシステムには 0:14:13.000,0:14:15.000 ある程度の信頼が必要ですし 0:14:15.000,0:14:17.000 そのベースとなっているのは 0:14:17.000,0:14:19.000 評判です 0:14:19.000,0:14:21.000 かつての消費システムでは 0:14:21.000,0:14:23.000 私たちの評判はあまり意味がありませんでした 0:14:23.000,0:14:25.000 個人間での評価よりも、クレジットカードの信用状況の方が 0:14:25.000,0:14:28.000 ずっと重要だったからです 0:14:28.000,0:14:31.000 しかし、Webを利用するようになり、痕跡を残すようになりました 0:14:31.000,0:14:34.000 スパマーに印を付ける度に 0:14:34.000,0:14:37.000 アイデアを公開し、コメントを投稿する度に 0:14:37.000,0:14:39.000 自分がいかに協力できるかを示したり 0:14:39.000,0:14:42.000 信用できるか できないかを示していることになるのです 0:14:42.000,0:14:44.000 最初にお話しした例に戻りましょう 0:14:44.000,0:14:46.000 Swaptreeでは 0:14:46.000,0:14:48.000 rondoronさんが 0:14:48.000,0:14:51.000 553回の取引を 0:14:51.000,0:14:54.000 問題なく行っています 0:14:54.000,0:14:57.000 つまり、この人物は信頼できるというわけです 0:14:58.000,0:15:00.000 覚えておいて欲しいことがあります 0:15:00.000,0:15:02.000 Google検索のような形で 0:15:02.000,0:15:05.000 自分たちの今までの評価価値が 0:15:05.000,0:15:07.000 どのくらい蓄積されているのか 0:15:07.000,0:15:09.000 見ることができるのようになるのは時間の問題です 0:15:09.000,0:15:11.000 そして、その評価価値によって 0:15:11.000,0:15:14.000 コラボ消費にどの程度参加できるのかが決まるのです 0:15:14.000,0:15:16.000 いわゆる 新たな社会的通貨であり 0:15:16.000,0:15:19.000 信用格付けと同じくらい重要なものになるはずです 0:15:20.000,0:15:22.000 最後になりますが 0:15:22.000,0:15:25.000 私たちが暮らしている時代というのは 0:15:25.000,0:15:27.000 空虚であり 無駄遣いばかりである 0:15:27.000,0:15:29.000 ひどい二日酔いから目覚めて 0:15:29.000,0:15:31.000 コミュニティや 0:15:31.000,0:15:33.000 個人のアイデンティティのために 0:15:33.000,0:15:35.000 私たちの内なる要求に従うことのできる 0:15:35.000,0:15:37.000 さらに維持可能なシステムを 0:15:37.000,0:15:40.000 創造しようとしている時代ではないかと思います 0:15:40.000,0:15:42.000 つまり 0:15:42.000,0:15:44.000 社会が大きな危険にさらされた時に 0:15:44.000,0:15:47.000 とてつもない転換を果たすという 0:15:47.000,0:15:49.000 ある種の大変革と言えるでしょう 0:15:49.000,0:15:51.000 個人単位で所有し 消費する時代から 0:15:51.000,0:15:54.000 共有財の再発見の時代への変革です 0:15:54.000,0:15:57.000 共有することをクールなものにすること 0:15:57.000,0:15:59.000 流行のものにすることが、私の役目です 0:15:59.000,0:16:01.000 共有することによって 0:16:01.000,0:16:03.000 時代遅れのビジネスモデルを破壊し 0:16:03.000,0:16:05.000 ハイパー消費のような無駄遣いを抜け出すことができ 0:16:05.000,0:16:07.000 どこで満足するかを理解することができるようになると 0:16:07.000,0:16:10.000 私は心から信じているからです 0:16:10.000,0:16:12.000 ありがとうございました 0:16:12.000,0:16:14.000 (拍手)