0:00:01.683,0:00:04.128 いつの日か宇宙は死ぬ 0:00:04.230,0:00:07.217 どのように死ぬのだろうか 0:00:07.300,0:00:10.764 永遠に死ぬのか なぜわかるのか 0:00:11.344,0:00:14.305 まず 宇宙は膨張している 0:00:14.406,0:00:17.522 その膨張率も加速的 0:00:17.780,0:00:20.344 ダークエネルギーが原因だ 0:00:20.440,0:00:22.418 この奇妙な現象が 0:00:22.515,0:00:25.590 宇宙に浸透しているらしい 0:00:25.690,0:00:28.214 理解しやすくするために 0:00:28.307,0:00:31.422 ボールを空に投げてみよう 0:00:31.784,0:00:35.363 ボールを空に投げると 戻ってくる 0:00:35.465,0:00:39.514 だが加速的に膨張している宇宙では 0:00:39.624,0:00:42.189 ボールは上がったまま 0:00:42.287,0:00:45.225 どんどん速くなっていく 0:00:45.293,0:00:48.322 なぜそうなるのかは謎だ 0:00:48.407,0:00:51.958 これをダークエネルギーと呼んだ 0:00:52.639,0:00:56.494 アインシュタインは認めなかったが 0:00:56.589,0:01:00.596 今の天文学者は妥当だと考えている 0:01:00.681,0:01:03.722 問題は 非常に理論的だが 0:01:03.805,0:01:06.939 結局は謎が多いということ 0:01:07.024,0:01:09.606 だがここから 終末の 0:01:09.712,0:01:12.676 3つのシナリオが導かれる 0:01:19.837,0:01:22.376 その1 ビッグリップ 0:01:22.454,0:01:25.515 誕生以来 宇宙は膨張し続け 0:01:25.710,0:01:29.698 新しい空間が均等に作られてきた 0:01:29.785,0:01:33.797 空間は銀河間の距離を広げている 0:01:33.893,0:01:36.935 銀河でも空間は生まれるが 0:01:37.022,0:01:40.037 重力が銀河を維持している 0:01:40.371,0:01:43.385 空間の膨張が加速していき 0:01:43.487,0:01:45.941 重力を凌駕すると 0:01:46.033,0:01:49.045 維持するのが不可能になる 0:01:49.325,0:01:51.734 結果 ビッグリップとなる 0:01:51.808,0:01:55.864 まず 銀河のような大きな構造が崩れ 0:01:55.960,0:01:59.035 個々の星となって散らばる 0:01:59.203,0:02:03.267 次に 大きな恒星や惑星が死ぬ 0:02:03.362,0:02:06.338 重力が自身を支えられず 0:02:06.426,0:02:08.442 バラバラになる 0:02:08.678,0:02:12.689 最後に 膨張速度が光速を超えると 0:02:12.888,0:02:16.051 これにより原子が崩壊する 0:02:16.759,0:02:18.823 この状況になると 0:02:18.921,0:02:23.032 粒子同士は影響を与えられなくなる 0:02:23.516,0:02:26.540 無数の粒子が飛び交いつつ 0:02:26.631,0:02:29.647 お互い永遠に触れ合わない 0:02:29.748,0:02:32.215 奇妙な宇宙となる 0:02:33.971,0:02:36.013 何だか寂しい 0:02:37.481,0:02:40.995 その2 熱的死 または低温死 0:02:41.091,0:02:44.113 熱的死ではビッグリップと違い 0:02:44.207,0:02:47.196 原子はすぐには壊れないが 0:02:47.294,0:02:50.817 永遠の宇宙で 長い時間をかけて 0:02:50.921,0:02:54.106 放射線へと変換されていく 0:02:54.345,0:02:57.891 これはエントロピーの問題だ 0:02:58.237,0:03:01.275 エントロピーは常に増大する 0:03:01.375,0:03:04.273 ラテマキアートで考えよう 0:03:04.350,0:03:06.810 最初は高かった温度も 0:03:06.912,0:03:10.621 時間が経つと 室温と同じになる 0:03:11.040,0:03:13.513 宇宙もこれと同じ 0:03:13.846,0:03:16.829 宇宙が拡大していくほど 0:03:16.919,0:03:19.497 物質は散らばっていく 0:03:19.679,0:03:23.200 星が何世代も繰り返した後 0:03:23.301,0:03:27.345 星を形成する元となるガスは消え 0:03:27.769,0:03:30.405 宇宙は闇に包まれる 0:03:30.746,0:03:34.802 恒星の死後生じるブラックホールは 0:03:34.886,0:03:37.851 数兆年かけて衰退 蒸発する 0:03:37.947,0:03:41.039 ホーキング放射という現象だ 0:03:41.880,0:03:44.387 この過程が完了すると 0:03:44.486,0:03:47.534 後には 光子のガスや粒子が 0:03:47.634,0:03:50.326 自壊するまで残される 0:03:51.097,0:03:54.577 すべての活動はここで終わる 0:03:54.692,0:03:57.150 エントロピーは最大化され 0:03:57.254,0:03:59.720 宇宙は永遠に死ぬ 0:04:00.414,0:04:03.398 しかし理論上 もしかしたら 0:04:03.497,0:04:05.044 長い時間の後 0:04:05.145,0:04:07.701 エントロピーが減少する 0:04:07.802,0:04:10.337 トンネル効果によって 0:04:10.443,0:04:13.555 新たなビッグバンが起こる 0:04:14.844,0:04:15.641 その3 0:04:15.731,0:04:18.478 ビッグクランチとビッグバウンス 0:04:18.568,0:04:21.017 最も心踊るシナリオだ 0:04:21.107,0:04:25.039 ダークエネルギーが減っていくなら 0:04:25.124,0:04:28.134 いつか重力が最強になる 0:04:28.230,0:04:32.249 数兆年後 膨張率が下がり 止まると 0:04:32.348,0:04:35.291 今度は逆流を始める 0:04:35.376,0:04:37.413 銀河が溶け合って 0:04:37.493,0:04:39.940 宇宙は小さくなっていく 0:04:40.020,0:04:43.069 そして宇宙の温度は上がり 0:04:43.169,0:04:45.210 一気に熱くなる 0:04:45.647,0:04:48.609 やがては宇宙の背景放射が 0:04:48.702,0:04:51.632 星の表面よりも熱くなり 0:04:51.720,0:04:54.401 星は外側から壊される 0:04:54.688,0:04:57.629 宇宙が一点に集まる数分前 0:04:57.742,0:05:00.704 原子核が分離し 崩壊する 0:05:00.994,0:05:04.014 そして最後の瞬間の前には 0:05:04.128,0:05:07.138 ブラックホール同士が合体し 0:05:07.243,0:05:10.699 超巨大ブラックホールとなり 0:05:10.785,0:05:13.843 宇宙のすべてを食い尽くす 0:05:14.609,0:05:17.278 また ビッグバウンス理論は 0:05:17.380,0:05:19.401 この膨張と収縮は 0:05:19.511,0:05:22.561 無限に繰り返されると言う 0:05:22.865,0:05:24.907 それは素敵だ 0:05:25.285,0:05:28.258 宇宙の最後はどうなるのか? 0:05:28.379,0:05:31.369 今は熱的死説が有力らしい 0:05:31.481,0:05:34.352 でも 私たちとしては 0:05:34.446,0:05:38.475 宇宙がまた始まってほしいと思う 0:05:38.929,0:05:40.948 真相はわからない 0:05:41.048,0:05:45.057 なら 素敵な方を信じてもいいよね 0:05:48.238,0:05:51.291 ところで ツイッター始めたよ