WEBVTT 00:00:11.193 --> 00:00:12.391 ハンク:素晴らしい 00:00:12.391 --> 00:00:13.725 ルジコ:ええ 00:00:17.829 --> 00:00:22.010 そのネガは全部お爺さんのもの? 00:00:22.010 --> 00:00:25.260 ハンク:そう 実際見たのは初めてだよ 00:00:25.944 --> 00:00:27.570 箱を開けてみたらこんなものが見つかるなんて 00:00:27.570 --> 00:00:30.119 00:00:30.119 --> 00:00:31.265 こんなに素晴らしいものが 00:00:31.265 --> 00:00:32.608 00:00:32.608 --> 00:00:35.030 これは僕が写ってる初めての写真だ 00:00:35.030 --> 00:00:36.300 ルジコ:わお 00:00:36.300 --> 00:00:40.480 ハンク:これは母親が持っていた写真 00:00:40.480 --> 00:00:42.970 これは僕の作品で何度も使わせてもらった 00:00:42.970 --> 00:00:43.970 ルジコ:へえ 00:00:43.970 --> 00:00:45.680 ハンク:プールで洗礼を受けているところ 00:00:45.680 --> 00:00:47.140 ホーンが見える 00:00:47.140 --> 00:00:48.140 ルジコ:ええ 00:00:48.140 --> 00:00:49.140 ハンク:ここに女の人がいて 00:00:49.140 --> 00:00:50.780 素晴らしいよ 00:00:50.780 --> 00:00:51.780 ルジコ:ほんとうに 00:00:52.960 --> 00:00:55.760 ハンク:3歳か4歳の頃 人によく言われたことを2つ覚えています 00:00:55.760 --> 00:00:58.944 ひとつは 「お前は質問をしすぎる」 00:00:58.944 --> 00:01:01.600 もうひとつは 「そんなに人を見つめてはいけません」 00:01:01.600 --> 00:01:03.170 ♪明るい電子音♪ 00:01:03.170 --> 00:01:09.157 僕の作品のほとんどは 2つのものの組み合わせでできています 00:01:09.157 --> 00:01:12.592 見つめていたのは写真を撮るためだったんです 00:01:14.119 --> 00:01:16.830 僕の作品は 全てフレーミングとコンテキストについてです 00:01:16.830 --> 00:01:19.730 それから立場によって どのように真実を捉えるか 00:01:19.730 --> 00:01:23.390 何を重要だとみなすか 00:01:23.390 --> 00:01:25.687 00:01:25.687 --> 00:01:27.393 ♪♪♪ 00:01:27.393 --> 00:01:32.143 写真を撮り続ける中で 色々な素材を用いなければなリませんでした 00:01:32.143 --> 00:01:35.446 ♪♪♪ 00:01:35.446 --> 00:01:39.540 何千回と見てきたと思ってきたもの 00:01:39.540 --> 00:01:42.133 それを違う方法で見る必要があったんです 00:01:47.292 --> 00:01:53.052 ♪電子音のアルペジオ♪ 00:01:53.052 --> 00:01:56.420 ロラン・バルトの「明るい部屋」を読んでいて 00:01:56.420 --> 00:01:59.281 パンクタムについて論じている部分がありました 00:01:59.281 --> 00:02:03.341 パンクタムとは心を突き刺すもの 写真の中へとあなたを繋ぎ止めるもの 00:02:03.341 --> 00:02:06.755 それがバルトの見解でした 00:02:07.371 --> 00:02:11.860 この自由の女神像の前の ハーレム・グローブトロッターズの写真の場合 00:02:11.860 --> 00:02:14.080 00:02:14.080 --> 00:02:16.581 私にとってのパンクタムは腕です 00:02:16.581 --> 00:02:19.382 ♪♪♪ 00:02:19.382 --> 00:02:23.700 スポーツの躍動感と 00:02:23.700 --> 00:02:28.607 政治や歴史的背景のバランスがいいんです 00:02:30.477 --> 00:02:33.881 研究の際 アーネスト・コールの代表作 00:02:33.881 --> 00:02:35.019 「ハウス・オブ・ボンデイジ」を読みました 00:02:36.501 --> 00:02:40.360 彼は黒人写真家として南アフリカを旅して 00:02:40.360 --> 00:02:43.190 アパルトヘイトの恐ろしさを記録しました 00:02:43.190 --> 00:02:46.409 そして秘密裏にそれらの写真を国外に持ち出しました 00:02:46.409 --> 00:02:51.194 ♪♪♪ 00:02:51.194 --> 00:02:55.200 この裸の炭坑夫が手をあげて並ばされている写真に 大きな衝撃を受けました 00:02:55.200 --> 00:02:58.659 00:02:58.659 --> 00:03:02.349 何度も見たことのあった写真です 00:03:02.349 --> 00:03:05.600 けれど心を研ぎ澄ませて見てみると 罪悪感に苛まれました 00:03:05.600 --> 00:03:09.120 それまでこの写真をただ見ていただけだったからです 00:03:09.576 --> 00:03:13.241 このような見方は 抑圧を助長するのと同じです 00:03:13.241 --> 00:03:16.334 ♪♪♪ 00:03:16.334 --> 00:03:19.870 この写真を立体として作り直したいと思いました 00:03:19.870 --> 00:03:21.970 題は「立ち上がれ」です 00:03:23.498 --> 00:03:27.036 像の周りを動き回り 見上げたり俯瞰したりすることで 00:03:27.036 --> 00:03:28.496 尊敬の念を持った見方をして欲しかったんです 00:03:28.998 --> 00:03:33.476 00:03:33.476 --> 00:03:36.042 ♪♪♪ 00:03:36.042 --> 00:03:39.080 この像を作って丁度半年後 00:03:39.080 --> 00:03:41.670 ミズーリでのマイケル・ブラウン射殺事件で 「両手を挙げたら、撃つな」が拡まっていました 00:03:41.670 --> 00:03:45.060 00:03:45.060 --> 00:03:46.739 00:03:46.739 --> 00:03:50.450 [群衆が合唱している] 「両手を挙げたら、撃つな!」 00:03:51.522 --> 00:03:53.551 ハンク:やっと米国でこの像が展示された時 00:03:53.551 --> 00:03:55.459 00:03:55.459 --> 00:03:58.486 人々は「両手を挙げたら、撃つなの一片」 と名付けました 00:03:58.486 --> 00:04:01.401 ♪♪♪ 00:04:01.401 --> 00:04:06.110 全ては繋がっているのだと感じています 00:04:06.110 --> 00:04:08.940 だから炭坑夫についてでも ミズーリでの事件についてでも 00:04:08.940 --> 00:04:11.040 バスケットボールについてでも 00:04:11.678 --> 00:04:15.709 はっきり言って 多くの身体が抑圧の歴史に関係しているのです 00:04:15.709 --> 00:04:17.733 00:04:20.788 --> 00:04:23.357 ハンク:ズームして それから回転させられる 00:04:23.357 --> 00:04:24.215 00:04:24.876 --> 00:04:26.240 そうそう 00:04:28.150 --> 00:04:31.690 本物の手を3Dスキャンすることができてよかったです 00:04:31.690 --> 00:04:34.766 デジタルで作った手よりもいい 00:04:34.766 --> 00:04:36.130 サム・ジェラタニ:指を見て 00:04:36.130 --> 00:04:39.890 3Dプリンターで作って それにワックスを塗ったの 00:04:39.890 --> 00:04:42.360 だからセラミックにくっつけることができる 00:04:42.360 --> 00:04:45.042 そうすると銅みたいに見えるようになる 00:04:45.042 --> 00:04:46.280 ルジコ:すごい 00:04:46.280 --> 00:04:47.280 サム:ええ 00:04:47.280 --> 00:04:48.280 ルジコ:素晴らしい 00:04:48.280 --> 00:04:50.540 それは? 00:04:50.751 --> 00:04:52.220 ただのサンプルよ 00:04:53.155 --> 00:04:54.708 緑青のサンプル? 00:04:54.708 --> 00:04:55.434 サム:ええ 00:04:55.434 --> 00:04:58.830 ハンク:彫刻を650個に分けたなんて考えると 正気の沙汰じゃないよ 00:04:58.830 --> 00:05:01.082 00:05:01.082 --> 00:05:01.877 サム:ええ 00:05:01.877 --> 00:05:02.377 ウィル:本当だ 00:05:02.377 --> 00:05:03.820 ハンク:どれだけの人が関わったのだろう 00:05:03.820 --> 00:05:05.320 サム:鋳造所のみんなよ 00:05:05.320 --> 00:05:06.320 00:05:06.320 --> 00:05:06.955 ルジコ:素晴らしい 00:05:06.955 --> 00:05:10.110 コレッタ・スコット・キングの誕生日にはじめて 00:05:10.110 --> 00:05:11.630 00:05:11.630 --> 00:05:13.900 マーティン・ルーサー・キングの日にお披露目だ 00:05:13.900 --> 00:05:14.900 ルジコ:わかった 00:05:14.900 --> 00:05:17.511 だからこれから8ヶ月ある 00:05:17.511 --> 00:05:19.491 それまでに完成させよう 00:05:19.810 --> 00:05:23.324 ♪微かな電子音楽♪ 00:05:23.324 --> 00:05:26.729 ハンク:数年前、ボストンコモンでの 00:05:26.729 --> 00:05:29.189 レッタ・スコット・キングとマーティン・ルーサー・キング を記念したインスタレーションに招待されました 00:05:29.189 --> 00:05:32.251 00:05:32.251 --> 00:05:34.240 00:05:36.292 --> 00:05:39.509 その時は、南部出身の著名な二人の公民権運動の活動家が 00:05:39.509 --> 00:05:43.500 ボストンで出会い恋に落ちたと知りませんでした 00:05:43.500 --> 00:05:45.212 00:05:46.945 --> 00:05:51.759 この二人の最初の出会いがいろいろな形で いろいろなものに影響を広げた 00:05:51.759 --> 00:05:55.569 その事実は私にとって大きな意味を持ちました 00:05:55.569 --> 00:05:56.813 00:05:58.569 --> 00:06:02.060 人生よりも大きな二人の絆を 立体作品にしたいと思いました 00:06:02.060 --> 00:06:04.900 00:06:05.652 --> 00:06:08.910 ノーベル平和賞の授賞式の際の 二人の写真を見つけました 00:06:08.910 --> 00:06:11.324 00:06:12.000 --> 00:06:13.919 この写真でのプンクトゥム つまり私の心を打ったもの…… 00:06:13.919 --> 00:06:16.169 00:06:16.169 --> 00:06:19.494 それは二人が抱き合っている その腕の形です 00:06:20.018 --> 00:06:23.569 キング牧師が全ての体重を彼女に預けている 00:06:24.846 --> 00:06:28.750 マーチン・ルーサー・キングを語るとき 00:06:28.750 --> 00:06:31.760 多くの場合コレッタ・スコット・キング そしてその他多くの関係者について言及されない 00:06:31.760 --> 00:06:37.542 この事実に深く考えさせられます 00:06:38.584 --> 00:06:42.970 そのような人々の顔や体が言及されないことについて 00:06:42.970 --> 00:06:47.819 私や私の仲間たちはある種の憤りを感じています 00:06:47.819 --> 00:06:49.098 00:06:50.420 --> 00:06:53.256 00:06:53.256 --> 00:06:56.199 00:06:56.199 --> 00:07:00.276 00:07:02.260 --> 00:07:05.410 00:07:05.410 --> 00:07:08.646 00:07:08.646 --> 00:07:11.142 00:07:12.305 --> 00:07:15.996 00:07:29.881 --> 00:07:31.289 00:07:31.289 --> 00:07:33.530 00:07:33.530 --> 00:07:37.379 00:07:37.379 --> 00:07:41.391 00:07:42.417 --> 00:07:46.085 00:07:46.085 --> 00:07:47.930 00:07:47.930 --> 00:07:51.270 00:07:51.270 --> 00:07:54.660 00:07:55.526 --> 00:07:57.015 00:07:57.015 --> 00:07:59.580 00:07:59.580 --> 00:08:04.160 00:08:04.160 --> 00:08:06.430 00:08:06.430 --> 00:08:07.919 00:08:07.919 --> 00:08:10.305 00:08:10.305 --> 00:08:15.432 00:08:15.432 --> 00:08:19.009 00:08:19.009 --> 00:08:21.210 00:08:21.210 --> 00:08:24.110 00:08:24.110 --> 00:08:25.931 00:08:25.931 --> 00:08:29.639 00:08:30.619 --> 00:08:33.700 00:08:33.700 --> 00:08:37.146 00:08:37.556 --> 00:08:39.080 00:08:39.080 --> 00:08:41.700 00:08:41.700 --> 00:08:43.930 00:08:44.660 --> 00:08:46.650 00:08:46.650 --> 00:08:50.040 00:08:50.040 --> 00:08:51.709 00:08:51.983 --> 00:08:55.810 00:08:55.810 --> 00:08:57.620 00:09:01.291 --> 00:09:02.950 00:09:02.950 --> 00:09:05.860 00:09:05.860 --> 00:09:10.010 00:09:10.010 --> 00:09:14.101 00:09:14.101 --> 00:09:17.880 00:09:19.042 --> 00:09:22.779 00:09:22.779 --> 00:09:27.440 00:09:27.440 --> 00:09:32.448 00:09:34.067 --> 00:09:41.152 00:09:41.152 --> 00:09:46.160 00:09:46.160 --> 00:09:51.169 00:09:51.169 --> 00:09:52.755 00:09:53.485 --> 00:09:56.740 00:09:56.740 --> 00:09:58.584 00:09:58.584 --> 00:10:00.560 00:10:00.560 --> 00:10:03.022 00:10:08.790 --> 00:10:33.843 00:10:33.843 --> 00:10:36.290 00:10:36.290 --> 00:10:39.881 00:10:39.881 --> 00:10:41.337 00:10:41.337 --> 00:10:42.610 00:10:45.164 --> 00:10:48.640 00:10:48.640 --> 00:10:51.734 00:10:51.734 --> 00:10:54.000 00:10:54.000 --> 00:10:58.366 00:11:00.000 --> 00:11:03.188 00:11:05.240 --> 00:11:12.572 00:11:12.572 --> 00:11:15.170 00:11:16.105 --> 00:11:20.008 00:11:20.008 --> 00:11:23.420 00:11:23.420 --> 00:11:24.660 00:11:26.689 --> 00:11:29.115 00:11:30.000 --> 00:11:35.290 00:11:35.290 --> 00:11:39.809 00:11:39.809 --> 00:11:42.690 00:11:42.690 --> 00:11:46.572 00:11:46.572 --> 00:11:48.345 00:11:48.345 --> 00:11:52.120 00:11:52.120 --> 00:11:54.190 00:11:54.190 --> 00:11:58.590 00:11:59.434 --> 00:12:01.793 00:12:01.793 --> 00:12:04.965 00:12:04.965 --> 00:12:06.818 00:12:07.890 --> 00:12:10.450 00:12:11.704 --> 00:12:14.230 00:12:14.230 --> 00:12:15.908 00:12:17.846 --> 00:12:22.246 00:12:22.246 --> 00:12:26.583 00:12:26.583 --> 00:12:28.666 00:12:28.666 --> 00:12:33.947 00:12:34.608 --> 00:12:42.000 00:12:51.606 --> 00:12:55.790 00:12:55.790 --> 00:13:00.782 00:13:03.199 --> 00:13:06.300 00:13:06.300 --> 00:13:09.940 00:13:09.940 --> 00:13:15.734 00:13:17.490 --> 00:13:20.529 00:13:20.529 --> 00:13:24.430 00:13:24.430 --> 00:13:28.975 00:13:41.053 --> 00:13:53.131