1
00:00:06,886 --> 00:00:10,506
「ラグナロク 」
北欧神話における世界の終焉

2
00:00:10,506 --> 00:00:14,560
巨人や怪物 北欧の神々が
未来のために戦います

3
00:00:14,560 --> 00:00:19,884
大蛇ヨルムンガンドが現れるまで
神々は楽々と勝利していました

4
00:00:19,884 --> 00:00:23,854
大蛇は ヴァルハラ宮殿を飲み込み
大地を横切り 体を歪め

5
00:00:23,854 --> 00:00:29,844
頭も尻尾もない一続きの体へと
融合されました

6
00:00:29,844 --> 00:00:32,364
大蛇がヴァルハラ宮殿を消化し始めると

7
00:00:32,364 --> 00:00:34,482
疲れ果てた主神オーディンが

8
00:00:34,482 --> 00:00:40,472
最後の稲妻を使って 大蛇に一撃を
喰らわすだけの力があると説明しました

9
00:00:40,472 --> 00:00:45,150
ミョルニルという伝説のハンマーで
あなたがオーディンの攻撃に加勢すれば

10
00:00:45,150 --> 00:00:47,460
大蛇を貫くはずです

11
00:00:47,460 --> 00:00:50,860
あなたは大蛇の体に沿って
ものすごい速さで走ります

12
00:00:50,860 --> 00:00:54,250
そしてハンマーを高く掲げると
オーディンがそこに雷を打ち付け

13
00:00:54,250 --> 00:00:57,612
その場所で 大蛇ヨルムンガンドを
引き裂きます

14
00:00:57,612 --> 00:01:00,572
その後 大蛇の全ての部分が
破壊されるまで

15
00:01:00,572 --> 00:01:03,192
体に沿って走り続ける必要があります

16
00:01:03,192 --> 00:01:06,022
同じ区間を２度走ることはできません

17
00:01:06,022 --> 00:01:09,882
さもないと すでに破壊された
大蛇の部分に墜落してしまいます

18
00:01:09,882 --> 00:01:13,492
でも 大蛇の体が交差する地点は

19
00:01:13,492 --> 00:01:15,572
何度でも通れます

20
00:01:15,572 --> 00:01:20,576
一部でも破壊されずに残ると
大蛇ヨルムンガンドは魔法で再生され

21
00:01:20,576 --> 00:01:25,673
オーディンは最後の力を使い果たし
ヴァルハラ宮殿は永遠に滅亡です

22
00:01:25,673 --> 00:01:29,083
大蛇を破滅させるには 
どのような道を通ればよいでしょうか？

23
00:01:29,083 --> 00:01:31,422
自分で答えを考えたいなら
ここでビデオを一時停止しましょう！

24
00:01:31,422 --> 00:01:32,089
答えまで ３秒

25
00:01:32,089 --> 00:01:33,053
答えまで ２秒

26
00:01:34,083 --> 00:01:34,853
答えまで １秒

27
00:01:36,683 --> 00:01:40,503
問題を解くのに有効な手段のひとつは
「単純化」です

28
00:01:40,503 --> 00:01:44,203
そして この場合は 
通り道にとって重要となる

29
00:01:44,203 --> 00:01:46,473
２つのことに注目できます

30
00:01:46,473 --> 00:01:50,143
交差点と その間にある
大蛇の体です

31
00:01:50,143 --> 00:01:55,591
または「グラフ理論」で言うところの
「頂点」と「辺」です

32
00:01:55,591 --> 00:01:59,611
「辺」は 移動する上で必要なものなので
重要です

33
00:01:59,611 --> 00:02:02,959
そして「頂点」は
辺をつなぐために重要で

34
00:02:02,959 --> 00:02:07,555
辺から辺へ走る際に
選択の必要があるかもしれない場所です

35
00:02:07,555 --> 00:02:11,055
この 頂点と辺への
単純化によって

36
00:02:11,055 --> 00:02:15,206
グラフ又は
ネットワークとして知られる ―

37
00:02:15,206 --> 00:02:17,806
普遍的で重要な
数学的対象が得られます

38
00:02:17,806 --> 00:02:23,680
私たちは 数学者が「オイラー路」と呼ぶ道を
どう進むかをただ考えればいいのです

39
00:02:23,680 --> 00:02:27,760
全ての辺を１度だけ通る道のことです

40
00:02:27,760 --> 00:02:32,763
では 道の全体を見るのではなく
１つの頂点を拡大して見てみましょう

41
00:02:32,763 --> 00:02:37,580
あなたは 走っている間に 
頂点に入って そこから出ます

42
00:02:37,580 --> 00:02:39,920
これで２つの辺を使います

43
00:02:39,920 --> 00:02:43,102
また入ると
再び出る必要があり

44
00:02:43,102 --> 00:02:46,222
別の辺のペアを使うことになります

45
00:02:46,222 --> 00:02:51,265
つまり 通り道にある全ての頂点には
ペアとなる辺があるのです

46
00:02:51,265 --> 00:02:56,067
各ペアのうち 一方の辺は入口
もう一方は出口として機能します

47
00:02:56,067 --> 00:03:02,524
ということは 全ての頂点から出る辺の数は
偶数でなければなりません

48
00:03:02,524 --> 00:03:06,454
でも２つだけ例外があります 
始点と終点です

49
00:03:06,454 --> 00:03:10,364
そこでは入ることなく出られるし
その逆もまた然りです

50
00:03:10,364 --> 00:03:13,494
大蛇が作ったネットワークを
もう一度見てみましょう

51
00:03:13,494 --> 00:03:16,793
各頂点から出る
辺の数を数えると

52
00:03:16,793 --> 00:03:20,224
先ほど見たものと一致するパターンが
浮き上がってきます

53
00:03:20,224 --> 00:03:25,391
各頂点は偶数の辺を持っていますが
２つの頂点は例外です

54
00:03:25,391 --> 00:03:30,597
一方が道の始点で
もう一方が終点となるはずです

55
00:03:30,597 --> 00:03:35,236
興味深いことに 
奇数の辺を持つ頂点が

56
00:03:35,236 --> 00:03:40,288
ちょうど２つある連結ネットワークは
オイラー路も含んでいます

57
00:03:40,288 --> 00:03:44,725
奇数の辺を持つ頂点が
存在しない場合も同様で

58
00:03:44,725 --> 00:03:49,453
その場合は 道の始点と終点が
同じ地点になります

59
00:03:49,453 --> 00:03:52,833
それを知った上で
グラフ全体を見直してみましょう

60
00:03:52,833 --> 00:03:55,818
この辺から始めてみましょう

61
00:03:55,818 --> 00:03:59,908
これで 終点まで
大蛇全体をジグザグに

62
00:03:59,908 --> 00:04:01,848
行ったり来たりできます

63
00:04:01,848 --> 00:04:05,398
これは解答のひとつにすぎません
規則的であることは役立ちますが

64
00:04:05,398 --> 00:04:07,904
始点と終点が分かってしまえば

65
00:04:07,904 --> 00:04:11,784
他にも多くの方法を
発見できるでしょう

66
00:04:11,784 --> 00:04:14,474
ちょうど良いタイミングで
ハンマーを高く掲げていると

67
00:04:14,474 --> 00:04:18,484
オーディンが世界を救う雷サージを
あなたに送ります

68
00:04:18,484 --> 00:04:21,531
するとあなたは 今までに一度も
走ったことがないかのように走ります

69
00:04:21,531 --> 00:04:26,348
もしこれが見事成功すれば
北欧の神々の力は誰にも止められないでしょう

70
00:04:26,348 --> 00:04:30,518
同じような生き物がまだいて
前かがみで近付いてきたら…

71
00:04:30,518 --> 00:04:33,167
その話はまた別の機会にしましょう