僕らは今、とあるおかしなカジノにいると考えよう。 とてもおかしなゲームをしているカジノさ。 君はテーブルに近づくと、その上には 空の袋があるんだ。 テーブルを取り仕切る奴はこう言う、「見て、ここにいくつかビー玉がある。 3つの緑色のビー玉と、2つのオレンジ色のビー玉さ。 これを袋に突っ込む。」 その言葉通り、彼はビー玉を空の袋に突っ込んだので 中には3つの緑色のビー玉と2つのオレンジ色のビー玉があることが確実に分かる。 そして彼は言う、 「君にプレイしてもらいたいゲームは、もし君が乗り気ならだけど、 中を見ずに袋に手を入れてもらう。 袋は透明でないし ビー玉の質感は全く同じだ。 2つの緑色のビー玉を取り出せたら君の勝ち。 まず1回目に取り出したビー玉が緑なら、 それをテーブルの上に置く。 そしてもう一度袋に手を入れ もう1つビー玉を取り出す。それもまた緑色なら 君は賞金を受け取る。 2つの緑のビー玉を取り出せば 1ドルの賞金だ。」 それで君は答える。 「面白そうなゲームだね。 賭け金はいくら?」 そいつは 35セントだと答える。 言うまでもなく、かなり賭け金の低いカジノだ。 さてここで問題だ、 君はこのゲームをプレイしたいと思うかい? ただし、面白さについては考慮しないことにしよう。 お金の損得だけを考えた時、 このゲームをプレイするのは理にかなうだろうか? さて、確率についてしばし考えよう。 まず最初に、1番目に取り出したビー玉が緑色である確率はどのくらいだろう? 1番目のビー玉が緑色である確率は? おっと、「最初が緑」と略させてもらうよ。 「最初が緑の確率」と。 起こりうる全ての場合の数は、 同様に確からしい5つのビー玉があるから、 全部で5通りある。 そのうち「最初は緑」となる事象は3つだから 最初が緑になる確率は 3/5 だ。 だから君には 3/5 の見込みがあるわけだ。 3/5 の確率、だけど気を付けるべきは 1つ取り出した後もゲームはまだ続いてるってことだ。 今、本当に関心があるのは、ゲームに勝つ確率だ。 1つ目が緑で、さらに2つ目も緑になってほしいのさ。 これについて少し考えよう。 最初が緑になる 確率はどのくらいだろう? 「g」と略して書くことにしよう。 次に2番目が緑になる確率は? もしかすると、君はこう言いたくなるかもしれない。 「ああきっと、2番目が緑の確率も同じように 3/5 で、 単に 3/5 と 3/5 を掛ければ良いんだよ。 だから 9/25 が答えさ。 簡単なことじゃないか。」 でも、1番目の緑のビー玉の扱いを思い出してほしい。 1番目の緑のビー玉を取り出して、それを見た後、君はそれを袋に戻さない。 だから2回目に取り出す時、袋の中の緑のビー玉の数は 1回目の取り出しによって変わっているんだ。 ビー玉を取り出した時、 それが緑色であろうと、そうでなかろうと、 1回目に取り出したものはテーブルの上に置いておくことに注意しよう。 ビー玉はもとの袋に戻らないから、取り出した分は減ってしまう。 だから1回目と2回目の事象は独立でない。 「独立でない」という言葉の意味を明確にしよう。 言い換えるなら、2回目の取り出しは1回目に依存する。 「1回目に依存」と。 1回目に緑が出た時、バッグの中のビー玉は5つ、うち3つが緑色、というわけではなく 1回目が緑なら、残りのビー玉は4つ、うち緑色なのは2つだ。 これによって、2つの事象が起こる確率が分かる。 そう、最初が緑の確率は常に一定だ。 掛ける、ここが今回の新しい考え方だけど、2回目が緑の確率を求めるには ある条件を考慮する必要がある。この小さい垂直な線は、 ある条件を満たした上での確率であることを示す。 ここで、条件があることを示すんだよ。 次に条件を書く。ここでは「最初が緑」が条件だ。 最初が緑だったと仮定して、2回目が緑になる確率はいくつだろう? さて、ここに筋書きを描こう。 1回目のビー玉が緑なら、残りの起こりうる事象は4通りある。 5通りではないよ。 そのうち基準を満たすのは2通りだ。 基準を満たすのは2通りだよ。 だから1回目のビー玉が緑で、さらに2回目のビー玉も緑になる確率は まず最初が緑になる確率、 つまり 3/5 だね。 掛ける、1回目が緑と仮定した時の、2回目が緑となる確率。 今 袋の中のビー玉は1つ減っていて、1回目が緑だと仮定しているから 残りの緑のビー玉は2つだけだ。 この式によると、最終的な確率はいくつだろう? ええと、3/5 掛ける 2/4 で、 2/4 は 1/2 と等しいから 3/5 掛ける 1/2 となって イコール 3/10 だ。 0.30 とも書けるし、 袋に戻すことなく2つの緑のビー玉を取り出すのに 30%の見込みがあるとも言える。 さて、これをもとに、もう一度問題を考えてみよう。 このゲームをプレイしたいと思うかい? さて、このゲームをとてもとてもたくさんプレイした時、 平均すると30%の確率で 賞金の1ドルを得る。 まだ終わりじゃないよ。 賞金の期待値を計算すると、 30% 掛ける 1ドル、 あくまで目安だけど、 30セントになる。 30%の確率で1ドルを得るから、 ゲームをとてもとてもたくさんプレイした時に 期待できる賞金は 1ゲームあたり平均30セントだ。 さて、君は平均30セントを得るために 35セントを支払いたいと思うかい? 嫌だね。そんなことはしたくない。 ここでもう一つ考えてほしいことがある。 もし最初に緑のビー玉を 取り出した後、それを袋に戻せるなら そのゲームをプレイしたいと思うかな? この条件でプレイしたいか、考えてみよう。