1 00:00:00,646 --> 00:00:03,964 僕の名前はハリー・ベーカー ハリー・ベーカーが僕の名前 2 00:00:03,964 --> 00:00:08,867 君の名前がハリー・ベーカーなら 僕らの名前は 同じ 3 00:00:08,867 --> 00:00:10,307 (笑) 4 00:00:10,307 --> 00:00:12,494 ちょっとした導入部でね 5 00:00:12,954 --> 00:00:14,486 やあ 僕はハリー 6 00:00:14,486 --> 00:00:17,063 数学を研究し 詩を書く 7 00:00:17,063 --> 00:00:21,266 だから 素数をテーマとした 愛の詩から始めよう 8 00:00:21,266 --> 00:00:22,915 (笑) 9 00:00:24,055 --> 00:00:26,281 題は『59』 10 00:00:26,281 --> 00:00:29,171 『素敵な素数』とでも しようかと思ったけど 11 00:00:29,171 --> 00:00:31,071 そうやって 皆 ひいちゃうからね 12 00:00:31,071 --> 00:00:32,560 (笑) 13 00:00:32,560 --> 00:00:34,836 では『59』を 14 00:00:36,736 --> 00:00:39,359 59が目覚めたのは 縁起悪くも ベッドの反対側 15 00:00:39,359 --> 00:00:41,910 なぜか髪の毛は 片側にペッタリ 16 00:00:41,910 --> 00:00:45,797 ちょっと考えて 寝相のせいだと気付く 17 00:00:45,797 --> 00:00:47,713 適当な服を探して 身に付ける 18 00:00:47,713 --> 00:00:50,539 鏡をのぞいて ちょっと悦に入る 19 00:00:50,539 --> 00:00:53,372 荒削りながら カジュアルさも兼ね備える自分 20 00:00:53,372 --> 00:00:56,993 窓の外に目を見やると 目を奪われるのは 21 00:00:56,993 --> 00:00:58,495 向かいの「60」 22 00:00:58,495 --> 00:01:00,288 60の美しいこと 23 00:01:00,288 --> 00:01:03,316 爪の先まで完ぺきで ピッタリの装い 24 00:01:03,316 --> 00:01:04,753 ぶしつけさ など微塵もない 25 00:01:04,753 --> 00:01:08,036 これ以上ないほど いつも ピッタリの時間に現れ 26 00:01:08,036 --> 00:01:10,183 それも 超クールに やってのける 27 00:01:10,183 --> 00:01:13,490 59は伝えたかった 彼女の好きな花を知っていると 28 00:01:13,490 --> 00:01:16,162 毎分 毎秒 毎時間 彼女のことを思い続けるも 29 00:01:16,162 --> 00:01:18,801 思いが届かないことは分かっていた 決して結ばれない運命 30 00:01:18,801 --> 00:01:20,911 通りのすぐ向かいにいる 彼女とは 31 00:01:20,911 --> 00:01:22,451 住む世界が違うのだ 32 00:01:22,451 --> 00:01:24,881 59は 丸まったキレの良い60を こよなく愛すも 33 00:01:24,881 --> 00:01:29,597 60は 59を“奇”数としか 思えないから(笑) 34 00:01:31,957 --> 00:01:35,752 59が好きな映画は 『101(ワン・オー・ワン)』 35 00:01:35,752 --> 00:01:38,754 60が好きなのは 続編の『102(ワン・オー・ツー)』 36 00:01:38,754 --> 00:01:41,870 ロマンティックな59は 二人を薄幸な恋人だと疑わず 37 00:01:41,870 --> 00:01:45,043 二人の力を合わせ “奇”“偶(遇)”で軌跡を起こせると信じた 38 00:01:45,043 --> 00:01:48,243 一方 60は母からの 厳しい言いつけどおり 39 00:01:48,243 --> 00:01:50,040 二人の溝は埋められない そう固持した 40 00:01:50,040 --> 00:01:52,208 そのとき 59は ママに支配された娘を 41 00:01:52,208 --> 00:01:54,850 愛そうとすることに 無力さを感じていたが 42 00:01:54,850 --> 00:01:57,239 少し計算を働かせれば 癒されたはずだった 43 00:01:57,239 --> 00:01:59,669 60から59を引けば 残りは1で唯一無二の存在だから 44 00:01:59,669 --> 00:02:02,197 ウジウジして 2ヶ月が過ぎ 45 00:02:02,197 --> 00:02:04,649 61日後に 59は「61」と出会った 46 00:02:04,649 --> 00:02:06,871 彼は鍵を失くし 両親も外出中だった 47 00:02:06,871 --> 00:02:08,993 ある放課後のこと 彼がその家をふと見ると 48 00:02:08,993 --> 00:02:11,506 ドアの番号は 少しくずしたスタイルだと気が付いた 49 00:02:11,506 --> 00:02:13,991 なぜ これまで 話しかけなかったのだろう 50 00:02:13,991 --> 00:02:16,119 彼女に招き入れられた59は 口をあんぐり 51 00:02:16,119 --> 00:02:19,308 61は60に似ていて ちょっと大きいだけ(笑) 52 00:02:19,308 --> 00:02:22,710 彼女の方が目が可愛らしく 親しみある笑顔だった 53 00:02:22,710 --> 00:02:25,136 そして彼と同様 荒削りでカジュアル 54 00:02:25,136 --> 00:02:27,512 そして彼と同様 すべてが無秩序 55 00:02:27,512 --> 00:02:30,345 そして彼と同様 母親は友だちが来ても気にしない 56 00:02:30,345 --> 00:02:32,440 彼女は彼に似ていて 彼は彼女が好きだった 57 00:02:32,440 --> 00:02:35,198 二人が似ていることを知れば 彼女も好きになると 彼は踏んだ 58 00:02:35,198 --> 00:02:38,076 今回はいつもと違った この子は素敵だった 59 00:02:38,076 --> 00:02:40,636 彼は勇気をふり絞って “数字”を尋ねた 60 00:02:40,636 --> 00:02:45,350 「私は61よ」という彼女に 彼はにっこり「僕は59」と答えた 61 00:02:45,350 --> 00:02:46,983 「今日 僕はすごく楽しかった 62 00:02:46,983 --> 00:02:49,556 明日 良かったら 僕の家に来ないかい?」 63 00:02:49,556 --> 00:02:50,419 「もちろん」と彼女 64 00:02:50,419 --> 00:02:52,603 奇抜な人と話すのが 大好きな彼女は 65 00:02:52,603 --> 00:02:54,551 非公式のファースト・デートの 誘いに乗った 66 00:02:54,551 --> 00:02:56,711 彼の準備が整ったのは 約束の1分前 67 00:02:56,711 --> 00:02:59,435 でも彼女は1分遅く到着したので 何の問題もなかった 68 00:02:59,435 --> 00:03:01,879 その瞬間から ノンストップでおしゃべりが続いた 69 00:03:01,879 --> 00:03:04,354 二人は『Xファクター』を好み 二つのファクター(因数)を持つ 70 00:03:04,354 --> 00:03:08,454 これは欠点どころか 二人の存在意義を高めていた 71 00:03:08,454 --> 00:03:11,239 夜が明けるころには 互いが運命の人だと感じていた 72 00:03:11,239 --> 00:03:14,213 ある日 彼女は うぬぼれ屋の60について話していて 73 00:03:14,213 --> 00:03:16,140 少し不愉快そうにする 59に気付いた 74 00:03:16,140 --> 00:03:17,837 彼は顔を赤らめ かつての恋心を打ち明けた 75 00:03:17,837 --> 00:03:20,604 「ああなって良かったんだ 僕たちが出会えたからね」 76 00:03:20,604 --> 00:03:23,446 61は賢明だった 嫉妬にとらわれることもなく 77 00:03:23,446 --> 00:03:26,148 彼の目を見て とても優しく諭した 78 00:03:26,148 --> 00:03:31,140 「君は59で私は61 二人合わせると60の2倍になるの」 79 00:03:31,140 --> 00:03:34,483 (笑) 80 00:03:34,483 --> 00:03:36,770 このとき 59は 目に涙をため 81 00:03:36,770 --> 00:03:39,388 こんな唯一無二の娘に 出会えたことを喜んだ 82 00:03:39,388 --> 00:03:41,588 彼は“素数”たることの 意味を話した 83 00:03:41,588 --> 00:03:44,345 彼の心を分かつのは “一(いち)”と彼自身だけ 84 00:03:44,345 --> 00:03:46,769 そして彼女こそ 心を預けたい唯“一”の存在だと 85 00:03:46,769 --> 00:03:50,098 彼女は 同じ気持ちだと答えた 映画は半分本当だとやっと分かった 86 00:03:50,098 --> 00:03:52,919 あれは真の愛ではなく ただの見本にすぎない 87 00:03:52,919 --> 00:03:56,193 真の愛においては 二人こそが“素”晴らしい例なのだ 88 00:03:56,193 --> 00:03:57,888 ありがとう 89 00:03:57,888 --> 00:04:02,648 (拍手) 90 00:04:08,522 --> 00:04:10,334 これが僕が初めて書いた詩で 91 00:04:10,334 --> 00:04:14,753 素数がテーマの詩の夜会のため―(笑) 92 00:04:14,753 --> 00:04:17,973 いや 素数がテーマの 詩のコンテストのため書いたものです 93 00:04:17,973 --> 00:04:21,200 僕は 素数がテーマの詩の コンテストで優勝したから 94 00:04:21,200 --> 00:04:24,709 まさに “素”晴らしいわけだ(笑) 95 00:04:24,709 --> 00:04:27,657 こうして僕は 「ポエトリー・スラム」なるものを知った 96 00:04:27,657 --> 00:04:29,791 念のために言うと 「ポエトリー・スラム」は 97 00:04:29,791 --> 00:04:32,485 アメリカで30年前に 作られたもので 98 00:04:32,485 --> 00:04:35,457 人をだまして 詩のイベントに参加させる方法です 99 00:04:35,457 --> 00:04:38,312 それも 最後に「スラム」とか 格好良い言葉を付けるだけ 100 00:04:38,312 --> 00:04:39,706 (笑) 101 00:04:39,706 --> 00:04:42,608 参加者が与えられた3分間で 詩を披露すると 102 00:04:42,608 --> 00:04:45,403 ランダムに選ばれた聴衆が スコアカードを掲げ 103 00:04:45,403 --> 00:04:47,530 最後に集計されて 点数が出される 104 00:04:47,530 --> 00:04:48,738 つまりは― 105 00:04:48,738 --> 00:04:51,943 パフォーマーと聴衆の 垣根をなくし 106 00:04:51,943 --> 00:04:54,653 聴く者とのつながりを 強めるもので 107 00:04:54,653 --> 00:04:56,681 さらには あなたも勝てるということ 108 00:04:56,681 --> 00:05:01,021 ポエトリー・スラムで優勝すれば スラム・チャンピオンを名乗って 109 00:05:01,021 --> 00:05:03,412 レスラーのふりもできる 110 00:05:03,412 --> 00:05:07,476 負けたらこう言えばいい 「何?詩は主観的な芸術形式だ 111 00:05:07,476 --> 00:05:09,774 数で評価するとは何事か」 112 00:05:09,774 --> 00:05:11,467 (笑) 113 00:05:11,467 --> 00:05:13,814 でも僕は気に入って 何度もスラムに参加し 114 00:05:13,814 --> 00:05:16,113 イギリスの スラム・チャンピオンになり 115 00:05:16,113 --> 00:05:19,178 パリのポエトリー・ワールド・カップに 招待されました 116 00:05:19,178 --> 00:05:20,617 信じられないことでした 117 00:05:20,617 --> 00:05:24,133 世界中から人々が集まり 自国の言語で話し 118 00:05:24,133 --> 00:05:26,585 英語のできないフランス人5名が 評価をするんです 119 00:05:26,585 --> 00:05:28,744 (笑) 120 00:05:28,744 --> 00:05:32,715 ともかく 僕は勝った 最高だったよ 121 00:05:32,715 --> 00:05:35,849 以来 僕は 世界中を旅できたんだから 122 00:05:35,849 --> 00:05:37,892 ということで これから紹介する詩が 123 00:05:37,892 --> 00:05:41,375 まさに世界で 最高の詩なんです 124 00:05:41,375 --> 00:05:45,369 (笑) 125 00:05:45,369 --> 00:05:46,785 ですから― 126 00:05:46,785 --> 00:05:51,638 (拍手) 127 00:05:51,638 --> 00:05:54,633 英語のできない フランス人5名によればね 128 00:05:54,633 --> 00:05:58,557 『ペーパー・ピープル』です 129 00:05:58,557 --> 00:06:00,636 僕は人が好き 130 00:06:00,636 --> 00:06:02,992 僕は紙の人も好き 131 00:06:02,992 --> 00:06:06,173 紫色の紙の人 飛び出す紫色の紙人も 132 00:06:06,173 --> 00:06:08,913 ちゃんとした 飛び出す紫色の紙人 133 00:06:08,913 --> 00:06:11,839 「飛び出す紫色の紙人なんか 立たせられないだろう?」 134 00:06:11,839 --> 00:06:14,253 君の叫びが聞こえるよ それはね... 135 00:06:14,253 --> 00:06:17,011 僕は 飛び出す紫色の紙人の ペーパークリップで 136 00:06:17,011 --> 00:06:20,662 飛び出す紫色の紙人を 立たせるわけさ 137 00:06:20,662 --> 00:06:23,399 でも 念のために 接着剤も用意しておくかな 138 00:06:23,399 --> 00:06:26,171 粘着剤「ブル・タック」を一箱 紙がすべったときのためにね 139 00:06:26,171 --> 00:06:28,254 飛び出す都市を つくることができるけど 140 00:06:28,254 --> 00:06:31,135 紙人の政治問題に 巻き込まれたくなくてね 141 00:06:31,135 --> 00:06:33,496 紙政治家の政策なんて 紙のように薄っぺら 142 00:06:33,496 --> 00:06:35,720 公約を破ろうが ちゃんと謝罪もしない 143 00:06:35,720 --> 00:06:39,575 小さな紙の僕と 小さな紙の君がいて 144 00:06:39,575 --> 00:06:42,799 僕たちは紙のペーパーテレビを見る ペイ・パー・ビューでね 145 00:06:42,799 --> 00:06:44,273 (笑) 146 00:06:44,273 --> 00:06:47,539 ケシの紙ラッパーは 紙パックをラップし 147 00:06:47,539 --> 00:06:52,509 紙人の乗り物が A4地点で紙詰まりを起こすのを眺める 148 00:06:52,509 --> 00:06:55,248 (笑) ペーパー 149 00:06:55,248 --> 00:07:00,402 紙のプリンセス・ケイト でも 皆が目を離せないのは 紙のピッパ 150 00:07:00,402 --> 00:07:03,385 誰もが紙裂きジャックに 怯えて生きる 151 00:07:03,385 --> 00:07:06,439 紙のプロパガンダは 偏見を広め 152 00:07:06,439 --> 00:07:09,095 写真写りのよいテロリストたちの 写真を紙に印刷する 153 00:07:09,095 --> 00:07:11,615 小さな紙の僕 小さな紙の君 154 00:07:11,615 --> 00:07:14,288 飛び出す人々の間では 問題も飛び出す 155 00:07:14,288 --> 00:07:17,295 仰々しい紙の議会は 聖域となり 156 00:07:17,295 --> 00:07:20,282 紙削減に対する プロテストを無視 157 00:07:20,282 --> 00:07:23,524 平和的な紙のプロテストは 粉々に破れ去る 158 00:07:23,524 --> 00:07:26,064 先制攻撃の警察による 紙吹雪弾で 159 00:07:26,064 --> 00:07:29,639 もちろん紙のお金もあり 紙(私)欲もある 160 00:07:29,639 --> 00:07:32,358 意地汚い紙の銀行員は 必要以上を懐におさめ 161 00:07:32,358 --> 00:07:35,106 ポプリを買って 紙(資)産を粉飾 162 00:07:35,106 --> 00:07:37,776 他の者は貧困に生き 軽くあしらわれる 163 00:07:37,776 --> 00:07:40,248 “正しき”貧しい経済は 多くが“正しく”貧しいが 164 00:07:40,248 --> 00:07:43,153 彼らの要望は無視され お金は大戦へとつぎ込まれる 165 00:07:43,153 --> 00:07:45,245 折り紙軍隊は 紙飛行機計画を広げて見せるものの 166 00:07:45,245 --> 00:07:47,605 一方 我々は自らの紙鎖に 囚われたまま 167 00:07:47,605 --> 00:07:51,264 もっと恥ずべきことに 事態はまるで変わらない 168 00:07:51,264 --> 00:07:54,172 ただ 権力者が変わり 責任転嫁先が変わっただけ 169 00:07:54,172 --> 00:07:57,611 権力者は名をあげて非難するが それが人の名であったことを忘れてしまう 170 00:07:57,611 --> 00:08:00,697 結局 名前というより 人の問題だからだ 171 00:08:00,697 --> 00:08:02,144 僕は人が好き 172 00:08:02,144 --> 00:08:03,965 切迫したときでも 173 00:08:03,965 --> 00:08:06,224 人だけが 元気づけてくれる 174 00:08:06,224 --> 00:08:09,459 紙の上では 僕たちの動きは見えにくい 175 00:08:09,459 --> 00:08:12,120 でも パンドラの箱の底にだって まだ希望が残っている 176 00:08:12,120 --> 00:08:14,953 だから 僕は希望を持っている 人を信じているから 177 00:08:14,953 --> 00:08:17,275 人に好かれている 僕の祖父母 178 00:08:17,275 --> 00:08:19,090 僕が生まれてから 一日もかかさず 179 00:08:19,090 --> 00:08:22,305 僕のために 毎朝祈りを捧げてくれた 180 00:08:22,305 --> 00:08:25,719 7892日続けて 僕のことを心配してくれて 181 00:08:25,719 --> 00:08:27,713 本当にありがたい 182 00:08:27,713 --> 00:08:30,417 おばのように 囚人と劇を演じる人たちもいる 183 00:08:30,417 --> 00:08:32,601 真の許しをできる人たち 184 00:08:32,601 --> 00:08:34,520 迫害を受けた パレスチナ人のような人たち 185 00:08:34,520 --> 00:08:37,174 私利私欲のために 道を外れた人たちは 186 00:08:37,174 --> 00:08:38,868 何も得ることはできない 187 00:08:38,868 --> 00:08:41,043 人は強くなれるんだ 188 00:08:41,043 --> 00:08:44,198 権力を牛耳る人が 被害者ぶるからといって 189 00:08:44,198 --> 00:08:46,250 そんな制度に 屈することなんてない 190 00:08:46,250 --> 00:08:48,595 紙人の世界だって同じ 191 00:08:48,595 --> 00:08:52,313 小さな紙の僕と 小さな紙の君がいて 192 00:08:52,313 --> 00:08:54,941 飛び出す人たちの間では 人の問題が飛び出す 193 00:08:54,941 --> 00:08:58,324 でも たとえ世界が崩れ落ちようと 僕たちは大丈夫 194 00:08:58,324 --> 00:09:00,785 だって 僕たちは人だもの 195 00:09:00,785 --> 00:09:03,247 ありがとう 196 00:09:03,247 --> 00:09:07,496 (笑) 197 00:09:18,688 --> 00:09:21,543 ありがとうございます もう1つ行けそうです 198 00:09:21,543 --> 00:09:25,038 僕にとって 詩は自由に アイデアを表現する至極の手段 199 00:09:25,038 --> 00:09:26,040 詩を始めたとき 200 00:09:26,040 --> 00:09:29,145 僕が刺激を受けたのは 素晴らしいストーリーのある人たち 201 00:09:29,145 --> 00:09:33,281 順風満帆の18歳の僕は フツウすぎると思った 202 00:09:33,281 --> 00:09:37,007 でも 僕の経験や夢 信じることを話せる― 203 00:09:37,007 --> 00:09:38,331 そんな世界をつくれた 204 00:09:38,331 --> 00:09:41,326 だから 今日こうして 皆さんの前に立てて光栄です 205 00:09:41,326 --> 00:09:42,742 ここにいる皆さんに感謝します 206 00:09:42,742 --> 00:09:44,019 皆さんが ここにいなければ 207 00:09:44,019 --> 00:09:46,759 昨日のリハーサルと 同じ状況ですから 208 00:09:46,759 --> 00:09:48,826 (笑) 209 00:09:48,826 --> 00:09:51,403 こちらは もっと面白いです 210 00:09:51,403 --> 00:09:53,563 『サイシャイン・キッド(太陽の光の子)』 211 00:09:53,563 --> 00:09:56,697 それではお楽しみください― 212 00:09:56,697 --> 00:10:00,087 年老いた日の光は 息子のような太陽が自慢だった 213 00:10:00,087 --> 00:10:02,553 小さな彼が走る姿に 一日が一層輝いた 214 00:10:02,553 --> 00:10:05,219 彼が何かしたわけでも 問題が解決したわけでもない 215 00:10:05,219 --> 00:10:08,134 ただ彼が日当たりの良い場所に ずっといただけ 216 00:10:08,134 --> 00:10:10,730 いつも こんな風にはいかない 217 00:10:10,730 --> 00:10:13,461 明るさを隠そうと するときもある 218 00:10:13,461 --> 00:10:15,597 どんな星だって 困難の周期にぶち当たる 219 00:10:15,597 --> 00:10:18,801 暗闇の彼らを呼び覚ますには より明るい光が必要だった 220 00:10:18,801 --> 00:10:21,155 彼が星雲に 生まれたとき 221 00:10:21,155 --> 00:10:23,474 誰も彼が普通だなんて 思わなかった 222 00:10:23,474 --> 00:10:25,210 彼は フレアを放っていたから 223 00:10:25,210 --> 00:10:26,765 ミダス王が触れると 黄金になるが 224 00:10:26,765 --> 00:10:29,203 彼が近づくと 全てが少しブロンズ色になった 225 00:10:29,203 --> 00:10:31,847 そう この子は 他の人よりも愛された 226 00:10:31,847 --> 00:10:34,579 ヨセフと彼のドリームコート 兄弟のように 227 00:10:34,579 --> 00:10:37,516 目立つのも 善し悪し 228 00:10:37,516 --> 00:10:40,106 彼が輝きすぎれば 妬みが敵を生んだ 229 00:10:40,106 --> 00:10:41,417 シャドー・ピープルみたいに 230 00:10:41,417 --> 00:10:43,818 シャドー・ピープルは サンシャイン・キッドを嫌った 231 00:10:43,818 --> 00:10:46,585 シャドー・ピープルの闇の行いに 光を当てたから 232 00:10:46,585 --> 00:10:49,735 シャドー・ピープルが隠した場所を 照らしたとき 233 00:10:49,735 --> 00:10:52,353 シャドー・ピープルは キッドを始末しようと企んだ 234 00:10:52,353 --> 00:10:54,707 まずは 彼の黒点を からかった 235 00:10:54,707 --> 00:10:57,525 空から彼の夢を打ち砕いた 銃弾のごとく 236 00:10:57,525 --> 00:11:00,103 彼はクールではないと 思い知らせるために 237 00:11:00,103 --> 00:11:02,587 お蔭で彼は 学校の人気者に溶け込めなかった 238 00:11:02,587 --> 00:11:06,152 宙ぶらりんな彼の頭を 地に着けてやると言った 239 00:11:06,152 --> 00:11:09,143 彼は何者でもなかったが それこそ 彼の存在価値 240 00:11:09,143 --> 00:11:11,277 彼は大学にも 行くことはなかった 241 00:11:11,277 --> 00:11:14,046 彼が唯一取った“一番”は “第一”度熱傷 242 00:11:14,046 --> 00:11:15,754 近寄りすぎた者たちは 243 00:11:15,754 --> 00:11:17,342 彼は明るすぎると言った 244 00:11:17,342 --> 00:11:19,519 だから 誰も 彼の目を見ようとはしない 245 00:11:19,519 --> 00:11:20,991 彼の判断は曇った 246 00:11:20,991 --> 00:11:22,915 太陽が泣き始めると 247 00:11:22,915 --> 00:11:24,158 蒸発した涙で 空は曇った 248 00:11:24,158 --> 00:11:29,405 サンシャイン・キッドは明るく 温かい性格で 249 00:11:29,405 --> 00:11:31,332 心は燦々と燃えていた 250 00:11:31,332 --> 00:11:33,701 影の人たちの汚い言葉で 傷ついていた 251 00:11:33,701 --> 00:11:36,278 彼の心には穴が開き ぽっかりと傷跡が残った 252 00:11:36,278 --> 00:11:40,016 彼が頑なになるにつれ 輝きを失っていった 253 00:11:40,016 --> 00:11:42,600 名前が呼ばれるたび 彼の炎は勢いを失った 254 00:11:42,600 --> 00:11:45,277 彼は 少し光を落とせば 彼らに好かれるかと考えた 255 00:11:45,277 --> 00:11:48,468 でも 彼らは忙しなく 光はひどいと話して回った 256 00:11:48,468 --> 00:11:51,254 彼はもはや ついていけなかった 257 00:11:51,254 --> 00:11:54,096 彼は そんな言葉を呑み込み 影に隠れた 258 00:11:54,096 --> 00:11:56,235 テキサス州のように ひとつ星の州になった 259 00:11:56,235 --> 00:11:58,661 まるで みぞおちを 殴られたようだった 260 00:11:58,661 --> 00:12:02,718 そこに現れたのが リトル・ミス・サンシャイン 261 00:12:02,718 --> 00:12:05,650 大好きな歌を歌っていた ―私たちは強くなれる 262 00:12:05,650 --> 00:12:09,156 人に合わせなくていい そのままでいい 263 00:12:09,156 --> 00:12:11,362 だって 私たちの心は お星さまだから― 264 00:12:11,362 --> 00:12:15,193 リトル・ミス・サンシャインは 超イケてた 265 00:12:15,193 --> 00:12:17,458 一目見ただけで 266 00:12:17,458 --> 00:12:19,174 すべてを忘れてしまう 267 00:12:19,174 --> 00:12:21,164 彼はとにかく 彼女が忘れられなかった 268 00:12:21,164 --> 00:12:23,645 一目見たときから 彼女の姿が網膜に焼き付いた 269 00:12:23,645 --> 00:12:25,957 とびきり素晴らしい彼女は 彼を受け入れた 270 00:12:25,957 --> 00:12:29,220 この子が好きだったのは いつも彼のそばにいると分かっていたから 271 00:12:29,220 --> 00:12:32,121 事態は思ったほど暗くない 彼は夢を見た 272 00:12:32,121 --> 00:12:35,055 影なんてどこにもない 彼女がいると 彼は輝いた 273 00:12:35,055 --> 00:12:37,528 彼の目はランランとし もはや隠せなかった 274 00:12:37,528 --> 00:12:40,667 彼女の笑顔は眩しく 憎悪の言葉も消え去った 275 00:12:40,667 --> 00:12:43,865 二人は互いにニックネームを付けた 「クール・スター」「陽気・サン」 276 00:12:43,865 --> 00:12:46,615 次第に 彼に影を落としていたことも 消え去って行った 277 00:12:46,615 --> 00:12:50,552 10の24乗ある宇宙の星に1つという 特別な存在の彼女は 輝かしく 278 00:12:50,552 --> 00:12:53,371 冷血の爬虫類でさえ 朱に染めた 279 00:12:53,371 --> 00:12:56,038 チリ人からブラジル人まで 何十億人に愛され 280 00:12:56,038 --> 00:12:58,730 サンシャイン・キッドに “しなやかな心”を教えてくれた 281 00:12:58,730 --> 00:13:01,562 彼女は言った 「世界中の暗闇を集めても 282 00:13:01,562 --> 00:13:04,836 たった一本のろうそくに灯る明かりを 消すことなんてできない 283 00:13:04,836 --> 00:13:06,946 なのに なんで君の光が 消されてしまうの? 284 00:13:06,946 --> 00:13:09,875 君自身が消しているんだよ 空は果てしない 285 00:13:09,875 --> 00:13:11,692 光を灯し続け 批評家を黙らせるのよ」 286 00:13:11,692 --> 00:13:14,861 心の窓である目にかかったカーテンを 彼女は再び開け 287 00:13:14,861 --> 00:13:16,841 卑しき者たちにも 太陽の光を当てた 288 00:13:16,841 --> 00:13:19,429 逆境の宇宙では 星々は共に身を寄せ合う 289 00:13:19,429 --> 00:13:22,335 昼が夜になっても 記憶は永遠に消えない 290 00:13:22,335 --> 00:13:25,031 天気予報がどうであれ 晴れ晴れとした顔で 291 00:13:25,031 --> 00:13:27,668 雲に隠れても この子はずっと輝く 292 00:13:27,668 --> 00:13:30,531 そう サンシャイン・キッドは明るく 温かい性格で 293 00:13:30,531 --> 00:13:32,188 心は燦々と燃えていた 294 00:13:32,188 --> 00:13:35,532 火に勢いを借りて 銀河の先にいる彼に 295 00:13:35,532 --> 00:13:38,318 信じることを教えてくれた 彼女に支えられて 296 00:13:38,318 --> 00:13:41,058 ありがとうございました 297 00:13:41,058 --> 00:13:47,722 (拍手)