WEBVTT 00:00:00.381 --> 00:00:02.383 未来について何が分かりますか? 00:00:02.383 --> 00:00:05.448 難しい質問ですが 答えは簡単です 何も分かりません 00:00:05.448 --> 00:00:07.939 誰にも未来を予測することはできません 00:00:07.939 --> 00:00:12.578 でも未来の姿を 描くことはできます 00:00:12.578 --> 00:00:15.911 この時 革新的な アイディアが生まれます 00:00:15.911 --> 00:00:18.197 刺激的ですし 何より― 00:00:18.197 --> 00:00:21.245 これまでの考えを打ち破る点で とても重要です 00:00:21.245 --> 00:00:22.573 未来のビジョンを描いた人は 00:00:22.573 --> 00:00:24.623 これまで沢山います 00:00:24.623 --> 00:00:27.979 例えば 20世紀初頭に発表された こちらのイラストは 00:00:27.979 --> 00:00:32.039 未来の海上飛行機だそうで 00:00:32.039 --> 00:00:35.652 大西洋を横断するのに 1日半しかかからないそうです 00:00:35.652 --> 00:00:39.153 この未来図は現実になりませんでした 00:00:39.153 --> 00:00:42.085 現在 一番大きい飛行機は 00:00:42.085 --> 00:00:44.884 エアバスA380 かなり大きくて 00:00:44.884 --> 00:00:46.432 沢山の人々を運ぶことができます 00:00:46.432 --> 00:00:48.953 先ほどお見せした海上飛行機とは 00:00:48.953 --> 00:00:51.164 技術的にも完全に異なります 00:00:51.164 --> 00:00:53.134 私はエアバスとチームを組んで 00:00:53.134 --> 00:00:54.713 もっと持続可能な 00:00:54.713 --> 00:00:57.645 未来の航空機の姿を 創造しています 00:00:57.645 --> 00:01:00.130 私たちにとって 持続可能性を考慮するのは 00:01:00.130 --> 00:01:01.904 社会的に とても大切ですが 00:01:01.904 --> 00:01:04.994 同時に 環境や 経済価値も重要です 00:01:04.994 --> 00:01:07.900 そこで 私たちは 自然界に見られる 00:01:07.900 --> 00:01:11.508 骨や骨格のデザインを模倣した 00:01:11.508 --> 00:01:13.233 とても斬新な構造を考案しました 00:01:13.233 --> 00:01:15.483 そんなわけで 少し奇抜な外観になりました 00:01:15.483 --> 00:01:19.311 ものづくりの構造に携わっている方は 特にそう思われるかもしれません 00:01:19.311 --> 00:01:21.774 でも 少なくとも様々な 未来の可能性について 00:01:21.774 --> 00:01:26.964 模索するための 一案になります 00:01:26.964 --> 00:01:29.116 では未来の航空機の 客層はどうなるでしょう? 00:01:29.116 --> 00:01:30.964 高齢の方がいて 若い方がいる 00:01:30.964 --> 00:01:33.696 女性の社会進出が進んでいて 00:01:33.696 --> 00:01:37.699 私たちに全員に影響する メガトレンドが訪れます 00:01:37.699 --> 00:01:40.124 未来の人体測定について 00:01:40.124 --> 00:01:43.616 子供たちの体は 大きくなっているみたいですが 00:01:43.616 --> 00:01:46.118 私たちも横の方に大きくなっています 00:01:46.118 --> 00:01:51.802 そこで とても密集している機内に 00:01:51.802 --> 00:01:53.927 スペースが必要です 00:01:53.927 --> 00:01:55.665 色んな人がいるわけですから 00:01:55.665 --> 00:01:59.223 高齢の方々のように 00:01:59.223 --> 00:02:01.895 健康増進が必要な方もいます 00:02:01.895 --> 00:02:03.765 個々のニーズに合うサービスを 受けたいですし 00:02:03.765 --> 00:02:09.258 移動中も時間を有効に 使いたいと思うでしょう 00:02:09.258 --> 00:02:11.555 そこで考えたのが 00:02:11.555 --> 00:02:14.735 最新のマン・マシン・インターフェースを 00:02:14.735 --> 00:02:19.106 航空機に搭載して 一つの製品にすることでした 00:02:19.106 --> 00:02:22.548 最先端の技術と 乗客のニーズを統合しました 00:02:22.548 --> 00:02:25.076 例えば 機内を 00:02:25.076 --> 00:02:27.289 もっと明るくしたいと思ったとき 00:02:27.289 --> 00:02:29.863 どうやって自然光を取り入れることができるか? 00:02:29.863 --> 00:02:33.259 例えば この飛行機には 窓がありません 00:02:33.259 --> 00:02:35.992 未来に必要なデータと コミュニケーションソフトウェアは 00:02:35.992 --> 00:02:37.665 どうなるでしょうか? 00:02:37.665 --> 00:02:40.566 私は未来の飛行機は 自分の意思を持つと 00:02:40.566 --> 00:02:42.699 信じています 00:02:42.699 --> 00:02:45.178 複雑な技術の集合というよりは 00:02:45.178 --> 00:02:49.600 生き物のように なるんじゃないかと思います 00:02:49.600 --> 00:02:51.722 未来の飛行機は違った様子になります 00:02:51.722 --> 00:02:53.291 様々な場所によって 00:02:53.291 --> 00:02:56.171 機体が乗客と直接交流します 00:02:56.171 --> 00:02:58.272 機材に関しては 00:02:58.272 --> 00:03:00.258 合成生物学の利用も考えられます 00:03:00.258 --> 00:03:03.973 機体を設計する際の 重要なポイントは構造です 00:03:03.973 --> 00:03:07.675 ですから これから機体の構造に 組み込めるような 00:03:07.675 --> 00:03:11.821 新素材がどんどん出てくるでしょう 00:03:11.821 --> 00:03:15.093 旧世界と新世界を 比べてみましょう 00:03:15.093 --> 00:03:17.060 まずは現在の様子から ご覧いただきます 00:03:17.060 --> 00:03:21.340 これはA380に見られる 取り付け用の金具 00:03:21.340 --> 00:03:23.037 とても重いですし 00:03:23.037 --> 00:03:26.188 旧式の設計基準を 遵守しています 00:03:26.188 --> 00:03:29.839 こちらは同じ目的で使う部品ですが 00:03:29.839 --> 00:03:31.988 骨の構造を利用しています 00:03:31.988 --> 00:03:34.508 設計方法が全く異なります 00:03:34.508 --> 00:03:37.229 旧式は1.2キロで 00:03:37.229 --> 00:03:39.172 新式は0.6キロです 00:03:39.172 --> 00:03:42.439 ですから3Dプリントと 新しい設計基準によって 00:03:42.439 --> 00:03:44.031 機体の重量を減らすことができます 00:03:44.031 --> 00:03:46.626 温室効果ガスに直接関係するので 00:03:46.626 --> 00:03:49.280 航空機設計で 重要な課題です 00:03:49.280 --> 00:03:51.100 このアイデアを 掘り下げてみましょう 00:03:51.100 --> 00:03:56.076 自然界では構造や その構成要素は どのように作られるのでしょうか? 00:03:56.076 --> 00:03:59.117 自然界はとても賢いですから 全情報を― 00:03:59.117 --> 00:04:02.314 小さな塊に集約してしまいます DNAです 00:04:02.314 --> 00:04:04.890 そこから より大きな骨格が形成されます 00:04:04.890 --> 00:04:07.384 全情報はDNAに集約されているので 00:04:07.384 --> 00:04:10.549 ボトムアップの手法が取られています 00:04:10.549 --> 00:04:12.543 それがトップダウンの手法と 結合しているわけです 00:04:12.543 --> 00:04:14.861 私たちが普段やっているとおり 00:04:14.861 --> 00:04:17.967 筋肉や骨を鍛えることで 00:04:17.967 --> 00:04:19.967 強化されていきます 00:04:19.967 --> 00:04:22.343 テクノロジーにも 同じ手法を適用できます 00:04:22.343 --> 00:04:26.187 例えば 機体には カーボンナノチューブを使用しますが 00:04:26.187 --> 00:04:30.453 これが大きな つなぎ目のない 機体の骨格になります 00:04:30.453 --> 00:04:33.507 具体的に ご覧いただきましょう 00:04:33.507 --> 00:04:35.641 3Dプリンタの中で カーボンナノチューブが 00:04:35.641 --> 00:04:37.078 成長していく姿を ご想像ください 00:04:37.078 --> 00:04:40.277 これをプラスチックの マトリックスに埋め込んで 00:04:40.277 --> 00:04:43.370 部品にかかる力に対して 強化されます 00:04:43.370 --> 00:04:45.113 莫大な本数があるので 00:04:45.113 --> 00:04:47.306 これを何本もまとめて 00:04:47.306 --> 00:04:50.475 最適な形態にすることができます 00:04:50.475 --> 00:04:52.434 つまり電気やデータを仲介できる 00:04:52.434 --> 00:04:56.467 構造や基礎構造が作れます 00:04:56.467 --> 00:04:58.404 そして これを素材に トップダウンの手法で 00:04:58.404 --> 00:04:59.982 より大きな部品を 00:04:59.982 --> 00:05:03.534 組み立てることができます 00:05:03.534 --> 00:05:06.579 では 未来の飛行機を見てみましょう 00:05:06.579 --> 00:05:08.700 未来の乗客の体型に合わせて 00:05:08.700 --> 00:05:10.323 座席が変形します 00:05:10.323 --> 00:05:12.034 異なる人体測定に適応します 00:05:12.034 --> 00:05:14.743 機内には社交の場があり 00:05:14.743 --> 00:05:17.503 バーチャルゴルフなんかが 00:05:17.503 --> 00:05:19.703 できるでしょう 00:05:19.703 --> 00:05:22.166 最後に 機体の生体工学の構造は 00:05:22.166 --> 00:05:24.327 透明のバイオポリマーの膜で 覆われていて 00:05:24.327 --> 00:05:28.191 飛行機の未来像を 00:05:28.191 --> 00:05:30.584 根本から変えてしまうでしょう 00:05:30.584 --> 00:05:32.608 ジェイソン・シルバは こう言いました 00:05:32.608 --> 00:05:35.131 想像できるなら 実現してみませんか? 00:05:35.131 --> 00:05:36.866 未来でお会いしょう 00:05:36.866 --> 00:05:41.128 ありがとうございました (拍手)