[Script Info] Title: [Events] Format: Layer, Start, End, Style, Name, MarginL, MarginR, MarginV, Effect, Text Dialogue: 0,0:00:07.74,0:00:11.88,Default,,0000,0000,0000,,2009年に2人の研究者が\N簡単な実験をしました Dialogue: 0,0:00:11.88,0:00:15.06,Default,,0000,0000,0000,,太陽系に関する全ての知識を使って Dialogue: 0,0:00:15.06,0:00:21.11,Default,,0000,0000,0000,,50億年先までの \N全惑星の位置を計算したのです Dialogue: 0,0:00:21.11,0:00:25.11,Default,,0000,0000,0000,,そのために2千を超える\N数値シミュレーションを行いました Dialogue: 0,0:00:25.11,0:00:29.83,Default,,0000,0000,0000,,全く同一の初期条件を設定したのですが\N1つだけ条件を変えました Dialogue: 0,0:00:29.83,0:00:33.93,Default,,0000,0000,0000,,水星と太陽との距離を\Nシミュレーションごとに Dialogue: 0,0:00:33.93,0:00:37.80,Default,,0000,0000,0000,,1ミリ未満で変えたのです Dialogue: 0,0:00:37.80,0:00:41.07,Default,,0000,0000,0000,,驚いたことに シミュレーションの約1%で Dialogue: 0,0:00:41.07,0:00:44.12,Default,,0000,0000,0000,,水星の軌道が非常に大きく変わり Dialogue: 0,0:00:44.12,0:00:48.66,Default,,0000,0000,0000,,太陽または金星と衝突する可能性がありました Dialogue: 0,0:00:48.66,0:00:49.60,Default,,0000,0000,0000,,さらに悪いことに Dialogue: 0,0:00:49.60,0:00:54.98,Default,,0000,0000,0000,,あるシミュレーションでは\N内太陽系全体を不安定にしました Dialogue: 0,0:00:54.98,0:00:58.98,Default,,0000,0000,0000,,これは間違いではなく\N結果にこれ程のばらつきがあったのは Dialogue: 0,0:00:58.98,0:01:05.06,Default,,0000,0000,0000,,私どもの太陽系が思っていたよりも\Nずっと不安定だという真実を明かしています Dialogue: 0,0:01:05.06,0:01:10.24,Default,,0000,0000,0000,,天体物理学者たちは\Nこの驚くべき重力系の特性を Dialogue: 0,0:01:10.24,0:01:12.42,Default,,0000,0000,0000,,「N体問題」と称します Dialogue: 0,0:01:12.42,0:01:17.95,Default,,0000,0000,0000,,互いに引力で引き合う2体の動きを\N完全に予測する数式はありますが Dialogue: 0,0:01:17.95,0:01:23.60,Default,,0000,0000,0000,,もっと天体数が多い問題に直面すると\N解析できる術がありません Dialogue: 0,0:01:23.60,0:01:28.86,Default,,0000,0000,0000,,実際に 一般的な数式の項を\N全て書き出すことは不可能になり Dialogue: 0,0:01:28.86,0:01:34.88,Default,,0000,0000,0000,,3体以上の互いに引き合う天体の動きを\N正確に記述できません Dialogue: 0,0:01:34.88,0:01:41.83,Default,,0000,0000,0000,,なぜでしょうか?N体系に含まれる\N未知の変数の数に問題があるのです Dialogue: 0,0:01:41.83,0:01:45.23,Default,,0000,0000,0000,,アイザック・ニュートンのおかげで\Nいくつかの方程式によって Dialogue: 0,0:01:45.23,0:01:49.19,Default,,0000,0000,0000,,天体間に働く引力を表すことができます Dialogue: 0,0:01:49.19,0:01:55.15,Default,,0000,0000,0000,,しかし これらの方程式の未知変数の\N一般解を 見つけようとすると Dialogue: 0,0:01:55.15,0:01:58.00,Default,,0000,0000,0000,,数学的な制約に行き当たってしまいます Dialogue: 0,0:01:58.00,0:02:01.63,Default,,0000,0000,0000,,未知変数1つにつき\N少なくとも1つは方程式が必要で Dialogue: 0,0:02:01.63,0:02:04.10,Default,,0000,0000,0000,,しかも各方程式は \N独立してないといけません Dialogue: 0,0:02:04.10,0:02:08.93,Default,,0000,0000,0000,,最初は 2体系にも位置や速度に関する\N未知変数の数が Dialogue: 0,0:02:08.93,0:02:12.72,Default,,0000,0000,0000,,運動方程式の数より\N多くあるようにみえます Dialogue: 0,0:02:12.72,0:02:14.68,Default,,0000,0000,0000,,ただし 解き方があります Dialogue: 0,0:02:14.68,0:02:18.92,Default,,0000,0000,0000,,2つの天体の相対的な位置と速度を Dialogue: 0,0:02:18.92,0:02:22.62,Default,,0000,0000,0000,,この系の重心からみて考えてください Dialogue: 0,0:02:22.62,0:02:27.35,Default,,0000,0000,0000,,これにより 未知変数の数が減り\N解くことができる系になります Dialogue: 0,0:02:27.35,0:02:33.08,Default,,0000,0000,0000,,軌道を回る3つ以上の天体が関わると\N全てが複雑になります Dialogue: 0,0:02:33.08,0:02:37.46,Default,,0000,0000,0000,,相対運動を考える時の数学的な解法を\N同じようにあてはめても Dialogue: 0,0:02:37.46,0:02:42.09,Default,,0000,0000,0000,,未知変数の数の方が\Nそれを表す方程式の数より多く残ります Dialogue: 0,0:02:42.09,0:02:46.34,Default,,0000,0000,0000,,この系の方程式の変数の数は\Nどう考えても多過ぎて Dialogue: 0,0:02:46.34,0:02:49.61,Default,,0000,0000,0000,,一般解を導き出すことができません Dialogue: 0,0:02:49.61,0:02:53.52,Default,,0000,0000,0000,,解析的に解くことができない\N運動方程式に従う宇宙にある天体は Dialogue: 0,0:02:53.52,0:02:58.63,Default,,0000,0000,0000,,一体どのように動くのでしょうか? Dialogue: 0,0:02:58.63,0:03:01.88,Default,,0000,0000,0000,,例えばアルファケンタウリのような\N3つの星から成る系 は Dialogue: 0,0:03:01.88,0:03:05.36,Default,,0000,0000,0000,,お互いに衝突する可能性がありますし\Nより可能性が高いのは Dialogue: 0,0:03:05.36,0:03:10.47,Default,,0000,0000,0000,,見かけの上では長期間安定していた天体が\N軌道から放り出されることです Dialogue: 0,0:03:10.47,0:03:14.47,Default,,0000,0000,0000,,ほとんど起こり得ない\N安定した幾つかの系を除き Dialogue: 0,0:03:14.47,0:03:20.57,Default,,0000,0000,0000,,起こりうるほぼ全ての場合では\N長期にわたる予測は不可能なのです Dialogue: 0,0:03:20.57,0:03:24.77,Default,,0000,0000,0000,,それぞれが天文学的な数の結果を生む\N可能性を持っており Dialogue: 0,0:03:24.77,0:03:29.58,Default,,0000,0000,0000,,位置や速度の微小な変化に影響されます Dialogue: 0,0:03:29.58,0:03:33.74,Default,,0000,0000,0000,,物理学者たちは\Nこの振る舞いを「カオス」と称し Dialogue: 0,0:03:33.74,0:03:37.47,Default,,0000,0000,0000,,これは N体系の重要な特徴です Dialogue: 0,0:03:37.47,0:03:42.20,Default,,0000,0000,0000,,このような系も決定論的な法則に従っており\N決してランダムなものではありません Dialogue: 0,0:03:42.20,0:03:45.79,Default,,0000,0000,0000,,複数の系が全く同一の条件で始まれば Dialogue: 0,0:03:45.79,0:03:48.24,Default,,0000,0000,0000,,いつも同一の結果にたどり着きます Dialogue: 0,0:03:48.24,0:03:53.98,Default,,0000,0000,0000,,ただし 最初にごく僅かな力が\N加わっただけで 全く違う結果になるのです Dialogue: 0,0:03:53.98,0:03:57.24,Default,,0000,0000,0000,,これは 人間が宇宙探査をする場合のように Dialogue: 0,0:03:57.24,0:04:02.49,Default,,0000,0000,0000,,複雑な軌道も非常に精密に計算する\N必要がある時には 明らかに重要なことです Dialogue: 0,0:04:02.49,0:04:06.49,Default,,0000,0000,0000,,幸い コンピュータ・シミュレーションが\N進歩を遂げてきたので Dialogue: 0,0:04:06.49,0:04:09.38,Default,,0000,0000,0000,,大惨事を避ける方法が幾つかあります Dialogue: 0,0:04:09.38,0:04:13.70,Default,,0000,0000,0000,,益々パワフルになってきたプロセッサーで\N解を概算することにより Dialogue: 0,0:04:13.70,0:04:19.56,Default,,0000,0000,0000,,N体系の動きを長期にわたって\Nより確実性を持って予測することができます Dialogue: 0,0:04:19.56,0:04:22.76,Default,,0000,0000,0000,,3体のうち 1体の質量が非常に軽く Dialogue: 0,0:04:22.76,0:04:25.88,Default,,0000,0000,0000,,他の2体に有意な力がかからない場合は Dialogue: 0,0:04:25.88,0:04:30.73,Default,,0000,0000,0000,,2体系と非常に近似した振る舞いをします Dialogue: 0,0:04:30.73,0:04:34.73,Default,,0000,0000,0000,,この手法は「制限三体問題」として\N知られており Dialogue: 0,0:04:34.73,0:04:41.61,Default,,0000,0000,0000,,例えば 地球と太陽の重力場の中にある\N小惑星を記述する際や Dialogue: 0,0:04:41.61,0:04:46.70,Default,,0000,0000,0000,,ブラックホールと恒星の重力場の中にある\N小さい惑星を記述する際には非常に役立ちます Dialogue: 0,0:04:46.70,0:04:49.48,Default,,0000,0000,0000,,私どもの太陽系に関しては\N幸いなことに Dialogue: 0,0:04:49.48,0:04:56.33,Default,,0000,0000,0000,,少なくとも 今後 数億年は安定していると\Nかなりの確実性を持って言えます Dialogue: 0,0:04:56.33,0:04:58.02,Default,,0000,0000,0000,,とはいえ もし別の恒星が Dialogue: 0,0:04:58.02,0:05:02.00,Default,,0000,0000,0000,,銀河のかなたから地球に向かって来たら Dialogue: 0,0:05:02.00,0:05:03.85,Default,,0000,0000,0000,,一巻の終わりです